2022年9月24日 (土曜日)

ブラームス/ドイツ・レクイエム ヴァイグレ/読響

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第621回定期演奏会
ダニエル・シュニーダー:聖ヨハネの黙示録(日本初演)
ブラームス:ドイツ・レクイエム 作品45
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
読売日本交響楽団
ソプラノ=ファン・スミ
バリトン=大西宇宙
合唱=新国立劇場合唱団
(2022 9.20〈火〉サントリーホール)

(ずいぶん放置してしまったが、今更感想。珍しく平日に券を取っていた。この日は有給休暇を取得していたのであるが、どうしても仕事が休めず急遽出社。頼み込んで定時であがって会社からサントリーへ。慌てていたためメガネを会社に忘れてしまった。まあまあいい席だったので字幕はぎりぎり見えたけど、難しい漢字は読めず。)

現代曲と古典曲のカップリング。合唱とソプラノとバリトンで編成が同じだから、という理由で?ヴァイグレは何度かこの組み合わせの演奏会をしているらしいが、なんというか・・・正直言うと一曲目はブラームスのオケ曲の何かを配置して声楽陣にはドイツ・レクイエムに集中させてあげたかったなあ、とか思ってしまう。

初めて聴くシュニーダーとやらの聖ヨハネの黙示録。なんか色々と不思議な音楽体験。現代曲にありがちの、打楽器がたくさん(私の席からは見えず)。途中まで歌詞は「7つの封印の書」みたいな内容、途中から「666」って数字が何度も出てきてオーメンか。また後の方は何故か唐突にルンバ調なリズムでライオンキング感。面白い曲だとは思ったけど仕事で疲れていたせいか、ちょっとうとうと。

休憩のあと、なんか落ち着くブラームス。この曲聴くのたったの二度目。唯一持っているCDはテンシュテットの名演集にたまたま入っていたもの。そもそもピアノ協奏曲以外はブラームスを聴かない人間なのでわざわざCD買ったりしない。もちろん生演奏では初めて。なので名演なのかどうかはわかるけどテンポとかそういうこまかいことは他と比べようがない。

ということをふまえて。

大変に音量を抑えた始まりで(私がそう思っただけ?)、ダイナミックレンジを大きく取る作戦か(←違)。新国立劇場合唱団は相変わらず素晴らしく、やや少ない人数ながら美しいハーモニーに癒される。偶然にも前日は英国女王の葬儀。葬儀はBS-NHKで最初から最後までしっかりと見ていたけれど、何というかこの演奏会の時の方がエリザベス女王のことをしみじみと思い出していた。イギリスとあんまり仲のよくないドイツのレクイエムにもかかわらずね。いやとにかくまあ、なんといい曲なのだろう。最後は「指揮者がタクトをおろすまで」拍手はもちろんなかったのだけど、タクトをおろすまでの間がとにかく長くて・・・それでもその間は誰も拍手しなかったからやっぱりサントリーのお客さんはしつけができているよね。

初めて聴くファン・スミさんは平昌オリンピックでオリンピック賛歌を歌われてたという事で、「あー!あの人かー!」いややっぱり覚えてないわ。ドイツレクィエムの唯一持ってるCDのソプラノがジェシー・ノーマンって重量級だったんで全然違う印象。若々しく清々しい歌声が印象的。

実のところ大西さん目当てで行ったので、ますます素晴らしい歌唱で感動したのですが、大西さんのコンサート全部行ってたらお金が追いつかない。引っ張りだこは嬉しいけど。次はジョルジョ・ジェルモンを聴きに行くんだぜ。

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一昨日、残業中に姉からLINEが入っていたので珍しいな、と思ったら父親が(町内会の輪投げ?の練習中に)転んで頭打って救急車で運ばれたとのこと。「ひえー」と思って実家に電話かけたら、父は「大した事ない(8針縫ったけど)。」とのこと。しかし高齢なので心配して翌日フレックスで早退(在宅勤務だったが)、家の近所の(ちょっといいほうの)お寿司のテイクアウトやらスーパーで餃子やらレトルトカレーやらを買って20分ほど歩いて実家へ。途中でUberEatsの自転車に2人も抜かれて、本当に情けなくて泣きそうになった(実家着いて注文すればよくね?的な)。父親はびっくりするほど軽傷で、眉毛にちっちゃい絆創膏を貼ってあったくらい。ただ美味しいお寿司を両親と食べて相撲見て帰っただけだった。まあ・・・元気ならいいか。

UberEatsというと、ちょっと前まで「別に2~3分でも歩けば美味しいお店がたくさんあるところに住んでるし、スーパー近いし美味しい料理を自分でも作れるし、持ってきてもらうぶんお金かかるのに人に食べ物を運んでもらうのは何だか怠け者みたいでいやだな。」と思っていたが、いろいろな宅配アプリを携帯に入れて、クーポンを使って注文すればわりとお得だな、と思うし、私が注文すれば労働が生まれて助かる人もいるし、100円くらいチップもあげるし、そんなに悪いことではないかな、と思うようになった。

<今まで、お得だったと思うもの>

・UberEatsマーケットで2500円以上頼むと半額になる?とかいうクーポンがポストに入ってたので、普段は高くて買わないジョンソンヴィルのソーセージ3パックセットを購入、他にトイレットペーパーとか色々持ってきてもらって1200円ほどお得になった。30分くらいで持ってきてもらえる。

・「Menu」(おそらくauと提携、auスマートパスのユーザーは送料タダ)で1200円×2回分のクーポンを貰い近所のスーパーで注文してお米を2回持ってきてもらった。auユーザーのためMenuは何度か使用しているのだが、いつも同じ配達員が来るので若干恥ずかしい。

・PIZZAの宅配など別に昔からあるし珍しくはないけど、うちの近所の美味しいイタリアン(食べログの百名店に毎年選ばれるような店)のピザが、クーポン使って500円引きでアツアツで届いたときはとても嬉しかったし流石に「ド〇〇ピザ」とか「ピ〇〇ッ〇」とかとは格が違うな、と思った。激うま。

・毎月500円のコンビニの〇ー〇ンのデリのクーポンが貰えるので、あまり期待しないで「唐揚げBOX」を頼んでみた。唐揚げ16個で1180円(クーポン使用前)とのことだったがこういうのは写真サギが多いと思ってちゃっちいのを想像してたら、結構な大きさの箱で、まあまあの大きさのアツアツの唐揚げがちゃんと16個入っていた。一度にはもちろん食べきれなくて残りは冷凍して1週間くらいお弁当のおかずにしたりした。なかなかおいしかったのでまた注文したい。

↓美味しかったピザ。

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2022年6月 8日 (水曜日)

