2011年8月20日 (土曜日)

バイロン・ジャニス/ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第1番 コンドラシン

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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番
キリル・コンドラシン指揮、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団 
バイロン・ジャニス(ピアノ)

最近、買ったCDの中でスマッシュヒットだったもの。バイロン・ジャニスってアメリカ(ロシア・ポーランド系ユダヤ人)のピアニストの、有名どころのピアノ協奏曲(と展覧会の絵)を集めたBOX。最近、こればっかり聴いてる。いやあほんとにいいんだから。

バイロン・ジャニスってホロヴィッツの弟子なんだそうな。(手短に言うと)ジャニスが子供の頃にこれまた子供だったマゼールの指揮でピアノ協奏曲を演奏、見に来てたホロヴィッツに認められて弟子になったっつー話だ。

ハコには4枚入ってる。最初のラフマニノフ2曲(2・3番)はドラティの指揮によるもの。これは素晴らしい。最初から「ああ、これ買ってよかった。何て素晴らしいピアニスト。全然知らなかったけど。」と思った。ブリリアントレーベルにふさわしい?、ブリリアントな演奏。ホロヴィッツ譲りの技巧と何ともいえない気品。何とエレガント。アメリカ人らしくなんだか昔のハリウッド映画を思わせるゴージャスさ。何かね、ジャケット写真でみるようなぴっちりと7・3分けの、昔のミュージカル・スターみたいな演奏。フレッド・アステアとか思い出す。ちなみにジャニスさんはゲーリー・クーパーの娘さんと結婚したらしい、関係ないけど。

1960年代とかの録音なのに、音もびっくりするくらいいい。デッカとかの昔のいい音のレコードを思い出し、とっても落ち着く。

で、一枚目だけでもう満足って感じだったんだけど、2枚目でまたもっとびっくり。ぶっとび演奏。コンドラシン指揮のラフマニノフ1番。これがもう希代の名演である。・・・というかこの曲をまともに聴くの初めてだもんで他の演奏全然知らないんだけど(ええええ)、そしてこんな私が語るのもおこがましいんだけんど、本当にこの演奏は素晴らしい。ドラティ指揮のロンドン響からがらっと変わってコンドラシンとモスクワのオケ。ロシアの音がする。ちゃんとわかるよ。

第一楽章。
http://www.youtube.com/watch?v=CIwO7utOYE8&feature=related

解説書によると(英語なので間違ってるかも。ごめんして)、このCD箱に入ってるコンドラシン指揮による三曲(ラフ1プロコ3リス1)は、何でもロシアのオケが初めて外国のクルーによって録音されたものらしい(マーキュリーの名高いリビングプレセンスなんちゃらによる録音)。ということでこちらの録音も(ドラティ指揮のより)素晴らしい。無論、演奏もどれも素晴らしいけど、とくにラフ1は出色の出来だと思う。丁々発止というか、コンドラシンの熱い指揮との掛け合いは本当に気分が良い。

これらのコンドラシンとの録音はたぶん、ジャニスが第2回チャイコフスキーコンクール(1962年)の特別ガラコンサートに招かれた時にロシアで録音されたようだ(ライブではないけど)。このガラコンサートというのがまた凄いプログラムで、ひと晩でコンチェルトを3曲も演奏したらしい。ラフ1とシューマンとプロコの3番。これだけでも鬼畜なのに、あまりの素晴らしい演奏に聴衆がなかなか帰ろうとしなかった。んで、そのときの指揮者のコンドラシンが「アンタ、まだ何か弾かなきゃなんないよ」と言った。それに対しジャニスが「こんなに弾いたのにアンコール?オッサン、狂ってんの?なんも用意してないし・・・」って答えたんだけど、コンドラシンは間髪いれず「アンタ、チャイコフスキーの協奏曲のフィナーレはどんなテンポで弾く?」と聞いてきた。というわけで、そのあとチャイコフスキーのコンチェルト1番の第3楽章を全く一度のリハーサルもなしで演奏、30分の拍手喝さいをあびたそうな。何と言う武勇伝。

で。

コンドラシンとドラティの他の指揮者との共演の演奏も、なかなか素晴らしい。コンドラシンの指揮と比べてしまうとちょっと普通かなと思うけど・・・。チャイコフスキーとかなかなかいい。ああ、首が痛い。
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2006年7月 1日 (土曜日)

ショスタコの音楽と私

ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バビ・ヤール」 キリル・コンドラシン指揮バイエルン放送交響楽団と男性合唱団 ジョン・シャーリー=カーク(BS)
(フィリップス PROA-30)※タワーレコード・ヴィンテージ・コレクション

というわけで、昨日購入してきたCDを聴いた。一度聴いただけではあまり文章にできそうにない。ショスタコ初心者にはとても難しい音楽。

うーん。

しかも、シャーリー=カークが歌っているというだけで、大好きなディーリアスの「田園詩曲」が頭に浮かんだり。(M・ディヴィス指揮の名盤だよね!)

うーん。

このCDは、コンドラシンがソ連からオランダへ亡命してからのドイツでのコンサートの実況録音。LP時代には名演と大絶賛され、CD時代になってからは日本でのみ「特典盤」としてCD化されただけで一般には発売されず、長い間幻の録音として話題となっていたとゆー。コンドラシンはこの曲の初演者である。最初はムラヴィンスキーが初演するはずだったけど断られたーとか、予定されていた歌手が「ぼくちん、うたえないの」と降りてしまったーとか、反体制的な歌詞が問題になったー(歌詞対訳を見れば当然である)とか。そんないきさつがたくさんある。(と、色々ネットで見て知った)

確かにものものしい雰囲気で心がざわざわするが。

重い。

重い。

のー天気な私には重すぎ。歴史的背景がありすぎ。

うーん。

そーそー、そうやってフルシチョフがしめつけるから、余計そういう反体制な音楽や芸術が生まれるんでしょ?

