2019年10月20日 (日曜日)

R・シュトラウス/影のない女 ウィーン国立歌劇場ライヴストリーミング(シャーガーさん実穂子さんご出演)

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Dirigent Christian Thielemann
Regie Vincent Huguet
Bühne Aurélie Maestre
Kostüme Clémence Pernoud
Licht und Video Bertrand Couderc
Dramaturgie Louis Geisler
 
Der Kaiser Andreas Schager
Die Kaiserin Camilla Nylund
Die Amme Mihoko Fujimura
Geisterbote Clemens Unterreiner
Barak Tomasz Konieczny
Sein Weib Nina Stemme Hüter der Schwelle des Tempels
Daniela Fally Stimme eine Jünglings
Jörg Schneider Stimme des Falken
Maria Nazarova Stimme von oben
Monika Bohinec Der Einäugige
Rafael Fingerlos Der Einarmige
Marcus Pelz Der Bucklige
Michael Laurenz 1. Dienerin
Ileana Tonca 2. Dienerin
Valeriia Savinskaia 3. Dienerin Szilvia Vörös
1. Stimme der Ungeborenen Ileana Tonca
2. Stimme der Ungeborenen Valeriia Savinskaia
3. Stimme der Ungeborenen Stephanie Houtzeel
4. Stimme der Ungeborenen Szilvia Vörös
5. Stimme der Ungeborenen Bongiwe Nakani
1. Solostimme Ileana Tonca
2. Solostimme Valeriia Savinskaia
3. Solostimme Stephanie Houtzeel
4. Solostimme Szilvia Vörös
5. Solostimme Bongiwe Nakani
6. Solostimme Monika Bohinec

過去記事:R・シュトラウス/影のない女 ウィーン国立歌劇場ライヴストリーミング

アンドレアス・シャーガーさんは初役、藤村実穂子さんはノットとの「グレの歌」をキャンセルしてのキャスティング(蛇足ながら「グレ」の代役の歌手は逆転ホームラン状態で大評判だったので特に文句はなし)。

5月にも同歌劇場で上演されたが、主要メンバーは若干変わっている。5月もグールドなど豪華メンバーではあったが、今回は主役級がシャーガーと藤村実穂子さんとコニエチュニーに変更されより強力となっている。10日の公演ではシャーガーさんが風邪を引いてグールドに変更になったが、それでも凄いメンバーだ。グールドは「アリアドネ」に出てるのでたまたまその日空いてたのかな。

(ところでOTTAVAのサイトの公演の日本語説明ページで配役一覧が5月のになっていた。一般の方のTwitterを見てたら「当初の発表からずいぶん変わった」みたいに勘違いしている人もいたので、直したほうがいいかと)

演奏については指揮者もオケも同じなので相変わらず最高であるが、演出は若干変えてるみたい。あまり記憶に自信はないのだけど、冒頭は5月は「配線がうまくいってないのかな?」って思うほど舞台が真っ暗だったし、第3幕の最後はもっと照明が奇麗でお祭りみたいにぴかぴか光ってたのに(楽しみにしてたのに)、今回はなんだか「町の人たちもみんな助かって良かったネ。夫婦愛最高!」的な感じでなんだかベートーヴェンの「フィデリオ」になっちゃった。ただ、バラックの身体不自由な3兄弟がちゃんと助かって嬉しそうに出てきて、いつも他の演出では「あの兄弟は死んじゃったのかしら、それとも行方不明?」と心配してたのでちょっとほっとした。

この演出は前も思ったけど過剰にわかりやすい。冒頭に皇帝がなんかすごくうれしそうに出てきたので、シャーガーさん風邪治って嬉しいのかなとか勝手に思ったけど、よく考えてみたら皇帝は皇后と愛の一夜を過ごして寝室から出てきたのであって(だから嬉しそうなのか)、うばがカーテンをあけると皇后はベッドに寝転んでまったりとしている・・・という具合。そうだ、そもそもはそういう設定だったけど今までの他の演出は二人とも勝手に一人ずつ出てきて歌を歌うみたいな感じだったなあ。

期待の実穂子さんのうばであるが、そういえば日本人がこの役を演じるのを初めて見聞きしたので(まあ、このオペラを日本人だけで上演したのを見たことがないんだけど)、なんか新鮮。しかし影のない女というよりは蝶々夫人のスズキみたいに見える。まあこれは第1幕だけで第2幕からは「怪しい東洋の魔女」感がだんだん出てきた。ただ、第3幕の一連の狂ったうばのシーンは、彼女の持ち味なのか知性が勝っているようであんまり狂った演技でもなく、皇后を失う母の悲しみや愛情みたいなものを強く感じさせる演技と歌であった(なんて書くとちょっと上から目線だな、日本が誇る偉大な歌手にごめんなさい)。そういう演出に変わったのかしらん。