資生堂チャリティーコンサート MUSIC for PEACE

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(6月7日 サントリーホール)

課長から「クラッシックに興味のある人早いもの勝ち!」というメールがきて、「は~い」と手を上げてゲットしたコンサート。いやこれは私しかいないっしょ。資生堂さん主催のウクライナからの避難民に向けたチャリティーコンサート。ウチの会社は資生堂さんは大得意先なんで、賛同していくらか寄付して券が回ってきたのであろう。こんなコンサートだもんで、行ってみるといつものサントリーホールの観客とはすごく違ってて、何かのセミナーとかちょっとした株主総会のようだった。しかしマナーはいいとは言えず、休憩時間にサントリーの係員のおねいさんたちがどんなに「おしゃべりしないで」のカードを捧げて歩いても、べちゃくちゃおしゃべり。

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貰った券は1階席の前から11番目という、大変よい席。しかし、私のとなりのとなりのとなりくらいに『心の声が口にでちゃうタイプ』のおそらく重役クラスのおっちゃんがいて、資生堂の魚谷社長の心のこもったご挨拶に「こんな話いらねえんだよ早く始めろよ!」と発言していたので、私は『もしかしてウチの会社の人だったらどうしようはずかしい』とか思った。しかし、同じ会社の人と思われる周囲の女性たちの話を聞くと、どうも違う会社のようでホッとした。


私は比較的チャリティーコンサートに行く人なので(お金を払ってまで行く)、慣れっこなのだがわりといろんな人がご出演。司会はTBSの皆川アナウンサーで可愛かった。最初に登場した演奏家は仲道さん。彼女のチャリティーご出演を見たのは2度目である。前は何故かキムタクのご令嬢のフルート演奏を聴くという貴重なコンサートだった。お話しを交えた仲道さんの演奏はやはり素晴らしく、私の好きな曲ばっかりだったのでとても嬉しかった。続いて成田達輝さんのバッハの無伴奏のシャコンヌ。ストラディバリウスの響きはやっぱり素晴らしく、これ聴けただけでもいいかなって思うくらい。

休憩をはさんで。メインの出演者、ウクライナからいらっしゃった(というか命からがら避難されてきた?)オクサーナ・ステパニュックさんとデニス・ビシュニャさんのオンステージ。ステパニュックさんは昨年藤原歌劇団の「ボエーム」の舞台でムゼッタを歌われるのを見聞きした。その時はウクライナ人だなんてとくに意識してなかったし、コロナ禍だったものの戦争のせの字もなかった。清楚で素晴らしいムゼッタを聴かせて頂いたが、まさかこんな形でまたお会いするとは。ボエームの時は「このご時世で来日して下さってありがたいな」とか思ったけど、そもそも藤原歌劇団の一員らしい。

もちろんヴィオレッタだのジルダだのヴェルディの諸役のアリアも素晴らしかったけれど、何と言っても自ら弾くウクライナの民族楽器のバンドゥーラの演奏と歌唱が本当に素晴らしかった。いやほんと素敵。コロラチュラ・ソプラノは夜鳴きうぐいすそのもの。

もう一人のウクライナ人のバス歌手、ビシュニャさんは「タラス・ブーリバ」みたいな衣装で登場。ヘンデルの「オンブラ・マイフ」を凄いバスの美声で歌唱。いやもうショパンにバッハにヘンデル、もう私の好きな作曲家ばかりで嬉しい。しかし、そもそもタラス・ブーリバってウクライナの話なんだね(知らんかった)。しかし、歌われたのはヤナーチェクじゃなくてミコラ・リセンコってウクライナの作曲家の歌劇「タラス・ブリバ」のアリア。いやあ、こういうのがいいのだよ、知らない作曲家の知らない曲を聴くのがいいの。ビシュニャさんは何度か日本で公演されてその縁で?ご家族ともども日本に避難されてきたという。平和な日本に縁があって本当によかった。

私の近隣にいたあのうるさい重役風のおっさんはウクライナ人の歌唱が終わってそそくさと退散。最後は闘魂・・・じゃなくてお馴染み東混さんの素晴らしい歌唱。いや、ちゃんと最後までいようよ。日本の素晴らしい歌の数々。どれも編曲が変わっていて素晴らしかった。「上を向いて歩こう」はこういう時に聞くと本当に心に沁みるね。三善晃編曲の夕焼け小焼けも素晴らしかった。最後は出演者全員の「ふるさと」。ウクライナの歌手さんたちもちゃんと日本語で歌唱。っていうかちゃんと日本語しゃべれるのすごい。

こんな盛りだくさんのコンサート、タダで聴くの悪いなあって思ったので帰りにいくばくか寄付しようと思ったけど、だれも寄付しないので恥ずかしくてとっとと出てきてしまった。まあ、ウクライナにはまあまあ寄付しているのでいいかなって思った(すいません)。

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2022年5月29日 (日曜日)

アリス=紗良・オット ピアノリサイタル(所沢ミューズ)

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話題のリサイタル。明日のサントリーホールで彼女の日本ツアーは終わりだそう。東京人なのにサントリーじゃなくて何で所沢まで行ったのかというと、言うまでもなく券が安いからである。サントリーは1万円するが所沢はS席でも5000円。私はB席(4500円)をちょっと前にとった。所沢までは1時間ちょっとかかるけど、交通費は往復で千円くらいなんで。駅からちょっと歩くけど・・・。

駅のスーパーでいつものようにさやま茶のペットボトルを購入。狭山茶のちょっといい方のお茶っ葉も買った。狭山茶、あんまり苦くないし甘いので大好き。実は近所でも狭山茶の新茶が出てたので買って飲んでるんだけど、本場のほうが美味しいかもって思って(値段は一緒だが)。

さて皿夫。私はナマで彼女の演奏を聴くのは初めてである。「わっ24の前奏曲やるんだ行こうかな」って思って券取ったけど、なんかいろいろ普通ではない。ショパンの24の前奏曲の合間に彼女がチョイスした現代の曲を挟んで、しかもデミレルって人(建築家)の各曲に合わせたビデオ・インスタレーション付である。同じ曲目のCDはすでに売られており(未聴)、同様のリサイタルはロンドンを皮切りに世界中で行われているとのこと。

正直、「24の前奏曲だけ純粋に聴きたい」などとも思ったが、今回の出し物はリサイタル・・・というよりパフォーマンスであるよう。ショパンの24の前奏曲は、昨年ショパン・コンクールにて小林愛実さんが見事な演奏をしたが、その時は(私は)「前奏曲集というより彼女の生きざまのよう」と思ったが、アリスさんはショパンの曲をもっともっと拡大して本当に彼女の人生そのもの(Echoes Of Lifeという題名だからね)を表現しているのだ。

