2023年9月16日 (土曜日)

東京交響楽団名曲全集第190回 /原田慶太楼 森麻季 森谷真理 大西宇宙

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ロッシーニ:『セビリアの理髪師』から序曲、「それじゃ私だわ・・・嘘じゃないわね?」 ♡★
モーツァルト:『コジ・ファン・トゥッテ』から「彼に向けてください、そのまなざしを」★
モーツァルト:『フィガロの結婚』から「手紙の二重唱」 ♡♢
プッチーニ:『つばめ』から「ドレッタのアリア」 ♡
レオンカヴァッロ:『道化師』から「鳥の歌」♢、「ネッダ!シルヴィオ!こんな時間に…?」 ♢★
ヴェルディ:『椿姫』から序曲、「ヴィオレッタとジェルモンの二重唱」 ♡★
バーンスタイン:『キャンディード』から「着飾って、きらびやかに」 ♢
ベッリーニ:『ノルマ』から「ご覧なさい、ノルマ」 ♡♢
コルンゴルト:『死の都』から「ピエロの歌」 ★
ドヴォルザーク:『ルサルカ』から「月に寄せる歌」 ♡、第2幕 ポロネーズ

東京交響楽団 原田慶太楼指揮
森麻季 ♡、 森谷真理♢(ソプラノ) 大西宇宙★(バリトン)
(ミューザ川崎シンフォニーホール 2023年9月2日)

友人を誘って参戦。実は最初にプログラムにあった「中国のニクソン」の江青女史のアリアを楽しみにしていたのだが、曲目変更されててちょっとがっかり。マニアック過ぎたからかなあ?しかしまあ、私のオペラ鑑賞およびコンサート鑑賞、かなりの割合でこのお三方登場のものが多いので、当然券を取った。日本の声楽界は今やこの三人を中心に回ってるのでは、と思ったり。

ロッシーニとモーツァルトは私は鬼門なので、字幕対訳なくて「ふうん?」って感じでただ美声を楽しんでいた感じだったけど、大好きなプッチーニから俄然テンション上がりまくりで、先日 日本フィルで全曲鑑賞したばかり道化師や、昨年同じキャストで演奏会形式で見聞きした椿姫など実際の舞台を思わせる歌唱と演技を楽しんだ。森さん相変わらず美しいお声とお姿。そして私の一番好きなオペラアリアであるピエロの歌をついに大西さんの歌で聴けて、もうこれから襲い来る年末調整業務もこれで乗り越えられるわ、とか思ったり。

どの歌唱も素晴らしかったけど、中でも森谷さんのクネゴンデのアリアはビックリするくらい素晴らしくて、(YouTubeなどで)数多くの名歌手で聴いてたけど生で聴くとこんなに凄いんだーと感激。いや、私は彼女のサロメ やルルを生で見聞きしてた訳だからそんなにビックリしなくても、とは思ったけど。

友人は森谷さん聴くの初めてで、私以上にビックリ・感動してて、私が今度森谷さんのリサイタルに行く事を話したら、「えー、私も行きたい」と。しかしリリ・ブーランジェとシマノフスキなんて、マニアック過ぎて大丈夫かな。(どんな作曲家?と聞かれて「早死にの女流作曲家と、ポーランドのホ○」などと手短に説明。)

ニコ生で生中継されてて家で録画を見直したのだけど、キャンディードが著作権の問題?で消えてて残念。原田さんがいつかまたこの四人で!とのことだったので一応リクエスト。

・「死の都」第一幕マリエッタのアリア

・「ルイーズ」その日よ

・「アラベラ」アラベラとズデンカの二重唱、またはアラベラとマンドリーカの二重唱

お願いしまーす。

 

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2023年6月25日 (日曜日)

森本隼太 ピアノ・リサイタル2023「幻想」 銀座王子ホール

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ラモー:新クラヴサン組曲より「ガヴォットと6つの変奏」「サラバンド」
ショパン:幻想ポロネーズOp.61
ブラームス:幻想曲Op.116
バッハ/ブゾーニ:半音階的幻想曲とフーガ
モーツァルト:幻想曲 ハ短調 K.475
リスト:ダンテを読んで~ソナタ風幻想曲 S.161
(6月24日 銀座王子ホール)

18才の巨匠(私が勝手に呼んでいるだけ)、森本隼太 さんのピアノ・リサイタルに行ってきた。王子ホール は初めて行ったが、ロビーや階段に絵画が貼ってあったり色々豪華だった。王子製紙のコンサートホールである。

曲順はプログラムとは変わって、いきなり幻想ポロネーズから演奏。昨年浜離宮でも演奏を聴いたけど、今回は前から2番目の席だったので、この時も幻想ポロネーズは弾いたが迫力が倍増。ただ、クラシックのリサイタルでは別になくてもいいと思うのに、本人によるMCとかたどたどしい曲目紹介が相変わらずで、微笑ましくて観客の笑いを誘っていた。たまに出る京都弁もかわいらしい。いやはやずっとこんなでいて欲しい。

ラモーは本当に好きなんだなあ、と思うくらい楽しさが伝わってきたし、ブラームスからは何かが彼の体に入って来たのかな、と思うような入神の演奏。バッハ/ブゾーニは流石にイタリアに留学してイタリア人師匠に習ってるだけあるなあと思うし、モーツァルトの解説は面白かったし。でも何と言っても最後のリストの何かに取り憑かれたような演奏が凄かった。前は気付かなかったが演奏中は終始鼻歌を歌ってたり唸ったり、自由な感じだった。アンコールは2曲でマズルカ13番と2曲目は・・・(貼りだされてなくてわかんなかった。あとでHPで確認)