シャーガーさんはグールドよりも若々しい、小回りのきく感じでよかった。美しい皇后役のニーンルトとも金髪でお似合いである。同じオペレッタ出身のルネ・コロと方向性の似ている美声でよいよい。「いかにも皇帝!」みたいな神々しいジェームズ・キングとは少し違って親しみやすい感。(あ、ごめんどのテノールもみんな大好きです。)

コニエチュニーは前にこの役だったコッホよりも見た目親しみやすいというか「いかにも優しそうなオット」感を全面に出していて、(この歌手はなんかワーグナーの悪役のイメージがあったんで)意外に思った。最初に彼の声をナマで聴いたときは「この歌手、どっから声が出てるのかしらー」って思うくらい不思議な発声だった気がしたけど、だんだん私も慣れてきたのか、「いい声だな」と思うようになった。
前回と不動のニーンルト、シュテンメのソプラノ二人はもうこの役では最強なんじゃないかな。とくにシュテンメは神がかりかと。

あと、他に最初に出てくる「伝令使」の役の歌手はとってもかっこよくて声もよかった。2015年に新国立劇場にファーニナル役で出てた人だそうな。

前回もそうだけど、お家芸というか文字通りウィーン国立歌劇場の「十八番」なんだろうけど、それにしてもこの難曲を行方不明にならずに上演することのできるこの団体はやっぱり凄い(しかも毎日のように違う曲やってる)し、いつもノーカットで上演してくれるのも凄いし、ティーレマンも凄いし、是非このプロダクションの映像化をしてもらいたい。もうちょっと何回かやって慣れた感じの上演で。

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2019年10月12日 (土曜日)

R・シュトラウス/ナクソス島のアリアドネ  ウィーン国立歌劇場ライヴストリーミング

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R・シュトラウス:「ナクソス島のアリアドネ」
Dirigent Michael Boder
Regie Sven-Eric Bechtolf
Bühne Rolf Glittenberg
Kostüme Marianne Glittenberg
Licht Jürgen Hoffmann
 
Der Haushofmeister Hans Peter Kammerer
Ein Musiklehrer Jochen Schmeckenbecher
Der Komponist Kate Lindsey
Der Tenor (Bacchus) Stephen Gould
Ein Tanzmeister Thomas Ebenstein
Zerbinetta Daniela Fally
Die Primadonna (Ariadne)Adrianne Pieczonka 
Perückenmacher Wolfram Igor Derntl
Lakai Marcus Pelz
Harlekin Samuel Hasselhorn
Scaramuccio Carlos Osuna
Truffaldin Peter Kellner 
Brighella Leonardo Navarro
Najade Maria Nazarova
Dryade Svetlina Stoyanova
Echo Ileana Tonca

今月は、「アリアドネ」あり、「影のない女」ありのウィーン国立歌劇場シュトラウス月間なので、迷うことなくライブストリーミングに再度入会。でも、なんか以前加入してたamazon経由のだと日本語版がなくなってて、ユーロ貨幣?での入会になりよくわからなかったので(バカなので)、OTTAVAにて入会。しかし何故かパソコンでは再生がうまくいかず、しょうがないのでipadでの再生。画面がちっちゃくて悲しい。まあ音はMakitaラジオだからなかなかいいんだけどなあ。外は台風による豪雨でゴウゴウなので、近所迷惑にもならずに大音量で鑑賞。

今回はピエチョンカ女史とグールド共演の豪華版。ピエチョンカ女史の顔面パック姿が見られたりなかなか眼福であったりもするが(ウィーンのBIPAで買ったのかなあ、紙製のパック)、なんとも一番の眼福は作曲家役のケイト・リンジー。ズボン役がこんなに似合う人、フォン=オッター以来かも。まあもともと美人なんだろうけど、どっちかっつーと男顔なのかな。背も高く足も長くてすらりとしててスーツ姿にもう目が釘付け。しかも歌も素晴らしい。いやツェルビネッタも惚れるでしょう。最後にでキスシーンあったけど今流行りの「百合?」っていうよりほんとに男女みたい。もちろん、「薔薇の騎士」のカンカン役もぴったりそう。なんという美男子。

肝心のツェルビネッタは歌唱が素晴らしく完璧であったけれど、個人的にはあまり好みの声ではなく、もうちょっと若々しさが欲しかったかな。でもまあ、ウィーン国立歌劇場でキャスティングされるだけのことはあり実力派という感じ。拍手はたくさんもらっていた。