アリスさんはいつものように『はだし』で登場。ボブヘアに青いジャケットのパンツスーツが素敵である。マイクが用意されていて聴衆に向かって椅子に足を組んで座り、気さくな感じで解説を始めた。すべてが彼女の考え抜かれたパフォーマンスなのかな。

場内が暗くなって演奏が始まる。彼女の親友でよく共演するフランチェスコ・トリスターノの曲。この一連のパフォーマンスのために作曲してもらったそう。映像は幻想的な曲に合わせて宇宙の星々。彼女の(ピアニストとしての)誕生を表しているのかな。それに続く、ショパンの(よく知ってる)曲たちは、今まで聞いたこともないくらい透明で美しい。きらきらしている。なんか格が違うって思った(←何と比べてというわけではないが)。映像はそのあと窓?のような四角いものから、建物がだんだん形作られてきて、図書館?の巨大なもの・・・と移り変わる。ピアニストとしての彼女の形成を表しているのかな?

途中途中の曲の感想を書いていくときりがないので省略するが、とくに印象に残ったのはペルトの「アリーナのために」。この曲はこないだセルゲイ・ババヤンのリサイタルの時に選曲されていたにも関わらず「こんな世界情勢でこの曲は弾けない」などと却下されたものである。だもんで、聴けて嬉しかったが・・・この曲のときだけ映像がなくなった。真っ暗な中で演奏。前もって入口で渡されたプログラムの解説を読んでいたのだが、この曲は彼女の「多発性硬化症」発症・医者からの宣告を表現しているそう。とても暗く、奈落の底に突き落とされたような感じの曲だ。

私は(全然違うけど)かなり前にある病気を患って、医者に病気を宣告されたときのことを思い出した。まさに・・・こんな感じだった(演奏を聴いてちょっと泣きそうになった・・・まあ、私は手術の結果は悪性のものじゃなかったから全然生きてるけどね)。アリスさんの病気のニュースは、とくにファンでもなかった私でも相当ショックだったし、「ジャクリーヌ・デュ・プレみたいになっちゃうの?演奏できなくなっちゃうの?」と心配になった。でもまあ、今はもっと医学も進歩しているし・・・。それに彼女のハキハキとした話し方や圧倒的なピアノ演奏を聴いて病気の影などみじんもなかった。しかし完治したわけではなく、無症状なだけだとのこと。

24の前奏曲が終わって、最後はモーツァルトのレクイエムのラクリモーサを元にアリスさんが編曲したもの。絶望的に終わるショパンから、もっとオープンで無限なエピローグをつけたかったからだそう。映像も最初の宇宙の星々に戻り、人は星から生まれ、最後は星に帰る、ってな感じかな。ウルトラマンかっ。

アンコールはサティのグノシエンヌ1番。いろいろな面でトータルしてとても新しい、美しき彼女ならではのステキなパフォーマンスであった。

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昨日は、友人と横浜まで行ってソフィア・ローレンの映画「ひまわり」を見た。「ひまわり」はほんの小さいときにテレビで見たんだけど、正直あんまり覚えてなくて(一面のひまわり畑とロシア女性がマストロヤンニをずりずり引っ張っているところしか覚えてない)。私も友人もものすごく感動するんだろう、とかハンカチどこじゃなくてタオルがいるかな、とか思ったが、私も友人もさっぱり泣けなくて。なんかソフィア・ローレンがあまりに激しすぎて、「イタリア女ってあんなに怖いの?やっぱり日本人と違うね」などという感想であった。私は子供の頃にテレビで見たオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」と「道化師」を思い出した。いや、いい映画でしたけど。こんな重い内容なのに最初のほうはクスっと笑える感じもあり、いろんな意味でイタリアっぽい。

せっかくの横浜なのに、友人が中華じゃなくてイタリアンな気分とのことだったので・・・何故かタコスを食べた。横浜イコール中華ってしか頭になかったので、今日は帰りに崎陽軒のシュウマイ弁当買って帰った。ちょっと気が済んだ。タコスはとても美味しかったです。

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2022年5月 7日 (土曜日)

森本隼太ピアノ・リサイタル 浜離宮朝日ホール

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番Op.27ー1「幻想曲風ソナタ」
フォーレ:ノクターン第6番Op.63変二長調
ショパン:ポロネーズ第7番Op.61CT156変イ長調「幻想ポロネーズ」
シューマン:交響的練習曲Op.13
(浜離宮朝日ホール)

GW唯一のコンサート。コロナ前はGWはLFJと決まっていたのだが、全然やってない。去年も今年もピティナが丸の内で無料コンサートを開催しているのを見た(ネットで)くらいだ。まあ放送は全部見たわけではなく、ピアノの山縣美季ちゃんと、珍しく英国歌曲を歌ったソプラノの大森彩加さんを見聞きした。英国歌曲はガーニー、フィンジ、クィルターと「英国歌曲好きなら大体チョイスする作曲家」だったので良かった。

さて、本日聴きにいった森本隼太さん(巨匠)も、国際フォーラムの裏のTOKIAで幻想ポロネーズを弾かれたようだが、ネット配信はなかったし、今日のコンサートの券を取っていたので聴きにいかず。TOKIAは音的にはいいのだけど、並ばなきゃならないし、立ち見だと全く見えないのでパス。

ところで、浜離宮だが私は初めて。どこの駅かな?と調べたら築地市場駅だったので「おお、これは久しぶりに築地で昼食かな」と思って開演より早く到着。場外の賑わっている通りを歩くと、寿司屋があちこちに並んでいる。「すしざんまい」にしようかなあと思ってたけど行き当たりばったりで(時間もあまりなかったので)呼び込みに釣られて入店。いやはや、店内は小上がりのところに昼飲みのグループがいるくらいでカウンターはガラガラ。『またやっちゃったかな』と思った(以前、平日の大手町で空いてて入った蕎麦屋が最悪で、空いてるだけのことはあった)。しかし、注文してしばらくするとお客さんがわんさか入ってきたのでホッとした。

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写真は2035円(税込)のセット。いつも食べている上野の寿司屋よりもシャリは甘めに感じた。イカがトロトロで美味しかった。他のも美味しかったけど。映ってないけど海老の頭で出汁を取ったお味噌汁付き(美味しかった!)。店名もわからず入ったけど、後で調べたら浜茂鮨という名前で築地でも老舗でリーズナボーな店だった(見たところ通りの他のお店は結構高い)。また浜離宮に来たら食べようとか思った(次はぜひおまかせで)けど、別に予定はないなあ。

