2022年5月15日 (日曜日)

ヘンデル/世俗的オラトリオ「セメレ」(ヘンデル・フェスティバル・ジャパン)

 


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ヘンデル:世俗的オラトリオ《セメレ》(HWV 58) 全曲

演奏会形式 全3幕ノーカット 原語(英語)上演 字幕付き

セメレ: 隠岐彩夏(S) / ジュピター: 辻裕久(T) / ジューノ&アイノ: 波多野睦美(Ms) / ソムナス: 牧野正人(Br) / アイリス: 広瀬奈緒(S) / カドマス: 酒井崇(B) / アタマス: 中嶋俊晴(C-T) / アポロ: 前田ヒロミツ(T) / オルガン: 勝山雅世 / 指揮: 三澤寿喜 / キャノンズ・コンサート室内合唱団&管弦楽団
(浜離宮朝日ホール)

先週、浜離宮は行ったばっかり。もう当分行く予定ないだろうなと思ってたら、ヘンデルのオラトリオを上演するという情報があったので、即刻券をゲット。また築地でお寿司が食べられる!という期待もあって。

今回は、ちゃんと事前にお店を調べて行ったんだけど、行ってみたら人気店でしかもカウンターしかないちっちゃい店だったのでいっぱいになっていた。だもんで、他のお店を探そうとしたらすぐに客引きに捕まってしまった。「鮨処つきじや」というお店だった。1000円引きということだったが、普段からこの値段だった。詐欺じゃないか。でもまあ・・・大トロ、タイ、中トロ、カンパチ、ズワイガニ、エビ、ウニ、イクラ、玉子、海老のお汁、等々で2750円(税込)ならまあいいんじゃないの? 鮮度も良かったし。美味しかったなあ(夢見心地)。

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最近は、コンサートを楽しむように、お寿司を頂いている。写真だと同じように見えてもやはりお店によってシャリの味やネタの鮮度など色々。演奏者によってショパンやベートーヴェンの演奏が違うのと同じように。

お寿司のバイロイトたる築地でも、(食べログを見ると)その日の仕入れとか行く時間とかでネタの鮮度や品揃えなどで不幸が重なり、いつもは美味しいお店でも美味しくなかったりすることもあるんだよね。お寿司は運試しが半分かと。

さて、ヘンデル。ヘンデルっていうとこないだBSでベートーヴェンをモデルにした「フォルテッシッシモ」という宝塚の(雪組だったかな)演目を放送していたので録画して見た。そんで、ヘンデルも出てきた。

何で見たかっていうと、会社の部署でズカファンが2名ほどいて、ちょっと話が弾むかなあという下心もあったんだけどね。

しかし。ベートーヴェン役の望海風斗さんがあまりにイケメンすぎて、ベートーヴェンというよりは西本智実さんに近かった。まあ、そもそも西本さんが宝塚っぽいもんね。

宝塚でのヘンデルは、このような感じだった。

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ーーー

さて、今回のセメレ。チラシによると初演当時は「淫らなオペラ」との評だったというが、これが淫らだったらモンテヴェルディの「ポッペアの戴冠」の方が衝撃的じゃね?とか思ったりもした。まあ、そもそもオペラじゃなくて「世俗的オラトリオ」とのことなので、今回のように演奏会形式が正しい。しかし。これはオペラとして上演してもとっても面白そう。新国立劇場でやらんかな。いやほんとに面白い。ヘンデルって本当に採用する物語が正しいというか、何百年経ってもどんなふうに演出しても面白く上演できるっていうのが天才的だよね。

<主なあらすじ>
人間の女セメレは(神)ジュピターと恋愛関係にあったが、ジュピターには(女神)ジューノという妻がいた。ジュピターは人間の姿でセメレと逢瀬を重ねていたが、ジューノの企みによってジュピターは神の姿でセメレと会うこととなり、セメレは神の姿で登場したジュピターによって炎で焼き殺されてしまう。セメレはジュピターの子(バッカス)を身籠もっており、バッカスは灰の中から無事誕生する。

事前に若干、Youtubeで予習。見た動画のセメレがチェチーリア・バルトリだったので「この役はメゾでもいいの?」とか思った。今回のセメレ役は絢爛たるコロラトゥーラ・ソプラノ(でしょ?)だったので、不思議に思った。それにしても初めて見聞きした隠岐彩夏さんというソプラノがびっくりするくらい素晴らしかった。二期会所属というが、知らんかった。まるで夜鳴き鶯のような、「神から与えられた声」って感じだった。CD売ってたら買おうと思ったけど、なんか自分の求めているものと違う気がしたので買わず。オペラアリア集だったら買ってたかもね。

どの方の声も皆素晴らしかったけど、他に特に印象に残ったのが中嶋俊晴さん(カウンターテナー)で、超絶コロラトゥーラですげえなって思った。その他、ジュピター役の辻裕久さんは、昔 英国歌曲にハマってた頃によくリサイタルに行った記憶が。なんか久しぶりにお姿を見たけどナイスミドルな感じでカッコ良かった。ソムナス役の牧野正人さんは車椅子で登場されていたけど、いかにも「眠りの神」っぽい歌唱で良かったし、音楽も眠い感じでちょっとブリテンの「真夏の夜の夢」っぽくて良かった。ジューノとアイノの二役だった波多野さんはいつもながらの貫禄。セメレのお父さん役の酒井崇さんは堂々たる美声と声量で素晴らしかった。ジューノの使いの広瀬奈緒さんは小柄で可愛らしくて声も良かった。

ヘンデル・フェスティバル専属のキャノンズ・コンサート室内合唱団と管弦楽団は、もちろん初めて聞いたのだけどすごい実力のある団体なんだなあと。このフェスティバルがあるのは知らなかったんだけどこのような大規模なオラトリオを上演するのは今回が最後とのことで、とっても残念だ。オペラを演奏会形式でもいいからやってほしいな。だめかな。

それにしても、こんなにヘンデルにハマるとは思わんかった。ヘンデルのオペラが欧米でよく上演されるのよくわかるわ。さて、BSでケイト・リンジー様主演のオペラを見なくちゃ。

 

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2022年5月 7日 (土曜日)

森本隼太ピアノ・リサイタル 浜離宮朝日ホール

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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番Op.27ー1「幻想曲風ソナタ」
フォーレ:ノクターン第6番Op.63変二長調
ショパン:ポロネーズ第7番Op.61CT156変イ長調「幻想ポロネーズ」
シューマン:交響的練習曲Op.13
(浜離宮朝日ホール)