日本にたまにやってきてくれるミヒャエル・ボーダーの指揮は手堅いというか、いかにもウィーン国立歌劇場の普通のレパートリーな感じ。なかなかよかった。観に行けた人羨ましい。
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絶賛台風襲来(これから?)のわたしんちなんだけど、お風呂の水をいっぱいためたり、Makitaの充電池に充電したり、懐中電灯の充電池に充電したり、玄関のドアにバスタオルを詰めたり(浸水防止)、私なりにいろいろやってはいるんだけど、どうも私の住んでいる区は停電しないっていうウワサ(大使館が多いから)もあるし、近くに氾濫しそうな川ないし、窓は二重でしかも針金入ってるし、まあ大丈夫かなって思いつつ・・・。どうなるかわからん。避難するにしても、どこに逃げるのだ?
それにしても先週のグレの歌、今週でなくてよかったなって思う。震災以来のグレ中止は辛いわ。

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2019年6月11日 (火曜日)

ハッピーバースデイ!

本日6月11日はリヒャルト・シュトラウス大先生のお誕生日なのだそうです。

で、たまたまネットを見てたらこんな催しをみつけました。

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大阪なので全然行けませんけど、いいなあ。あたしもとことんシュトラウスについて語りたい。でも今日は新垣結衣さんもお誕生日だそうですよ。おめでとうガッキー!

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2019年6月 9日 (日曜日)

東京二期会/R・シュトラウス「サロメ」

 

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東京二期会オペラ劇場 《サロメ》

2019 6. 8〈土〉 14:00  東京文化会館

【ハンブルク州立歌劇場との共同制作】
《サロメ》全1幕 日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演

指揮=セバスティアン・ヴァイグレ

読売日本交響楽団
演出=ヴィリー・デッカー

ヘロデ=今尾滋
ヘロディアス=池田香織
サロメ=森谷真理
ヨカナーン=大沼徹
ナラボート=大槻孝志
ヘロディアスの小姓=杉山由紀
ユダヤ人1=大野光彦
ユダヤ人2=新海康仁
ユダヤ人3=高柳圭
ユダヤ人4=加茂下稔
ユダヤ人5=松井永太郎
ナザレ人1=勝村大城
ナザレ人2=市川浩平
兵士1=大川博
兵士2=湯澤直幹
カッパドキア人=岩田健志

全く行く予定なかったんだけど、急に思い立って当日にネットで券取って行ってきた。4階席8000円。二期会は手数料なしでコンビニ発券できるので良心的。怖い絵展で買ったサロメハンカチを持って鑑賞。人生初の生サロメ(舞台上演)。演奏会形式は昔、N響で聴いたことあり。

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 この日はちょうど大阪でも大フィルがサロメを上演するらしい、という情報を得た。そもそも尾高さんの予定がデュトワに交代。キャストはサロメがバイロイト歌手のメルベートと強力。他の役も東京二期会のドイツ物常連のメンバー、福井さん加納さん望月さん友清さんなどがキャスティング。東京二期会はこの方々なしでシュトラウスを上演するのか。

それでもなお、やや若手で組まれたこの日のキャストは強力。前に「ポッペアの戴冠」で素晴らしい歌唱を聴かせて頂いた森谷さんがサロメ。こないだ見事なイゾルデを聴かせて頂いた池田さんがヘロディアス。日本で数少ないジークフリート歌いの今尾さんと万全である。一番楽しみだったのが池田さんで、きっと強烈な歌唱を聞かせていただけると思ったが期待以上だった。自分が一番最初に(中学生のときに)聴いていたカラヤン盤のバルツァを彷彿とさせる・・・いやもっと強烈かも。

情けない役の今尾さんは、美声ながらサロメ親子に圧倒されまくりで情けない感がすごく出てたし、スケベハゲ親父な演出が多いこの役がやや若めな役作りで観やすかったなあと。というかこの演出は全体的にエロ演出少なめで安心する。

最初の方で死んじゃうナラボート役の大槻さんの美声も印象に残り。この役は美声のリリックテノールがキャスティングされるけど、いつも早く死ぬからもったいないね。

ヨハナーンの大沼さんは最初は某尊師みたいな感じもあったけど(日本人が演じるとどうしてもそうなっちゃうよね)、見慣れるとやっぱりいつものカッコイイ大沼さんで、歌唱も見事。サロメも惚れるよなあと。

