2023年9月18日 (月曜日)

ローマ歌劇場日本公演/トスカ 神奈川県民ホール


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プッチーニ:歌劇「トスカ」
指揮
:ミケーレ・マリオッティ
演出:フランコ・ゼッフィレッリ
トスカ:ソニア・ヨンチェヴァ
カヴァラドッシ:ヴィットリオ・グリゴーロ
スカルピア:ロマン・ブルデンコ/その他
ローマ歌劇場管弦楽団・合唱団
NHK東京児童合唱団
(2023年9月17日 神奈川県民ホール)

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コロナ禍を含めなくても、大規模な引越し公演を観るのは本当に久しぶり

神奈川県民ホールは自分が生まれて初めてオペラを観た、そしてクライバー
&ミラノ・スカラ座のボエームを観た思い出の地。そんな大昔はただただ外国の歌劇場は凄い!と驚嘆してただけだったけど、そのうち日本にもオペラハウスが出来たり、自分も海外旅行するようになりウィーンやロンドンの歌劇場にも通ったりしたから、目も耳も相当肥えてたつもりでいた。でも。

今回のトスカは全て世界レベル。見た目も可憐でグラマラスなヨンチェヴァのトスカは、声が(勿論生で聴いた事はないけど)マリア・カラスを思わせる深い声と表現で震えた。歌手の役は演じている上でも共感できるのかな。

グリゴーロは以前、ウィーン国立歌劇場のライブ・ストリーミングで「ウェルテル」を見た時に知った歌手で、とんでもなく素晴らしかったので「いつか生で見聞きしたいけど、叶うかな?」と思ってたのだが、叶って良かった。芸術家の役というより陽気なイタリア男という感じだが、(生で聴いた事は無いけど)パヴァロッティを思わせる美声、そして情熱的な演技に震えた。いやはやヨンチェヴァとグリゴーロはこの役では今やウチらが世界一じゃ!と自負しながら演じているのがひしひしと伝わってくる。

Wikipediaで読んだのだが、グリゴーロの舞台デビューはなんと13歳で「トスカ」の羊飼い役、しかもその時のカヴァラドッシ役はパヴァロッティだったとのこと。今回の公演では羊飼いは日本の男の子(末光朔大さん)だったが、見事な美声であった。また、NHKの児童合唱団が第1幕で出演していたが、とても可愛かった。

悪役のスカルピアをブルデンコが深い声で(邪悪でありながら決して下品にならずノーブルに)演じた。見せ場である第一幕の最後のテ・デウムも大迫力。

指揮者のマリオッティは盛り上げ上手で、あちこちにテンポを自在に動かすなど工夫を感じられた。ヒロインが悲劇的な最期を迎える場面では、ぐんぐんテンポを上げて「うわあっ」って叫びそうになるほどの迫力で(充分筋書き知ってるのに)、恐怖でブルブル震えた。怖いオペラだ、よく知ってるつもりなのに。カヴァラドッシが撃たれる場面も、銃声が凄くて自分の周りのお客さんがドン引きしたかも?と思うほどビクッとしてちょっと恥ずかしかった。

B席だったけど2階席の前から3列目で大変見やすく音もちょうど良かった。

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観劇前にランチ。こんなゴージャスな公演なのに、そしてせっかくの横浜中華街なのに安飯(涙)。杏仁豆腐も付いて980円也。水餃子もチャーハンも大変美味しかったですが。慶福楼はワンコ連れOKで、近隣にフレンチブルドッグがいて癒された。  

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普段から薄給だの貧乏だの嘆いているくせに、何でこんなに高価な公演に行くことになったかというと、実は会社の健康診断でひっかかってしまい、大したことないだろうけどちょっとした気まぐれで内視鏡検査を受けたところ、あらびっくりな感じで一泊入院したり手術したり。で、以前より不要な気がしてた医療保険が(2社も入ってた)どうも役立ちそうなので(まだお金はもらってないんだけど)、これ幸いと高価な券を買ったのである。というわけで皆様、いざという時のために医療保険には入ってね、内視鏡検査を受けてねと言いたい。あ、わ
たしは元気ですのでご心配なく。

 

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2023年9月16日 (土曜日)