コンサートとは関係ないが、隣の席のご婦人の香水がかなりきつくて、マスクしててもなおしんどかった。外国のオペラハウスではたまーにそういうことはあったが日本ではそうそうない。「出かけるときに旦那さんに言われませんでした?」とか聞きたいくらいだった。

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それにしてもまあ、こんなご時世なのに普通にチャイコフスキー国際コンクールが開催されているようで、普通にYouTubeで中継されている。司会者やスタッフは終始にこやかで、何事もなかったように画面に出ている。ピアノ部門では2名ほど日本から出ているようだが(他の部門は知らん)、どうか何事もなく無事で帰国して・・・いやよい成績を挙げられますようお祈りしています。

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2023年5月13日 (土曜日)

LFJ2023 ベートーヴェン 有料コンサート(三協&第九)

5月4日 名手たちによる彩のコンチェルト

懐かしきLFJが復活。しかし、あまり普段聴かないベートーヴェンのためあまり気分は上がらず。本日はレミ・ジュニエを久しぶりに拝むため券を買った。まあ、あんまりやらない曲(たぶん)なんで聴けてよかった。本当はレミくんのソロのコンサートが聴きたいものだ。

ベートーヴェン:ピアノと管弦楽のためのロンド※
ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲

谷口知聡 (ピアノ)※

辻彩奈 (ヴァイオリン)
伊東裕 (チェロ)
レミ・ジュニエ (ピアノ)
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 (オーケストラ)
松本宗利音 (指揮者)

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しかし、渋い曲のわりにAホールがかなりいっぱいになっていたので良かったな。東京シティフィルなのも豪華。例年だと海外から謎のオケが来てあんまり上手くなくてガッカリしたりすることもままあるし。

国際フォーラムの屋台村は当然大変な混雑。屋台は値段お高めなのにね。しかし夕方だったせいか、交通会館の名店「ひょっとこラーメン」は並んでなくて、初めて食べる事が出来た。サッパリしてて美味しかった。また食べたい。


5月6日 交響曲第9番「合唱付」

種谷典子 (ソプラノ)
鳥谷尚子 (アルト)
宮里直樹 (テノール)
河野鉄平 (バリトン)
東響コーラス (合唱)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 (オーケストラ)
リオ・クオクマン (指揮者)

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ラフォルジュルネの有料コンサートは2回しか行かなかったけど、最後の第九は前から券取ってあったので夜9時より参戦。前から7番目でこの陣容で3000円はお買い得?

いつも東響のコンサートでお世話になっている?東響コーラスさんが神奈川フィルと共演。lfjではお馴染みのクォクマンが若々しいバネの効いた?指揮ぶりで圧倒。全体的に早めのテンポでスイスイ進み、好ましい。しかし・・・私にとって第九🟰年末なんで、年末調整を思い出しちょっとブルーに。しかし、演奏は素晴らしかったし、あのでっかいAホールいっぱいの観客を前に演奏して、出演の皆さんはさぞ気持ちが良かったろうな、と思う。

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ついでに・・・

この日はイギリス国王の戴冠式。実は英国音楽オタクなので(エリザベス女王戴冠式のCD持ってる)、3時くらいからBBCのYouTubeでずっと観てた。何なら国際フォーラムに入ってからも携帯で観てた。パッパーノが指揮したり、アフリカ系プリマドンナのプリティ・イェンデ、日本でもお馴染みのブリン・ターフェルなどの出演を楽しんだ。そして何より大好きなウォルトンの「戴冠式テ・デウム」をウェストミンスターで生で聴ける人をガチで嫉妬。

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GW無料/日比谷フェスティバルとLFJ丸の内

GWは無料コンサートに行くのが例年の楽しみだが、4年ぶりにやっと開催されたラ・フォル・ジュルネと、存在を今年初めて知った日比谷フェスティバルに行ってきた。以下の出し物を見た(聴いた)。

日比谷フェスティバル4月29日

①狂言「梟」(チーム能楽)

②田原綾子(ヴィオラ)原嶋唯(ピアノ) コンサート

エルガー「朝の歌」「夜の歌」、ドヴォルザーク:ソナチネ、ユモレスク

③仕舞「船弁慶」他(チーム能楽)

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④能「巴」(チーム能楽)

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⑤光のダンスナイト

友人と一日楽しんだ。観覧は全て無料。出し物が伝統芸能で渋いためかさほど混んでなかった。

ネスプレッソが主催の催しなので、コーヒーがただで飲めるのと、ミッドタウン内で高級ワインがただで試飲できるのと、コンサート後にアンケートに答えるとフィナンシェが一個貰えるのが良かった。

おまけに、ミッドタウン内のレストランは何処も行列で入れないので、近隣の飲み屋でせんべろした(しかもハシゴした)おかげで二千円ちょいで1日楽しんだ。

ヴィオラのコンサートのみ地下で演奏。ヴィオラの音はチェロとヴァイオリンの中間くらいで落ち着いた美しい音で素晴らしかった。ピアノはシゲルカワイでまた深い音でよかった。エルガーが聴けてとても嬉しかったが初めて聴くドヴォルザークのソナチネも良かった。そもそもヴァイオリンのための曲との事。

