2023年9月23日 (土曜日)

グールドが・・・

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先日引退を発表したばかりのステファン・グールドがお亡くなりになった。胆管がんだったという。長くて余命10ヶ月という発表だったが、あっというまだった。胆管がんは発見しづらく、症状が出たり発見されたりした時にはもう手遅れなことが多い(自分が最近色々あったので、病気となるとついつい調べてしまう)。逆にどうやって見つかったのだろう。やっぱり体調悪かったのかな。

グールドを最後に観たのは、新国立劇場でのタンホイザーだった。今年の事である。そのときは調子はどうだったのかな。いつもながらの歌唱だったし、演技にちょっとよっこらしょ感はあったけど、単に巨体なせいかなとか思った。60歳くらいなら、まだ何年か日本に来てくれて歌声を聴かせてくれるものかと思っていた。親日家で、実は大相撲のファンだったらしい。飯守さんと仲が良かったから、バイロイト常連クラスでもしょっちゅう日本に来てくれて、舞台に立ってくれて本当にありがたかった。

グールドはワーグナーの諸役(トリスタン、ジークフリート、ジークムント、ローゲ'、タンホイザー)とフロレスタン、あとは飯守さんの傘寿コンサートでの出演を見聞きする事ができた。私としては、世界的なヘルデン・テノールではルネ・コロと共に最も生で観た歌手である。

今頃、天国で飯守さんと会ってるかな、他の故人の名歌手とワーグナーの舞台を上演演してるかなあ、とか思ったり。このところワーグナー好きには悲しい知らせが続き、心がついていけない。どうか安らかに。それから出来る事なら新国立劇場での映像が残ってたらもう一度観たいものですね。お金払ってもいいから、上映会とかやってもらいたい(とくにリングとフィデリオ)

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2018年7月22日 (日曜日)

映画「3大テノール 夢のコンサート」

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7月21日の上映。
1ミリも興味がなかったのだが、友人が行きたいと熱望したため、券を予約し購入(何故か私が)。この上映のチラシは三善晃のコンサートに行ったときに入ってた。最近わりとコンサートに行ってたが、チラシが入ってたのはその時だけ。だもんで、そんなに人は入ってないという勝手な思い込みから、ガラガラだと思ってた。
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しかし。びっくりするほど人が入っていた。
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初めて行く、九段下のアニエッリホール。そんなホール知らんかったわ。「イタリア文化会館」の地下にあるのである。イタリア文化会館知ってます?わしゃ知らんかった。(すいません、「セトウツミ」って映画見ながら文章書いてるんで若干関西弁混じります)
受付の人、イタリア人だった(べつに聞いたわけではないけどたぶん。)。
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アニエッリホールは370席ほどの中くらいのホール。なかなか奇麗なホールで音もよさそう(映画なのでよくわからんが)。前売り買ったのに自由席なので、行った時にはもう席ほぼ埋まってた。高齢者の方が多かったのは何故。シニアのご夫婦、おば(あ)様同士とかが多かった。
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まあ・・・あの3大テノールである。3人のうちご存命は2人で、ドミンゴはすっかり指揮者になっちまった(のかな?)ので、今現役で歌ってるのはカレーラスだけなのかな。大病したので命が続く限り歌うのかしらん(←想像)。今年の11月に来日公演があるようである。サントリーで一等席が3万5千円からなのでまだまだ残ってるけど大丈夫かな。
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映画は、世界中で開催された「3大テノールコンサート」の模様を(ロンドン、ウィーン、ミュンヘン、ニューヨーク、ラスベガス、東京、南アフリカ)収録したもの。国によっては「お国もの」が歌われていて興味深い。もちろん歴史に残る大歌手なのでどれも見事な歌唱ではあるけれど、白眉はやっぱりカレーラスの歌う「ある日、青空を眺めて」(アンドレア・シェニエ)とパヴァロッティの歌う「誰も寝てはならぬ」かな。あと、「マイ・ウェイ」を歌うカレーラスが若干布施明みがあってよかった。
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まあ、バブリーな感じが懐かしいが、今は現役で(クラシック詳しくなくても誰でも知っているような)こういう超スター歌手がいないんだよなあと悲しい気分になる。指揮者もそうだけど。さみしい感じがした。一緒に行った友人は大感激してたし、最後は拍手まで起こったけど。私は考えさせられるものがあった。
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なお、映像も音も若干ひと昔前感。(それは仕方ないか・・・).