しかし。お勘定をしている間に土砂降りで。傘持ってたからいいようなもののホールまで結構あるのでびしょびしょになってしまった。ついてないなあ。 帰りは止んでた。

さてコンサート(前置き長い)。 森本さんの生演奏は私は2回目である。前はピティナの特級コンクールのファイナルで、コンチェルトだったのでソロで聴くのは初めて。あれから2年も経ったのねえ。森本さんは当時はすごくあどけなくて、15歳?だかだったから他のコンテスタント(大学生)よりすごく幼く見えた。ちっとは17歳の青年らしくなってるかと思ったら外見は特に変わった様子もない。

だがピアノを弾き始めるとすごいスケールの大きい、大人のような演奏を繰り広げるのでギャップがすごいのである。現在、イタリアのサンタ・チェチーリア音楽院に留学中。そしてこないだイギリスのヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクール(そういうのがあるのは初めて聞いた)で優勝したそうなので、今にもっとレベルの高い有名コンクールに出場するんだろうな。

幻想ポロネーズを目当てに聴きに行ったのだけど、意外と初めて聴くフォーレが良かった。ガンガン弾きまくる印象のピアニストだが、しっとりとしたこういう曲もいいなと思った。まあ、ベートーヴェンもシューマンも良かったけど(私はピアノ素人であまり他の演奏家のを聞いた事ないので比べることができない)。1番素晴らしいと思ったのはアンコールと称して演奏したスケルツォ2番。スケルツォというよりはバラードといった感じの緩急の激しいスケールの大きな演奏。ピアノは見たところ普通のスタインウェイではない感じがしたのだけど(横に書いてあるロゴを見ると)、Twitterを見たらタカギクラヴィアという会社がわざわざ運び込んだらしい。初めて聴くホールなのでなんとも言えないけど、よく鳴るなあと思った。

ピアノの横にマイクが用意されていて、演奏後ピアニストのご挨拶。今の今まで超一流の演奏を繰り広げていたのに、口をひらけば普通の高校生で、「今回選んだ曲がどんなに素晴らしいか」などと曲への愛が溢れていたが、高校の生徒会や文化祭とかレベルの話し方で(巨匠に向かって失礼ですねすいません)なんか懐かしい感じがした。このギャップが本当にいい。また東京に来てコンサートしてほしいな。

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GW色々見れたし友人ともたくさん会ったし、美味しいものも食べたし、楽しかったなあ、明後日から会社で既に憂鬱。

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2022年3月30日 (水曜日)

セルゲイ・ババヤン ピアノ・リサイタル(東京文化会館小ホール)

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トーハクの後は、ハルサイ。有給休暇取得が決まった後、「なんかいいコンサートないかなあ?」と思って探したらちょうどよくその日にあったコンサートをチョイス。ババヤン、名前は聞いたことあるけど何で?って思ったら、前の前のショパコンから贔屓にしているピアニスト、ダニイル・トリフォノフのお師匠さんだった。えええ、あの変態ピアニスト(注…褒め言葉です)を形成した先生は一体どんな演奏をするのだろう。興味津々である。

この日は予定していたプログラムと随分変更があった。アルヴォ・ペルトの「アリーナのために」とリャボフの幻想曲「マリア・ユーディナの思い出に」という曲がなくなり、シューベルトの歌曲のリスト編曲やシューマンに変わり、バッハの平均率クラヴィーア曲集はなぜかブゾーニ編曲の無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータよりシャコンヌになり、まあ他にも色々変わった。

アルメニア出身のこのピアニストは、ここ一ヶ月ほどのヨーロッパ情勢に心を痛め、心情的に弾けない曲はチェンジされた。まあ、マリアなんちゃらさんの曲は流石に政治的にちょっとな気がしたなあ。あと、この日は有料でライブストリーミングの予定であったが、「カメラで映されながら弾くのは心情的に無理」とのことでそれも無しになった。楽しみにされてた方は気の毒に。

正直、わたしはあんまりピアノ曲に詳しくない人なので、知らん曲が多くて退屈でウトウトしてしまうのではと危惧していたが、全然そんなことはなかった。心揺さぶられる音楽が繰り広げられた。

この日の観衆は、おそらくピアノの勉強をしている音大生や、ピアニストとして活動していると思われる方がかなりの割合で占めていたのではないかと思われる。ついこないだの、ソーリー出演のコンサートの時の観客とは雰囲気がまるで違っていた。みんな(色々と)本気だった(別に反田氏のコンサートのお客様がふざけてるわけではない)。滅多に日本では聞けない変態・・・じゃなくて天才ピアニストの演奏を信じられないくらいの集中力で鑑賞していた。


最初のバッハ=ブゾーニのシャコンヌの演奏からしてやばかった。何だろう・・・私は当日いつものようにネットで予約してたコンサートの券を近所のセブンイレブンのおばちゃんに発券してもらってた。でもなんか、「そんな、セブンイレブンでガガガって券を出してもらってお手軽にこの演奏が手に入っていいのか!」って思うくらいすごかった。まるで・・・(想像です)戦地で敵の攻撃から逃れ、命からがら国境まで逃げて、やっと安全な建物を見つけて入ったところがたまたま無人のコンサートホールでピアニストが演奏しており、それを聞いているような感じがした(伝われ)。会場で一緒に聞いていたピアニストさんたちはどう思ったのかわからないけど、このピアニストの心の叫びに、私は一曲目から泣いていた。

普段の演奏会ではありえないのだけど、ほとんどの曲はアタッカで、拍手が入ることなく演奏された。ホールが響きすぎるのか、私が前すぎたのか(でも2等席だったんだけどね)、ピアノの音が凄い響いていた。(失礼かもだけど、反田さんがピアノの響きのためにラーメンたくさん食べて太ったって理由がわかった。ガリガリじゃあの音は出まい。)

ラフマニノフとか何だろう、もう圧倒されて息もできないくらい。休憩後のリストもそのあと続けて演奏されたクライスレリアーナもなんか、全部リストがシューマン弾いてるような演奏だった。ふと思った、弟子のトリフォノフのことを。あんな変態天才ピアニストが形成されたのはこの先生だったらわかるような気がした。

普段、あまりアンコールに応えない演奏家らしいのだが、この日はバッハのゴルトベルクのアリアを弾いてくれた。平和を祈っているような静謐な演奏にまた心を揺さぶられた。たまたまだけどこのコンサートを見つけることができて良かった。日本の演奏家さんや演奏家の卵さんたちもこの演奏からたくさんのことを吸収できたのでは、と思う(Twitterを漁ってたら、上原彩子さんもいらしてたらしい)。


