2017年9月10日 (日曜日)

ヴェルディ/オテロ バッティストーニ 東京フィル

1505045007857_2_3ヴェルディ:歌劇「オテロ」
指揮・演出:アンドレア・バッティストーニ
映像演出:ライゾマティクスリサーチ 真鍋大度
 
オテロ:フランチェスコ・アニーレ
デズデーモナ:エレーナ・モシュク
イアーゴ:イヴァン・インヴェラルディ
ロドヴィーコ:ジョン・ハオ
カッシオ:高橋達也
エミーリア:清水華澄
ロデリーゴ:与儀 巧
モンターノ:斉木健詞
伝令:タン・ジュンボ
新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
世田谷ジュニア合唱団(合唱指揮:掛江みどり)
東京フィルハーモニー交響楽団
(オーチャードホール)
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<あらすじ>
アフリカ系黒人の男がせっかく政権と白人美女を得たというのに部下に騙されてすべてを失う。
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昨年のイリスがよかったので、今年も参戦。というか、バッティストーニがまだ日本で観られるうちに、まだものすごく偉くならないうちにオペラだけは観ておかなくては。
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実はオテロ、ナマで聴くの初めてなの。CDはトスカニーニのしか持ってない。この曲に関してはトスカニーニを超える演奏はないぜ・・・とは思ったものの。
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本日、指揮に限ってはそんなに違和感なかった。さすがに「トスカニーニの再来」と言われるだけある。演奏はホントに素晴らしかった。
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バッティスさんは舞台に颯爽と登場。指揮台に上ると会場の拍手が終わらないうちに演奏を始めた。こないだのアントニ・ヴィト先生のようだ。
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ところで。
今回のこの上演の目玉は映像の演出が真鍋大度さんであるということである(リオ五輪閉会式の日本のプレゼンの映像の演出とかPerfumeの舞台の映像を作ったりした人)。今回の上演は「美術手帖」にも特集されるくらい、美術界でも注目されていたのだと思う。まあ、いろんな仕掛けがあり(よくわかんないけど)、バッティストーニの腕になんか仕掛けられててそれに合わせて映像もいろいろ変わるとか、この曲の聴く人の心理状態に合わせて映像もいろいろ変わるとか・・・。
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私はリオ五輪での映像は面白かったし、Perfumeも実際見て見たいとは思ってたし、今回も実験的で見ててまあ面白いなとは思ったけど。正直東京フィルの演奏があまりにも雄弁なので「これってなくてもよくね?」とか思った。こんな凝ってなくても、先日の「けものフレンズ」コンサートの照明演出くらいでもよかったくらい。でも、まったくオペラに接するのが初めてな人だったら、こういう何かがないと、きっと見ていて迷子になってしまうに違いない。長年クラヲタしていると、なかなか初心者の気持ちがわからない。まあ、舞台いっぱいにプラネタリウムのごとく星空になったり、合唱団の歌うところで人の影が右往左往したり、デスデモナの死の前にろうそくの炎がたくさん映し出されていたり、そういう結構アナログな感じなところはきれいで好きかな。
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歌手は・・・まあ素晴らしい人とそんなでもない人と凹凸あった。たまたまこの日はどこかの映画館でヨナス・カウフマンの演じるオテロをやってたらしく。彼のようなイケメンオテロだったら、視覚的にずいぶん楽しめただろうなあとおもったけど。前回「イリス」にで出てたアニーレ。「テノールは不調のようだ」というツィッターがたくさん流れていたけどあたしの印象としては、昨年とそん・・・なに変わらない感じ。そもそもあんな感じなんじゃないかと。まあ昨年はタイトルロールでもなかったから気にしなかったけどね。
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基本的にドイツオペラ好きなので、よくわかんないんだけど。「オテロ歌い」ってやっぱり不足しているものなの?ジークフリート歌いやトリスタン歌いが不足しているように。やっぱりデル・モナコやラモン・ヴィナイ、シャーンドル・コンヤみたいなオテロ歌いは、今いないのかしら。今回のアニーレさんを見て、「いやこの人にデル・モナコは求めんわ、アレはムリだわ」とは思ったけど。
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それに比べて。相手役のデスデモナの人はとても素晴らしかった。初役だというが。外見もなかなかエロイ感じでよかった(ちょっとだけ昔の弘田三枝子さんぽかった)。高音もすんなり伸びていて聞きほれたし、聞かせどころの「柳の歌」もほろりとする名歌唱であった。後半みんな彼女の歌唱に引き込まれてた感じ。
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このところ(何年もだけど)絶好調の清水華澄さんも素晴らしかった。とてもよい演技をされていた。でも彼女のせいじゃないけど歌うとこ少なすぎるな。もっといっぱい聴きたいですね。
(・・・まあ、彼女のせいじゃないけどエミーリアってもしかしてデスデモーナを助けられたんじゃないの??とか思ったりもするが。違うの?)
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イヤーゴ役の人は、声楽的には素晴らしかったとは思うものの、もっと「やなやつ」感がほしかったところ。それに「悪役なのに惚れちゃう」感もなし。
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あー、でもね。今回一番思ったのは。
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そもそも、オテロに出てくるイヤーゴみたいな純然たる悪役にちょっと違和感がある。わたしが普段聴いているワーグナーのオペラは悪役の人間、少ないんだよね。「いや、ワーグナーのオペラに悪役たくさんいるだろう、アルベリヒとかクリングゾルとかオルトルートとか」と思われるかもしれないけど、ワーグナーのオペラの悪役、大体普通の人間でない。「魔法使い」だったり「小人族」だったりしませんか? 純然たる人間で悪役、少ない気がする。だから、イヤーゴを見てると「えー、人間なのにこんなに悪い人なの?この人には良心がないの?」とか思っちゃう。へんかなあ。
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まー。今回の席は前から6番目くらいだったのでよく聞こえたし(舞台後ろの方に歌手が行ってしまうと結構聴きづらくなってしまうのだけれど)、音響的には不満はさほどではなかった。
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第3幕が非常にド迫力でとくに楽しめた。
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それにしても、オテロってなんであんなに・・・バカなの。騙されすぎでしょ。
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ところで、本日「27時間テレビ」見てて思ったんだけど、バカリズムさんにオペラの演出をやってもらいたい。モーツァルトとかロッシーニとかどうかな。R・シュトラウスでもいいけど。