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(イタリア文化会館。とってもおしゃれな建物です。イタリア語講座やらいろんな教室が開かれているようで、ちょっと興味あり。)
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なお、この映画は9月1日~21日に恵比寿の東京都写真美術館ホールで公開されるそうなので(私が行ったのは先行上映)、ご興味のあるかたは出かけてみては。
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映画終わってから友人と神保町でランチしたのだが(イル・ヴィゴーレという店。なかなか美味しかったし、異様に安かった)、なんかもう外は暑すぎて3時くらいに帰った。40℃くらいに感じた。命にかかわるので昼間は出かけないほうがいいと思う。
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7月22日13時14分。私の部屋の窓際です。
日陰ですよ。うちは日当たり悪いんですが・・・。家で「絶対零度」(上戸彩版)を見ながら・・・。(なお、温度計はお風呂のお湯を計る用です。)
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暑くて唯一いいことは、蚊がいないことです。私、O型で酒飲み、体温高い方なのでとても蚊に刺されやすい体質なのに、今年の夏は一回くらいしか刺されてない・・・。金鳥さん商売上がったりだ。

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2018年3月 4日 (日曜日)

藤村実穂子リサイタル 所沢ミューズ

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ガニュメート/糸を紡ぐグレートヒェン/ギリシャの神々/湖にて/憩いなき愛
ワーグナー
『ヴェーゼンドンクの詩による歌曲』
天使/止まれ!/温室で/痛み/夢
ブラームス
セレナーデ/日曜日/五月の夜/永遠の愛/私の愛は緑
マーラー 『少年の魔法の笛』より
夏の別れ/この世の生活/原初の光/魚に説教するパドゥアの聖アントニウス/高き知性への称賛

(アンコール)マーラー/美しさゆえに愛するなら シュトラウス/明日!
藤村実穂子[メゾ・ソプラノ]
ヴォルフラム・リーガー[ピアノ]

(3月3日 所沢ミューズ マーキーホール)

別に紀尾井町公演も売り切れていたわけでもなかったのだが、(いつもながら)所沢の謎の料金設定のためにこっちをチョイス。行ってから気づいたが、紀尾井と微妙に曲目が違う。紀尾井のマーラーはリュッケルトだったけど、所沢は角笛だった。あまりよく考えないで買ってしまった。私の好きな「真夜中に」と「私はこの世に忘れられ」が聴けなかった。はあ、まあいいか。

所沢は紀尾井の半額で聴くことができる。なんとCD一枚買うのくらいの価格でナマで演奏聴くことができるのである(1等席)。なんと有難いことだろう。(だのに、満員ではなかった。私の席の隣2つ空いてたし。都合でこれなかったのかもだが)
まあ、普段クラシックのコンサートに行かないような客層も存在するのも事実であり、アクシデントもあったけれどしかたないのかな。

実をいうと私はピアノ伴奏のリートのリサイタルはあんまり行ったことない。遠い昔に懸賞で当たって柿ホールのこけら落としの中丸さんのリサイタルに行ったくらいかな。オペラアリアのリサイタルなら何度もあるけどね。

それと、藤村さんのナマの声はオペラの舞台でしか聴いたことなかった。(神々の黄昏の)ワルトラウテとブランゲーネかな。どちらもさすがにバイロイト歌手だなあと思ったけど。しかしながら藤村さんってやっぱりすげえんだなって昨日は改めて思った。

世界レベルってのはこれなんだなと。

ただ歌曲歌ってるだけではなかった。大女優だった。いちいち演じてた。いろんな人になってた。歌手というよりは楽曲の精神を伝える巫女のようであった。凛とした舞台姿素晴らしい。

シューベルトとブラームスは私はあんまり聴かないので、初めて聴く曲も若干あったのだけど(えええ)、どれも衝撃的だった。どれもこれもドラマティック。日本のちょっと地方のコンサートホールの舞台がヨーロッパ各地にくるくる変わるのを目の当たりにした。ちょっとしたヨーロッパ旅行。

私は紙の対訳をめくりながら鑑賞するのがあまり好きではないのだけれど(音が出るから)、入口で頂いた対訳は藤村さん自ら訳をされたとのことなので「これは見ながら聞かなあかんのやな」と、細心の注意を図りながらめくって聴いてた。やはり意味がわかって聴くのとそうでないのは全然違う(当たり前だが)。