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2022年3月 9日 (水曜日)

東芝グランドコンサート2022 反田恭平&村治佳織(ミューザ川崎)

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ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
管弦楽/ジャパン·ナショナル·オーケストラ 特別編成
指揮/ガエタノ·デスピノーサ Gaetano d'Espinosa
ソリスト/村治佳織(ギター)、反田恭平(ピアノ)

そもそもダーヴィド・アフカム指揮のスペイン国立交響楽団のコンサートだったのに、コロナのせいで指揮者も楽団も来日できず。たまたま新国立劇場で振ってたデスピノーサが指揮者で、反田恭平さんが立ち上げたジャパン・ナショナル・オーケストラが出演、反田さんが出ない時に出演するはずの村治佳織さんも同時に出演。曲目は反田さんの弾くコンチェルトがプロコフィエフからショパンに変更。本当はそもそもプロコ目当てで券を取ったんで、変更は大層がっかりした(私は)。

でも、後で考えると今時ロシアの作曲家の曲を聞くと微妙な気持ちになるかもなので、ショパンで良かったのかも。反田ファンは何でもいいんだろうなあ。

というわけで、結局は反田さんがスカウトした若手名手を集めた楽団のフレッシュな演奏と、(本来ならどっちかしか聞けない)村治さんと反田さんが両方聞けるという、美味しいコンサートになった。まあ、券は結構高かったんだけど。

数年前のショパンコンクール入賞者コンサートを思い出すほどの超満員。休憩中のトイレはもちろん長蛇の列で入れず。普段は男子トイレが行列を作り女子トイレは結構空いてるようなコンサートしか行かないので、なんかもうすごいわ。

一曲目のアランフェス協奏曲。テレビでしか見たことない村治さんはとっても可愛い。青い椅子とドレスの色を合わせているのかしら。ギターはあんまり音量がないのでオケも若干控えめの音量かな。

(そうそう、このコンサートの予習をしようと、YouTubeでアランフェス協奏曲を探したら、コメント欄で「学校の宿題で来た人!」っていうのがあって、その後何人も「私も」「僕も」っていう人がいて、今時は音楽の授業が学校でできないから、YouTubeで聞いて感想を書けとかいう宿題が出るのかな。なんか悲しいな。)

こないだテレビで「リメンバーミー」を見たばっかりなので、ギターの生演奏は本当に嬉しくて。普段は「題名のない音楽会」でしか見たことない村治さんが目の前にいて、有名曲を弾いてくださるのがとても不思議。テレビかよ。

たくさんの拍手に応えて、アンコール。「禁じられた遊び」と、R.ディアンスのタンゴ・アン・スカイ。このご時世では「禁じられた遊び」はキツイ。映画のあの両親を戦争を殺された子供を思い出して涙が出そうになった。・・・って話を一緒に行った友人にしたら、「えー『禁じられた遊び』って映画なの?知らなかった。どんな話なの?」と聞かれたので「戦争で両親を殺された女の子が、男の子と墓の十字架を引っこ抜いて集める話」と説明したら、「なにそれ、コメディ映画なの?」と言われたので、私、説明下手だなあって思った。

2曲目のメンデルスゾーン。オーケストラの本領発揮である。若々しい演奏が曲と合っていて素晴らしい。指揮者も楽しそうに振っている。ところで指揮者のデスピノーサはスマートでとてもかっこいいのだけど、頭の禿げ方が・・・その昔の指揮者スタインバーグに似てるなあとか思ったけど誰もわかんないよね。

曲が終わって大拍手に応えて指揮者はとても嬉しそうだったんだけど、「もうここで出番は終わり」感が沸々としてたので、「もしかしてソーリーのショパンは弾き振り?」とかちょっと考えてしまったんだけど、そんなことはなくてショパンも指揮者は振ってた。

ショパンのコンチェルトは、私は生演奏ではアントニ・ヴィト指揮の演奏しかなくて(ショパンコンクール入賞者コンサートで2回、新日本フィルでヤブウォンスキ先生の演奏で2回)、今回この指揮者の演奏はちょっとタメが多すぎてちょっと違和感だったんだけど、反田氏の演奏がやっぱり素晴らしいので、本当に聞けて良かったと思った。コンチェルトだけだったら優勝してたかもなあ(でも、ブルースさんの時も聴衆の拍手がすごかったから妥当だったのかなあ)。

いやはや、やはり勢いのある演奏家の演奏は凄いよね、ショパンは本当に素晴らしいな、とか思いながら聞いてたけど、終わった時のフライング拍手とスタンディングオベーションも凄くて。ブラヴォー言えないのは本当にキツイわ。圧倒的な拍手に応えてアンコールはお馴染みのシューマン=リストの「献呈」。私は子供の頃、この曲をカスリーン・フェリアの歌唱で聞いていたのでドイツ語で歌えるくらい(嘘)。

その後、指揮者と村治さんが再登場し、そもそもはヴァイオリン弾いてたというデスピノーサが持参のヴァイオリンで参加。とってもいいヴァイオリンらしい(パガニーニだかガダニーニだか)。3人でピアソラのアヴェ・マリア。先日Eテレのピアソラ特集を見たばっかりなので嬉しい。ムーディでとても心のこもった演奏。本来なら外国のオケが聞けなくて頭に来てもいいような気がするのに、結局なんかすごく得した感じ。いい演奏会でした。何より中止にならなくて良かった。

帰り道、友人に「いい演奏会だったねえ」とか言おうと思ったら、大の反田フリークの友人は「ばーっと出てきてあんな凄い演奏をして、ざっと帰るのめちゃくちゃかっこ良くない?」などと(目に星を光らせながら)おっしゃるので「いや、大体のピアニストはそう・・・」と言いかけたけど、何を言っても無駄だなとおもった。なんであんなに(アイドル的な)人気があるのか、やっぱり私はわからん、しかし演奏は素晴らしかった。

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2022年1月 1日 (土曜日)

2021年に行ったライヴ!総括

あけましておめでとうございます。
本年も細々と(なんかもう、色々と社畜拗らせていてすいません)続けていければいいなと思っております。

埼玉ゆかりの名歌手たちによるニューイヤーコンサート

藤原歌劇団/ラ・ボエーム (伊藤・笛田組)

ミュージカル「モンティ・パイソンのSPAMALOT」

二期会/ワーグナー「タンホイザー」(千秋楽)

新国立劇場「ワルキューレ」(2021)

〜エルガー夫妻に捧ぐ〜 スペシャルコンサート

飯守さん傘寿記念コンサート/ニーベルングの指環ハイライト

田中祐子/日本フィル 神尾真由子/ ブラームス他

メサジェ/歌劇「お菊さん」(日本初演・初日)