しかしやはり一番ブラボー(ブラーヴァ)をもらってたのはサロメ役の森谷さん。普段は蝶々さんとかリリックな(でもまあ蝶々さんはドラマティックでもあるけど)役を歌ってると思われる歌手さんだが、声量もあり清楚な印象ながら地声もなんか怖いし、良かった。ただ、お綺麗な方なのに(演出によって)瀬戸内寂聴さんみたいなツルツルの頭だったのでなんか悲しかった。だからと言ってサロメってそもそもどんな髪型が正しいのかなとか思ったけど。なお、ザロメタンツは踊るというよりは階段の昇り降り運動。

演出は、ヴィリー・デッカー。見渡す限り白い階段、歌手たちの衣装もモノトーンで地味。首切りナーマンの王冠だけが何故か真っ赤。演出上はとくに変わった事はしてない印象。印象に残ったのはサロメがヨハナーンの上着を取っちゃって、ヨハナーンの首と上着を組み合わせて階段上に置いて、首だけでなくちゃんと死体が横たわっているように見えるところにサロメがキスするのでグロテスク要素が減って良かったなあと。まあ、首が出てくる時点で十分グロいんだけど。首に血がべっとり、とかもないので良かった。もっとスプラッタな演出がお好みの方は物足りないかもだけど。

そして最後の最後に、サロメが○○する(あと一公演あるので敢えて伏せ字)のは「おお」と思った。そうね、その方が衝撃は少ないかも。

ヴァイグレの指揮はこの曲にある官能があんまり出てない印象。ダイナミックさを前面に押し出した感じ。もっとねっとりドロドロ演奏がお好みな人は物足りないかも。現代的でこれはこれでいいのかな。

終わった後、謎の感動。緊張感で手をぎゅっと握り続け手汗をかいてた。

それにしても気になるのは大阪の演奏会形式のサロメ。相当良かったようでTwitterに興奮が溢れていたが、私の行った上野の上演と大阪の公演は時間が重なっているので、絶対に両方見聞き出来る人は(タイムマシンでもない限り)いないので優劣は付けられない。でも大阪のが聴けた人は羨ましいなって思った。でも上野も大満足。ただ、舞台が奥行きのある階段なので、後ろの方で歌うと声があまりよく聞こえなかったこと、私がケチったので4階の右端のほうの席だったので若干舞台が見切れるところがあったこと、など心残りもあった。ただ、オケはよく聞こえたし演奏するところがよく見えたので安い席もありかなと思った。

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これなーんだ。

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2019年5月26日 (日曜日)

R・シュトラウス/影のない女 ウィーン国立歌劇場ライヴストリーミング

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R・シュトラウス:「影のない女」

DIRIGENT Christian Thielemann
REGIE Vincent Huguet
BÜHNE Aurélie Maestre
KOSTÜME Clémence Pernoud
LICHT UND VIDEO Bertrand Couderc
DRAMATURGIE Louis Geisler

Der Kaiser Stephen Gould
Die Kaiserin Camilla Nylund
Die Amme Evelyn Herlitzius
Geisterbote Sebastian Holecek
Barak Wolfgang Koch
Sein Weib Nina Stemme
Hüter der Schwelle des Tempels Maria Nazarova
Stimme eine Jünglings Benjamin Bruns
Stimme des Falken Maria Nazarova
Stimme von oben Monika Bohinec
Der Einäugige Samuel Hasselhorn
Der Einarmige Ryan Speedo Green
Der Bucklige Thomas Ebenstein
1. Dienerin Ileana Tonca
2. Dienerin Mariam Battistelli
3. Dienerin Szilvia Vörös
1. Stimme der Ungeborenen Ileana Tonca
2. Stimme der Ungeborenen Mariam Battistelli
3. Stimme der Ungeborenen Virginie Verrez
4. Stimme der Ungeborenen Szilvia Vörös
5. Stimme der Ungeborenen Bongiwe Nakani
1. Solostimme Ileana Tonca
2. Solostimme Mariam Battistelli
3. Solostimme Virginie Verrez
4. Solostimme Szilvia Vörös
5. Solostimme Bongiwe Nakani
6. Solostimme Zoryana Kushpler

(ウィーン国立歌劇場開館150周年記念上演、2019年5月25日)

日本時間の夜中0:30よりストリーミング放送。まあ、OTTAVA.TVにて1650円課金すれば見られたのだが(2019年5月28日23時まで購入可能)、私はamazonプライムに課金しているので、そっち経由で契約して視聴。amazonプライムはいつもAmazonスティックを用いてテレビで見ているので、この映像もテレビで。しかし本当にちゃんと映像が送られてくるのか心配で心配で、カウントダウン1時間前からスタンバってた。今のところ無料期間だから余計心配。あとで気がついたのだが、日本語字幕も操作すれば出てくる。全曲リアタイする予定だったが、いくら最愛オペラでも睡魔に負け、半分くらいで就寝。72時間以内なら何回か見られるので心配はない。