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2017年8月19日 (土曜日)

二期会サマーコンサート2017

Nikikai_3二期会サマーコンサート2017
イタ・オペ三昧 ~声のシャワー!浴びてみませんか?~
(ソプラノ)
大倉由紀枝、大西ゆか、熊田アルベルト彩乃(※)、
小松崎 綾、醍醐園佳、福田美樹子(※)、
山本美樹、鷲尾麻衣
(メゾソプラノ) 菅 有実子、小泉詠子、永井和子
(テノール)
糸賀修平、大澤一彰、前川健生、水船桂太郎、大野徹也
(バリトン)
大沼 徹、上江隼人、黒田 博、小林由樹、野村光洋、
原田勇雅
(バス)
小鉄和広
(ピアノ)
山岸茂人
(※)…クリスタルコーナー(新入会員)出演者
司会:大野徹也 佐々木典子

(8月18日 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール)
 
プッチーニ 『ラ・ボエーム』より      
“私が街を歩けば”(ムゼッタのワルツ)  熊田アルベルト彩乃
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ヴェルディ 『リゴレット』より 
“慕わしい人の名は”  福田美樹子
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ドニゼッティ 『ドン・パスクワーレ』より    
“さあ、用意はいいわ”  大西ゆか、野村光洋
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ドニゼッティ 『ランメルモールのルチア』より
“我が祖先の墓に”  前川健生
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ドニゼッティ 『愛の妙薬』より    
“あんなに愛してくれているのに”   鷲尾麻衣、小鉄和広
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ドニゼッティ 『ポリウート』より   
“あなたの美しい面影に”   原田勇雅
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プッチーニ 『つばめ』より 
“ドレッタの美しい夢”   小松崎 綾
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プッチーニ 『マノン・レスコー』より   
“私は一番きれいでしょう!”   醍醐園佳、水船桂太郎
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プッチーニ 『ラ・ボエーム』より
“冷たき手を”   大澤一彰
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ロッシーニ 『セヴィリアの理髪師』より
“あの不思議にして万能の”   糸賀修平、上江隼人
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ロッシーニ 『セヴィリアの理髪師』より
“それじゃ私だわ…嘘じゃないわね”   小泉詠子、小林由樹
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マスカーニ 『カヴァレリア・ルスティカーナ』より
“お前ここにいたのかサントゥッツァ”   菅 有実子、大野徹也
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チレア 『アドリアーナ・ルクヴルール』より
“苦い喜び、甘い責め苦を”   永井和子
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ヴェルディ 『椿姫』より   山本美樹
“ああ そは彼の人か... 花から花へ”
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ヴェルディ 『オテロ』より
“行け!お前の目的はもう分かっている”(ヤーゴの信条)   大沼 徹
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ヴェルディ 『シモン・ボッカネグラ』より
“話しておくれ、どうしてこんな寂しいところに”   大倉由紀枝、黒田 博
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仕事がいろいろとうまくいってなくて(ずっとだけど)、「あああああ~~~」となってしまったためフレックスで上がって急遽コンサートへ。当日券はA席はすでに売り切れてB席しかなく(そりゃ500円しか違わないんだもんA席買うよね)バルコニーから見下ろす席だったがまあ十分。小さいホールだから見えないってことはないだろうとは思ったが、失敗した。舞台向かって左側に司会者がいたため、私の席からは司会者見えず。大好きな佐々木典子さんが全く見えなくて悲しかった。歌わなかったのでまあいいのだが。そもそもなんで歌わないの。歌ってほしかったなあ。
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ご案内によりますとこのコンサートの出演者は、二期会会員でオーディションを受けた方々の中から選ばれた人という。てなもんで大ベテランから(私の)全然知らない人まで。私はそもそも二期会のイタオペあんまり見ないもので天下の二期会でも知らない人は大勢いる。
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ワーグナーやR・シュトラウスのオペラでおなじみの糸賀さん、小鉄さん、大沼さん、黒田さん、そして大ヴェテランの永井先生、大倉先生以外は「うーん、名前は聞いたことあるかな・・・かも?」みたいな程度。曲もプッチーニとかマスカーニとかチレアとかヴェルディ以外は実はそんなに・・・名前知ってるくらいであんまりわからん。
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だもんで、すっごい素晴らしい歌唱もあれば、実は意外とあんまり・・・みたいな(個人的な感想です)歌もあり。バスやバリトンはワーグナーで聴きなれた感じだったりするけれど、イタオペのテノールは少し違うなあというちょっとした違和感。たまたま急病だったのか出演予定だったテノールの代役で、司会者のヘルデンテナー大野さんがマスカーニを歌われて嬉しかった。ナマで聴いたの2008年のジークムント以来かも。力強い歌唱。
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大変すばらしかったのが「マノン・レスコー」からの一節。とくに醍醐さんというソプラノの方が大変ドラマティックで、とても感動した。テノールの水船さんもよかった。マノンレスコーのCDを塔に買いに行こうかと思ったくらい。
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あと、自分的にはいまだに近づきがたいロッシーニの「セビリアの理髪師」がなんかよかった。もしかしたら聴けるような体質になったのかも(なんじゃそれ)。ヒロインがメゾというのが私の低音歌手好きに合っているのかも。カヴァレリアも大野さんだけでなく菅さんのメゾもドラマティックで素敵。
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先日、藝大の戦没学生コンサートで名唱を聴かせて下さった永井先生は、登場からオーラがものすごくて周りの空気まで変わってしまうような感じで。まさに大女優の風格があった。
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山本さんによる「ああそはかの人か」も、子供のころからミミタコのこの曲はやっぱりナマで聴くと「ほんとに(有名なわりに)難しい曲なんだなあ」とか思った。見事に歌われていた。椿姫久しぶりに全曲見たくなった。
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このところ大活躍の大沼さんは相変わらず素敵だった。悪役なんだけどなんか表情があどけなくてかわいいなあと(失礼ですごめんなさい)。わっかいころのF=Dみたい。
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トリは大倉さんと黒田さん。親子ほど年違うとの紹介にびっくり。大倉さんずっと昔から見てたけどあんまり変わらない印象。このコンビに既視感・・・と思ったら新国立での「鹿鳴館」の時のコンビだった。
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アンコールはなし、最後はまた「乾杯の歌」かこうもりのフィナーレかなと思ったけどいっさいなし。全員出てきてカーテンコールで終わり。あ、書き忘れたけどピアノ伴奏の山岸さんが大変見事で、ほんとにイタリアオペラのオケみたいな感じで素晴らしかった。たくさんいろいろ聴けて楽しかったでした。観客の方々もなんか華やかな感じで(多分多数のオペラ歌手さんがおられた模様。見たことある人何人かいた。間違ってたら悪いから書かないけど)
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さくらホールのあたりは飲食街で渋谷中心地とは違いなかなかグルメな店が並んでいるけれど、終演後とっとと帰宅。このところドハマりしている「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメをケーブルテレビで見るためである。非常にこの作品はよい。設定が斬新であるし、アニメとしても色彩のセンスがよく音楽もかっこいい。芸術的とさえ言ってもよい。
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会社で男性社員たちに「ジョジョ、面白いよね~。めっちゃはまった」と騒いでたら「い、今頃・・・」という感じで見られてしまった。いや、いいじゃないか。するってえと何かい、300年も400年も前のオペラを私は聴いたりするけど「何で今頃・・・?」とは言わんだろう。違うか。
 