GW唯一のコンサート。コロナ前はGWはLFJと決まっていたのだが、全然やってない。去年も今年もピティナが丸の内で無料コンサートを開催しているのを見た(ネットで)くらいだ。まあ放送は全部見たわけではなく、ピアノの山縣美季ちゃんと、珍しく英国歌曲を歌ったソプラノの大森彩加さんを見聞きした。英国歌曲はガーニー、フィンジ、クィルターと「英国歌曲好きなら大体チョイスする作曲家」だったので良かった。

さて、本日聴きにいった森本隼太さん(巨匠)も、国際フォーラムの裏のTOKIAで幻想ポロネーズを弾かれたようだが、ネット配信はなかったし、今日のコンサートの券を取っていたので聴きにいかず。TOKIAは音的にはいいのだけど、並ばなきゃならないし、立ち見だと全く見えないのでパス。

ところで、浜離宮だが私は初めて。どこの駅かな?と調べたら築地市場駅だったので「おお、これは久しぶりに築地で昼食かな」と思って開演より早く到着。場外の賑わっている通りを歩くと、寿司屋があちこちに並んでいる。「すしざんまい」にしようかなあと思ってたけど行き当たりばったりで(時間もあまりなかったので)呼び込みに釣られて入店。いやはや、店内は小上がりのところに昼飲みのグループがいるくらいでカウンターはガラガラ。『またやっちゃったかな』と思った(以前、平日の大手町で空いてて入った蕎麦屋が最悪で、空いてるだけのことはあった)。しかし、注文してしばらくするとお客さんがわんさか入ってきたのでホッとした。

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写真は2035円(税込)のセット。いつも食べている上野の寿司屋よりもシャリは甘めに感じた。イカがトロトロで美味しかった。他のも美味しかったけど。映ってないけど海老の頭で出汁を取ったお味噌汁付き(美味しかった!)。店名もわからず入ったけど、後で調べたら浜茂鮨という名前で築地でも老舗でリーズナボーな店だった(見たところ通りの他のお店は結構高い)。また浜離宮に来たら食べようとか思った(次はぜひおまかせで)けど、別に予定はないなあ。

しかし。お勘定をしている間に土砂降りで。傘持ってたからいいようなもののホールまで結構あるのでびしょびしょになってしまった。ついてないなあ。 帰りは止んでた。

さてコンサート(前置き長い)。 森本さんの生演奏は私は2回目である。前はピティナの特級コンクールのファイナルで、コンチェルトだったのでソロで聴くのは初めて。あれから2年も経ったのねえ。森本さんは当時はすごくあどけなくて、15歳?だかだったから他のコンテスタント(大学生)よりすごく幼く見えた。ちっとは17歳の青年らしくなってるかと思ったら外見は特に変わった様子もない。

だがピアノを弾き始めるとすごいスケールの大きい、大人のような演奏を繰り広げるのでギャップがすごいのである。現在、イタリアのサンタ・チェチーリア音楽院に留学中。そしてこないだイギリスのヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクール(そういうのがあるのは初めて聞いた)で優勝したそうなので、今にもっとレベルの高い有名コンクールに出場するんだろうな。

幻想ポロネーズを目当てに聴きに行ったのだけど、意外と初めて聴くフォーレが良かった。ガンガン弾きまくる印象のピアニストだが、しっとりとしたこういう曲もいいなと思った。まあ、ベートーヴェンもシューマンも良かったけど(私はピアノ素人であまり他の演奏家のを聞いた事ないので比べることができない)。1番素晴らしいと思ったのはアンコールと称して演奏したスケルツォ2番。スケルツォというよりはバラードといった感じの緩急の激しいスケールの大きな演奏。ピアノは見たところ普通のスタインウェイではない感じがしたのだけど(横に書いてあるロゴを見ると)、Twitterを見たらタカギクラヴィアという会社がわざわざ運び込んだらしい。初めて聴くホールなのでなんとも言えないけど、よく鳴るなあと思った。

ピアノの横にマイクが用意されていて、演奏後ピアニストのご挨拶。今の今まで超一流の演奏を繰り広げていたのに、口をひらけば普通の高校生で、「今回選んだ曲がどんなに素晴らしいか」などと曲への愛が溢れていたが、高校の生徒会や文化祭とかレベルの話し方で(巨匠に向かって失礼ですねすいません)なんか懐かしい感じがした。このギャップが本当にいい。また東京に来てコンサートしてほしいな。

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GW色々見れたし友人ともたくさん会ったし、美味しいものも食べたし、楽しかったなあ、明後日から会社で既に憂鬱。

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2022年4月20日 (水曜日)

バッハ/マタイ受難曲 バッハ・コレギウム・ジャパン 2022(ミューザ川崎)

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バッハ :マタイ受難曲

指揮/鈴木雅明
バッハ・コレギウム・ジャパン 
ハナ・ブラシコヴァ  中江早希(以上S)
ベンノ・シャハトナー  青木洋也(以上A)
トマス・ホッブス  櫻田亮(以上T)
加耒徹   渡辺祐介(以上Bs)
(4月17日 ミューザ川崎)

復活祭の日?に鑑賞。何度も言っているが私は真言宗なので(家が)、キリスト教に縁がない。この季節にBCJが毎年マタイを演奏するんだなあ、とはうっすら思ってたけどそんなに意識してなかった。しかし聖金曜日から復活の日まで三連ちゃんで大曲マタイって、実はすっごくキツくないか?結構な長さであり、エヴァンゲリストやイエス様は結構出ずっぱりだし。

私はマタイ全曲を生で聴くのは4回目である。最初は大学の時に学生オケの友人に連れて行かれ「マタイ受難曲を全曲聴くと、性格変わるよ」?みたいなことを言われたが全部聴いても2人とも変なクラヲタのままだった。その時はどこの団体の演奏か忘れた。まあ全員日本人だったのは覚えている。次に聴いたのは随分時が経ってから、本家本元聖トーマス教会&ゲヴァンドハウス。

BCJのマタイは2回目だ。前の感想はこのブログに残してないので探さぬよう。今回は中江早希さんがご出演ということでちょっと興味が湧いて券を購入。でもまあ、意外と歌うとこ少ないのね。BCJは独唱者も合唱団の1人として歌を歌うスタイル。合唱団は少数精鋭だから(コロナっていう訳でもない)、一人一人の声が目立つし、たまに村人Aとかみたいな感じでソロもあったりする。