ウィーン国立歌劇場が建てられて150年経った記念の公演。シュトラウスはこの歌劇場ゆかりの指揮者で作曲家であるから、彼の作品がこの記念日に上演されるのは当然かとは思うけど、一番有名な「薔薇の騎士」じゃなくて「影のない女」だというのがまた、意外な感じである。しかし、もしも薔薇の騎士だったらこのライヴナンチャラには私は加入しなかったんじゃないかな。

ティーレマンの「影のない女」というと、ザルツブルク音楽祭で上演されたときのDVDが思い出される。私はもちろん持っているけれど、これがまたヘンテコ演出で、見事な演奏が台無しにに感じられるほどの代物であった。まあ、どんなに酷い演出でも演出の意図さえわかればまだ良さそうなものだが、この上演に関しては意図がわからない。映像でなくてCDで出せばよかったのに。

ザルツブルクの上演もなかなかの豪華メンバーであったが、今回はそれにも増して豪華。主役男性二人はザルツブルクと今回は一緒だが、女性主役3人は総入れ替えである。ザルツブルクでバラクの妻を歌ってたヘルリツィウスは今回はうば役に回った。まあ、このオペラでは皇后とバラクの妻とうば役はどれも同じぐらいボリュームがありそれぞれに難役である。1役だけでも大変なのに2役もマスターしてる、ヘルリツィウスって歌手は改めて凄いなあと。女性3人はそれぞれ日本でも素晴らしい歌声を聞かせてくれたお馴染みの名歌手である。残念ながら私は新国立のサロメに行かなかったので、ニールントは生では聴いてないと思うけど、ヘルリツィウスは飯守さんのパルシファルでクンドリーを歌ってたのを見聞きしたし、ステンメもかなり前にマルシャリンで見た。声はもちろんのこと外見もみんな魅力的だし、とくに皇后役のニールントは輝くような美しさだった。女性3人はパチパチと火花を散らすような歌唱合戦で、もしかしたら男性陣を圧倒してたかも。

歌唱とウィーン国立歌劇場管弦楽団の演奏、そしてティーレマンの指揮に関しては、全く文句のつけようのない名演であると(現場にいなくたって)私は思った。作曲者が「全部演奏したら歌手は大変だしお客さんも飽きて帰っちゃうかもしんないから、まあテキトーにカットしてもいいよ」などとカットを容認してたせいで、数多くの色々なカット演奏が存在し、われわれ影のない女愛好家を混乱に陥れていたが、ティーレマンという指揮者はカットなしで演奏してくれるので本当に助かる。そして全曲演奏しても、隙のない高いクオリティで演奏できることを証明してくれた。

そして、特筆してよいのは演出である。この曲の実演や映像を何度か見てきた私なのだが、一回もト書き通りの上演を見たことはない。いつも時代や場所をよそに移した設定のものばかりである。それが功を奏していることもあるけれど、そろそろホフマンシュタールの考えてる通りの設定の普通の演出が見たいものだと思っていたところ。まあ、そもそもホフマンシュタールもはっきり時代や舞台を決めいているわけではないのだけども(東洋のどっかの島国、くらい)。遠い昔に見た猿之助さんの演出やゲルギエフのときの英国人演出によるものもとても面白くてうまく考えられているなあとは思うし大好きだけど。

今回の上演は演出家の思う「初演の頃はたぶんこうだったんじゃないか」という感じの演出だった。ちゃんと台本に書いてあることが舞台に反映されているので、初めて見る人でもわかりやすかったんじゃないかなと。時代こそなんとなく第二次大戦時っぽくしてはあるけど、ナチスが出てくるわけでもないしはっきりは決めてないっぽい。そして、台本だけではよくわからない部分も演出で補っている(と思う)。とくに、最後の方の皇后の苦悩の独白も、初めて見る人は「なんでこんなにこの人苦しんでいるの?」と思うかもしれないけど、「皇后の頭の中」をちゃんと視覚的に再現して(自分が影を諦めれば、バラク夫婦には子供が生まれて幸せになる。でも、バラク妻の影を取ってしまうということは、この二人の子供を奪うことになる・・・)くれているのでそれはとても親切だと思った。

とくにそのような情報はないのだけど、この上演はブルーレイかなんかになるのかな。そしたら是非購入したい。でも、10月にはまたこの演目の上演が予定されていて、そのときは藤村実穂子さんのうばとシャーガーさんの皇帝が予定されているから(実穂子さんのグレ山鳩降板はこのせいか。しかし山鳩は一回私は聴いたので、彼女の演じるうばが映像でも見られるならそっちのほうが私はいいな)、もしかしたらそっちが発売されるのかも・・・そっちのほうが嬉しいなと色々と夢を膨らますのであった。