飯守さんのブルックナー7番(2021)

メノッティ/電話 (調布国際音楽祭)

飯守さんのブルックナー 「ロマンティック」

二期会 ベルク「ルル」(森谷組初日)

怖いクラシックコンサート

九月大歌舞伎 第三部「東海道四谷怪談」

ラファウ・ブレハッチ ピアノリサイタル2021

ウルバンスキ/東響 シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番、カルミナ・ブラーナ (川崎)

ニュルンベルクのマイスタージンガー 新国立劇場

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル (所沢ミューズ)

ヘンデル/オラトリオ「メサイア」 バッハ・コレギウム・ジャパン

相変わらずコロナ禍ではあったものの、去年よりは結構行けたかなあと思う。一番のトピックスは何と言っても飯守さんの傘寿コンサートかな。これ行けただけで今年は本当に良かった。ハイライトながらバイロイトを超える?演奏だったと思う。いやあ、本当に幸せだった。今年はひどい職場に配属されたけど、これがあっただけで生きていけると思った。

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(以下、全然音楽とは関係ないので読みたい人だけ読んで)
今年の年越しは完全ボッチであったのだけれど(だって29日まで会社、4日からがっつり会社でどこへも行けず)全然寂しくなく年越しをできたのは、事故物件YouTuber「ブルーシー」のおかげだ。

ブルーシーとは何か。
・会社の先輩後輩で、「ゲーム実況YouTubeやろうよ」と結成。
・これのためにお部屋を借りたけれど、お金があまりなくて先輩が安い事故物件を契約。
・最初はゲーム実況の動画を上げていたものの、事故物件の霊現象のほうが視聴者の反応が良かったので「事故物件YouTuber」へ路線変更。
・最初は二人とも顔バレしないためにマスクを被って動画を撮っていたが、色々と不都合がありある日マスクを取ることを発表。(←私はここらへんから見ている)
・が、会社にバレてしまい、「会社で働くか、会社辞めてYouTuberになるか」の選択を迫られ、そもそも二人とも社畜を自覚しており会社を辞めたかったのでYouTuberになることを選択。
・シャワーが勝手に流れる、トイレのドアが勝手に開くなどの霊障の他、毎晩2時過ぎに現れるすりガラスにのみ映る不気味な影に悩まされる。
・心霊現象が激しくなるにつれ、近所から騒音などの苦情が来るようになり、また、視聴者に住所がばれてしまい一般人から嫌がらせが来るようになる。
・不動産屋からも動画を撮影することを止められる。
・しかたなく引越し(今は3軒目)。現在は視聴者のご厚意で事故物件ではないものの、霊道にある部屋(一軒家?)を貸してもらっている。
・最初の部屋に登場している不気味な影は、引っ越すたびについてきておりそのうち二人とも和解し(『影さん』と呼ばれ、優しい性格から視聴者にも親しまれている)3軒目の邪悪な霊たちへの対応のアドバイスなどをしてくれる。
・影さんとはノックの音(1回は「はい」2回は「いいえ」)や幼児用のタブレットを使用して簡単な会話ができるようになる。
・影さんは(死亡時の)年齢は30代、女性へのストーカーをしたあげく?山奥にて自殺、ブルーシーの二人に〇体を探して供養してもらうことを希望している。山の名前や大体の場所・本名などは判明している。

・・・と、まあ普通は「こんなんウソだろ」って思うこと満載なんだけど(当然ヤラセという人も多く、アンチも多い)、私自身は「もしかして彼らとは違うテレビ作家が作っているのかもしれないけど、テレビなんかより全然面白いからいいかな」って思って毎日ほのぼのと(泣いたり笑ったりしながら)見ている。また、高身長でスマートな若いお兄ちゃんたちがいちゃいちゃしている(←違)のを見るのは楽しいのでそっちの需要もある。いや別に皆様に視聴を薦めているわけではないのですが(普通に考えたら怖いし)、私はTwitterも何もやってないもので彼らへの愛をどこかに示したくて書いてみました。

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2021年9月20日 (月曜日)

怖いクラシックコンサート

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怖いクラシックコンサート
チャイコフスキー:オペラ『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
ラヴェル:「亡き王女のためのパヴァーヌ」
(絵画:ベラスケス/王女マルガリータ)
プッチーニ:オペラ『蝶々夫人』より「かわいい坊や」
(絵画:ドラクロワ/怒れるメディア)
ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」
(絵画:ファレーロ/サバトに赴く魔女たち)
ビゼー:オペラ『カルメン』より
前奏曲、ハバネラ、手紙の二重唱、第2幕への間奏曲、闘牛士の歌、第3幕への間奏曲、第4幕フィナーレ
(絵画:ゴヤ/エッチング「闘牛技」
アンコール・サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」
(絵画:ブリューゲル/死の勝利)

ソプラノ:砂川涼子
メゾソプラノ:谷口睦美
テノール:笛田博昭
バリトン:与那城敬
指揮:三ツ橋敬子
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
解説:中野京子
司会:笠井美穂
(9月19日 東京文化会館大ホール)

過去記事:怖い絵展 上野の森美術館

「怖い絵」シリーズで大人気の中野京子さんの監修・解説によるコンサート。「怖い」とは題名だけで(ムソルグスキー以外は)ちっとも怖いものはないし、曲目も私から言わせると超々初心者向けである。普通ならスルーする出し物だが、出演歌手がやたら豪華だったし、中野さんの著作のファンの友人を誘ってみたら快諾だったので行く事に。一人じゃ行かなかったかな。

舞台に巨大スクリーンを配して、曲に因んだ絵を映し出して中野さんの解説を聞く、という趣旨の演奏会。音楽評論家とかの解説ではないちがう視点の解説だったので、これはこれで面白いなと思った。とくに「カルメン」なんて「いや今更なに?」という曲目でも、「そういえば闘牛士って出てくるけどそんなに気にしたことないな」とか考えたりもした。

1.チャイコフスキー:オペラ『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
特に選曲は意味がなく、中野さんがお好きだからということである。ふうん。

2.ラヴェル:「亡き王女のためのパヴァーヌ」
有名なマルガリータ王女の解説。近親婚を繰り返したせいであんまり長生きできなかった一族の王女様の話。近親婚でも血の濃さは実の親子以上とのこと。だが「一族みんな下唇ベロンチョ」の話はなかった。ラヴェルはこのマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲した、という。この曲をどっか街中で耳にした晩年のボケてしまったラヴェルが「美しい曲だ、誰の曲?」と尋ねたそうな。