コロナ禍ながら、外国よりソリストが3人。ソプラノのハナ・ブラシコヴァさんはウクライナカラーのちっちゃなリボンをつけて参加。そうそう,このご時世だからちょっとだけ「メンゲルベルクのマタイを聴くような感じがあるのでは」、などと思ったが、あの録音ですすり泣きがきこえる39曲めの「憐れみたまえ、我が神よ」のところは特にすすり泣きは聞こえず(男声アルトだったから?)。

代わりに、ソプラノのアリアの時に私の隣に座っていた女性が猛然とすすり泣きし出したので「ああ、ちょっとメンゲルベルク状態」などと思ったりした。やはり女性の歌の方が泣けるのかな、関係ないか。ブラシコヴァさん素晴らしかったしねえ。

私は別に泣けたりはしなかったんだけど(ババヤンのバッハの時は泣けたがのう)、1番好きなバスのアリア(42曲目)が聞けて嬉しかった。あのヴァイオリンのソロが大好きなんだよね。ノリノリで聴いてたら隣に座っていた見知らぬ紳士もノリノリだった。なぜか譜面がめくれてなかったのか、鈴木パパがヴァイオリンソロの人の楽譜をめくってあげたりしてた。

バッハなので、ヘンデルほど華々しい楽器は少ないし、バルブのないトランペットなどはいなかったんだけど(寂しい)、オーボエの人の持ち替えで「なんじゃあのくるりんと曲がった笛は!」とか思ったりした。オーボエ・ダ・カッチャっていう楽器のようだね。あと、参加の予定はなかったという鈴木息子さんがチェンバロ弾いてて嬉しかった。海外公演からの帰国だったけど、隔離期間があんまりなくてよくなったみたい。BCJの時はやっぱり鈴木息子さんの顔が見れないと寂しいね。

声楽のソリストも皆素晴らしかったけど、イエス様役の加耒徹さんが、二期会ルル(シェーン博士)以来の「イケメンの外見と合ってない」役で(いや、私が思ってるだけですが)、「いやこのミュージカル俳優並みにかっこいい歌手がどうしてキリスト様に思えようか」などと最初は思ってたけど、やっぱりすぐ慣れた。声は素晴らしい。前に行った聖トーマス教会ん時のイエス様より全然よかった。

こういうご時世のせいなのか、今回の演奏はバロック路線というよりはドラマティック路線のようだった。凄いドラマティックだった。「バッラバ〜〜」とか怒りに震えているようだった。

しかし、このような有難い演奏会にも変な客はいるようで(珍しい)、私の前に座ってたカッポーは女性の方が男性の肩にもたれかかったりしてイチャイチャしだした。休み時間に(退屈だったのか)女性がキレてたみたいで、第一部が終わったら帰った。バチが当たればいいのにって思ってたのでホッとした。

家に帰って「やっぱりマタイはいいな」って思って持っているコルボのやらヘルメスベルガーのやらCDを聴いてたんだど、YouTubeで出てきたラミンの古い録音がめっちゃくちゃ素晴らしかった。テンポも理想的だしカール・エルプとかゲルハルト・ヒッシュとか時代を感じる独唱者も素敵だ。しかしカットがめちゃくちゃ多く(蓄音機時代だから?)、私の大好きなバスのアリアは当然のように飛ばされていた。なんということだ。でもコルボもヘルメスベルガーも素敵よん。

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演奏会に出かける前に、何かお笑い芸人さんがいろんな大学に取材に行くみたいな番組をやってて面白く見てたんだけど、お見送り芸人しんいちさんがどこかの音大に行ったらなんとテノールの望月哲也さんが先生として登場して、お見送り芸人しんいちさんが「高い声がうまく出ない(知らない方に一応ご説明すると、彼はこないだRー1グランプリで優勝した、歌を歌う芸人さんです)」とこの日本を代表する名歌手に相談してた。お見送り芸人しんいちさんはちょっとのレッスンでとても良い声になったので、望月さんはやっぱりさすがだなあと思った(こんなお笑い番組見てるような視聴者はほとんど望月さんを知らないだろうなとは思ったけど)。

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2022年2月 5日 (土曜日)

N響第1951回演奏会 下野・小林愛実オール・シューマン・プロ

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シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ 作品52 —「序曲」
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
シューマン/交響曲 第2番 ハ長調 作品61
ピアノ:小林愛実
指揮:下野竜也
NHK交響楽団
(東京芸術劇場コンサートホール)

久しぶりのN響、久しぶりのゲイゲキ。なんかゲイゲキの内装変わってね?ロビーの印象が違う。気のせい?

シューマン、普段あんまり聴かないんだけど小林愛実ちゃん見たさに券をゲット。本来ならばネーメ・ヤルヴィ指揮でイゴール・レヴィットがピアノでブラームスの2番の予定だったという。私の大好きな2番だ。でも変更になったシューマンのコンチェルトは生で聴いたことなかったし、いいかな。

いやはや。

本当は今日は午前中に美容院を予約してて、キレイキレイしてもらってコンサートに行く予定だった(誰にも会わんけど)。しかし、前日の絶賛残業中に美容師さんからLINEで「熱出してしまった。もしかしてコロナかもしれない。」との連絡で、美容院は行かず。検査の結果陽性だったとのこと。怖すぎる。もし発症のタイミングがずれてたら、私もコロナしてたかもしれん。当分美容院に行くのは遠慮。もういつ感染してもおかしくない。

ぼさぼさ頭を、なんとかセットして池袋へ。

ゲイゲキは見たところほぼ満席。愛実ちゃん効果すごいぜ。こんなに席埋まってたの久しぶりに見た。ケチって3階席にしたので見渡せる。

なんちゃら序曲が終わって、スタインウェイ舞台格納。愛実ちゃんはボルドー色の素敵なドレスで華奢な体を包んで登場。おお、あんなに映像で見てた愛実ちゃんを初めてナマでみるぜ。身長は私と同じくらいだがなんだか大きく見える。

愛実ちゃんは、彼女がまだ小学生くらいのおこちゃまの頃によくコンサートのチラシが入ってたのを覚えている。その頃の私は「なんじゃこんな子供の演奏なんて聞きに行くもんか」って思っていつも速攻チラシ捨ててた。その頃の私をぶん殴りたい。行っときゃ良かった。