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2019年5月25日 (土曜日)

あと13時間

 

楽しみすぎて踊ってる。

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関係ないけど朝スーパー行ったら蟹売ってたので買ってしまった。何でこんなに安いんだろう。中身はいってるのかな。さっきまで生きてたっぽい。夕飯に食べようっと。

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2019年5月23日 (木曜日)

ウィーン国立歌劇場ライヴビューイングに入会してみた。

私は大家さんにより強制的に(というか、マンションのテレビアンテナの調子が悪かったので)ケーブルテレビに加入しているのだがどうも最近専門チャンネル的なものはあまり観なくなってしまった。

唯一楽しみにしていたファミ劇の「本当にあった呪いのビデオ」もなんか嘘くさいと思えて見なくなってしまった。YouTuberの動画のほうがよっぽど本物心霊っぽいしね。なので、一番安い基本料金のコースにした。地上波とBSは観られますが。

で、お金がちょっと浮いたわ!と喜んでいたんだけど。

あれ、Amazonプライム・ビデオの画面にウィーン国立歌劇場の公演が見られるライヴビューイングのやつがあるじゃん、とふと気がついて、中身を見てみたらなんと!何日かあとにティーレマンの「影のない女」の公演があるじゃないか。

で。

何日か考えて、「一ヶ月間無料お試し」に入会したのであった。一ヶ月になる前に退会してしまえば、タダ。たぶんチョンミョンフンのオテロまで観られる。これから色々と観られる演目を見ていたら、10月までうんとガマンすればブリテンの真夏の夜の夢があり、ナクソス島があり、そしてなにより再び「影のない女」がやってくる。それは我が敬愛するワーグナー歌手二人、シャーガーさんと実穂子さんの夢の共演じゃないですか。なので10月にまた入会すればよい。来年はリングもあるみたい。シャーガーさんがジークムントで。

入会したその日がロッシー二の「セビリアの理髪師」であった。生中継?のあともしばらく見られるようで、また今日も観ているが重度のロッシー二音痴の私でもとても素晴らしかった。残念ながら入会が曲の途中だったんだけど、それでも演奏の素晴らしさはわかるし(オケがもうね、本物)、とにかくフローレスの美声に酔いしれた。他の歌手全然知らないけどみんなめっちゃうまかった。あと幕間に放送される「舞台裏」みたいなのも面白いし。ウィーン行ったことある人は懐かしいし、行った事ない人も行きたくなる。私は今すぐ行きたい気持ちになってしまっただ。

(なお、ottavaでもお金を払えば見られるそうです。字幕ありなのかな?よく知らないけど。)

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近々、健康診断があるので、体調を気にして塩分控えめにしたりお酢を飲んだりしているのだけど。やっぱり減塩料理は味気ないなあ、と思うわけです。なので私が編み出した(そんな大層なものではないが)料理がこれだ。

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いやあもう、まるで「世界の〇〇ちゃん」みたいな手羽先ではないですか(全然違う?)。いかにもしょっぱ辛そうでしょう。ところがこれ、塩分ほとんどない。フライパンでこんがり焼き付けたあと、黒酢をまわしかけてみりんとほんのひと垂らしの減塩醤油と隠し味に豚丼のタレをちょっぴりかけて、手羽肉に絡ませながら煮詰めて、あらびきコショウと胡麻をたっぷり振って出来上がりなのだ。黒酢を使っているのでくどそうな見かけと違ってすごくさっぱりとしててコクもあって美味しい。お酢の効果なのかお肉がすごく柔らかくなるし。何よりもも肉よりもずっとお安いのがいいよね。近所のスーパーの安売りで手羽先4本で150円くらい。黒酢はちょっと高いけど健康によいからいいよね。

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2016年11月27日 (日曜日)

東京二期会/ナクソス島のアリアドネ 2016

R・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」
プロローグと1幕のオペラ
日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
台本:フーゴー・フォン・ホフマンスタール
作曲:リヒャルト・シュトラウス
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執事長 : 多田羅迪夫
音楽教師 : 小森輝彦
作曲家 : 白𡈽理香
プリマドンナ/アリアドネ : 林 正子
テノール歌手/バッカス : 片寄純也
士官 : 渡邉公威
舞踏教師 : 升島唯博
かつら師 : 野村光洋
召使い : 佐藤 望
ツェルビネッタ : 髙橋 維
ハルレキン : 加耒 徹
スカラムッチョ : 安冨泰一郎
トゥルファルデン : 倉本晋児
ブリゲッラ : 伊藤達人
ナヤーデ : 冨平安希子
ドゥリヤーデ : 小泉詠子
エコー : 上田純子
管弦楽:東京交響楽団
指揮:シモーネ・ヤング
演出:カロリーネ・グルーバー
装置:ロイ・スパーン
衣裳:ミヒャエラ・バールト
照明:喜多村 貴