・・・あっ(気付き)、「けものフレンズ」再放送はもちろん見ていますよ。時間的に始まって5分で出かけなきゃならんので観るのは家帰ってからだけど。トキさんとツチノコさんが好きです。

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2017年4月 8日 (土曜日)

ヴェルディ/オテロ メトロポリタン歌劇場(WOWOW只見週間)

ヴェルディ:歌劇「オテロ」
アレクサンドルス・アントネンコ(オテロ)
ソーニャ・ヨンチェヴァ(デズデーモナ)
ジェリコ・ルチッチ(イヤーゴ)
ディミトリ・ピッタス(カッシオ)
チャド・シェルトン(ロデリーゴ)
ジェニファー・ジョンソン・カーノ(エミーリア)
ギュンター・グロイスベック(ロドヴィーコ)
ジェフ・マッツィー(モンターノ)、他
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
ヤニク・ネゼ=セガン(指揮)
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先週、希望もしてないのに大家さんの意向で(マンションのアンテナがえらい不調で、フジとTBSが映りにくかった)ウチにケーブルテレビが引かれたため、一週間だけWOWOWが見れるのだ。でも見たいの・・・これだけだった。よく探せばあるのかな。衛星放送観れるったって、クラシック番組あんまりないし。バイロイト放送とかしないかな。
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クラシカ・ジャパン契約しても、ほとんど家にいないのにもったいないしさー。
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さて、オテロだが実は一回も実演で観たことない。今度の新国立も行かない。別に嫌いなわけではないのだが。唯一持ってるCDがトスカニーニっつうのがどうも。ローマ三部作とかもそうなんだけど、最初に買ったCDの演奏はずっと引きずるよね。
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歯痛と頭痛を医者から貰ったポンタールで紛らわせながら鑑賞。
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正直、トスカニーニとクライバー(YouTubeだが)の熱狂的な指揮で慣れてしまうと、歌劇場で普通に上演されている、スター指揮者でない指揮者の演奏はいかにも普通である(全然悪くないのだけど)。ウィーンで言ったらウルフ・シルマーとかみたいな感じか。
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歌手も全然知らん。おまけに先週バイロイトレベルの低音男性の歌をナマで聴いてしまったので(ワーグナーだけんども)、イヤーゴとかの低音の歌手はそんなにいいとも思わなかった。オテロの人もうまいっちゃうまいのだけど手放しで歓喜するほどのものでもない。私がヴェルディあまり聞かないからかな。カッシオの人は美声だな。
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(今更だけど、日本人ってすごく耳が肥えてると思うなあ・・・)
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その中で、デスデモナ役のヨンチェヴァという歌手がほんとに素晴らしい。ドイツ・オペラばっかり聴くので、それ以外の国のオペラの歌手にはほんとに疎いのだが。
彼女の声を聴いてからは他の歌手はどうでもよくなってしまった。どこまでも伸びる高音。声量もありそうだし、全盛期のフレーニみたい。欧米ではすでに大スターのようですね。
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ところで、最近はオテロ役の人は顔を黒く塗らないのねえ(アメリカだからか?もうオテロはムーア人ってみんなの頭に入ってしまっているから?)。
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オペラはいいな。(今更)
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全然関係ないのだが、先日門前仲町を歩いていたら「カラヤン」って看板が目に入ったので近づいてみたら中華料理屋だった。なんでカラヤンなんだろう。

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2016年1月31日 (日曜日)

サヴァリッシュ/アンドレア・シェニエ(1956)