東京交響楽団名曲全集第190回 /原田慶太楼 森麻季 森谷真理 大西宇宙

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ロッシーニ:『セビリアの理髪師』から序曲、「それじゃ私だわ・・・嘘じゃないわね?」 ♡★
モーツァルト:『コジ・ファン・トゥッテ』から「彼に向けてください、そのまなざしを」★
モーツァルト:『フィガロの結婚』から「手紙の二重唱」 ♡♢
プッチーニ:『つばめ』から「ドレッタのアリア」 ♡
レオンカヴァッロ:『道化師』から「鳥の歌」♢、「ネッダ!シルヴィオ!こんな時間に…?」 ♢★
ヴェルディ:『椿姫』から序曲、「ヴィオレッタとジェルモンの二重唱」 ♡★
バーンスタイン:『キャンディード』から「着飾って、きらびやかに」 ♢
ベッリーニ:『ノルマ』から「ご覧なさい、ノルマ」 ♡♢
コルンゴルト:『死の都』から「ピエロの歌」 ★
ドヴォルザーク:『ルサルカ』から「月に寄せる歌」 ♡、第2幕 ポロネーズ

東京交響楽団 原田慶太楼指揮
森麻季 ♡、 森谷真理♢(ソプラノ) 大西宇宙★(バリトン)
(ミューザ川崎シンフォニーホール 2023年9月2日)

友人を誘って参戦。実は最初にプログラムにあった「中国のニクソン」の江青女史のアリアを楽しみにしていたのだが、曲目変更されててちょっとがっかり。マニアック過ぎたからかなあ?しかしまあ、私のオペラ鑑賞およびコンサート鑑賞、かなりの割合でこのお三方登場のものが多いので、当然券を取った。日本の声楽界は今やこの三人を中心に回ってるのでは、と思ったり。

ロッシーニとモーツァルトは私は鬼門なので、字幕対訳なくて「ふうん?」って感じでただ美声を楽しんでいた感じだったけど、大好きなプッチーニから俄然テンション上がりまくりで、先日 日本フィルで全曲鑑賞したばかり道化師や、昨年同じキャストで演奏会形式で見聞きした椿姫など実際の舞台を思わせる歌唱と演技を楽しんだ。森さん相変わらず美しいお声とお姿。そして私の一番好きなオペラアリアであるピエロの歌をついに大西さんの歌で聴けて、もうこれから襲い来る年末調整業務もこれで乗り越えられるわ、とか思ったり。

どの歌唱も素晴らしかったけど、中でも森谷さんのクネゴンデのアリアはビックリするくらい素晴らしくて、(YouTubeなどで)数多くの名歌手で聴いてたけど生で聴くとこんなに凄いんだーと感激。いや、私は彼女のサロメ やルルを生で見聞きしてた訳だからそんなにビックリしなくても、とは思ったけど。

友人は森谷さん聴くの初めてで、私以上にビックリ・感動してて、私が今度森谷さんのリサイタルに行く事を話したら、「えー、私も行きたい」と。しかしリリ・ブーランジェとシマノフスキなんて、マニアック過ぎて大丈夫かな。(どんな作曲家?と聞かれて「早死にの女流作曲家と、ポーランドのホ○」などと手短に説明。)

ニコ生で生中継されてて家で録画を見直したのだけど、キャンディードが著作権の問題?で消えてて残念。原田さんがいつかまたこの四人で!とのことだったので一応リクエスト。

・「死の都」第一幕マリエッタのアリア

・「ルイーズ」その日よ

・「アラベラ」アラベラとズデンカの二重唱、またはアラベラとマンドリーカの二重唱

お願いしまーす。

 

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2023年2月25日 (土曜日)

プッチーニ/トゥーランドット 東京二期会 チームラボ

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プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
(ルチアーノ・ベリオ補筆版)

指揮:ディエゴ・マテウス
新日本フィルハーモニー交響楽団
二期会合唱団

演出:ダニエル・クレーマー
セノグラフィー、デジタル&ライトアート:チームラボ
ステージデザイン:チームラボアーキテクツ
衣裳:中野希美江
照明:シモン・トロッテ
振付:ティム・クレイドン
演出補:デレク・ウォーカー 

合唱指揮: 佐藤 
演出助手: 島田彌六
舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 大島幾雄
公演監督補: 佐々木典子

トゥーランドット姫:土屋優子
皇帝アルトゥム :川上洋司
ティムール :河野鉄平
王子カラフ :城 宏憲
リュー:谷原めぐみ
大臣ピン:大川 
大臣パン:大川信之
大臣ポン:市川浩平
役人:井上雅人
(2月24日 東京文化会館大ホール)