愛実ちゃんは今回のショパン・コンクールの時、ファイナルのコンチェルトはテンポが遅くてわたし的には「?」だったものの、YouTubeで演奏が残っている24の前奏曲の演奏を聴いて、私は何故かいつも・・・泣いてしまう。演奏者自身も演奏後、楽屋で泣いておられたので・・・そういう演奏だったのかなって思う。何で泣いてしまうのか私にもわからん。彼女の生き様が聞こえるのかも。

とにかく彼女は天才少女だったから、幼いころの映像はたくさん残っている。以前は前のめりの思いっきり「弾いてやるぜ」的な演奏に聴こえたけど、昨年のショパコンからしっとりとした大人の女性の演奏をされるようになった(と思う)。それがとっても好き。

今日聴いたシューマンも。大事に大事に慈しむように演奏されていた。とても、よかったけれど・・・N響さんが彼女の演奏を消さないように控え目に演奏していたのかなって思う。アンコールにショパンのワルツ(大好き!)をすっごい速度でさらっと弾かれていて本当に素敵だった。ああ、やっぱりショパンは素敵だ。

休憩後、シューマンの2番。正直言って「あんまりよく知らんので(残業続きで疲れてたので)交響曲は寝てよう」くらいに思ってた。でも、意外にいい曲でした。アレ、私は普段交響曲はマーラーかブルックナーかせいぜいシマノフスキしか聴かないのよ。でもシューマンも結構いいじゃない? 普通に感動してしまった。私の耳がおかしいのかな?って思ったけどTwitter検索したら結構みんな褒めてたんで「あ、私の耳普通だった」って思った。

本日の演奏はFMで生中継、昔ながらのテレビカメラが入ってたのでテレビで放送されるんですよね。楽しみ。明日も同じプログラムで演奏されるのでご興味がある方は是非。

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2021年12月25日 (土曜日)

ヘンデル/オラトリオ「メサイア」 バッハ・コレギウム・ジャパン

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ヘンデル:オラトリオ『メサイア』HWV 56
ソプラノ:森麻季
アルト(メゾ・ソプラノ):湯川亜也子
テノール:西村悟
バス(バリトン):大西宇宙
指揮:鈴木雅明
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
(12月24日 サントリーホール)

年末調整も終わり(今月残業60時間超えたわ)。当日券が出るということで、朝思い立って予約。いやクリスマス・イヴに「メサイア」なんてそんなベタな、と今までずっと思ってたが、よく考えてみるとここ2~3年で私のヘンデル好きに気が付いてきたので(観たのオペラだけだけど)、生演奏初挑戦。しかし、実際のところメサイアで聴いたことあるの、ハレルヤコーラスんとこだけ。

大丈夫かな。実はつまんなかったらどうしようって思い、その日の在宅勤務中にYouTubeで聴いてみたんだけど、結構いけるじゃん、英語だからわかりやすいし安心。

2階席の結構いいところをゲット。しかし、運悪く前の席の男の人が座高が高く、ソリストはあんまり見えず。嗚呼。

そもそも、外人のソプラノとバスだったそうだが(ソプラノはレイチェルだったのね)このご時世で全員日本人に変更(困ったときの大西宇宙さん)。その上キャスティングのソプラノの人が調子悪くて歌えないってことで、当日突然森麻季様に代わった。サントリーのTwitterで知り、思わずガッツポーズ取ってしまった。しかし、過去に歌ったことあるとは言え、そんなに急に歌えるもんなんだろうか。

でも全然杞憂だった。前からのキャスティングかと思うほどで、女神か天使のように美しい声だった。遠目に見て、まるでダビンチの描く聖母マリアのような外見だった。赤いドレスが素敵だった。しかし、第9やクリスマスコンサートで多忙なはずの人気歌手なのに、イヴにたまたま空いてたなんて奇跡だな。

他の歌手さんもみんな素敵で。あいかわらず大西宇宙さんの声は力強くかっこいいし、比較的出番の多いメゾの方もとても知性的で素晴らしい歌声だった。テノールの西村さんも相変わらず長身でかっこいいし、歌声も素晴らしかった。それにしても・・・少数精鋭のBCJの合唱団の素晴らしさよ。一人ひとりのソロでも素晴らしいんだろうね。

オケも素晴らしい・・・こないだのヘンデルのオペラでも「すげえな」って思ったバロックトランペット?の凄さ。あれ、あたしでも吹けるかなあ。どうやって音程作ってるんだろう。大西さんとのアリアの掛け合いもカッコイイし。

(そーいや家は真言宗だし、ついこないだ親戚の法事でお経を聞いたりしたあとだったのに、キリスト教の音楽がこんなに心に響くのはどうしてだろう。・・・とは言いながら、こないだ聞いたお経もお坊さん3人で唱えてて、結構ポリフォニーな、アジアな感じでかっこいいな、とは思ったけど。)

何もかも初めてだったので、色々気が付いたこと。

・ロビーの注意書きで、「ハレルヤコーラスで座席から立たないで下さい、一緒に歌わないで下さい」ってのがあったんだけど、もしかしてコロナ禍でなかったらそういう人いるってこと?いや、町の教会ならまだしも、世界に名だたるBCJと一緒に歌ったりする観客がいるってこと?そんなの迷惑すぎる。

・対訳の電光掲示板がなく、プログラム冊子に書いてある対訳を見ながらの鑑賞だったんだけど、ヘンデル(というかバロック)って同じ歌詞を何回も繰り返し歌うから全体的の量は少ないし、英語だから初めてでも目で追うのは簡単ね。

・しかし、私の両隣の知らない女性はどっちも対訳追えてなくて、ページをパラパラやってたけど。

・長い曲なので、途中で出て行ったりする観客もいなかったわけでもないけど、「あと2曲でハレルヤなのに、出てっちゃっていいの?」とか思う老夫婦もいらっしゃった。ハレルヤあってのメサイアでしょうが。

曲が終わって大拍手のあと、こういう大曲のあとには珍しくアンコールあり。最初「アルヴォ・ペルトの知らない曲かな?」というくらいすごい絶妙な和音でアカペラでさすがだなあ~と実はヘンデルより感動してたんだけど、途中から「に、日本語?」と思い、何の曲か謎だった。サントリーホールのHPによると「トラディショナル(鈴木優人編):いけるものすべて」とのこと。賛美歌かあ。