まあ、一番のお目当てであったヴェーゼンドンク歌曲集はやっぱり凄かった。たぶんナマで聴いた最高の歌唱であったのでは(シャーガーさんごめん)。まったく見た目東洋人の藤村さんなのに、まるで目の前にマチルデ・ヴェーゼンドンク夫人が降臨したようであり。
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優美な第一曲「天使」も最初からフルパワーでびっくりした。また、リーガーのピアノの凄いこと。なんとなくだけど、ピアノのほうが歌手の声が引き立つしオーケストラじゃないほうがいいような気がした。藤村さんの声の力が全部聞き取れるから。コンパクト版「トリスタンとイゾルデ」。ゲスの極みワーグナーだけどこの曲が生まれたことに感謝。

残念だったのは終曲の「夢」で最後の最後の静かにピアノがこの名演奏をしめるところで、メール着信音が「ぴろぴろーん」と鳴ったことで。まあ、東京の普通のコンサートでもたまーにあることだけど、それにしても最後の最後はないでしょう。(ああ、自分でなくてよかった。私の携帯と同じ音だったんでひやっとしたわ。無論私はちゃんと切ってたけどね。)

後半のマーラーの「子供の不思議な角笛」はまるで「復活」のコンパクト版を聴いているよう。「原光」からの「魚に説教」(楽章からいうと順番は逆だけど)。コミカルで残酷な「この世の生活」もドラマティック。4人の作曲家の個性がこんなにはっきりと歌唱・演奏されるのを見聞きできて感動した。

ああ、シュトラウスがない・・・と思ったけど、盛大な拍手に応えてアンコールで大好きな「モールゲン」。ピアノ伴奏も極限まで美しく。夜友人らと池袋で寿司を食べる予約があったのでサイン会には参加せず。まあサインはまだいいとしてCD買えばよかったなあと今になって後悔。

改めて思う、藤村さんの声は誰にも似てない。(私の好きな)フラグスタートともフェリアーともマイアーともミントンとも違う。バイロイトでのご活躍や役柄的には「日本のW・マイアー」ともいえるかもしれないけど、それもちょっと違和感。藤村さんは藤村さんでしかないのかな。

(いつもだけど乱筆乱文ごめんなさい)

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終演後、友人や昔世話になった会社のおっちゃんたちと池袋の寿司会席。お寿司の他に焼き魚やお刺身、茶わん蒸しなどいろんなものが出て飲み放題で3980円。ひな祭りだからお寿司、なのか?
 
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コンサート中どうしてもお腹が鳴りそうだったので、休み時間に珍しくマドレーヌを買って食べたら大変美味しかった。ミューズにあるレストランHIBIKIオリジナルのものだった。さすが茶どころ、抹茶味がこゆくて美味しかった。300円もしたけどこの味なら納得。

 
 

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2011年12月29日 (木曜日)

三波春夫/俵星玄蕃

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年末っていうと、私が決まって聴きたくなるのは第九ではなくてこの三波春夫先生歌唱の「俵星玄蕃」(たわらぼしげんば)である。この間歌舞伎で「松浦の太鼓」って忠臣蔵ものを観てきたから、なおさら聴きたくなった。12月になると必ずといっていいほどCDを取り出して聴く。私が持っている、数少ないクラシック以外のCDのひとつ。

名曲である。歌謡浪曲なので普通の歌謡曲より長い。8分くらい?

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俵星玄蕃(たわらぼしげんば)は、三波春夫の曲。「長編歌謡浪曲」と呼ばれる。「元禄名槍譜」(げんろくめいそうふ)の副題が付くことがある。

作詞は北村桃児(三波自身のペンネーム)。作曲は長津義司。

「忠臣蔵」(元禄赤穂事件)にからんだ架空の人物である俵星玄蕃[1]を主人公とした曲。「歌謡曲(演歌)」「浪曲」「講談」の3つが織り込まれており、それぞれに通じた三波の、芸の集大成のような構成となっている。

三波自身は振りをつけて演じている。また現在でも、日本舞踊の題材として用いられることがある。

先述通り、多様な素養を必要とする曲で、歌詞も長大であるため、歌いこなすには相応のレベルが求められる。現在は演歌歌手の島津亜矢が得意としており、テレビ番組などで披露している。また変わったところでは、落語家の柳亭市馬が持ちネタの一つとしており、CDまで発売している。(ウィキペディアより)