チケットが高かったので鑑賞しないつもりだったが、24日に有休を取ったので急遽券を取って行くことに。残っていた一番安い席はB席(この日は平日のためか千円お安い)。チームラボが舞台美術ということで、いつもと違う感じの観客の方々(お若い方が多かった)。平日の昼間なのにかなり客席は埋まっていた。私のとなりにいたカッポーは関西から来られたのかな、初めてオペラを見るとのことで興奮気味。男性は演奏中も終始ため息をついておられ、とても気になった。

私のいた3階席の前の列には、旅行中?と思われる可愛い西洋人のおにゃのこたちがいて、楽しそうに(演奏中にこそこそと内緒話をしながら)鑑賞。Youはこれ観に日本へ??

トゥーランドットは何度も舞台を見てきたが(ゼッフィレッリ演出のスカラ座からチャン・イーモウ演出のフィレンツェ劇場まで)、ルチアーノ・ベリオ補筆版を聴くのは初めて。アルファーノ版の違和感を超える違和感。イタリアオペラというよりは、何だか初期のウェーベルンみたいな雰囲気で、これはこれで好きかも。たまたま上野でやってるエゴン・シーレの絵みたいに表現主義的な感じ。ああ、なんで完成してからあの世に行ってくれなかったのか、プッチーニよ。アルファーノ版はやたらと華々しく終わるのに対し、ベリオ版はかなりしんみりと終わる。演出では皇帝アルトゥムの死の床でみんなに囲まれて曲が終わる感じなんで、いつもの公演とは全然違う印象。

演出は、よくわからんとこもあったが(舞台が遠くて下のほうで行われている細かいところは見えなかった)、ド派手なレーザー光線の美術とともに、本当に面白かった。まあ、この曲はよっぽどのことがない限り面白い舞台なのだけどね。レーザー光線は舞台上だけでもなくて、文化会館の天井まで照射されていた。なのできょろきょろしてしまった。まあ、3階席でもよいこともあって、2幕のトゥーランドットは天井から吊り下げられたバルコニー?みたいなのに乗って歌ってたので目線がちょうど同じくらいでとてもよく聴こえた。3幕のリューとティムールも吊り下げられた透明のBOXみたいなのに乗って歌ってたのでしかり。合唱団は横にながっぽそい白い半透明の箱に入って歌ってたので、前日の天皇誕生日の時の一般参賀みたいな感じだな、とか思った。

歌手の方々は(私はわりと馴染みのない歌手さんが多かった)、皆様素晴らしかった。カラフ役の城さん、高い音も決めてて幕が降りてからは終始ご機嫌そうだった。リュー役の谷原さんは声量もありしみじみとした歌にホロリ、題名役土屋さんはまだお若い方と見受けられたが声量が凄くてびっくり。これはもしかして二期会の次世代のブリュンヒルデは彼女かも? ピンポンパン役の三人は演出上一番大変そうだった。ストリップショーよろしく半裸(遠目にはほとんど全裸)で踊ったり、かなり性的な表現もあったのでお子さん連れは辛いものがあったかも。三人とも遠目に見てなんかIKKOさんの真似するチョコプラの松尾さんみたいだった。

さて演奏であるが、見事な歌唱と舞台装置に紛れてみんな忘れてると思うけど、緩急のキリリと締まった指揮ぶりが素晴らしかった。新日本フィルの演奏も良かった。席のせいだと思うけどガツンとくるほど衝撃的な大音響なわけではなかった。この曲に慣れちゃったのかな?

そろそろ、ブラボー解禁してほしい。前の席の外人の女の子たちはブラボーしてた。それにしても初めてのオペラ鑑賞の方々は、オペラ歌手はマイクなしであの巨大な声を出すんだよって教えたらびっくりかな。

その他、メモ
・オケピットの前の通路が解放されていたので、幕間にオケピを覗きに行く観客が見られて懐かしい感じがした。
・外国のお客様が多いように思った。みんな旅行で来たのかな。
・1幕と3幕の間の休憩がなく、代わりに2幕と3幕の間の休憩が30分。最近そういうの多いな。ワーグナーだったら無理。
・なにぶんにも席が舞台から遠かったので、女性の歌手はみんなスリップ姿になると渡辺直美ちゃんに見えた。
・だいたいオペラなんてこんなにいつも面白いわけではないので、これでオペラにハマって他の演目見て「つまんねー」って思ったらどうしようなどと思ったりした。(←いらぬ心配)