・鈴木パパが指揮の時はだいたい鈴木息子さんがチェンバロ弾いてるもんだと思ったら、今日は違ってて「他にコンサートあったのかな?」と思ったらどうもMステに出てたらしかった。知ってたら録画してたのに・・・うう。

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今年から会社で一緒に働いてるおにゃのこが、毎週「題名のない音楽会」観てたりライトクラシックなコンサートに行ったりしてるんで若干お話が合うなあとは思ってたんだけど、実はガチなクリスチャンで日曜は礼拝行ったりしているということをこないだ初めて聞いた。クリスマスはやっぱりメサイアとか聴きに行くのかな。聖書読んだことないしよくわからんで聴いてる私とはやっぱり感じ方は違うのかな。

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ところで、楽しみにしていた二期会の「影のない女」が中止に。まあ、無理だろうなあとは思ってたんだけど。こんな状況でリモート演出でなんかあの難曲はムリなり。考えてみるとこんな状況で「ルル」はよくやったよなあ。

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2021年12月 6日 (月曜日)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル (所沢ミューズ)

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クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
<プログラム>
J.S.バッハ:パルティータ 第1番 変ロ長調 BWV825
J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ブラームス:3つの間奏曲 Op.117
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
(所沢ミューズ アークホール)

(会社で)年末調整が始まり、連日夜10時が定時状態。今日も「休日出勤の予定入れといて」と言われ、ツィメルマンの券を取っていた私は日々怯えていた。が、なんとか免れたので、所沢まで行ってきた。ああ、だってサントリーも川崎もウィークデイなんだもん、行けないよね。しかも券、お高いし。それに比べて所沢は安心価格。B席6300円で巨匠ツィメルマンが聴けちゃう。サントリーと川崎はB席1万円よん。所沢は藤村実穂子さんだってパユだって3500円。もっとウチから近かったら会員になるんだけどなあ。

ああ、本当に良かった。こんな巨匠クラスのリサイタル初めてだ。いや、今年亡くなった巨匠ネルソン・フレイレは前に聴いたけどコンチェルトだったしね。

先日聴いたブレハッチと曲目が2曲被ってるので、聴き比べも楽しみ。片や2005年ショパンコンクールの覇者、今日は1975年の覇者である。ショパコンも昔と今とは全然違うし、同じポーランド人でも世代が全然違う。ツィメルマンは(今回聴きに行くから色々調べたけど)昔のポーランドはなかなかピアノが手に入らなくて自分でこしらえてたとか、今では信じられないような時代を生きた人である。

本日使用のピアノは(3階席の)遠目に見てスタインウェイだったんだけど、ご自分で持ち込んだピアノ・・・ということらしい。こんなん幼き日にテレビで見たホロヴィッツ来日公演みたいやないけ。しかも本人大の日本好きとのことで日本にもおうちがあるらしい・・・ツィメルマン。今日の所沢のホールもお気に入りのホールらしいし。

さてリサイタル。譜面を置いての演奏である。3階席なので手すりに隠れてほどんど弾いている姿は見えない。しかしホールの特性なのか残響が適度にあり音は素晴らしい。

演奏は全体的に・・・(変な感想でごめんなさい)不治の病に侵された人が、苦しい治療を経たが残念ながら助からず、やっと苦しみから逃れて神に召されて、天国で目を覚ました最初に聴いた音楽みたいな・・・そんな気がした。もうなんか、「ピアニストが目の前で演奏している」というよりは、ピアノも奏者もどっか行っちゃって(あんまし見えなかったってのもあるけど)、草原に日が射してくる様とか、小川のせせらぎとか、小鳥のさえずりとかが頭に浮かんだ。

(伝わってますか?)

バッハもブラームスもショパンも、どれもとても美しい演奏だった。とにかく今まで聞いたことのないような演奏であった。バッハは何か天使が降りてくるような感じだったし、ブラームスは(予習なし。初めて聴いた曲だが)あまりにも美しすぎてどうしようもなく泣ける演奏だった。なんだろうあれは、残業続きの私の心をツンツンと突いてくる。

大好きなショパン3番はもう・・・いや何だ。もういいわ。凄すぎる。ショパコンで若手の演奏ばかり聴いてたので(それはそれでよい演奏もあったものの)、やっぱり違うんだなあと思った。圧倒的なスケールで聴衆をねじ伏せた感があったブレハッチも素晴らしかったし感動したけれど、ツィメルマンは何か違う・・・これは天国の音楽。聴けて良かったな。ツィメルマンがこのホールが好きでいてくれて良かった。

最後は大拍手でスタンデイングオベーションもあったけど、ツィメ様は一度引っ込んだら二度と出てこず。アンコールもなし。巨匠とはこういうものなのか。

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所沢に行くと必ず買う「さやま茶」のペットボトルと、夕飯と明日の朝食用に買った航空公園駅のパン屋「アンリ・ファルマン」のサンドイッチとフランスパン。アンリ・ファルマンって名前がいいよね。

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2021年11月14日 (日曜日)

ウルバンスキ/東響 シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲第1番、カルミナ・ブラーナ (川崎)

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シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 op.35
オルフ:カルミナ・ブラーナ
指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
ヴァイオリン:弓 新
ソプラノ:盛田 麻央
テノール:彌勒忠史
バリトン:町 英和
コーラス:新国立劇場合唱団
児童合唱:東京少年少女合唱隊
東京交響楽団
(ミューザ川崎シンフォニーホール)

サントリーのほうが近いのに、またしても川崎を購入。そもそもボムソリちゃんのシマノフスキを目当てで券買ったのだけど、買ったとたんにボムソリちゃんの来日がコロナの入国制限で不可能に。うああああん。どうしてくれるのよう。

このままではコンチェルトはシマノフスキじゃなくなってしまうかもしれん(心配)。全く好きじゃないチャイコフスキーとかメンデルスゾーンに変更しちゃったらどうしてくれる。しかし、救いの神が現れた。弓新さんである。弓さんは、2011年のヴィエニャフスキ・コンクールのファイナリストであり、私はこの時のコンクールはネット配信で見ていた。その年は小林美樹さん(第2位)とともに日本人としては二人ファイナリストとして残った。弓さんは最年少ファイナリスト。二人とも(ヴィエニアフスキの他に)タコ1を演奏。

その時はガダニーニ1753年製を弾いていたと記録が(あたしのブログでは)あり、今日弾いたのは楽器何だったのかな。とくにプログラムに記述はないけれど、芳醇でとてもいい音だった。妖艶なシマノフスキの曲にぴったりである。