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昔。って言っても持っているのはCDなので大人になってからだけど。初めてこの曲を聴いたときの衝撃は忘れられない。母親が毎日聴いていた演歌・ナツメロのラジオ番組で、フルコーラス流してたのを聴いたんだと思う。どうしても忘れられないので銀座の山野楽器まで行って買ってきた。

歌謡浪曲、馬鹿にしてはいけない。もうね、ワーグナーのオペラアリアみたいなんである。「ヴォータンの別れ」とか、「ブリュンヒルデの自己犠牲」とかそんなんに匹敵すると思う。

浪曲場面の

「一人の浪士が雪をけたててサク、サク、サークサークサークサーク
”先生!” ”おう、蕎麦屋か~~~”」の所など、何度聞いてもカッコイイ。しびれる。そして、お蕎麦が食べたくなる。

三波先生が晩年に近い頃だか、紅白で歌うというので(珍しく)楽しみにして見ていたが、フルバージョンではなかった(便所神の歌でさえ、フルバージョンだったというではないか。見てないけど)。当然ながら声もかなり衰えていたので少し残念だった。


フルバージョン、映像で見ることができる。これは貴重。
http://www.youtube.com/watch?v=fnX1vD0TBJU&feature=relatedicon

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2010年7月 8日 (木曜日)

ショルティ箱1枚目。

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・オッフェンバック:「ホフマン物語」より「ホフマンの舟歌」
コヴェントガーデン・オペラ・ハウス(1959)
・ドリーブ:「ラクメ」より鐘の歌
サリ・バラバス(ソプラノ)SDR交響楽団(1952)
・サン=サーンス:「サムソンとデリラ」より「あなたの声に心は開く」
ジュリエッタ・シミオナート(メゾソプラノ)シカゴ・リリック・オペラ(1956)
・グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲
ベルリン・フィルハーモニック(1959)
・チャイコフスキー:「エウゲニ・オネーギン」より手紙の場面
レナータ・テバルディ(ソプラノ)シカゴ・リリック・オペラ(1956)
・マスカーニ:「カバレリア・ルスティカーナ」より「ママも知る通り」
ジュリエッタ・シミオナート(メゾソプラノ)シカゴ・リリック・オペラ(1956)
・ロッシーニ:「アルジェのイタリア女」序曲
ロンドン・フィルハーモニック(1955)
・モーツァルト:「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら」
ジュリエッタ・シミオナート(メゾ・ソプラノ)シカゴ・リリック・オペラ(1956)
・ヴェルディ:「椿姫」第一幕への前奏曲
コヴェントガーデン・オペラ・ハウス(1959)
・ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」より「国を裏切る者」
エットーレ・バスティアニーニ(バリトン)シカゴ・リリック・オペラ
・ボイト:「メフィストーフェレ」より「いつかの夜」
レナータ・テバルディ(ソプラノ)シカゴ・リリック・オペラ(1956)
・ポンキエルリ:「ラ・ジョコンダ」より L’amo come il fulgor
レナータ・テバルディ(ソプラノ)、ジュリエッタ・シミオナート(メゾ・ソプラノ)シカゴ・リリック・オペラ(1956)
「時の踊り」
コヴェントガーデン・オペラ・ハウス(1959)

話題の(?)ショルティ箱の一枚目。スパゲッティ・カルボナーラを作り、食しながら鑑賞。料理のBGMとしてもよろしく、じっくり聴いてもよろしい。76:29という目いっぱい収録。録音はほとんどモノラルでたまーにオケ部分だけステレオになったりする(実はこれがあたしは嫌いなんだけどヘッドフォンで聴かない限りそんなには気にはならない)。

・みんながよおく知ってる曲もあれば、「うーん、よくしらない」みたいなのもある(ジョコンダとか全部聴いたことないもんな)。

・大好きなホフマンの舟歌が入ってて素敵。歌はなし。

・ラクメの超絶アリアを歌う歌手は知らんのだがすげえ。有名な人なのかもしんね。

・こないだお亡くなりになったばっかりのシミオナート女史の歌が聴けてうれしい。実は一枚も持ってないんで・・・聴きたかったんだよね。イタリア語だけどデリラはぴったりね。