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2021年1月31日 (日曜日)

藤原歌劇団/ラ・ボエーム (伊藤・笛田組)

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(チラシ写真は愛知公演のもの)

プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」全曲

総監督:折江忠道
指揮:鈴木恵里奈
演出:岩田達宗

ミミ:伊藤 晴
ロドルフォ:笛田博昭
ムゼッタ:オクサーナ・ステパニュック
マルチェッロ:須藤慎吾
ショナール:森口賢二
コッリーネ:伊藤貴之
ベノア:豊嶋祐壹
アルチンドロ:東原貞彦
パルピニョール:井出 司

合唱:藤原歌劇団合唱部
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
(1月30日 東京文化会館)

過去記事:藤原歌劇団/ラ・ボエーム (砂川・村上組)

初日に鑑賞。前回鑑賞時はムゼッタ役だった伊藤晴さんが今回はミミに昇格。人気若手テノールの笛田さんがロドルフォという配役。マルチェロは前と一緒で須藤さん。ちょっと前に見た感じなのに、もう6~7年経っているのか。月日のたつのは早いものである。

とはいうものの、前回の名演と同等に感想を述べるのは少しためらう。予定ではセスト・クワトリーニが指揮する予定だったが、鈴木絵里奈さんという知らないおねいちゃんに変わった。

更に、直前になって少年合唱団が出演しなくなった。「録音での演奏になります」的なTwitterを見て、たいそうガッカリした。前回見た時は少年合唱団が演技も歌もとても上手で、とても楽しみにしていたのである。でもまあ、しょうがない。第2幕の激混みのパリをこのご時世で舞台に乗せるわけにはいかない。

だもんで第2幕はちょっとさみしいものになった。大人の藤原歌劇団の方々は頑張っていたけど。パルピニョールのシーンは見てて厳しかったな。

さらに、歌手の皆さんはフェイス・シールドを着用しての歌唱となった。声が前に出ないのでは、とも思ったけど私のいた2階バルコニー席ではまあよく聴こえた。

オケは編成通り入ってた(と思う)。管楽器以外はマスクはされていたようだが、管楽器は仕方ないのでマスクなし。昨年の「ルチア」みたいに、感染リスクの大きい金管楽器は入れずに代わりにピアノで補強していたのを見聞きしてたので、大好きなボエームはちゃんと演奏されてたので本当にありがたかった。感染とか、何もないといいけど。

指揮者はちょっと知らない人だったので心配していたけれど、(演奏慣れている東京フィルだからかもだけど)わりと気にならない程度に良かった。この曲のヒロインに寄り添うこともできる若い女性が指揮しているということで、逆にキュンとしたりした。

ミミ役の伊藤さんは堂々とした歌唱でよかった。まるでアイドルみたいな可憐な砂川さんとは違い、伊藤さんは遠目に見ると若いころのフレーニみたいに見える。リアルなミミ、って感じ。

笛田さんの美声を生で聴けて嬉しい。ただ、ただそれだけでもう、有難い。須藤さんのマルチェロも最高。ステパニュックさんのムゼッタも可憐な歌声で素敵。たった一人だけ西洋人のキャストだけど、そんなに違和感はなかったな。

ミミの死を見ると、普通はただかわいそうだな、と思うのだけどこのコロナ禍、「自分の大好きな人たちに囲まれて死ぬなんて、まだ幸せじゃないか?もしコロナだったらせいぜい病院の人しかいないところでたった一人で死んでいくのに。」とか思ってしまった。

日本の伝統ある歌劇団による王道の舞台、佐伯祐三の絵画をもとにした美しい舞台は相変わらず何のひねりもなく、変わったこともしていないのに、見られて何て幸せなのだろう。色々と大変でしょうが、陰ながら応援して行きたいです。

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オペラがはねて、友人と会食して家に帰った。百恵ちゃんの伝説のラストコンサートを録画していたのでちゃんととれてるかちょっと見てみるつもりが、引き込まれて全部見てしまった。いや本当に百恵ちゃんは歌うまいな、っていうか舞台で演じてる感。友人との鑑賞だったのでボエームではさっぱり泣かなかったのに、さすがに「さよならの向こう側」には泣いてしまった。服部克久先生の指揮とは豪華な。