それにしても。コンクールで見たときは可愛らしい少年だったけれど、本日はずっと立派になっていらして。ドイツのオケの第2コンマスを勤められいるとのこと(あいかわらず親戚の男の子を見ているよう)。わざわざ来てくれてありがとうございました。

ポーランドの指揮者で聴くシマノフスキは本当に有難い。音色とか「わかっている感」が凄い。それと、こないだ配信で聴いたワルシャワ・フィルの演奏による交響曲第3番「夜の歌」と同時期の作曲ということじゃないですか。なんと芳醇な音楽なのでしょう。ああ、ポーランド万歳。

それと・・・この曲ってちょっとベルクっぽくないですか?(異議は認める) この曲のどこかで、ベルクの「ルル」の音楽に似たフレーズがちょっと現れるのですよ。いやシマノフスキのこの曲は1916年作曲だし、ルルは1934年あたりの作曲なので全然関係はないんだけど。他人の空似ってあるんだよね。

ウルバンスキはこの曲は暗譜ではなく、譜面をめくりながら指揮。カデンツァの間はソリストに敬意を示して、指揮台を降りた。いやなんというこまやかな心遣い(ほわほわ)。

ステキなシマノフスキの演奏(ポーランド音楽好きとしてはネットでの評判は嬉しい)のあと、わりとメジャーなカルミナ。メジャーとは言え、実際あんまり全曲演奏することは珍しいかと。私はナマで聴いたのはたったの2回目である。前回は飯守泰次郎さんの指揮でシティ・フィルであった。

飯守さんの演奏は素晴らしかったけれど(テンポ完璧!独唱者完璧!)、合唱がなあ・・・アマチュアでちょっとご年配の方が多かったので飯守さんの棒についていけなかった感が惜しかった。

今回は、新国立の合唱団だったのでその点は心配なく。ただ、コロナ禍のため最小人数で行われた。大人48人、少年少女12人という布陣。オケの強奏にかき消されてしまうところもあったけれど、それはしょうがないな。事前に見聞きしていたの2012年のウルバンスキ指揮(トロンハイム交響楽団)のカルミナ・ブラーナのYouTube動画では、本日の4~5倍(もっと?)の人数がいた。

今回は(いやこの人の演奏ではいつものようだ)この曲では結構ありがちの楽しい演出があちらこちらに。第7曲「気高き森」では合唱団が左右にゆらゆら。第22曲ではオケまで一緒に歌っちゃう(おう~おう~おう~とっとすふぉれお~)。丸焼き白鳥さんでは彌勒さんは白鳥のぬいぐるみを持ちながら歌うし、バリトンの酔っぱらい演技も楽しい。(ただ、私が前に見た時に高橋淳さんや萩原潤さんは更に強烈演技だったが)

1曲目も2曲目もとても楽しい演奏で、場内は大変な盛り上がりだったが、このご時世で「ブラヴォー」言えないのが本当に残念。オケがはけた後も拍手が終わらず、ウルバンスキは再度登場しステキな笑顔を見せていた。遠目に見て若き日のブラピっぽいかなってちょっと思ったりもした。いやほんとに足長いよねえ。(心の中はあくまでおっさんクラヲタなのでそういうのを目当てで行ったわけでは全然ないんだけど)

ウルバンスキが今度は、シマノフスキの交響曲を日本で指揮してくれるのを強く希望。第1希望は3番、第2希望は4番。

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2021年5月22日 (土曜日)

田中祐子/日本フィル 神尾真由子/ ブラームス他

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ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》ハ短調 op.67

指揮:田中祐子
ヴァイオリン:神尾真由子
日本フィルハーモニー交響楽団
(5月21日 ミューザ川崎シンフォニーホール)

残業続きで先月に続き残業時間がヤバイことになっているのでフレックスで退社。まっすぐ帰るのもなんなので、たまたま当日券が出ていた日フィルを鑑賞。お目当てはもちろんブラームス。以前、神尾さんのお弟子さんの所属の四重奏団の室内楽コンサートに行き、たまたま見たYouTubeのブラコンがよかったので、「お師匠さんの演奏どんなかな」って思った次第。

お客さんの入りは3~4割程度な感じ。

ピエタリ・インキネンが来日不可能になったため、田中祐子さんが代役。そういえば今年観た藤原歌劇団の「ボエーム」も指揮者が来日できなくて若い女性指揮者が代役を務めたが、こんなふうにメジャー歌劇団やメジャー楽団の(色物でない)舞台に若い女性指揮者が立てるのは、コロナ効果とは言えよいことなのでは。

小学生の頃に買った音楽の友社「指揮者のすべて」という音楽ムックにて「女性指揮者と黒人指揮者はまだまだほんの少数」との記述(うろおぼえ)があり、「私が大人になって普通にコンサート行ったりする頃には女性指揮者が活躍したりしてるのかな」などと思ったが・・・現実はどうだろう。

さて、演奏。「ジークフリート牧歌」だけは先日飯守さんのこゆーいリング・ハイライトを見聞きしたばっかりで、巨匠と若手を比べる気はさらっさらないのだけど、あのジークフリートの名演が耳に残っているからしかたない。まるで水出しの紅茶みたいな爽やかな演奏。ごめんなさい。もしインキネンが振ったとしても同じような印象だとは思うが。

続いて私的にはメインのブラームス。神尾真由子さんは長ーい尾っぽのマーメイドみたいな金銀色の神々しいドレスで現れた。もし床が掃除されてなかったらホコリを全部ふき取ってしまいそう。あのドレス着こなせるヴァイオリニストは日本では彼女だけでは。まるでハリウッドスターの結婚式みたいだ。

指揮者の田中さんは、茶髪のボブで黒いスーツがお似合い。てきぱきとしたステージマナーと指揮ぶりで、まるでウェディングプランナーみたいだ。とても素敵だった。

そんな感じで目にも眼福だったのだけど、演奏ももちろん素晴らしかった。ケチって3階席を取ったのだけど、ちょっと後悔。少し遠かったかな。それでもストラディバリを駆使したバリバリとした演奏は3階にも届いてきた。勇敢な第1楽章や有名な第3楽章よりも何より優美な第2楽章が素晴らしかった。涙が出るくらい美しかった。もちろん大拍手は止まらなかったけどソリストのアンコールはなし。