能や狂言などの伝統芸能を観るのは久しぶり。野外なのでたまに救急車の音がしたり、風が強かったりと若干やりにくそうな気もしたが、興味深く見た。外人観光客もちらほら。

(友人が金欠だったので、お金がかからずとても喜ばれた。)

日比谷フェスティバル5月1日

NBAバレエ団によるアダン「海賊」のハイライト公演を鑑賞。NBAは埼玉(所沢ミューズなど)で活動しているバレエ団とのことで(NBSではない)、なんでも「翔んで埼玉」に出演したそう(そーいえば冒頭にバレエ団が踊っていたような・・・うろ。)。2回公演で1回目はまにあわず2回目は30分前から陣取ってたのでよく見えた。外でこんな間近でバレエを見るの初めてだ。

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ラフォルジュルネ 丸の内エリアコンサート5月3日
1. 菊地裕介/ミニコンサート

コンサートというよりは、ベートーヴェンのピアノ曲についての解説。ちゃんと一曲演奏して欲しかったが、それは翌日するみたい。いや、座って観るために1時間も並んだのですが・・・これだったら並ばなくても立ち見で良かったかも。ピアノは毎年だがシゲルカワイ。いつもの茶色いのじゃなかったが。

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2. 東京二期会 オペラ劇場

二期会ガチ勢?なのでこれは是非行かないと。ちゃんと並んで座って観た。夏に上演される二期会の椿姫の宣伝。テノールの岸浪さんはそう言えばノットのあのサロメで代役ナラボート歌われた方だった。こないだのシュトラウスの「平和の日」も出演されてた。美声がまた聴けて嬉しい。また、思いがけず大好きな「椿姫」が聴けて行ってよかったな。

ソプラノの梶田さんも難しいヴィオレッタのアリアを歌い上げて素晴らしかった。可愛かったです。

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バレエの日の日比谷で頂いたランチ。「3代目文治」という牛たんの店。夜行くとちゃんと高い、板前さんがいるようなお店だが、ランチなら鶏もも西京焼き定食は千円で食べられる。とろろ麦飯のうえ小鉢が色々ついてて楽しい。しかし、「たまの外食なのだから奮発して牛たん定食にすればよかった。1690円だし」とあとで後悔した。味は美味しかったです。

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日比谷フェスティバル5月4日

ラフォルジュルネに行く前に参戦。

①水谷千重子50周年記念

明治座150周年記念公演のプロモーションとのこと。水谷千重子こと友近さんはさすがに芸達者で歌もうまい。中森明菜からジャズスタンダードナンバーまで歌いまくる。明治座公演はゲストがとても豪華ですね。清塚信也さん出るのか(うーん、ちょっといきたいかも)。

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②青木ありあさんのミニコンサート

岡山から来た高校生シンガー。何でもNHKのど自慢で優勝したらしい。椎名林檎さんやオリジナル曲などを熱唱。パンチの効いた歌声が素晴らしいです。たまたまなんだけど、外見が姪の高校生の頃にそっくりで、翌日姪に会った時に写真見せてやった。

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2023年2月19日 (日曜日)

第31回Kissポート・クラシックコンサート/大友直人・横山幸雄・他

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モーツァルト:オペラ『魔笛』より 序曲
ブルッフ:スコットランド幻想曲 Op.46
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
指揮:大友直人
ヴァイオリン:福田麻子
ピアノ:横山幸雄
管弦楽:東京交響楽団(2月13日 サントリーホール)

チケットがあまりに安かったので、主催者の長い挨拶があるのでは、とか帰りに何かの寄付を募られるのか、とか某アイドル夫婦の娘さんの飛び入りフルート演奏があるのか、とか色々妄想していたが、全然そんなことはなく。普通のコンサートであった。当日券は席を選べなかったので、ビビって最安席(1400円)にしてしまったが、もっといい席にすればよかった。でも、1階席の後ろから2番目だった。

福田さん独奏のブルッフはヴァイオリン協奏曲と違ってそんなによく聞いた事はなかったんだけど、さすがは大友さんの指揮とあって、ドイツ人の曲というよりヴォーン・ウィリアムズみたいに聞こえた。そう言えば、大友さんのコンサートってイギリス物しか行った事なかったわ。(まあ、スコットランドって付いてるから若干イギリス物かな?) 福田さんのヴァイオリンの音は澄み渡ってて後ろの方までちゃんと響いてて美しかった。

横山さんのピアノは初めて生で聴くのかな。さすがはヴィルトゥオーソ!って感じで凄かった。いや、この曲大好きなんですよ。ピアノ・アンコールはグノーのアヴェマリアの横山さんによる編曲のもの。最初「リスト編曲のパラフレーズ?」と思ったくらい超絶技巧。

とはいうものの。

こんなこと言いたくないが、(後ろのほうの席だったからあんまり聴こえなかったのかもしれないけど)オケどうしたの?というくらいソリストとオケがあってなくて。いやこないだ新国立でタンホイザー演奏してた同じオケだよね、もしかしてぶっつけ本番?ワーグナー演奏でお疲れ?などと思った。私の聞き違いだといいなあと思った。ソリスト2人が良かっただけに残念。