3.プッチーニ:オペラ『蝶々夫人』より「かわいい坊や」
王女メディアの絵を取り上げるなら、ケルビーニのオペラがあるやん、とは思ったけど、イタオペ・ファンの人の間では有名だけど一般的ではないし、歌手のレパートリーの問題もあるしというわけで蝶々さんに。そもそもの予定では「私のお父さん」のアリアが歌われるはずだっただったんだけど何故か蝶々さんに。えー、ジャンニスキッキだったら何の絵だったんだろうか。砂川さんは(何年経っても)相変わらずチャーミングだし声量があって素晴らしい声。ベテランの味である。最後のピンカートンのチョーチョーさんを呼ぶ声は笛田さんが歌唱。いい声。

4.ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」
この曲、ナマで聴くの初めてだし、たぶんまともに全曲聴いたの小学校の音楽の授業以来かもしんね。有名曲は有名曲だけあって、ちゃんとした演奏で聴くとやっぱりいい曲だと思う(前に聴いた「新世界」も思った)。この時展示されたファレーロの絵は初めて見た。こういう「こんな機会でないと知らない絵」が出てくるのいいね。

5.ビゼー:オペラ『カルメン』より
休憩後はカルメンのハイライト。実は「カルメン」を全曲生で見たことがなく(←ええええ)、あまり親しみのない楽曲ではあるが、この手の演奏会やガラコンサートに行くと大体「カルメン」ハイライトになるので相当人気があるものと思われ。今回は二期会の谷口さんのカルメンと与那城さんのエスカミーリオ、藤原の砂川さんのミカエラと笛田さんのドン・ホセという、日本の二大歌劇団の代表選手による演奏。生の舞台ではありえない配役でこれはこれで貴重かな。

この曲にて解説の絵はゴヤのエッチング。中野さんは実際にスペインで闘牛をご覧になったそうで、それを見ているからエスカミーリオのアリアも臨場感のあるものに感じるのかなと思った。ただ、「闘牛士の歌」の時に演奏中に色々と絵を映し出していたのに、かっこいい与那城さんに見とれてしまってすっかり絵を見忘れてしまったのを後悔。

谷口さんに限ったことではないが、歌手がカルメンを演じる時は何故か片腕を腰に当ててかっこよく構えて歌うので、今更ながらカルメンというキャラクターの独自性について考えてしまった。谷口さんのカルメン、お奇麗で声もステキだった。

藤原歌劇団代表スターによる「手紙の二重唱」はほんと魅力的だし、いや何と言っても笛田さんの声量のある美声はずっと素敵で、彼の出る舞台はみんな見たいくらい(まあ、そもそもイタオペそんなに観ない人なのでアレだけど)。

アンコールの「死の舞踏」は好きな曲なので(中学生のときよく聴いてたな)、生で聴けて嬉しい。

帰りにアンケートに答えると名画の絵葉書が貰えてなんか嬉しかった(さすが上野って感じ)。選べなくて何が貰えるかわからんかったけど、私はデュフィの黄色いヴァイオリンの絵だった。友人はゴッホのなんかだった。

なお、この公演は有料ライブ配信され、有料だが9月25日までアーカイヴで見られるとのこと。ご興味のあるかたはどうぞ。生のほうが演奏はいいに決まってるけどね。
https://ticket.rakuten.co.jp/music/classic/rtxphrr/

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さて。私がこのコンサートを企画した場合、本当に怖いクラシックを入れるべきなんじゃないかな。どうしてもメジャー曲じゃなくなるけど。ちゃんと「怖い絵」展に登場した絵ばかりである。

1.R・シュトラウス:「サロメ」より7つのヴェールの踊り
(絵画:ビアズリーのサロメ)
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2.ベルク:ルル組曲より オスティナート
(絵画:ウォルター・リチャード・シッカート「切り裂きジャックの寝室」)
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3.ワーグナー:「さまよえるオランダ人」序曲
(絵画:ジェリコー「メデュース号の筏」)

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4.プーランク:「カルメル派修道女の対話」よりフィナーレ
(絵画:ドラローシュ「レディ・ジェーングレイの処刑」)
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2021年1月17日 (日曜日)

埼玉ゆかりの名歌手たちによるニューイヤーコンサート

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小川里美(ソプラノ) 藤田美奈子(ソプラノ)
増田のり子(ソプラノ) 光岡暁恵(ソプラノ) 坂本 朱(メゾ・ソプラノ)
林 美智子(メゾ・ソプラノ) 小川明子(アルト) 大槻孝志(テノール)
高橋 淳(テノール) 友清 崇(バリトン) 原田勇雅(バリトン)

大井剛史(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
大林奈津子(司会)
(1月16日 川口リリアメインホール)

去年から券を取ってあったもの。緊急事態宣言発令のため開催を危ぶんていたが(わたしが)、前日リリアホールに問い合わせてみたところ「やります」とのことだったので、行ってきた。埼玉県出身または在住の、二期会や藤原をを代表するようなベテラン名歌手の名がずらりとならび、しかもシティ・フィルという豪華版なのに、謎の3,500円という低価格。やっぱりホール使用代が安いからかな。友人を誘って鑑賞。

リリアホールは昨年で開館30周年だということで、このコンサートは本当は去年やるはずだったのだけど、コロナのせいで延期になったということである。延期になってなければ私に情報は入ってなかったはずなので、結局(わたし的には)よかったかなと。リリアホールは遠い昔に母親と「蝶々夫人」を観に行ったことがあり。大変素晴らしかったのを覚えている。

なお、出演予定だった澤畑恵美さんは体調不良のため、欠席。とっても残念。

座席は一人置きに設定。近隣住民の観客が多いのか、高齢の方が多い感じ。まあ・・・こういうコンサートでは仕方ないのかカバンのチャックを開け閉めしたり、演奏中にお茶飲んだりとかしてる人が周りで見受けられた。券が安いとしょうがないね。

曲目は有名どころが集められているが、どうしてもドイツオペラはこういう時は少ないねえ。フィデリオだけだ(モーツァルトはドイツオペラか?)。代わりに?レハールやカールマンのオペレッタのアリアが聴けて、これはとても嬉しかった。そしてフランスものが若干多かった感じもしたのも嬉しい。

印象に残った歌。

藤田美奈子さん。「椿姫」のアリア、お美しい外見と悲劇性を感じる芯の強い声質でヴィオレッタに合っていた。この曲はとっても有名だけど、ただ音を外さずうまく歌えばいいってわけではなく、難しいアリアだよなあ。