Wlcd0197_2 ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」
ハンス・ホップフ (アンドレア・シェニエ)
ヨーゼフ・メッテルニヒ (カルロ・ジェラール)
マリアンネ・シェッヒ (マッダレーナ・ディ・コワニー)
エリザベート・レヴ=セーキ(コワニー伯爵夫人)
キート・エンゲン(ルーシェ)
ヴァルター・ベリー(マテュー)
パウル・キューン(密偵)
バイエルン放送交響合唱団
バイエルン放送交響楽団
ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音: 1956, Munchen, Germany
ドイツ語歌唱、モノラル
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本日、棚の奥から発見。ずいぶん前に半額セールで買って、そのままになっていたらしい。聴いた記憶がない。まあ、もうすぐ新国立でもこの曲上演するらしいし(行く予定はないが・・・わからん)、聴いてみたらなかなか興味深い演奏だったので、感想を。
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ワルハルレーベルの一連のドイツ放送録音のCD化のようである。モノラルながら大変状態がよい。観客の雑音が全くない。なので名アリアがちりばめられたこの曲でも、聴衆のブラヴォーなどは入っていない・・・ので多少寂しい。
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例によってドイツ語歌唱。ワーグナーやシュトラウスのオペラでお馴染みの面々が出演しているため、私のようなドイツ・オペラ好きにとっては全く違和感はないものの・・・普段この曲に慣れ親しんでいるイタオペ好きには、もしかして違和感があるかもしれない。
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ジークフリートやトリスタン、そして「影のない女」の皇帝などの諸役を得意としたホップフなので、ここでも堂々たる歌唱を繰り広げているものの、やや鼻にかかった歌い方は相変わらず。デル・モナコとかドミンゴに慣れている人には違和感あるかも。
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マリアンネ・シェヒのマッダレーナもなんだか(ローエングリンの)エルザとかアラベラみたいな感じで、これはこれで・・・いいのかな、ヒロインなのにそんなに歌うとこないみたいだし。とにかく清澄な歌唱が素敵。
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チョイ役?にパウル・キューンが出てて、彼が歌っているとホントにワーグナーのオペラっぽくなるのが面白い。ヴァルター・ベリーなんかもなんかワーグナーとかシュトラウスみたいに聞こえてしまう。
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とはいうものの、まだ30代前半のサヴァリッシュの超イキのいい指揮はホントに素晴らしい。あんまりこの曲の演奏を色々聴いたことがないので(上記、古いカラスとデル・モナコのCDしか他にない)、ホントはどんなんだかよくわからんのだが、とにかくこの演奏は心震えるというか・・・西野カナのごとく震えるのである。内容がよくわかんなくてもグイグイと引き込まれてしまう。
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こんなイキのいい演奏で実演が聴けるのであれば、高いお金を払ってオペラ・パレスに出かけたっていいかもって思った程。シェニエの有名なアリア「ある日空を見上げて」とか、(歌唱もアレだが伴奏が)きゅんきゅんしてしまう。が、終幕二人で断頭台に向うシーンはなんだかワーグナーのオペラにしか聞こえない。オケも歌唱も。ローエングリンかよ。
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まあとにかくイタリアオペラともまたはフランス革命ともあんまり(全く?)関係ない演奏ではあるが(というか、サヴァリッシュは「ダナエの愛」のライブをCD化してほしい)、まあ1000円くらいだったもんで買って正解だったかなと思う名演?である。
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毎週、深夜番組の「久保みねヒャダこじらせナイト」を楽しみに見ているが、「脳内BGM」の話題でたまに盛り上がってるので(「この行動をするときに必ず頭の中でかかる音楽」を視聴者から募集する、というコーナー。例えばおみくじを引くときに「何が出るかな何が出るかな」の曲が脳内で再生される、等)、私のいかにもクラヲタらしい「脳内BGM」を発表しよう。しかも時事ネタ。
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・ベッキーとゲス絵音が正月に長崎の実家に行った帰りに「ぶんしゅん」に撮られた時の写真を見ると、「トリスタンとイゾルデ」第2幕の、二人の逢瀬がメロートに見つかる場面、クルヴェナールの「お逃げ下さい、トリスタン様!」の音楽が脳内に流れる。
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・ベッキーが謝罪会見している写真を見ると、オネゲルの「火刑台上のジャンヌダルク」の羊とか豚とかと裁判やってる時の音楽が脳内に流れる。
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マニアック過ぎて、番組には応募できないのが難点。あ、ゲスの極み乙女。の曲では「ラスカ」が好きです。

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2014年5月24日 (土曜日)

カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その2

レオンカヴァルロ:歌劇「道化師」
【カニオ】グスターヴォ・ポルタ
【ネッダ】ラケーレ・スタニーシ
【トニオ】ヴィットリオ・ヴィテッリ
【ペッペ】吉田 浩之
【シルヴィオ】与那城 敬
【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団


その1

<あらすじ>
旅周りのサーカス団の団長が、若い妻を若い男に寝とられて妻と愛人を舞台上で殺してしまう。

カヴァレリアと組まれただけで、プロローグと「衣裳をつけろ」だけが有名な「別にどうでもいいオペラ」という認識だったので、実はあんまり期待もしてなかった。大人になってから全曲聴いたことあんまりないかも。

この曲もカヴァレリア同様、よく映画やドラマに使われる。記憶に新しいのは「相棒」で、お正月スペシャルの「ピエロ」の回ではこのオペラが主軸となって物語が展開された。おもしろかったなあ。

しかし。今日ちゃんとこの曲に向き合ってみて。

いやホントに素晴らしい曲である。なんかもう今まで無視してきたのが悪かったと思った。マスカーニの音楽はやや紗がかかっている感じなんだけど、レオンカヴァルロの音楽はもっとクリアで見通しがよい。初期のマーラーみたい。メロディもとても素晴らしい。アリア「イショー」だけじゃないのね、この曲。こんなに疲れてなかったら塔にCD買いに走ってたわ。

