2023年7月28日 (金曜日)

読売日本交響楽団 第630回定期 ヴァイグレ&樫本大進 細川&シュレーカー

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モーツァルト:フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K. 477
細川俊夫:ヴァイオリン協奏曲「祈る人」(国際共同委嘱/日本初演)
モーツァルト:交響曲第31 ニ長調 K. 297 「パリ」
シュレーカー:あるドラマへの前奏曲
指揮 : セバスティアンヴァイグレ
ヴァイオリン : 樫本大進
読売日本交響楽団

(7月27日 サントリーホール)

ヴァイグレがシュレーカーを振る!これは行かなくちゃ!とは思ったけど普通の木曜日だったので券は取らず。しかし定時で上がれたので、当日券で鑑賞。勿論、1等席だぜ!ウィークデイのせいか一捻りした曲目のせいか結構空席が目立った。私だってシュレーカーがなかったら絶対行かない(モツ苦手、現代音楽苦手)

フリーメイソンなんちゃらは、初めて聴くが何だかずいぶん前に旅行したザルツブルクを思い出して懐かしい気分。普段モーツァルトを耳にしてもそんなこと無かったのにな。

細川さんの新作を、ベルリンフィルのコンマス樫本さんが演奏。祈る人、という題名は、このところのコロナ禍や戦争、そして作曲家自身の母の死と、ご病気をしていたことが背景にあり、樫本さんが演奏する姿が何か祈る人のようだ、と思っていたこともあり付けられたようだ(と、ご自身の解説にあった)前の曲と相まって団員の誰か亡くなったのかな?みたいな雰囲気(んなこたあない)。さすがベルリンフィルのコンマスは違うな、音がいいな、とか思いつつ鑑賞。拍手は盛大で、作曲者も舞台上へ。はて、ところで私、細川さんを見るの初めてで、名前といつも耳にする曲の雰囲気から勝手にスタイリッシュで黒が似合うシブいオヤジを想像してて、本人は人の良さそうな方だったので自分の勝手な想像を笑った。

樫本さんのアンコールはイザイの無伴奏ソナタ第4番とのこと。ヤバいくらいカッコいい曲と演奏だった。

さて、休憩時間が終わって自分の席の2列前を見ると、さっきまで舞台で弓を振るっていた方が座ってる。観客の品の良いお婆様たちに「素晴らしい演奏をありがとうございました」とか言われていた。知り合いかな。私はシャイな人なんでそんな事言えないわ、世界の樫本さんに向かって。

パリは飛ばして。

待ちに待ったシュレーカー。いやあ、この曲大好きなんですよ。あ、元になったオペラ「烙印を押された人々」ね。オペラのほうはCD全曲盤持ってる。ヴァイグレ盤じゃなくてツァグロゼクの国内盤ね。モツの小編成から突然の大編成。鳥肌が立っちゃう繊細な弱音から大音量まで、ナマでこの曲聴くの初めてで本当に幸せでみんなありがとう(←誰に感謝?)。まるでアーニャみたいな怪しい表情でにやにやしながら聴いてた。20分くらいの曲なんてもったいない、1時間くらいやってほしい。日テレカメラ来てたからこの曲も放送しないかな。樫本さんだけかな。

こんなマイナー曲ながら意外と拍手鳴り止まず、オケがはけたあとヴァイグレ再登場。いつか演奏会形式でも全曲やってくれないかなあ。

 

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2020年11月23日 (月曜日)

藤倉大「アルマゲドンの夢」新国立劇場(最終日)

藤倉大:オペラ「アルマゲドンの夢」
台本ハリー・ロス
(H.G.ウェルズの同名小説による)
指揮:大野和士
演出:リディア・シュタイアー
美術:バルバラ・エーネス
衣裳:ウルズラ・クドルナ
照明:オラフ・フレーゼ
映像:クリストファー・コンデク
ドラマトゥルク:マウリス・レンハルト
クーパー・ヒードン:ピーター・タンジッツ
フォートナム・ロスコー/ジョンソン・イーヴシャム:セス・カリコ
ベラ・ロッジア:ジェシカ・アゾーディ
インスペクター:加納悦子
歌手/冷笑者:望月哲也
新国立劇場合唱団 
東京フィルハーモニー交響楽団

過去記事:LFJ 2019 ライヒ/ディファレント・トレインズ

<あらすじ>
クーパー・ヒードンは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。クーパーは、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、愛妻のベラと合流し、闇を往く《無限列車》の中で、ジョンソン率いる独裁政治の一派に立ち向かう。夢と現実のはざまで混乱するクーパー。やがて戦争が始まり、ベラは銃で撃たれ息絶える。
(半分くらい鬼滅の刃を混ぜてみました。)

月末にガス点検があり、大掃除に全集中するつもりだったので行かない予定だったが、「こんなブログやってるのにこれを観に行かないのはおかしいと思われるんじゃないか」と思った(いや、別にそんなことはないんだけど)ので慌てて券を購入。

藤倉さんの作品は過去記事にあるとおりにラ・フォル・ジュルネで聴いた。その時聴いたのは「サイレンス・シーキング・ソレス」という英詩による歌曲などで、(自分の感想を見ると)とても気に入ったようだった。だもんで、たぶんオペラもいいんじゃないかな、という期待を持って初台へ。

で、鑑賞後の感想は・・・「うーん」って感じ。現代オペラだということなので音楽的にはある程度覚悟をしていたが、やっぱりなあ・・・という感じ。最初アルバン・ベルク、途中でブリテン、あちこち「中国のニクソン」かな・・・という感じ。現代音楽の世界的レベルってこんななの・・・って感銘を受けた。演奏難しそう・・・。

しかし演出は面白かったなあ。最初のあのへんな被り物(キモカワイイ?)の合唱団のアカペラで始まるのもなんかキャッチーだし、新国立劇場の舞台機構をフルに活用した地下から上がってくる電車もかっこいいし、途中で始まるカラフルな舞踏会(というか、オスカー・シュレンマー風盆踊り?)も楽しいし。

天使になった瀬戸内寂聴さんみたいないでたちの加納悦子さん、(長年彼の舞台を見続けているが)初めて見るすごい女装の望月さんと、日本人出演者も素晴らしかった。最後を「アーメン」の美しいレクイエムでしめるボーイ・ソプラノの子もとても素晴らしかった。最近、児童合唱とかボーイ・ソプラノが舞台に乗るオペラをよく見るんだけど、みんなうまいねえ。

まあ、正直言って・・・「頭のいい方が世界中から日本に集結して作り上げる天才的な舞台を見たけど、頭が悪すぎてついていけない」っていう感想。原作読んでないけど、(いろいろな感想を読んだところ)結構原作との乖離が多いのかな。最近くじ運いいからサイン入り原作本(HGウェルズのサインはないよ)もしかして当たるかなあ・・・と思ったけど当たらなかった。

コロナ禍中とは言え、演出上はほとんどそれを感じさせなかった。鑑賞中はほとんど忘れてた。わたし的には久しぶりの両隣が座っての鑑賞で(4階席はいっぱいだった)、右隣が大変ふくよかな男性で終始呼吸音が気になったし、左隣の若者は終始寝ていた。わがまま言うようで申し訳ないけど、やっぱり一人おきの着席のほうが気分的に楽だよね。

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