大槻孝志さん。フェデリーコの嘆き、オネーギンのアリア。美声で素晴らしい。しびれる。ナマでこんな美声を聴けるのはとても幸せ。やっぱりナマはいいなあ。

増田のり子さん。月に寄せる歌。久しぶりに彼女の声を聴くなあ。ドヴォルザークのアリアいいよね。じいいいんと心に沁みる。

林美智子さん。ハバネラ。「日本でカルメンと言えば私よ!」みたいな感じで堂々たる歌唱(そういえばテレビのニューイヤーコンサートでも歌ってた)。双子のお子さんいるのかあ。

高橋淳さん。星は光りぬ、君こそ我が心のすべて。ひところ体を壊されて出演されなかった時期があって心配していたが、元気になられたようで良かったなあ。ミーメなどの性格テノールの第一人者だけど、普通の役も行けるのいいよね。

小川里美さん。チャルダーシュの女王。指揮者とともにノリノリで踊ったり楽しい。ところでオペレッタのオケ伴奏って生で聴くと本当にいいんだよね。

友清崇さん。フィガロの結婚のアリア イタオペ・フランスオペが続く中、突然のモーツァルトで新鮮に感じた。

原田勇雅さん。闘牛士の歌。何故か自然に手拍子が発生。この曲で手拍子起こったの初めて見た。埼玉の風習?

坂本朱さん 君の声にわが心は開く。この曲好きなので聞けると嬉しい。深いお声でうっとり。

他の方もみなさん素晴らしかった。司会の女性の方も(なんだか暗い棒読みの今年のNHKニューイヤーの司会と違って)明るく知性的でよかった。出演者のインタビューも良かったんだけど、男の方にもインタビューしても良かったかなと思う(と、一緒に聴いてた友人が言ってた)。

色んな国の曲を振り分けていた大井さんはとても楽しそうだった。思うに、演奏家やオペラ歌手は自粛生活の中何とかYouTubeなどで演奏を発信できるけど、指揮者はなんもやりようがないから、実演のうれしさはひとしおだろう。

とても楽しいコンサートだった。しかしまあ、相変わらずブラヴォー禁止なので何か気が抜ける。ブラヴォー言いたい。

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友人と久しぶりに会ったので、手短に川口駅周辺で(3密を避けながら)会食。パチンコ屋さんの8階の「千の庭」という和食チェーン店で。高級っぽい店構えなのに比較的リーズナボーで良かった。

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2020年10月12日 (月曜日)

アンサンブル<ヴェネラ> チェレプニン、伊福部ほか

アンサンブル≪ヴェネラ≫2020 ~ ロシア音楽と日本音楽の邂逅 ~
 日本クラシック作曲界の黎明期を導いた師チェレプニンと愛弟子伊福部の世界。そして極東ロシアと日本をつなぐアイヌの輪舞。
【日時】2020年10月11日(日) 18時15分開場/19時開演
【会場】杉並公会堂(大ホール)
【指揮】湯川 紘恵
【曲目】
 ♪序曲ニ長調(山田耕筰)
 ♪交響曲第1番ホ長調(A.N.チェレプニン)
 ♪室内管弦楽の為の「土俗的三連画」(伊福部昭)
 ♪シンフォニア・タプカーラ(伊福部昭)

久しぶりのアマチュアオケさん。知り合いより券を回していただいたのだが(ありがとうございます)、全然知らないオケ。ある一部の(いや、かなりの)マニアには圧倒的な人気を誇る伊福部昭と、その師匠であるチェレプニンの交響曲、そして今やNHKの朝のドラマに出てたりする山田耕作先生の曲、という何ともマニアックな選曲である。

コロナ予防のため、やはり一つ置きに席は設けていた。適当に、好きな席に座りたいところだったが指定の席へ。1階席の前から10番目だった。このホールだといつも座るバルコニー席に座りたいところだが、あまり係の人の手を煩わせたくないものなので我慢我慢。

まあ、ここらへんの選曲にありがちの、いつものようになんとなく「タモリ倶楽部」に出てくるようなマニアのおっさんたちであふれていた。(←失礼?)

指揮者は若い女性である。スーツ姿もお辞儀の仕方とかも初々しく可愛らしい。女性指揮者は今や昔よりはそん・・なに珍しくはなくなったのだけど、いつから指揮者になろうと思ったのか聞いてみたくなる。

一曲目の山田耕作先生のは、いかにも・・・日本人がドイツふうの曲を一生懸命まねて作ったという感じである。短くてすぐ終わってしまった。あらら~。

ところで、アマオケさんにはありがちの極めて思い入れの強い素晴らしいプログラム(解説書)を頂いたのだが、小さな活字がびっしりと並んだものをみると目が拒否反応を起こすので、申し訳ないがところどころしか読んでいない。(ちゃんと読めばいいのだが) こんな状態で感想を書いていいものだろうか。

チェレプニンという作曲家は名前は知ってたけど曲を聴くのは初めてかと。誘ってくれた友人はチェレプニンの交響曲を聴いたあと頭にハテナマークを乗っけてたけど(私よりマニアなのに珍しいな)、私は結構こういう「鉄工場」みたいな曲が大好物なので、楽しく聴いた。メロディのない打楽器だけで繰り広げられる第2楽章も面白いな、と思った。ずっとこういう作風だったのかしらん。

さて後半の伊福部。伊福部さんて三浦淳史さんと仲良しだったのね(だからなんだ)。「土俗的三連画」は前にNHKかなんかで映像付きで(なんか踊ってる)見たことがある気がするんだけど私の思い間違いかもしれない。シンフォニア・タプカーラもたぶんどっかで聴いた気がする。しかし。おそらく全部おんなじような感じなんでいろいろ記憶が混じっているのかも。

伊福部昭の音楽を聴くと、いつも思うのは今や朝ドラの主人公になってる古関裕而のこと。アイヌっぽい音楽を書いてたりするんで共通すると思うんだけど、きっと古関裕而さんも伊福部さんみたいにもっとクラシックの曲を書いて発表したかったんじゃないかな。

早くに金子と出会ってしまって結婚して子供も生まれたりしたから生活のために流行歌や応援歌、戦時中の音楽や社歌や校歌などありとあらゆる曲を書く便利屋みたいになってしまった。もちろん古関さんの歌は(ドラマが始まるずっとずっと前から)大好きでよくカラオケで歌ったりするけど・・・何かちょっと心が痛む。古関さんの最初に海外のコンクールで入賞した曲とか、クラシックの曲を聴いてみたかった。(全然演奏の感想関係なくてすいません)

伊福部の音楽はお祭りみたいでみんなノリノリで楽しそうだったし、私も楽しくて踊りだしたくなった。ブラボーはもちろんなしだけど・・・本当はみんなブラボー言いたかったんじゃないかな。

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