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そういえば、先日N響で演奏されたシマノフスキの4番にはどうしても行けなくて(給与計算中だったので)、好きな曲なので本当に悲しい思い。普通の日にやらないでほしいわシマノフスキ。今度やるスタバトは行くけどさあ。

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2023年1月14日 (土曜日)

第20回東京音楽コンクール優勝者コンサート

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第20回東京音楽コンクール 優勝者コンサート
・トランペット:河内桂海 *金管部門第1位
トマジ:トランペット協奏曲
・バリトン:池内響 *声楽部門第1位及び聴衆賞
プッチーニ:オペラ『ジャンニ・スキッキ』より 「声は瓜二つだったか」
モーツァルト:オペラ『フィガロの結婚』より 「訴訟に勝っただと」
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロ』より 「私の最後の日がきました」
・ホルン:吉田智就 *金管部門第1位
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 Op.11
・ピアノ:中島英寿 *ピアノ部門第1位及び聴衆賞
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
指揮:高関健
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
司会:朝岡聡
(1月9日 東京文化会館大ホール)

過去記事:第20回東京音楽コンクール 声楽部門・本選 

昨年の東京音楽コンクールの優勝者によるコンサート。声楽部門の本選を聴きに行って、ついでなのでお披露目コンサートも行く事に。しかしまあ上野は混んでいた。開演前に上野公園に行ったら「牡蠣フェス」なる催しをやっていたので、カキフライを並んで買って食べた。一人だったので牡蠣を右手に持ちながらビールを買うのは難しく、断念。しかし牡蠣はとても美味しかった。画学生時代、卒業制作期間中カキフライ弁当を毎日ほか弁で買って食べていたら「もうたくさん」状態だったので、食べるの久しぶり。(生ガキは大好きなので当たりませんようにと毎回祈りながら食べる。)

祝日とあってコンサートはなかなかの人の入り。ロビーは人でごった返していた。イベント割で前売り買っておいたけど、「絶対に陰性証明か接種証明書を持ってきてくださいね」とくぎを刺されていたので今回は忘れず。皆様、文化会館主催のコンサートは接種証明を忘れずに持って行こうね。割引きになるものがあります。

さて演奏。今回は金管楽器の1位がお二人だったので2曲聴けることに(儲かったのかな?)。ピアノとヴァイオリン以外の楽器のコンクールは全く行ったことないので興味深く聴いた。しかしまあ、やはりピアノとヴァイオリンのように演奏家人口が多くない(管楽器は私みたいに学生時代にブラバンでかじってる人は多そうだが)、そもそも有名な協奏曲も少ない。たまたまトマジはCD持ってたけど、実はシュトラウスは初めて聴く。トランペットの子は緊張感がこちらにも伝わってきてしまいどうもリラックスして聴くことができなかった。ホルンの子は(私は3階席だったのでそんなに良く見えなかったが)汗びっしょりで吹いていたようだ(司会者によると)。

声楽部門の優勝者の池内さんは、他のコンテスタントと比べるとかなり年上だしすでにコンサートや舞台で活躍されている人なので、全く緊張感なく見ることができた。途中司会者とのトークも挟まれたが、関西人だけあってトークも慣れたもの。それにしてもマイクいらなくね?と思うほど話す声も大きい。アリア3曲歌われたが、私は前日に「ドン・カルロ」のロドリーゴのアリアはYouTubeのホロトフスキーで予習。ホロ様もかっこよかったが池内さんもかっこよかった。

さてコンサートの花形はさすがにピアノ協奏曲。私はグリーグのピアノ協奏曲にトラウマがあり(学校の音楽鑑賞教室でこの曲が演奏されたが何故か前奏とともに大爆笑が起こり、すでにクラヲタの卵だった私はたいそう恥ずかしかった。それと小学校のときからホフナング音楽祭で育ったのでこの曲は鬼門)、「うわなんでこの曲なの、ブラームスかラフマニノフならいいのに」とか思ったけど、意外なことに大変感動した。この曲ナマで聴いて良かったの初めて。(昔コンサートで聴いたヒロコナカムラの演奏でも「うーん・・・」とか思ったくらい)

ピアノの中島さんは小柄でまだ少年のような外見だったが、実際は20代後半らしい。しっとりと落ち着いたスケールの大きい演奏で、第1楽章から「これは凄いぞ」と思いながら聴いてたら第1楽章の終わりで拍手が起こった。とくにマナー知らずな観客というわけでもない(他の曲は楽章間で拍手なんか起こらなかったし)から、自然に起こった拍手なんじゃないかな。オケと合わせて披露したのこれが初めてらしい。ラフマニノフとかシューマンとか聴いてみたいな。

最後も大喝采でもさすがにこのご時世だったのでブラボーはなし。高関さんの好サポートもあってよい演奏会でした。司会の朝岡さんはこういう催しの時にたまに登場されるけどホントにオペラ好きなんだなって思うわ。局アナの時よりこういう仕事のほうが楽しいんだろうね。(こういった司会とかインタビューとかの才能が全く私はないので仕事にできる人は羨ましい)