演出はこちらもまっとうなもので、ひねりはなく。でも、最初のほうでサーカス団が客席後方からたくさん登場してきて、アクロバットの人とかが逆立ちしてたり、団員が観客(我々)に今晩の公演のチラシを配ってたり、これはとっても楽しかったな。1階席だったらもっと楽しかっただろうに。A席なのでしかたないか。

ところで。

私はこのオペラみたいに、舞台の上に舞台がまたあるのが大好き。観客がまさにオペラの登場人物として観客になれるのが好き。そして最初に口上があるオペラも好き(ルルとかもそうね)。歌舞伎にもそういう演目が多々あるし、「平成中村座」でも、客席一体型演出が多かった。この演出家は日本の伝統芸能がお好きなようだから、もしかしてそういった影響もあるのかなあと。(また、そもそもこの2つの短いオペラを一緒に上演するっていう形態もなんか歌舞伎的だよね)

歌手は。カニオの役の人はやや年取ってる感じがリアルだったなあ。べつに年を取ってるから声に衰えがあるわけでなく、高音もビンビン響かせていたけど。ネッダの人は情熱的な演技と声が素敵だった。そんなに美声でもないんだけど。ちょっとだけシルヴィア・シャーシュを思い出した(古いなあ)。

トニオ役の歌手は演目ではネッダに横恋慕するイケてない団員って役なんだけど、本人はいかにもイタリアのロンゲのおにいさんでかっこよかったので、外見的にはややミスキャストかも。本人は陽気な人なようで、カーテンコールでプロンプターに握手を求めたり、ペッペ役の吉田さんとふざけたり。楽しそうだった。

日本人の歌手もがんばってた。ネッダの恋人役で突然日本人イケメンサラリーマンが出てきたのでちょっと違和感が。世界なぜここに日本人?って思ってしまった。かっこよかったけど。歌もとってもよかったし、背が高くて外人と混じっても遜色なく。また観たいなあ、この人。

吉田さんのペッペはもうね、うますぎるから。凄いと思う、あの美声は。観客はみんなうっとりよ。なんか小柄だったのも「あんな人サーカス団にいそう」って感じがした。

舞台美術がとっても綺麗で(土台的にはカヴァレリアと一緒)、オペラ上での舞台上演が23時ってことなので(子供には遅くね?)、夜になるとピエロの顔のネオンが綺麗だった。照明がなんとなくジュール・シェレのポスターを思い出した。

最後は大ブラヴォー。「オペラの楽しさ」を「死の都」以来しみじみと感じ。初心者にもコアなオペラファンにも大いにおすすめだ。
楽しかったなああ。

けど。

カーテンコールに白い帽子かむった可愛い子犬ちゃんが出てきたんだけど、上演中は一切気づかなかったのが唯一の心残り。

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カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 新国立劇場 その1

Kc460314 マスカーニ :歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
レオンカヴァッロ:歌劇「道化師」

【指揮】レナート・パルンボ
【演出】ジルベール・デフロ
【美術・衣装】ウィリアム・オルランディ
【照明】ロベルト・ヴェントゥーリ
【舞台監督】村田 健輔
【合唱指揮】三澤 洋史

カヴァレリア・ルスティカーナ
【サントゥッツァ】ルクレシア・ガルシア
【ローラ】谷口 睦美
【トゥリッドゥ】ヴァルテル・フラッカーロ
【アルフィオ】成田 博之
【ルチア】森山 京子

道化師
【カニオ】グスターヴォ・ポルタ
【ネッダ】ラケーレ・スタニーシ
【トニオ】ヴィットリオ・ヴィテッリ
【ペッペ】吉田 浩之
【シルヴィオ】与那城 敬
【児童合唱】TOKYO FM少年合唱団

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

連日の残業で疲労困憊。今日も初台に行きたくなくなっちゃうくらい疲れてて、券を取っていたことをちょっと後悔。昨日、家帰ったの11時半だもん。

しかし。

このブログでは珍しいイタオペ。しかも超レギュラー名曲のカヴァパリ。私にとっての初めてのカヴァパリである(生で)。

実は、(過去に書いたと思うけど)マイファーストオペラはこのカヴァパリなのだ。子供の時にテレビで初めて観たオペラ。その時はイタリア歌劇団の来日公演で、主役はドミンゴだったの。その時の印象は。

イタリアってこんなに情痴殺人が日常茶飯事なの???

っていう。もちろん「情痴殺人」なんて言葉も知らんくらい子供の頃であるが。年がら年中こんなことが起こっている恐い国だと思ってしまった。

その後、もうちょっと経ってクライバーの「椿姫」と「こうもり」に出会って、「ヨオロッパの人はこんなに年がら年中舞踏会やってるのか」という間違った印象を抱いたので、私の子供の頃の西洋に対する知識はほとんどオペラからである。

さて。

最初はマスカーニの「カヴァレリア」。

<あらすじ>
カレシが元カノとよりを戻しちゃって、元カノの現ダンナと決闘してカレシが殺されちゃったって話。

マスカーニは他にイリスや友人フリッツなど結構色々とオペラは書いているんだけど、だいたいこの曲一曲だけで知られている。しかも間奏曲で。

そして。筋書き的にはちっともおもんない。正直どうでもいい。ただ、音楽だけはどうしようもなく美しい。私も前奏の最初の最初にハープがぽろろろんと鳴っただけで、涙出そうになったもん。

今回とても席が良かった(2階席のオケ横の前の方)ので、とてもオケが良く聴こえたし生演奏の素晴らしさを存分に味わうことができた。しかも今回の東フィルの鳴りっぷりは素晴らしかった。有名な間奏曲では意外と抑え目だったのは、指揮者の指示だったのかな。この曲は間奏曲ばっかりじゃないぞ!!っていう。