 

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2019年4月 7日 (日曜日)

新国立劇場「フィレンツェの悲劇」「ジャンニ・スキッキ」

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ツェムリンスキー:『フィレンツェの悲劇』
グイード・バルディ:ヴゼヴォロド・グリヴノフ
シモーネ:セルゲイ・レイフェルクス
ビアンカ:齊藤純子

プッチーニ:『ジャンニ・スキッキ』
ジャンニ・スキッキ:カルロス・アルバレス
ラウレッタ:砂川涼子
ツィータ:寺谷千枝子
リヌッチョ:村上敏明
ゲラルド:青地英幸
ネッラ:針生美智子
ゲラルディーノ:吉原圭子
ベット・ディ・シーニャ:志村文彦
シモーネ:大塚博章
マルコ:吉川健一
チェスカ:中島郁子
スピネッロッチョ先生:鹿野由之
アマンティオ・ディ・ニコーラオ:大久保光哉
ピネッリーノ:松中哲平
グッチョ:水野秀樹
指揮/沼尻竜典
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
(新国立劇場・初日)

ものがたり
★『フィレンツェの悲劇』
織物商人シモーネが旅から帰ると、妻ビアンカの許にフィレンツェ公爵の息子グイード・バルディがいる。シモーネはグイードが買い物に来ただけのように振る舞い、一番高い物を売りつけようとすると、グイードはビアンカを所望する。シモーネは紛らわせようと宴を供するが、二人の様子を見て疑いを強め、席を立ってしまう。帰ろうとするグイードはビアンカに長いキスをし、ビアンカは愛を誓う。シモーネとグイードは決闘で剣を交えるが、最後にシモーネはグイードを絞め殺す。ビアンカはシモーネの強さに恍惚とし、グイードの死骸のうえで二人は見つめあう。

★『ジャンニ・スキッキ』
裕福な商人ブオーゾ・ドナーティはまさに死んだばかり。親戚が集まって悲しんでいるが、実は皆考えていることは遺産のこと。甥のリヌッチョは遺言状を見つけ、それをかたにジャンニ・スキッキの娘ラウレッタとの結婚を認めるように伯母ツィータに迫る。ツィータはしぶしぶ認め、いざ遺言状を開くが遺産は修道院にと書かれている。書き換えてしまおうとたくらみ、それをジャンニ・スキッキに依頼する。現れたジャンニ・スキッキは断るが、かわいい娘のラウレッタに頼まれ引き受ける。しかしブオーゾになりすまして遺言を口述する段になると、すべてはジャンニ・スキッキに遺すと言い出す。親戚たちは怒り狂うがすでに後の祭り。最後にジャンニ・スキッキが口上を述べ、幕が降りる。

新国立劇場は初日はなるべく行きたくないのだが、他の日はどうしても都合がつかずに初日に参戦。大好きな作曲家ツェムリンスキーとプッチーニの二本立て。しかし何故か日本ではあんまりやらない「フィレンツェ」のほうはCDも持ってるし以前実演も観たし慣れ親しんでいるのに対し、「ジャンニ」のほうは一度も実演では観たことないし、「三部作」の他の二作に比べてあんまり慣れ親しんでない。喜劇あんまり好きじゃないからかなあ。

「フィレンツェ」のほうは有名な名歌手レイフェルクスがほとんど歌いっぱなしのシモーネを歌い、「ジャンニ」はこれまたアルバレスがタイトル・ロールを歌う。新国って主役級のほとんどは外人歌手でチョイ役は日本の歌手ってなイメージだったけど、今回は外人は3人。他は日本人なので何だか二期会か藤原歌劇団の風情。

えーとそれから。本日新国立に向かう途中で、どっかのお父さんと息子さん(小学3年生くらい?)の二人連れを見かけたので「へええ、こんなオトナなオペラで親子連れって珍しいわね。途中で飽きちゃって大声出したりしないかしら。まあ、私の近くの席でなければいいんだけど」とか思ってたらなんと隣の席だった。ひええ、A席だぜえ。お母さんが急病とかで代わりに来たのかしらん、とか思ったけど。別に途中で騒ぐとかしなかったのでほっとしたけど。