それにしても神尾さんを見るとつい「息子さん大きくなったかな、ロシアに置いてきたのかな」とか「ダンナのクルティはロシアにいるのかな」とか考えてしまう。

さて、コンサート的にはメインの「運命」。私はナマでこの曲を聴いたことがあったんだろうか。実は私が生まれて初めて聴いたクラシック音楽は(覚えている限りは)3歳の時にオバに聴かされたカラヤン指揮の「運命」のレコードである。

「いや何で今頃運命」とか「今時分この若手女流の指揮する運命を聴くのは何故」とかの違和感が最初の方は若干あったのだが、演奏は素晴らしかった・・・この曲は(もちろんよく知っているけど)そんなに聴きこんでないのでようわからんけど。指揮ぶりも女性らしくてすてき・・・とはじめは思ったけど、最終楽章はダイナミックでかっこよかった。

大拍手に応えて、アンコールはハイドンの「冗談」の弦楽オケ版。私はあんまりハイドン知らんのでてっきりみんなと一緒にフライング拍手しちゃった。テヘペロな祐子ちゃんかわゆす。

なお、明日の日曜日も同様の内容のコンサートがサントリーであるようですが売り切れとのこと。有料でライブ配信があるようなので(3か月1000円とのこと)ご興味のある方はご覧になってみては。

日フィルのサイト

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ミューザに行ったので、演奏前に超久しぶりに焼鳥屋さんのとろろご飯ポン酢大根おろしかけ唐揚げのセットを頂いた。相変わらず美味しかったけど(しかも安いのねえ)、酒の提供はまだしてないみたい(どうせ飲まないけど)。お腹いっぱいになりすぎて演奏中にちょっと苦しかった。

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2020年11月 4日 (水曜日)

ヘンデル/歌劇「リナルド」 BCJオペラシリーズVol.2

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ヘンデル:歌劇「リナルド」(セミ・ステージ形式)
鈴木優人 (指揮・チェンバロ)
バッハ・コレギウム・ジャパン (管弦楽)
リナルド:藤木大地(カウンターテナー)
アルミレーナ:森麻季 (ソプラノ)
アルミーナ:中江早希(ソプラノ)
ゴッフレード:久保法之(カウンターテナー)
エウスタツィオ:青木洋也(カウンターテナー)
魔法使い:波多野睦美(アルト)
アルガンテ:大西宇宙(バリトン)
使者:谷口洋介(テノール)
セイレーン:松井亜希(ソプラノ)
セイレーン:澤江衣里(ソプラノ)
砂川真緒(演出)
菅尾友(ドラマトゥルク)
(オペラシティ・コンサートホール)

過去記事:モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」 バッハ・コレギウム・ジャパン

(すでに大反響で大好評のこの公演。もう1日経ってしまって色々書かれたものを読んでしまったので書くことあんまりないんだけど、まあ一応自分の記録として書くね。)

過去記事はこのBCJオペラシリーズの第1回。そもそも海外キャストも交えてのシリーズのはずが、コロナ禍でオール日本人キャストになってしまった・・・というのはこないだの新国立の「夏の夜の夢」と一緒である。しかし、「夏の夜の夢」が「オール日本人でも結構いけるじゃん」な感想だったのに対し、今回のヘンデル「リナルド」は、「これ、オール日本人でこその上演じゃね?」って思った。

そもそも、私はこの公演の券取ってなくて(気が付いたら売り切れてたんだったかな)、コロナ禍からちょっと緩和状態になったので(一人づつ席を空けなくてよくなったので)券が取れたんじゃなかったかな。前回のポッペアでも歌った、レイチェル・ニコルズが魔女アルミーダ役だったのかー、って後で知ったくらいなんだけど。

最近、欧米で流行ってんだかわりとヘンデルのオペラを見聞きするようになったんだけど、それはネット配信とか映画館だけだったんで、実はヘンデルのオペラを生で観るの初めてである。ヘンデルって、子供の頃は音楽の父?で教科書に載ってて、もこもこのカツラ被って音楽室に肖像画貼ってあるってだけの人だったので、大人になって自分が楽しんで観るようになるなんて予想もしなかった。

とくに、こないだ映画館で観たメトの「アグリッピーナ」はホントに面白くて。舞台を現代に移した大胆な演出で、「あれ、もしかしてバロックオペラって何でもアリなの?」って思った。いやこんな、吉本新喜劇みたいなのでいいの?的な。

なので、今回の「リナルド」の演出は、ちょっと頭の古い?聴衆には受け付けないのかもしれないけど(←失礼?)、私はすぐ受け入れられた。まず、最初の写真のように、このオペラはロールプレイングゲーム(RPG)の中の物語として演出されている。(始めに宅急便の荷物を受け取り、その中にゲームの登場人物のフィギュアが入っている)なので、主役リナルドはこのゲームをやってる「ゲームオタク」の少年、という設定である。

ヒーローのはずのリナルドは、前髪を下ろしてメガネをかけた、「R」の文字のついたTシャツを着ている冴えない風貌だ。こないだ新国立で見た藤木大地さんのオベロン役では「なんかムロツヨシっぽい」って思ったけど、今回は・・・なんか「南海キャンディーズの山ちゃん」みたいだなって思った。でも、声はやっぱりいつもの藤木さんの美声で。

ヒロインのアルミレーナは森麻季さんで、それはもう美しかったんだけど、そもそも主人公のオタク青年はゲームの中のアルミレーナのファンであり、写真集(わざわざ小道具として作った)を持ってたりする。このオペラには3人もカウンターテナーが登場するのだけど、かなり沢山の歌を歌うアルミレーナの父ゴッフレートとその兄弟のエウスタツイオも大健闘。

しかしまあ、考えてみるとカウンターテナーの役は、女声のアルト歌手でもできるわけなので、それこそいろいろな演出ができるわけだよね。

そして、リナルドとアルミレーナの十字軍に敵対するエルサレム軍のカップルは、中江早希さん演じる魔女のアルミーダと、大西宇宙さん演じるアルガンテ。いやほんと、この二人は悪役であったのにもかかわらず、主役を食うほどの勢い。大西さんは半ばこの方が目当てで行ったようなものなんで、あいかわらず立派な押し出しと堂々たる歌唱で素晴らしかったのだけど、正直名前さえ知らなかった中江さんは本当に素晴らしい声と演技で。(まあ、今回は色々と行ってよかったって思う要素はあるものの)今回の一番の収穫は彼女の事を知ることができたこと、かな。

実は、私はB席で舞台を見下ろすバルコニー席だったので、舞台の左半分近く見えなかった。だもんで、ちょっと演出的にわからないところもあったのだけど、それでも中江さんのコミカルな演技(一升瓶をラッパ飲みしたりする)と素晴らしい声は伝わってきたし、いや何でほんとあんなに高い声が出るの。第2幕の怒り狂うアリアは(二人のチェンバロ奏者の超絶技巧の掛け合いと共に)、いやほんと素晴らしかったなあ。思わず禁止のブラヴォー言ってしまった客もいたんじゃない?