演出は何にも・・・普通だった。ひねりも読み替えもなく。見なれぬキリスト様とマリア様のおみこしに「おお」と思ったくらいで。ホント風景はただの田舎だった。でも何もやりようがないもんね、この曲。

歌手は。主役のサントゥッツアはいかにも歌がうまそうな顔とが体型であり。いやあの体型で歌がヘタだったらサギだろう。新国のHPでの写真は結構カワイイなと思ったけど、実際は宍戸エリカさんのような・・・いや宍戸さんだってあんなに太ってないか。なに人かなあと持ったらベネズエラ人とのこと。声量があり、大変素晴らしい。(ちなみに今回のカヴァーが清水カスミさんということで、彼女のサンタも聞いてみたいな。うまいもんね彼女。)

まあ、有名なアリア「ママも知るとおり」を聞いたときは、私がマンマだったとしたら「とりあえずダイエットしろ。話はそれからだ」と言うと思う。あんな体型ではどんなに美人だってもあのスタイルのいいローラに太刀打ちできない。それこそ息子がかわいそうだ。

相手役のトゥリッドウの人はいかにもイタリア・オペラ的な若々しい美声を聞かせていて、とてもよかった。誰かのブログで一本調子的なことが書いてあったのでちょっと期待してなかったけど、私は良かったと思う(あまりイタオペ観ないのでよくわかんないけど)。

でもまあ、なんか・・・釈然としないオペラなのは変わりなく。音楽はホントに素晴らしい。

一旦コマーシャル。

その2

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2010年8月 2日 (月曜日)

ショルティ箱8枚目。ドイツ語「椿姫」(1951)

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ヴェルディ:歌劇「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」(ハイライト・ドイツ語)
クララ・エバース(ヴィオレッタ・ヴァレリー)
ヴァルター・ルードヴィヒ(アルフレード・ジェルモン)
カール・シュミット=ヴァルター(ジョルジョ・ジェルモン)
その他
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮/バイエルン放送交響楽団・合唱団

ショルティ箱、買っておきながら放置してたので、たまには聴いてみよう。ショルティ得意の?「椿姫」である。ショルティの椿姫といえばゲオルギューが歌ったのが有名だが、これは今から60年近くも前の録音。こんな昔だが、ライブでなく放送録音なのでモノラルながら全然音はよい。

歌手は知ってるような知らないような、非常にあいまいな方々である。ハイライトなもんで、あの美しい(私の大好きな)第一幕前奏曲はもちろんカットで、いきなり乾杯の歌。「ぞ、とりーんけんとりんけん」とか言ってて「こうもり」かと思ってしまうぜ。

まあ・・・最初に違和感はありつつも慣れればなんとか。椿姫役の歌手は、この時代の平均的な発声法なのかな、シュヴァルツコプフとかに近い感じの細やかな声である。あくまで近いというだけの話だが。コロラチュラばりばりな感じではない。

アルフレードの人はとてもソフト&リリックな声である。モーツァルトを得意とした人なようだ。一昔前の名歌手だったのかしらん。よく知らん(大体、私の知らない歌手はモーツァルト歌いな事が多い)。

カール・シュミット=ヴァルターというバリトン歌手も、実はあんまり知らん・・・探せばウチのどっかに音源ありそうだけんども。だがとってもいい感じだ。なんか「ドイツ語=キワモノ」みたいなのを通り越して結構聴き惚れてしまう。「プロヴァンスの陸と海」なんてなんだかとても軽やかで「おとうさん」って感じはしない。青年のように若々しい声。素敵だわ~。

調べたらW・ルードヴィヒとK・シュミット=ヴァルターはフルトヴェングラー指揮ザルツブルグ1949年の魔笛に出演しているのね。タミーノとパパゲーノとして。結構有名な歌手なのね。しかもシュミット=ヴァルターは、バイロイトのマイスタージンガーによく出てたみたいだ。

素敵なの発見。
http://www.youtube.com/watch?v=nWWQMAc5FIc

・・・って思いながら聴いてるとだんだんヴェルディに聴こえなくて、魔笛みたいに聴こえるのは何だか不思議。スタジオ録音のせいか歌唱もおとなしい。たまにオケが「俺はショルティじゃ」と激しく主張する時もあるが。

なお、このCDは「パリを離れて」で終わってしまうので、ヴィオレッタが死なない。大変に欲求不満になる一枚である。まあ、最近はヴィオレッタ死なない演出のもあるし、いいのかな。

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健康診断が近い(何故年に2回あるんだろう・・・謎)ので、体重を落とすために夕飯はキャベツ中心にし、ビールは飲まないことに。(と、ここに書いておけば健康診断までは続けられるだろう。)

P1110443 最近ビールテイスト飲料が流行っているが、日本のは高い。私は輸入ものでいいのをみつけた。とっても安いのである(1缶89円)。味はまあ・・・これしかないって思えば飲む程度。ビールには程遠いがまずくはない。アルコールは0.5%未満、カロリーはビールの3分の1くらいか。

しかし。この飲み物が売っているのは隣町のディスカウントショップ。休日にまとめて買いに行くんだが、歩くととても暑い。死にそうになる。自転車が入り辛い商店街にあるし。

で、昨日、灼熱の中また買いに行ったのだが、その商店街はお祭りをやっていた。で、飲み物を買った店でお祭りの出店で使える券「1点」を貰った。「1点じゃ何も使えないな」と買いもの袋の中に放り投げた。で、暑さに苦しみながら帰ろうとしたら、かき氷屋さんの出店が。なんと「1点」って書いてある。大喜びで券を出して、いちご味のかき氷を美味しく頂いた。何か凄く得をした感じでした。では。

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2009年3月20日 (金曜日)