・ルスランとなんちゃらはステレオ録音でいきなりのBPO。ダイナミックな演奏だ。さすがはショルティ。

・テバルディ女史がイタリア語で切々と歌う「手紙の場面」。胸がきゅうんとする。(この曲のここの部分だけが大好きで、新国まで見に行ったっけ・・・何故かあんまり面白くなかったけんども。)

・シミオナートと言えば「カヴァレリア」。定番でしょ。

・ジャケ裏曲目で「ラ・トラヴィアータ」とありつつ「セヴィリアの理髪師」ともあるもんで、どっちの曲が飛び出してくるのかドキドキしたが、椿姫だった。良かったあ。さすが怪しい廉価盤。これもステレオ録音・・・かな。

・バスティアニーニが一曲だけ歌ってるけど、素敵だ。

・・・という感じで(かなりかいつまんでテキトー)なかなか楽しめる。2枚目(クリステル・ゴルツ様のエレクトラ&デラ=カーザ様のアラベラ)も楽しみだ。

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そういえば、(W杯)ドイツが負けてしまったな。後半戦しか生で見てないけど、がっかりだクローゼ。タコのパウルは本当に百発百中なのね。タコにパウル(Paul)ってドイツ名前はなんかカッコイイぞ(何か詩の題名から取ったみたい。残念ながらコルンゴルトのオペラではないようだ)。パウルは実はイングランド生まれでドイツ在住っていう複雑な生い立ちなのな。英ウィキペディアには「職業 預言者」って書いてあったんだが本人(タコ)はどう思っているんだろうか。そして、誰があんなこと思いついたんだろう。まあ水族館の人だろうけど。

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2009年8月20日 (木曜日)

ベーレンスの思い出

一昨日お亡くなりになったべーレンス。私が彼女のナマ歌声に接したのは3回でした。


・1991年12月23日 東京文化会館
ワーグナー・コンサート
小澤征爾指揮/新日本フィルハーモニー

初めて憧れのベーレンスに接したのでしたが、コンサート前にお知らせが。残念ながら、どうも日本にきてお風邪を召してしまったようでした。ややひっかかる声のヴェーゼンドンク歌曲集や「ブリュンヒルデの自己犠牲」を鑑賞。アンコールは「聖しこの夜」であった記憶があり。


日にち・オケ等は失念。確かサントリーホール。
アンナ・トモワ=シントウとのジョイント・コンサート

ベーレンスの息子さんとトモワ=シントウの娘さんがご結婚した縁で(お孫さんの写真もあった)、何故か日本でコンサートを開くことに。お二人はまったくキャラクターが違う声ながら、ワーグナーはもちろん特にR・シュトラウスでT=シントウはリリックな役(アラベラ、など)、ベーレンスはドラマティックな役(サロメ、エレクトラなど)が得意ということで、なかなか幅広い楽しいコンサートであったと記憶。確か、最後は二人で「エレクトラ」の最後の場面を演じた記憶がある。


・1998年9月29日
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでの「ワルキューレ」。

過去記事:ハイティンク/リングinロンドン「ワルキューレ」


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2009年8月19日 (水曜日)

ベーレンス、逝く

歴史に残るワーグナー歌手である、ヒルデガルト・ベーレンスさんが昨日亡くなったそうです。享年72歳。

草津国際フェスティヴァルの記事
http://kusa2.net/J/index.php?e=390

草津での演奏会と授業のために日本にいらしてたんですね。もう声は盛期を過ぎてらしたとはいえ、彼女のブリュンヒルデが大好きだったので、すごくショックです。
日を改めて記事を書きたいと思います。

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2008年4月24日 (木曜日)

フラグスタート/ヴェーゼンドンク歌曲集&グリーグ歌曲集

P1080029ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集
グリーグ:歌曲集/他

キルステン・フラグスタート(ソプラノ)、ジェラルド・ムーア(ピアノ)他

過去記事:フラグスタート/山の娘



うあああああああああああああ。

どうしてなのよ。指折り数えて毎日。
待ちに待った「ケンペのリング」「ベームのリング&おまけいっぱい」の発売日だってのに、今日タワレコのHP見たらどっちも来月中旬の発売になっちょる。

どういうことよ。

私のここのところの希望の星はこれしかなかったのにさー。これのどっちかをゴールデン・ウィーク前に買って、とくにビッグな予定もなくさみしいGWをワーグナー漬けで楽しく過ごすという予定だったのにさ。