帰り道で東南アジア人と思われる男の人に「〇〇駅に行くにはどの電車に乗ったらいいか」と聞かれ、『ああ、まただ』と思った。優しそうで親切そうなオーラが丸出しなのに、実は方向音痴で説明ヘタ英語もヘタ。おまけにコミュ障。よく外人さんに道とか聞かれるのが悩み。まあ、地元だったのでカタコトの英語を駆使し、「this train OK!バイバイ!」みたいな感じで電車につっこんでサヨナラした。まあ、本当にわかんなかったら駅員に丸投げするけど、最近駅員が駅にあまりいなくて困る。

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会社でバディを組んで?働いている会社の女の子が、なんと先週末に陽性になってしまい、今週は休んだりたまに在宅勤務で働いたりしていた。コロナなのに働かせるのかこの会社は~とか思ったけどやっぱり仕事は万全ではなく、そのぶん私の仕事が激増して昨日は夜11時過ぎまで残業。おまけに会社は節電してて寒い(フェイクファーして仕事してるの私くらいか)。他の社員も結構風邪引いたり体壊して休んだりしてるけど、私はただ疲れているだけで風邪とかぜんぜん引いてない。オペラやコンサートの券とってあるから気を付けてるからかなあ。N響のシマノフスキは取れなくて残念だけど、今年はコンサート目白押しなので倒れられない。

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2022年12月25日 (日曜日)

花房英里子(メゾソプラノ)コンサート / 東京文化会館小ホール

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上野deクラシック
レスピーギ:最後の陶酔 P8
4つの歌 P125より 第4曲「昔の歌に寄せて」
ベルク:『7つの初期の歌』より
第2曲「葦の歌」
第3曲「夜鳴きウグイス」
第5曲「室内にて」
第7曲「夏の日」
トマ:オペラ『ミニョン』より 「君よ知るや南の国」
モーツァルト:オペラ『皇帝ティートの慈悲』より 「行こう、だが愛しい人よ」
チャイコフスキー:6つの歌 Op.6より 第6曲「ただ憧れを知る者だけが」
オペラ『オルレアンの少女(ジャンヌ・ダルク)』より 「さあ、時は来た」
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロ』より 「むごい運命よ」
〈アンコール〉
R.シュトラウス:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』より 「さあ、仲直りしましょう」
花房英里子 (MS) 木下志寿子(ピアノ)
(12月21日 東京文化会館小ホール)

毒展のついでに何かリサイタルやってないかと探したらたまたまあったので。
1100円なんて安い~と喜んでいたら、どうも「イベント割」対象公演だったらしく、もちろん4回目の接種済であったが証明書も何も持ってなくて(もってたらもっと安かった)、しかたなく定価で入場。かなしす。

お値段のせいか、それと平日午前中だったせいかお年寄りが多め。まあこういう公演は上野とはいえ民度は若干低めなわけでで、隣の老夫婦の奥さんは鈴のついたカバンを始終いじっていたし、なんとびっくりなのは反対隣のお兄さんがベルク演奏中に携帯の着信音を盛大に鳴らしていたことで・・・怒りそうになったが我慢。

1時間ほどのコンサートだったが、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語ともりだくさんな、ご本人の思いの丈を詰め込んだ、贅沢なラインナップ。

花房さんは前回の東京音楽コンクール声楽部門第2位及び聴衆賞とのこと。ポスター写真やアーティスト写真は明るいお嬢さんと言った感じだった(私の勝手な印象)が、今日拝見したところショートの髪形でしっとりとした大人の雰囲気。お声は底光りするような美声で、どのジャンルの曲も歌いこなされていてとてもよかった。 

ベルク目当てで行ったんだけど、後半のチャイコフスキーや有名なエボリ公女のアリアも素晴らしかった。思いがけずアンコールで大大大好きなナクソス島の作曲家のアリアを歌ってくださって本当に行って良かったなあ。っていうかもしかして実穂子さんを意識されてるのかもって思ったり。いつかシュトラウスのズボン役で新国の舞台に立たれますように、応援しております(1月の新国の「タンホイザー」で小姓役でご出演予定。髪型はそのせいかな?)。

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2022年9月24日 (土曜日)

ブラームス/ドイツ・レクイエム ヴァイグレ/読響

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第621回定期演奏会
ダニエル・シュニーダー:聖ヨハネの黙示録(日本初演)
ブラームス:ドイツ・レクイエム 作品45
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
読売日本交響楽団
ソプラノ=ファン・スミ
バリトン=大西宇宙
合唱=新国立劇場合唱団
(2022 9.20〈火〉サントリーホール)

(ずいぶん放置してしまったが、今更感想。珍しく平日に券を取っていた。この日は有給休暇を取得していたのであるが、どうしても仕事が休めず急遽出社。頼み込んで定時であがって会社からサントリーへ。慌てていたためメガネを会社に忘れてしまった。まあまあいい席だったので字幕はぎりぎり見えたけど、難しい漢字は読めず。)

現代曲と古典曲のカップリング。合唱とソプラノとバリトンで編成が同じだから、という理由で?ヴァイグレは何度かこの組み合わせの演奏会をしているらしいが、なんというか・・・正直言うと一曲目はブラームスのオケ曲の何かを配置して声楽陣にはドイツ・レクイエムに集中させてあげたかったなあ、とか思ってしまう。

初めて聴くシュニーダーとやらの聖ヨハネの黙示録。なんか色々と不思議な音楽体験。現代曲にありがちの、打楽器がたくさん(私の席からは見えず)。途中まで歌詞は「7つの封印の書」みたいな内容、途中から「666」って数字が何度も出てきてオーメンか。また後の方は何故か唐突にルンバ調なリズムでライオンキング感。面白い曲だとは思ったけど仕事で疲れていたせいか、ちょっとうとうと。