モンテヴェルディ/ポッペアの戴冠  ガーディナー

モンテヴェルディ:歌劇「ポッペアの戴冠」
シルヴィア・マクネアー(ポッペア)
ダナ・ハンチャード(ネローネ)
アンネ・ソフィー・フォン・オッター(オッターヴィア)
マイケル・チャンス(オットーネ)
フランチェスコ・エッレロ・ダルテーニャ(セネカ)
キャサリン・ボット(ドゥルシッラ)
ベルナルタ・フィンク(アルナルタ)
ロバート・バルコーニ(乳母) その他
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/イングリッシュ・バロック・ソロイスツ

一昨日貰った大量のチラシの中で見たのだが、近々この「ポッペアの戴冠」てオペラを新国立劇場中劇場でするらしい。主役はモリマキさんでな。やはりこの役は男を惑わす色香がないとね。こないだテレビでみたときはすっかりおかーさん体型(っていうのは太ったって意味じゃなくて、出るとこ出てたっつー意味)になってらしたけども、この役には容姿的に不足ないかと。

私はこのオペラ、一回だけナマで見たことがある。ずいぶん前だがオール日本人で、何故か演出が歌舞伎っぽくアレンジされていた。全員和装でした。女性は十二単だった気がする。副題名は確か「花羅馬恋立引」だった・・・ような。漢字間違ってたらごめんなさい。あ、「はなのろうまこいのたてひき」って読むんだったよ。
普段、あまりバロック系は聴かないのだが、この舞台はとても楽しめた。歌舞伎好きの友人も連れて行ったのだが、面白かったみたい。最後はお雛祭りみたいな戴冠式になってた。ちょうど3月の公演だったと記憶する。

で、その時の予習として買ったんだか・・・このCD。そんなに滅多に聴くことはないのだが、久しぶりに引っ張りだしてみた。

このオペラの筋書きはローマ時代って昔の話なのに、とても革新的である。例えて言えば、ベルクのオペラなんかと大差ないって思う。筋を簡単に言えば、愛人が正妻をおんだして自分が妻の座につくというもの。

あらすじ
<プロローグ>
神々の遊び。運命の神と美徳の神が「私たちの力が一番だ」と語りあっている。そこへ愛の神が「一番は私だ」と登場。運命と美徳は「お前だったのか」とそれを認める。

第1幕
皇帝ネローネの時代のローマ。皇帝ネローネは自分の部下である騎士長オットーネ(出張中)の妻ポッペアと情事を重ねていた。ネローネが去るとポッペアは戴冠に夢見て心躍らせるが、乳母はこれをいさめる。一方ネローネの妻オッターヴィアはダンナの不貞を嘆いている。

オッターヴィアの元にネローネの師であるセネカが現れ、彼女を慰める。しかしネローネは妻を離縁しポッペアを正妻に迎えることにしたという。それを聞いたセネカはネローネをいさめるが、ネローネはブチギレるばかり。

そのことを知ってポッペアは大喜びし、邪魔者のセネカを亡きものにしようと皇帝に仕向ける。そしてオットーネに別れを告げるポッペア。オットーネは彼に想いを寄せる宮廷の女ドゥルシッラに慰められるが、ポッペアを忘れることはできない。

第2幕
セネカは皇帝からの使いに死を命ぜられると、自分で命を断つ。オッターヴィアはオットーネにポッペアの殺害を命ずる。一方ドゥルシッラは自分の恋の成就を信じて幸福に舞い上がっている。オットーネはドゥルシッラの服を借り変装して妻の暗殺に向う。

戴冠への希望を強めたポッペアが乳母の子守唄でまどろんでいる所へ、女装したオットーネが現れ妻を殺そうとするが、ポッペアを応援する愛の神が現れ「私だ」とこれをさえぎる。オットーネは逃走。愛の神はポッペアを皇妃とすることを宣言。

第3幕
そんな大事件が起こってることもつゆ知らず幸福な様子のドゥルシッラだったが、ポッペア暗殺の疑いをかけられ捕えられてしまう。彼女は皇帝の前に引き出される。ようやく事情を知った彼女はオットーネの身代わりに死のうとする。そこへオットーネが現れ自分が真犯人だと告げる。かばい合う二人をネローネは追放処分に、さらに陰謀の張本人の妻オッターヴィアを小舟に乗せて海に流すことに(島流し?)。オッターヴィアはアリアを一発歌ってローマに別れを告げる。

全ての障害がなくなったネローネとポッペアは戴冠の時を迎える。愛の神やすべての人に祝福される二人。めでたしめでたし・・・て。

めでたいのか?
 
まあ、追放されたとはいえ新しい彼女ができてダンナのオットーネは良かったのかもしれない。ドゥルシッラは何よりラッキー。一方オッターヴィアは可愛そうだ。お舟がついた島でよいご縁がありますように。本来なら可愛そうなこっちを主役にすべきだと思うが、あくまで主役は悪役のポッペアなのが、このオペラのポイント。

こういった設定でなかったら、今も普通に上演されているかどうか。バロックな演出でも、逆に現代的な演出でもどんな読み換えにも対応しそうな筋書きだから、今も上演される機会があるのかな。少なくともモーツァルトのオペラよりも刺激的だ、私には。

さて、このCDの演奏は(一般的には普通なのだろうか)主役はほとんど女声かカウンターテナーなのでなんだか区別が付きにくい。暴君ネローネがソプラノっていったいなんなのよ。そしてオッターヴィアの乳母が男の人が演じてたり(ばってん荒川さんを想像)、なんだかややこしい。

普段聴きなれている歌手のみなさん(マクネアーとかオッターとか)がバロックということでちょっと違う発声なのがまたいい感じ。ノンヴィブラートだったり小刻みなヴィブラートだったり。マクネアーのささやくような声がエロい。

ただ、この曲 CD3枚でうち2枚は目いっぱいって少し長すぎる気はするが(こんなに長かったっけか?)。舞台で見るとドラマティックで面白いのかもね。

(新国のこの曲の公演は行く予定はなし。飯守さんのガラコン買っちゃったんで。すいません)