というわけで、「えーんえーん」と枕をぬらしつつ布団に入る前に、大好きなフラグスタートでも聴こう。

この盤の歌唱はVocal Archivesというナゾのレーベルのものだが、普通に出ているEMI盤とは違う音源なのだろうか・・・ナゾ。とにかく、キルステンちゃんお得意の作曲家のワーグナーとグリーグが聴ける、お得な一枚。  

しかも。

この作曲家の中に挟まれている、アルフ・フールム(Alm Hurum)というナゾの作曲家の歌曲「明るい夜」というのが大変素晴らしい。ことにピアノ伴奏がとても美しく、琴線に触れる。きっと他の作品も素晴らしいに違いない。フールムは日本ウィキペディアには載ってないみたいなの。

ヴェーゼンドンク歌曲の艶やかな深い声もたまらなく素晴らしいが(1948年録音、52~3歳ってとこか)、さすが母国語のノルウェー歌曲は自信に満ちていてスケールが大きい。他の歌手では出せない、雄大な北欧の自然が感じられる・・・北欧行ったことないので勝手な想像だけど。

グリーグはピアノ伴奏のとオケ伴奏のとある。オケ伴奏のものは雄大すぎて、なんだかワーグナーの楽劇を聴いているがごとし。つか、グリーグに聴こえない。個人的には北欧歌曲ってさりげなさ、はかなさとかが魅力だと思うんで、私はピアノ伴奏の方が好き。

うーん。

それにしても。4連休2回(4月28日も会社は休みなので)。例年どおり、ほとんど飲んだ暮れか女友達とのちい散歩で終わりそうな予感。今年こそ温泉旅行とかを目指していたのに(影も形もナイ)。誰かなんとかしてくれ。

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2007年9月11日 (火曜日)

カルショーの本とフラグスタートのグリーグ

P1000815 フラグスタート・グリーグ・リサイタル
君を愛す/エロス/バラに囲まれて/波に揺れる舟/小屋/初めての出会い/春へ贈る歌/桜草に寄せて/睡蓮に寄せて/夢/モンテピンチョより/小さなキルステン/野心、他
キルステン・フラグスタート(ソプラノ)、エドウィン・マッカーサー(ピアノ)


このところ、こないだ購入したカルショーの書いた「ニーベルングの指環 リング・リザウンディング」を読んでいるんですが、まだ3分の1くらいです。

Book ニーベルングの指環 リング・リザウンディング

著者:ジョン・カルショー
販売元:学習研究社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

(今更ですが)とにかく面白いです。ショルティのリングのCD(レコードでもいいけど)を持っている方はとくに面白く読めますし、去年発売のカイルベルト盤を聴いている人も面白いと思うし、またはクナッパーツブッシュの人となりとかも垣間見えて楽しいです。最近興味のある、レコードをつくる側のことも知ることができる。レコードを作る人も、会社員なんだなあというのが素直な感想。

ま、文句を一つ言えば、とってもこの本重いです。中学生にも読めるくらいの大きな字で書いてあり(老眼の人でもってこと?)、400ページ以上あるのでちょっと電車の中で読もうと思って持ち歩くことが出来ません。腕が鍛えられそうでいいかもしれませんが。もっと字を細かくしたり、2段にしたりとかできなかったのかなあ。

ま、そんな中で(まだ読み終わってもいない本について書くのは気が引けるが)。今のところ大変印象深いのが、大歌手キルステン・フラグスタート(1895-1962)とカルショーの交流です。これから読む人のために詳しい内容は書きませんが、とかく謎めいて気難しそうなイメージの彼女の人となりが知れてとても興味深い。

例のフルトヴェングラーとの「トリスタンとイゾルデ」の事件(第2幕の愛の2重唱の高音を、ウォルター・レッグの奥さんのシュワルツコプフが声出した)が大衆にバレてしまったので、傷ついたフラグスタートはEMIとは縁を切り録音もしなくなって影に引っ込んでしまった。

そんな(まだ歌える)フラグスタートを再び録音現場に引っ張り出し、文字通り社運を賭けたデッカのリングに(何らかの役で)登場させるためにあらゆる手を尽くし頑張ったのがデッカのカルショーであり。

で、その時のデッカとのいくつかの契約で録音されたのが今回紹介のレコードである(あろう)。残念なことに私の持っている英デッカ・レコード盤はまたしても録音データがないときてる。彼女の登場する「ラインの黄金」が最後の録音で1958年だから、その周辺の録音であろう(激しくテキトーですいません)。ステレオ録音。