あと、もちろんBCJの方々の超絶技巧も素晴らしく。とくに大活躍の打楽器の方(稲妻、雨、風なども担当)も素晴らしくて、私なんか「アルプス交響曲」だの「ラインの黄金」だの慣れているはずなのに、稲妻の音にいちいちビックリしたりしました。

それと、私は学生時代にブラスバンドなどでトランペット吹いてたもので、華々しい場面で現れる古楽器のトランペットに大注目。アレ、もしかしてバルブないの?どうやってメロディ吹くの?すごく気になった。だってカウンターテナーの超絶技巧の歌唱と張り合ったりするんだもの。思わずオペラグラスでガン見。

・・・と色々書いてみたけど(まとまらなくてすいません)、今年あんまりオペラみてないけど観たものはみんな良かったです。でも今回はホントに格別。楽しかったなあ。有料のネット配信もあったみたいだけど、本当は・・・それでちゃんと舞台を観たいかな、とも思ったけど我慢我慢。

最後は大拍手がなかなか収まらず。でも、ウィーンでテロがあったせいなのか?(考えすぎ?)若干藤木さんの表情が暗かった気も・・・しました。今は日本にいらっしゃるけど、そもそもはウィーンで活躍されている方だからね。(ウィーン・フィルははるばる日本に来たそうだけど・・・)

しかしまあ、オール日本人キャストならではの演出(外国人勢ではできなかったでしょ)。楽しかった~。行けてよかった。子供の頃は遠い存在だったヘンデルが身近に、バロックオペラがますます好きになった。

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2020年2月 2日 (日曜日)

ベートーヴェン/フィデリオ・原典版(レオノーレ) ウィーン国立歌劇場ライヴストリーミング

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Ludwig van Beethoven Fidelio Urfassung (Leonore)
Conductor Tomáš Netopil
Director Amélie Niermeyer
Textfassung Moritz Rinke
Set design Alexander Müller-Elmau
Costumes Annelies Vanlaere
Lighting Gerrit Jurda
Choreography Thomas Wilhelm
Dramaturg Yvonne Gebauer
Assistant Director
Veronika Sedelmaier
Assistant set designer
Anna Schöttl Assistant costume designer
Stephanie Thun-Hohenstein
 
Leonore Jennifer Davis
Leonore - die Schauspielerin Katrin Röver
Florestan Benjamin Bruns Rocco
Falk Struckmann Pizarro
Thomas Johannes Mayer
Don Fernando Samuel Hasselhorn
Marzelline Chen Reiss
Jaquino Jörg Schneider

そもそもよくわからない(私にとって)オペラなのだけど、昨年1回(ヤルヴィ)おととし2回(チョン飯守)も聴きに行ったんだからもうそろそろ理解してもいいんじゃないかなと思う。しかしまあ、今回の公演はベートーヴェンが最初にこしらえた版のようである。ウィーンのアンデアウィーン劇場で初演。最初の題名はレオノーレとしていたみたい。

というわけで、第1稿なので序曲から「こんなんだったっけ」みたいな感じである。まあ、私はこのオペラの全部の音楽を覚えているわけではないので、細かい違いはよくわからないのだが、アリアとかも微妙に違うような気がする。

なのに。

ただでさえ音楽的に迷子なのに、演出はもっと迷子なのである。まず最初に序曲のときにフロレスタンとレオノーレがホテルの一室?でイチャコラしている。しかし夫が連れて行かれ、部屋に閉じ込められたレオノーレ。舞台が暗転するとなんと、レオノーレが二人になっている(歌手と女優)。どうゆうこと?と二人のレオノーレは困惑。しかし、夫を助けに行かなきゃ、というわけで二人で夫の拘留されている刑務所で働き始める。

色々よくわからなかったので(だいたいセリフがドイツ語でわからん。たぶんセリフがわかれば演出の意図もわかると思うんだけど。今回色々いじってみたけど対訳がでてこなかった)、ウィーン国立歌劇場のサイトのドイツ語解説を翻訳してみたら(エキサイト翻訳でな)、どうやらレオノーレはこの非常事態に自分自身が分裂してしまい(他の人からは一人にしか見えないけれど)、常に自問自答しているような感じで物語が進んでいく(ようである。たぶん)。

途中でマルツェリーネがウェディングドレスを着てレオノーレに結婚を迫るシーンがあり、なんかレオノーレも途中で受け入れているような感じでいたので(下着姿になったりして女だってばれてるし、レオノーレもウェディングベールかぶったりするし)、「あーこれは実はレオノーレとマルツェリーネは女同士で結ばれて、もう一人の女優さんのほうのレオノーレはフロレスタンと結ばれて、大ハッピーエンドになるのか!」と思っていたんだけど・・・どっちでもなく・・・。最後は刑務所の囚人とご家族はキンキラキンに着飾って登場して歓喜の合唱で終わる・・・そしてレオノーレはフロレスタンをかばってピツァロに刺された傷で死んでしまうのだ(歌手も女優も)、嗚呼。

演出は気分的にあまり後味のよいものではなく、演奏もさほど盛り上がらず。カーテンコールもそこそこに、演出家が出てきたら当然の大ブーイング。これだったら新国立で観たカタリナの演出のほうがよっぱどよかった(私は面白かった)。歌手は・・・みんなよかった。とくに男声はよかったと思うが・・・とにかく演出がハテナで。

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新型肺炎を恐れて、世の中はマスク不足となっているが、私は先週65枚入りのものを入手していたので当分はなんとかなるかな。しかしそもそもこのマスクも中国からきたものだと思うと、安心していいものだろうか。しかも中国の工場の写真を見ると素手で触ってるし、箱にぼんぼんぶん投げているのを見るとどう考えても衛生的でないような。「自分でガーゼ買ってきて作ろうかな」とか思ったんだけどガーゼが薬局で見当たらなかった。あ、コルゲンうがい薬もキレイキレイ消毒液も買ってあるので万全。 

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