うーん。

ということで、本日は予定変更? (まあ、ぶっちゃけ私の日記なのだから何書いてもいいんですが)しまして、私とショスタコーヴィチとのかかわりについて書きたいと思います。なんだよそれー

ショスタコの曲は、実演ではゲルギエフ指揮のオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を見ただけだと思います。そんだけかよ
しかも、「マクベス夫人」の券をとったはずなのに、何ヶ月だか前に突然「指揮者の意向で改訂版(あまりに内容が過激なので、お上の意向でソフト・バージョンを作った)『カテリーナ・イズマイロヴァ』と最初の版『マクベス夫人』と2バージョンを別々の日におおくりします」と新聞で告知。
だったら、「過激な歌劇」マクベスのほうに行きたいもんじゃないですか、どーせなら。でも。アタイの行く日は運悪く改訂版のほうだったのさ。しかも改定前版のCDもとくに聞き込んでいたわけじゃないから、違いもよくわかんないしね。

しかも、当日会場に行って自分の席を確認して「やれやれ」と席に座ると、知らない男の人に声をかけられ(外見はキザな○ザマ○ンペイさんってところ)。「そこは本当にあなたの席ですかぁ?あなたの券みせてくださ~い」と言われ、券をかばんの奥底からごそごそ出して見せると、どう考えても私の席はあってる。周りのおばさんやおじさんたちも覗き込んで「このひとはここであってるよ」と言ってくれた。どうも○ンペイさんは3階席なのに間違って2階席にきてしまったらしい。あぶねえあぶねえ。

少々ムカついていたが、とにかく演目は始まった。テレビなどで見た通りゲルギエフはとんでもなく濃い顔をして髪を降り乱して指揮していた(今考えると、「ケダム」か「ヒゲグリア」の時のワッキーさんみたいな顔)。激烈な指揮ぶり。耳をつんざくものすごいトランペットの音。ロシアロシアしたソプラノの声。おーおろしあ。すげえ迫力。

しかし。演奏が始まっているのに、前の席にいたカップルはずーっとしゃべっていた。男性のほうが、クラシックにとても精通している人らしく(あたしからみたらただのヲタだよっ)、「こないだ行ったシェーンベルクの『昨日から明日まで』なんてさー」とかえらそうに説明してる。女の子はわからんながらも「へー」とか「はー」とか聞いてる。

うっせーよ。そのオペラこないだあたしも行ったよ。自慢すんなよ。
演奏中喋るのはマイスタージンガーの歌合戦の前の間奏中は休み時間だと思ってべらべら歓談しているオバサンたちよりもっとひでぇよ!

・・・・・(↑以上、心の声)

しかし、小心者の私が注意できるわけもなく。
やれやれ。ってなわけでほんと、この日はいまいち楽しめなかったです。

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2006年6月30日 (金曜日)

ショスタコなど買いに

みなさん、こんばんは。

今日は、ネタが尽きてきたので(や、冗談です)タワーレコードにCDを買いに行きました。

で、以下のものを購入。

ショスタコーヴィチ:交響曲第13番「バビ・ヤール」
ジョン=シャーリー・カーク(バス)
バイエルン放送交響楽団&男性合唱団
キリル・コンドラシン指揮

ラフマニノフ:「晩祷」
エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮 ブルガリア合唱団

近日公開予定。ちっとだけ聴いてみたところ、どうも「バビ・ヤール」はネットをしながら「でへへ~富士丸可愛い~」などと言いつつ聴くものではなさそうなので、正座してマジメに向き合って聴きます。

ですので今日はドイツ戦見ます。ではまた明日。

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2006年5月31日 (水曜日)

コンドラシン指揮の「鐘」

ラフマニノフ「鐘」~独唱、合唱と管弦楽のための詩曲 シュムスカヤ(Sop)ドヴェンマン(T)ボルシャコフ(Br)/アカデミー・ロシア共和国合唱団 キリル・コンドラシン指揮 モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(メロディア VICC-2089)1962年録音

演奏者を入力するのがめんどうくさいので、ネットで調べてコピーしようと思ったらどうも廃盤らしい。私の持っているのは国内盤だが、どうして買ったのだろう(ロシアものは他にはフリッチャイの悲愴くらいかも)。多分安かったんだろうと思うが、2000円である。1992年発売当時はまだCDは今より高かったのである。

このCDの注目すべき点はそのロシアロシアした録音状態である。ステレオ録音なのにこのビリツキ感、音の潰れ具合は見事である。まるで昔のロシアの絵本を開いているようなレトロ感覚がたまらない。頭にロシアの雪景色がぱああああっと広がる。クリスマスに聴いてもぴったりだし、暑い日に聴いても涼しい。(1年中OKじゃん)

そして最も気に入っているのは独唱者のロシア式?発音である。この鼻にかかった発音がよい。そしてとくに冒頭からテノールの「ニャー」とか「ニェー」とかいう発音がどうもたまらなく好きだ。

私はロシア語、チェコ語、ポーランド語のテノール独唱フェチなのかもしれない。こういう曲は他にあるのだろうか?と思いつつ探しているのだが・・・最近ではシマノフスキの3番(ヴィエスワフ・オフマン独唱)がけっこうキタ。っつーか美声で高い声でなきゃダメだ。しかも浪漫ティックなオケ伴奏でないといけない。

「鐘」の他の演奏を・・・と思い、スヴェトラーノフ盤も購入して聴いてみたら、私の理想とは程遠いものであった。なんか・・・違うのである。テノールも違うのだが・・・録音が新しいからやなのかもしれない。(1973年録音だからちっとも新しくないんだけど)

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