(11月26日 日生劇場)
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過去記事:飯守さんのナクソス島のアリアドネ(関西二期会)
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東京二期会/ナクソス島のアリアドネ(2008)
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昨日観てきた。なんだかもう、一晩明けてまだ頭がいっぱい、おなか一杯。「大満足」というよりは、「大変なものを観た」という感。ただでさえカオス感いっぱいのこのオペラ、数多くの仕掛けや演出で、もっとカオスなものになってしまった。
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印象を一行でまとめると、「ドイツ=オーストリア風吉本新喜劇+三谷幸喜+欽ちゃんの仮装大賞」・・・かな。とにかく舞台のあちこちでいろいろなことがひっきりなしに行われている。歌手の皆さんの歌唱以外の演技の負担は半端なく(とくにツェルビネッタ)。その上やたらと早いテンポでそれを行わなければならず、早回しの映像を見てるよう。もう何もかも・・・「よくやった」という感想。
が。
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断っておかなきゃならないのだけど、実は一階席の前から6番目でかなりいい席だと思ったら・・・またやってしまった。前の客の座高が高く、妖怪人間ベラのごとく髪の長い女性で、舞台の5分の1は隠れてしまって私は右に寄ったり左に寄ったり忙しかった。頭の上半分邪魔・・・キルビルのユマ・サーマンを呼びたくなった、いやそんな殺人事件起こしたくないです。
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なので、全部は見えてません。音はものすごくよく聞こえた。まあニッセイは小さいホールなのでどこも聞こえるけど。前にカプリッチョ観た時は2階席だったなあ。2階席にすればよかった。
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マエストラ・シモーネ女史の指揮はナマでは初めて。ただ、彼女のリングの録音は持っていてとても素晴らしいものだった。指揮・オケに限れば古今のリングの録音でも、かなり高レベルのものかと。ただ、歌手的には現代の歌手なのでごく普通にようろっぱで聴かれるレベルのもの。コンサートやシンフォニーは聴いたことがないので、比べようがないのだけど、彼女はかなりの劇場人であると思った、今回の上演を見聞きして。何だろう、ちょっとあらかわバイロイトのハンマー先生を思い出した。歌手とのタイミングはバッチリだし、音楽がゆるいところは一切ない。早めのテンポでぐんぐんと進める。しかも盛り上げるところは十分に盛り上げる。
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二期会、よく彼女を呼んだなあと。
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で、プロローグ。序奏から素晴らしい。緩急がちゃんとついていて、まるでCDで昔の名盤(ケンペとか)の演奏を聴いているようである。
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舞台は後方に地下駐車場。ホテルのエントランススペース。本家の劇場よりは舞台が狭いためか少し簡素化。本家の舞台写真と違い舞台に車は入れないので自転車で引っ張られた車の中からツェルビネッタご一行が出てくる。服装はなんというか・・・70年代ドイツっぽいというか。ヒッピーっぽいというのか派手だ。もしりゅうちぇる&ぺこちゃんがこの中に現れても違和感ない。プリマドンナも林さんも(お奇麗な方なのに)プロローグではヘンなピンクのスーツでなんかオバサンっぽい。
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そもそもドタバタ劇なのだが、もっとドタバタしている。歌ってる後ろでもいろんなことをしているし、お笑い担当歌手の方々はひっきりなしに(本チャンのリハーサルで)踊っている。覚えるの大変だったろうなあ。今はやりの恋ダンスでも踊ればよかったのに。舞台横に着替え室?的なものが男性用・女性用と並んでおり、その中でどさくさに紛れて音楽教師とプリマドンナがやっちゃってて、上演時間になり衣服を直しながら慌てて出てくる。
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ツェルビネッタ役は明るい茶色の髪のショートカットで、ちょっとIMARUちゃんみたいな感じだなあと。
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プロローグ終わって休憩。ロビーやトイレを歩き回る。日生劇場ってホントに古いというか、レトロな雰囲気。いろいろな思い出があり懐かしい。
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後半のオペラ。結婚式場の客席かなんかみたい。舞台はなく、観客の周りで(ホントに余興で)行われている感じ。アリアドネはアリアを歌いながら観客のワインを取り上げて飲んじゃったりする。羽を付けて高い靴をはいた3人の女性独唱者。端役ながらとても素晴らしい。もっとブラヴォー言ってやって。プリマドンナの林さんはさすがに素晴らしい豊麗な声。昨年は舞台で米とぎながらアリア歌ってたんだなあと、胸熱。来年はマルシャリンだそうだが、佐々木典子さんの跡を継ぐシュトラウス歌手になりつつあるのかな。
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期待のツェルビネッタ。これはホントにすごいぞう。ただでさえクソ難しいこのアリアを一つも音を外すことなく美しく歌唱しているのに、なおかつテーブルから飛んで4人の男性歌手に体を受け止められたり、はたまた胸だのいろんなところを男性に触られながら超絶技巧の歌を歌うというのは、いったいどんな感じなのだろう。いやほんと、恐ろしい度胸である。(実は正月に彼女の出るオペラコンサートに行くのだが、俄然楽しみになってきた。)
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演出ではその他、ちっちゃいスクリーンみたいなものが登場してその後ろで男性たちが演じて影絵のようになり、それとともにツェルビネッタが演じたりするのは楽しいのだが、早いテンポなので「忙しそうだなあ・・・ここまでやんなくても、歌だけでも十分楽しいのに・・・」という感想。何故か男性たちはフランツヨーゼフとかウィーンの皇帝に早変わり、ツェルビネッタはシシィの服装で、ホントに忙しい。
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そのあと、バッカスが登場するので音楽がにわかに慌ただしくなり、3人の女性があれこれ状況を説明したりする歌を聴いているうちに、何か知らんけど涙が溢れてきて。何だろう、この涙は。
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まるで女優さんのように美しいすらりとした林さん(ちょっと天海祐希さんみたい)と、いかにもオペラ歌手体形の(ちょっとプロレスラーっぽい)バッカスの似合わなさがいかにもオペラっぽく。最後の二重唱はとても幻想的な演出で、二人のほかは周りはスローモーションで。シュトラウスの音楽は本当に美しい、素晴らしい。こんなにこの曲って感動するものだったの。別にナマで聴くの初めてじゃないのに。最後はなぜか全員バタバタと倒れ、プロローグから出ていたキューピッド(子役)が出てきて、観客のほうに矢を向けて、終わり。このわけのわからなさがいかにもドイツから持ってきた舞台って感じ。
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前回ダナエのときは2回観に行ったけど、今回はこの1回だけ。なんか1回で十分堪能。ほんとに・・・歌手の皆様お疲れ様でしたと言いたい。
 