出演者が何故かみんな奇麗な件。

http://www.youtube.com/watch?v=4E3C5tbmKtY

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2008年8月22日 (金曜日)

二期会/ラ・トラヴィアータ

P1110080 しょっちゅう葉書送ってくださる、二期会。すいません

今度は「ラ・トラヴィアータ」だな、ヴェルディの。送ってくれるに全然行かないのも悪いので、一応宣伝。これをご覧になって出かける方も、もしかしているかもしれないからね。

二期会/ラ・トラヴィアータ

9月のオネーギンの葉書は来たけど、そのあとのヤナーチェクの案内は何故かこない。あ、来たのに気がつかなかっただけかなあ。お金ないから行かないけど。

またダブルキャスト。個人的には2月12日と14日の回がいいかなあ。「ワルキューレ」のヴォータンを歌ってた小森輝彦さんがジェルモンを歌うだ(若くね?)。また、樋口達哉さんがアルフレードを歌う。他にウリとしては、宮本亜門さんが演出ということである。

トラヴィアータ、幼少から慣れ親しんでいるから好きなオペラではあるけれど、普段ワーグナーを聴いている者にとっては時間が短くて拍子抜けする。実演では2回ほど行ったけど、なんだかあっというまに終わってしまうんだな。「あー出会いました」「あー一緒に住みました」「あー別れました」「あー死にました」・・・という感じ。涙涙の物語なのに・・・短すぎて意外と泣けない・・・私は。

ドミ・モンドって高級娼婦って意味かあ・・・・。(二期会のHPより)

有名なわりに何かとナゾの多いこのオペラ(一緒に住んでて生活費の出所がどこかワカランなんていくらなんでもバカだ、アルフレード)、短いのがお好きな方にはお勧めします。

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2007年4月11日 (水曜日)

デル・モナコ&カラス/アンドレア・シェニエ


ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」
マリア・カラス(マッダレーナ・ディ・コワニー)、マリオ・デル・モナコ(アンドレア・シェニエ)、アルド・プロッティ(カルロ・ジェラール)その他
アントニオ・ヴォットー指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
(1955年)

もー、春になったかと思ったら、寒いのですね!こんな日は温かいシチューを。しかし、普通のシチューではなくて、得意のハンガリアン・グラーシュ(グヤーシュ)を。

Pa0_0087 ハンガリーに行ったことはないので本場のはよく知らないのだが、ウィーンでは何度か食べたものである。ガイドブックに載っている「グラーシュ・ムゼウム」って有名なお店のグラーシュは、今ひとつハマらなかったが、モーツァルトやベートーヴェンも行った老舗「グリーヒェンバイスル」の近くにある「Erdinger」ってレストランのグラーシュはとっても美味しかった。生ビールとともに最高。まだあんのかな、アノ店。

<作り方>
・タマネギ一個はさいの目に切る。ニンニクはみじん切りにする。
・シチュー鍋にバターと油を適当に入れる(本当はラード入れるみたいだ)。タマネギを透き通るまで炒める。
・鍋を火から下ろし、パプリカパウダーを大匙2杯くらい入れて水を少しそそぐ。
・カレー・シチュー用の角切り牛肉(今日は貧しく切り落とし肉で作った)を200グラムぐらい入れる。ニンニク、塩コショー、キャラウェイで風味をつける。赤ワイン半カップ、コンソメスープを一カップ、ブランデーを少々入れる。弱火で40分くらい煮る(切り落とし肉だったらもちろんそんなに煮る必要はない)。トマト缶詰半分を加える。
・ピーマン2個は細切り、ジャガイモは皮をむき2センチ角くらいに切る。鍋に入れてマジョラムを加える。もっと煮る。スープにとろみがつきジャガイモが煮崩れてきたら塩とパプリカと最後にエロスを加えて(←杉本彩風に)出来上がり。

牛肉もいいけど、鶏でも相当美味しい。ピーマンは絶対入れたいし、タマネギはたくさん入れたほうが美味しいでえす。

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さてえ。情熱とエロスのグラーシュのあとは。やっぱり情熱のオペラ、「アンドレア・シェニエ」を。

ま、シェニエっつったらひと昔まえはデル・モナコなんだけれども、何年か前にNHKのテレビでやってたむかーしのイタリア歌劇団日本公演(昔はスカラ座引越し公演とかそーゆーのではなくてイタリアの名歌手が一堂に揃ってやって来てたらしい。デル・モナコは飛行機嫌いで貨物船で来たというのをどこかで読んだ。)のふるーいビデオをハイライトでやってたのを観た。
そのときに、テバルディとデル・モナコが共演した「アンドレア・シェニエ」の最後の、二人で手に手を取って断頭台へと向かう場面を放映したのである。

軽く、気絶した。その日、一晩眠れなかった。こんなのを日本で上演したのか。それを観た日本人がいたのか。なんて幸せな人なんだ。生で見たら多分本当に気絶してたかもしれない。

そんなこんなで、該当のDVDは店頭で見たものの何故か買わずにカラスとデル・モナコの共演したEMI盤を購入。日本国内盤のくせに音は相当貧しい。普通の鑑賞に堪えるとはとても言いがたい。

どうしてもタイトル・ロールが男ということもありカラスは役柄的にちょっと悔しいところであるが、もう相当頑張っており。血管切れそーになって歌っている。それに輪をかけてデル・モナコのがんばりようったら。有名なアリア「ある日青空を眺めて」なんかすげー。鼻血。
最後ももう、トゥーランドットの終幕を越えたド迫力、カラスとデル・モナコによる果し合い。血で血を洗う世紀の大決闘のようである。聴いてスカっとすることうけあい。

録音の貧しさはかなりだが、ヒストリカルに違和感ない方は是非。

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