休憩のあと、なんか落ち着くブラームス。この曲聴くのたったの二度目。唯一持っているCDはテンシュテットの名演集にたまたま入っていたもの。そもそもピアノ協奏曲以外はブラームスを聴かない人間なのでわざわざCD買ったりしない。もちろん生演奏では初めて。なので名演なのかどうかはわかるけどテンポとかそういうこまかいことは他と比べようがない。

ということをふまえて。

大変に音量を抑えた始まりで(私がそう思っただけ?)、ダイナミックレンジを大きく取る作戦か(←違)。新国立劇場合唱団は相変わらず素晴らしく、やや少ない人数ながら美しいハーモニーに癒される。偶然にも前日は英国女王の葬儀。葬儀はBS-NHKで最初から最後までしっかりと見ていたけれど、何というかこの演奏会の時の方がエリザベス女王のことをしみじみと思い出していた。イギリスとあんまり仲のよくないドイツのレクイエムにもかかわらずね。いやとにかくまあ、なんといい曲なのだろう。最後は「指揮者がタクトをおろすまで」拍手はもちろんなかったのだけど、タクトをおろすまでの間がとにかく長くて・・・それでもその間は誰も拍手しなかったからやっぱりサントリーのお客さんはしつけができているよね。

初めて聴くファン・スミさんは平昌オリンピックでオリンピック賛歌を歌われてたという事で、「あー!あの人かー!」いややっぱり覚えてないわ。ドイツレクィエムの唯一持ってるCDのソプラノがジェシー・ノーマンって重量級だったんで全然違う印象。若々しく清々しい歌声が印象的。

実のところ大西さん目当てで行ったので、ますます素晴らしい歌唱で感動したのですが、大西さんのコンサート全部行ってたらお金が追いつかない。引っ張りだこは嬉しいけど。次はジョルジョ・ジェルモンを聴きに行くんだぜ。

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一昨日、残業中に姉からLINEが入っていたので珍しいな、と思ったら父親が(町内会の輪投げ?の練習中に)転んで頭打って救急車で運ばれたとのこと。「ひえー」と思って実家に電話かけたら、父は「大した事ない(8針縫ったけど)。」とのこと。しかし高齢なので心配して翌日フレックスで早退(在宅勤務だったが)、家の近所の(ちょっといいほうの)お寿司のテイクアウトやらスーパーで餃子やらレトルトカレーやらを買って20分ほど歩いて実家へ。途中でUberEatsの自転車に2人も抜かれて、本当に情けなくて泣きそうになった(実家着いて注文すればよくね?的な)。父親はびっくりするほど軽傷で、眉毛にちっちゃい絆創膏を貼ってあったくらい。ただ美味しいお寿司を両親と食べて相撲見て帰っただけだった。まあ・・・元気ならいいか。

UberEatsというと、ちょっと前まで「別に2~3分でも歩けば美味しいお店がたくさんあるところに住んでるし、スーパー近いし美味しい料理を自分でも作れるし、持ってきてもらうぶんお金かかるのに人に食べ物を運んでもらうのは何だか怠け者みたいでいやだな。」と思っていたが、いろいろな宅配アプリを携帯に入れて、クーポンを使って注文すればわりとお得だな、と思うし、私が注文すれば労働が生まれて助かる人もいるし、100円くらいチップもあげるし、そんなに悪いことではないかな、と思うようになった。

<今まで、お得だったと思うもの>

・UberEatsマーケットで2500円以上頼むと半額になる?とかいうクーポンがポストに入ってたので、普段は高くて買わないジョンソンヴィルのソーセージ3パックセットを購入、他にトイレットペーパーとか色々持ってきてもらって1200円ほどお得になった。30分くらいで持ってきてもらえる。

・「Menu」(おそらくauと提携、auスマートパスのユーザーは送料タダ)で1200円×2回分のクーポンを貰い近所のスーパーで注文してお米を2回持ってきてもらった。auユーザーのためMenuは何度か使用しているのだが、いつも同じ配達員が来るので若干恥ずかしい。

・PIZZAの宅配など別に昔からあるし珍しくはないけど、うちの近所の美味しいイタリアン(食べログの百名店に毎年選ばれるような店)のピザが、クーポン使って500円引きでアツアツで届いたときはとても嬉しかったし流石に「ド〇〇ピザ」とか「ピ〇〇ッ〇」とかとは格が違うな、と思った。激うま。

・毎月500円のコンビニの〇ー〇ンのデリのクーポンが貰えるので、あまり期待しないで「唐揚げBOX」を頼んでみた。唐揚げ16個で1180円(クーポン使用前)とのことだったがこういうのは写真サギが多いと思ってちゃっちいのを想像してたら、結構な大きさの箱で、まあまあの大きさのアツアツの唐揚げがちゃんと16個入っていた。一度にはもちろん食べきれなくて残りは冷凍して1週間くらいお弁当のおかずにしたりした。なかなかおいしかったのでまた注文したい。

↓美味しかったピザ。

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2022年6月 8日 (水曜日)

資生堂チャリティーコンサート MUSIC for PEACE

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(6月7日 サントリーホール)