ショルティ・リング「ラインの黄金」のフリッカはかなり声が太くなっていて、「うーん、オペラ的にはどうだろう」と思うこともしばしばですが、このグリーグ歌曲集は純粋に素晴らしく大変に味わい深い。年数を重ねた芳醇なブランデーのようである(本当はそんな高いブランデーはとんと縁がないが)。また言うまでもないけれど、グリーグの歌曲のなんて美しいこと。現存の歌手とは全く違う味わい。

ところで。
晩年のフラグスタートの歌声はふかぶかとしてあのカスリーン・フェリアーを思わせる。カルショーのこの本によると、「電話で話したところ、喋り方や声がフェリアーにそっくりでびっくりした」そうな。

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2007年7月26日 (木曜日)

マリア・カラス/永遠の名唱集

P1000800 マリア・カラス/永遠の名唱集
・ああそはかの人か(椿姫)
・さようなら、過ぎ去った日々よ(椿姫)
・自殺!(ジョコンダ)
・早く来て、明かりをつけておくれ(マクベス)
・いつか私も晴れの身となり(ナブッコ)
・優しいささやき(ルチア)
・若いインドの娘はどこへ(ラクメ)
・あらゆる苦しみが待ち受けていても(後宮からの逃走)
・影の歌(ディノーラ)
・その日から(ルイーズ)
・誰もが甘い愛の命ずるままに(アルミーダ)
・無慈悲な女神(巫女)

・麗しい光が(セミラーミデ)
・遊びの仲間に入れてください(ハムレット)
・再び望みを(清教徒)
・優しくかすかな彼の微笑み(トリスタンとイゾルデ)
・清らかな女神よ(ノルマ)
マリア・カラス(ソプラノ)
サンティーニ、ヴォット、ブリティス、シモネット、バジーレ指揮/トリノ放送交響楽団、ローマ放送交響楽団、ミラノ放送交響楽団、その他

(1949年~56年録音)

ミューザ川崎(あるぺんしんふぉにー)はどう考えても会社から遠いので、悩んだ末あきらめた。行きたかったんだけどなあ。

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今年はマリア・カラス(1923年12月2日 - 1977年9月16日)の没後30年記念だそうだから、9月以降記念のCDがたくさん発売されるようである。

私はどっちかっつーとドイツ・オペラ好きなので、イタ・オペはプッチーニ以外からっきし弱い。

ヴェルディ、ドニゼッティ、ロッシーニとかそのへんのイタ・オペのオイシイとこは椿姫以外、題名とアリアくらいしかわからんので、実際、このカラスのアリア集でしか聴かないようなオペラがたくさんある。

このずいぶん前に発売された、フォニット・チェトラの2枚組のCDは大変素晴らしい。

これ、6千円もしたのである(どんだけー!)。国内盤2枚組とはいえ、今考えると信じられないお値段である。なのになんで買ったかっつーと。

わたくし溺愛のオペラ、シャルパンディエの「ルイーズ」のアリア「その日から」と「イゾルデの愛の死」が収録されているから。ただそれだけである。大歌手カラスがどんなふうに歌うのか聴いてみたかった。

今これらを入手するのは、そんなに大層なことではないと思うが。当時は(約20年前・・・)これしかなかったんだと思う。

(このCDの音源のほとんどは、イタリアのRAIの放送していたラジオ番組からの録音らしい。1940~50年代、熱狂的な人気を博していた番組だといい、カラス、テバルディはいうに及ばず、F=ディースカウ、シュワルツコプフなども出演してたそうだ。すげー。)

このルイーズのアリアは本当に素晴らしい。心ときめくオトメの心を切々と歌っている。全曲盤のコトルバスとは一味違う。イゾルデもイタリア語だけれど大変素晴らしい・・・なんか別の曲みたいだけども。カラスは歌手という前に舞台女優なんだと思う。歌唱がどうの、というよりどのオペラも演じきっているというか。彼女は「モーツァルトは退屈」と私と同じような発言をしてシュワルツコプフを苦笑させたというが、ここではモーツァルトも一曲歌っている。

秋の夜長(って・・・まだ7月じゃないか!!)にしみじみとカラスの名唱を聴きつつ、赤ワインでも飲みながら旬のお魚を食べるのもまた味わい深いものである(結局そっちか・・・)。




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