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2016年11月26日 (土曜日)

さっき観てきたばっかりなのに

1480164891882.jpg もう次の公演案内が家のポストに。てか、二期会どんだけシュトラウス好きなんだよ。困ったなあ。

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2016年10月30日 (日曜日)

ポーランド・ラジオでザルツブルグのダナエを聴く

Webdie_liebe_der_danae_2016_tomas_2ネットのポーランドラジオで今年のザルツブルグで上演されたシュトラウスのダナエを(日本の真夜中に)放送していたのだが、寝過ごしたので第2幕のダナエが固まったところから鑑賞。昨年の二期会で観てからちょろっと流れるだけでグッときてしまうくらいこの曲が好きなので、これ観に行けた日本人ウラヤマシス。
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ウィーン・フィルで(初演のザルツブルグで)この曲聴けるだけで素晴らしい。NHKプレミアムでやってたようだが(うち衛星ないので見てない)映像DVD出ないのかな。ギリシャ神話のはずなのに写真で見るとアラビア?っぽい。やたらみんな頭にかむっているものがでっかくて歌いにくそう。でもザルツブルグにしてはしんどい演出ではなさそう(「影のない女」の演出の酷さよ)。
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キャストは、残念なことにリアルタイムの欧米活躍歌手に疎い私なので、日本によく来るコニエチュニーがジュピターを歌っているくらいで誰も知らない・・・と思ったら、2011年のチャイコフスキー・コンクールの男声部門で優勝したバスのJongmin Parkさん(フツーの会社員みたいな容姿なのにやたらとドスの聴いた低い美声でお笑いの「麒麟」みたいだなと思った人)が4人の王様の一人で出ているのだね。でっかいコンクールで優勝しても活躍しないで消えていく人が多い中、ちゃんとザルツブルグに出演したりしているのを知ると(全く無関係だが)嬉しい。聴けなかったけど。
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メストは比較的さらりとした指揮で、二期会のときに第3幕の間奏曲で号泣したので(いや、私だけでなく周り結構泣いてたし)ちょっと違和感が。こんなもんかあ。そういえば二期会ではなんであんなに感動したんだろ。メルクルでよかったのかな。

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