課長から「クラッシックに興味のある人早いもの勝ち!」というメールがきて、「は~い」と手を上げてゲットしたコンサート。いやこれは私しかいないっしょ。資生堂さん主催のウクライナからの避難民に向けたチャリティーコンサート。ウチの会社は資生堂さんは大得意先なんで、賛同していくらか寄付して券が回ってきたのであろう。こんなコンサートだもんで、行ってみるといつものサントリーホールの観客とはすごく違ってて、何かのセミナーとかちょっとした株主総会のようだった。しかしマナーはいいとは言えず、休憩時間にサントリーの係員のおねいさんたちがどんなに「おしゃべりしないで」のカードを捧げて歩いても、べちゃくちゃおしゃべり。

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貰った券は1階席の前から11番目という、大変よい席。しかし、私のとなりのとなりのとなりくらいに『心の声が口にでちゃうタイプ』のおそらく重役クラスのおっちゃんがいて、資生堂の魚谷社長の心のこもったご挨拶に「こんな話いらねえんだよ早く始めろよ!」と発言していたので、私は『もしかしてウチの会社の人だったらどうしようはずかしい』とか思った。しかし、同じ会社の人と思われる周囲の女性たちの話を聞くと、どうも違う会社のようでホッとした。


私は比較的チャリティーコンサートに行く人なので(お金を払ってまで行く)、慣れっこなのだがわりといろんな人がご出演。司会はTBSの皆川アナウンサーで可愛かった。最初に登場した演奏家は仲道さん。彼女のチャリティーご出演を見たのは2度目である。前は何故かキムタクのご令嬢のフルート演奏を聴くという貴重なコンサートだった。お話しを交えた仲道さんの演奏はやはり素晴らしく、私の好きな曲ばっかりだったのでとても嬉しかった。続いて成田達輝さんのバッハの無伴奏のシャコンヌ。ストラディバリウスの響きはやっぱり素晴らしく、これ聴けただけでもいいかなって思うくらい。

休憩をはさんで。メインの出演者、ウクライナからいらっしゃった(というか命からがら避難されてきた?)オクサーナ・ステパニュックさんとデニス・ビシュニャさんのオンステージ。ステパニュックさんは昨年藤原歌劇団の「ボエーム」の舞台でムゼッタを歌われるのを見聞きした。その時はウクライナ人だなんてとくに意識してなかったし、コロナ禍だったものの戦争のせの字もなかった。清楚で素晴らしいムゼッタを聴かせて頂いたが、まさかこんな形でまたお会いするとは。ボエームの時は「このご時世で来日して下さってありがたいな」とか思ったけど、そもそも藤原歌劇団の一員らしい。

もちろんヴィオレッタだのジルダだのヴェルディの諸役のアリアも素晴らしかったけれど、何と言っても自ら弾くウクライナの民族楽器のバンドゥーラの演奏と歌唱が本当に素晴らしかった。いやほんと素敵。コロラチュラ・ソプラノは夜鳴きうぐいすそのもの。

もう一人のウクライナ人のバス歌手、ビシュニャさんは「タラス・ブーリバ」みたいな衣装で登場。ヘンデルの「オンブラ・マイフ」を凄いバスの美声で歌唱。いやもうショパンにバッハにヘンデル、もう私の好きな作曲家ばかりで嬉しい。しかし、そもそもタラス・ブーリバってウクライナの話なんだね(知らんかった)。しかし、歌われたのはヤナーチェクじゃなくてミコラ・リセンコってウクライナの作曲家の歌劇「タラス・ブリバ」のアリア。いやあ、こういうのがいいのだよ、知らない作曲家の知らない曲を聴くのがいいの。ビシュニャさんは何度か日本で公演されてその縁で?ご家族ともども日本に避難されてきたという。平和な日本に縁があって本当によかった。

私の近隣にいたあのうるさい重役風のおっさんはウクライナ人の歌唱が終わってそそくさと退散。最後は闘魂・・・じゃなくてお馴染み東混さんの素晴らしい歌唱。いや、ちゃんと最後までいようよ。日本の素晴らしい歌の数々。どれも編曲が変わっていて素晴らしかった。「上を向いて歩こう」はこういう時に聞くと本当に心に沁みるね。三善晃編曲の夕焼け小焼けも素晴らしかった。最後は出演者全員の「ふるさと」。ウクライナの歌手さんたちもちゃんと日本語で歌唱。っていうかちゃんと日本語しゃべれるのすごい。

こんな盛りだくさんのコンサート、タダで聴くの悪いなあって思ったので帰りにいくばくか寄付しようと思ったけど、だれも寄付しないので恥ずかしくてとっとと出てきてしまった。まあ、ウクライナにはまあまあ寄付しているのでいいかなって思った(すいません)。

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2022年5月29日 (日曜日)

アリス=紗良・オット ピアノリサイタル(所沢ミューズ)

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話題のリサイタル。明日のサントリーホールで彼女の日本ツアーは終わりだそう。東京人なのにサントリーじゃなくて何で所沢まで行ったのかというと、言うまでもなく券が安いからである。サントリーは1万円するが所沢はS席でも5000円。私はB席(4500円)をちょっと前にとった。所沢までは1時間ちょっとかかるけど、交通費は往復で千円くらいなんで。駅からちょっと歩くけど・・・。

駅のスーパーでいつものようにさやま茶のペットボトルを購入。狭山茶のちょっといい方のお茶っ葉も買った。狭山茶、あんまり苦くないし甘いので大好き。実は近所でも狭山茶の新茶が出てたので買って飲んでるんだけど、本場のほうが美味しいかもって思って(値段は一緒だが)。

さて皿夫。私はナマで彼女の演奏を聴くのは初めてである。「わっ24の前奏曲やるんだ行こうかな」って思って券取ったけど、なんかいろいろ普通ではない。ショパンの24の前奏曲の合間に彼女がチョイスした現代の曲を挟んで、しかもデミレルって人(建築家)の各曲に合わせたビデオ・インスタレーション付である。同じ曲目のCDはすでに売られており(未聴)、同様のリサイタルはロンドンを皮切りに世界中で行われているとのこと。

正直、「24の前奏曲だけ純粋に聴きたい」などとも思ったが、今回の出し物はリサイタル・・・というよりパフォーマンスであるよう。ショパンの24の前奏曲は、昨年ショパン・コンクールにて小林愛実さんが見事な演奏をしたが、その時は(私は)「前奏曲集というより彼女の生きざまのよう」と思ったが、アリスさんはショパンの曲をもっともっと拡大して本当に彼女の人生そのもの(Echoes Of Lifeという題名だからね)を表現しているのだ。

アリスさんはいつものように『はだし』で登場。ボブヘアに青いジャケットのパンツスーツが素敵である。マイクが用意されていて聴衆に向かって椅子に足を組んで座り、気さくな感じで解説を始めた。すべてが彼女の考え抜かれたパフォーマンスなのかな。

場内が暗くなって演奏が始まる。彼女の親友でよく共演するフランチェスコ・トリスターノの曲。この一連のパフォーマンスのために作曲してもらったそう。映像は幻想的な曲に合わせて宇宙の星々。彼女の(ピアニストとしての)誕生を表しているのかな。それに続く、ショパンの(よく知ってる)曲たちは、今まで聞いたこともないくらい透明で美しい。きらきらしている。なんか格が違うって思った(←何と比べてというわけではないが)。映像はそのあと窓?のような四角いものから、建物がだんだん形作られてきて、図書館?の巨大なもの・・・と移り変わる。ピアニストとしての彼女の形成を表しているのかな?

途中途中の曲の感想を書いていくときりがないので省略するが、とくに印象に残ったのはペルトの「アリーナのために」。この曲はこないだセルゲイ・ババヤンのリサイタルの時に選曲されていたにも関わらず「こんな世界情勢でこの曲は弾けない」などと却下されたものである。だもんで、聴けて嬉しかったが・・・この曲のときだけ映像がなくなった。真っ暗な中で演奏。前もって入口で渡されたプログラムの解説を読んでいたのだが、この曲は彼女の「多発性硬化症」発症・医者からの宣告を表現しているそう。とても暗く、奈落の底に突き落とされたような感じの曲だ。

私は(全然違うけど)かなり前にある病気を患って、医者に病気を宣告されたときのことを思い出した。まさに・・・こんな感じだった(演奏を聴いてちょっと泣きそうになった・・・まあ、私は手術の結果は悪性のものじゃなかったから全然生きてるけどね)。アリスさんの病気のニュースは、とくにファンでもなかった私でも相当ショックだったし、「ジャクリーヌ・デュ・プレみたいになっちゃうの?演奏できなくなっちゃうの?」と心配になった。でもまあ、今はもっと医学も進歩しているし・・・。それに彼女のハキハキとした話し方や圧倒的なピアノ演奏を聴いて病気の影などみじんもなかった。しかし完治したわけではなく、無症状なだけだとのこと。

24の前奏曲が終わって、最後はモーツァルトのレクイエムのラクリモーサを元にアリスさんが編曲したもの。絶望的に終わるショパンから、もっとオープンで無限なエピローグをつけたかったからだそう。映像も最初の宇宙の星々に戻り、人は星から生まれ、最後は星に帰る、ってな感じかな。ウルトラマンかっ。

アンコールはサティのグノシエンヌ1番。いろいろな面でトータルしてとても新しい、美しき彼女ならではのステキなパフォーマンスであった。

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昨日は、友人と横浜まで行ってソフィア・ローレンの映画「ひまわり」を見た。「ひまわり」はほんの小さいときにテレビで見たんだけど、正直あんまり覚えてなくて(一面のひまわり畑とロシア女性がマストロヤンニをずりずり引っ張っているところしか覚えてない)。私も友人もものすごく感動するんだろう、とかハンカチどこじゃなくてタオルがいるかな、とか思ったが、私も友人もさっぱり泣けなくて。なんかソフィア・ローレンがあまりに激しすぎて、「イタリア女ってあんなに怖いの?やっぱり日本人と違うね」などという感想であった。私は子供の頃にテレビで見たオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」と「道化師」を思い出した。いや、いい映画でしたけど。こんな重い内容なのに最初のほうはクスっと笑える感じもあり、いろんな意味でイタリアっぽい。

せっかくの横浜なのに、友人が中華じゃなくてイタリアンな気分とのことだったので・・・何故かタコスを食べた。横浜イコール中華ってしか頭になかったので、今日は帰りに崎陽軒のシュウマイ弁当買って帰った。ちょっと気が済んだ。タコスはとても美味しかったです。

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