まず。「フィレンツェの悲劇」薄い幕の向こうには不倫真っ最中の二人が。小学生の男の子、こんなんみて大丈夫かな。

今回、セットがとっても素晴らしい(美しい)。フィレンツェらしい風景とツェムリンスキーの若干崩壊寸前の音楽に見合った崩壊寸前の建物が。歌手はまあ、ほとんどレイフェルクスが歌うところばっかりだし、やはり名歌手なので見事。テノールはまあ、ドイツオペラながらイタリア系な声かな。メゾの人はまあ、ヒロインながらあんまり歌うとこ少ないのであまり印象なし。このオペラはシモーネと管弦楽が良ければまあいいかなという勝手な私の印象。それにしても「悲劇」と銘打ってはあるがまあハッピーエンドなんじゃないだろうか。殺人は起こっているけれども。演出はとくにひねりもなく、初心者だったら見やすいかな。

そして「ジャンニ・スキッキ」。タイトルロールだけが外人で、あとは日本人。若いカッポー役が藤原2大スターの砂川さんと村上さんなので(前に二人の出演した「ボエーム」を観たので)藤原歌劇団かなみたいな雰囲気。しかも普段この会場で外人重量級ワーグナー歌手ばっかり見聞きしているから、いかにも日本人は小粒であり、声量もちょっと足りない感。小劇場向きなんじゃないかな、そもそもこの曲は。

まあ、いろいろと思うところは(演奏者のせいではない)あったものの、この演目はとても楽しいものだった。まず設定が登場人物が全部「仮ぐらしのアリエッティ」さながらの、「ちっちゃい人たち」であるということ。すべては死んだばっかりの金持ちブオーゾの「机の上」で繰り広げられる。まあ、人間がちっちゃくなるわけではないので、セットが全部でっかい。お皿の上に巨大なクッキー、人が乗れるくらいの天秤計り。ブオーゾは本の上で寝ている。鉛筆とか全部でっかい。

ブオーゾが残した遺書を机の引き出しから探したりしているが、手紙とか絵葉書とか巨大なのである。なんかすべてが可愛い。もっとちっちゃい劇場ならよかったかなとも思う。

タイトルロールのアルバレスはさすがにベテランというか余裕のあるところを見せていたが、何しろ魅力的なのが砂川さんのラウレッタ。まあいつも彼女は可愛いんだけど、とくに今日はポニテの髪型で可愛かったなあ。ずっとながめていたいのに、結構歌うとこ少ない。有名な「私のお父さん」と最後の場面くらいなのかな。相手役の村上さんはなんかムロさんみがあって素敵だった。二人とも歌唱もよかった。初日だったので若干うまくいってないとこもあったけど、2日目からはきっとよくなるに違いない。

まあ、2曲あわせてたった2時間で2万円強支払うのはどうかなとは思ったけど・・・3曲やったらやっぱり疲れるかもなので2曲でちょうどいいのかな。初心者向けかと思うので初オペラとかにいかがでしょうか。あと、本日はアンケートに答えると記念品が貰えた(ちっちゃいクリアファイル)のと、普段はお金を払って借りる「お座布団」が最初から席に敷いてあったので有難かった。人より座高が低いのでのう。

 

 

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2015年7月12日 (日曜日)

高校生のためのオペラ教室「蝶々夫人」 新国立劇場

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プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」(全曲)
蝶々さん:腰越満美
ピンカートン:樋口達哉
シャープレス:大沼徹
スズキ:小林由佳
ゴロー:糸賀修平
ボンゾ:畠山茂
ヤマドリ:小林由樹
新国立劇場合唱団
石坂宏指揮/東京フィルハーモニー交響楽団
(2015年7月11日 オペラパレス)
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前々から羨ましく思ってた「蝶々夫人」。高校生ならば2160円で「蝶々夫人」全幕が見られる。まあ、どちらかと言えば学校行事で授業の一環として生徒に見せるというのが圧倒的に多いのだろう。あとはママとお付き合いで行くとかね。
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これ、当日まで券が余ってればあたしたちのような普通のオペラ・ゴーアーでも観ることは可能。ただし4320円。それでもまあ、オペラパレスでオペラまるまる一曲見られるとしたらちょっとお得であろう。ただし、素晴らしくいい席はすでに高校生の団体に買われているので、そこは覚悟しないと。
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私の行った土曜日は、当然午後の授業って高校はないはずなので、他の普通の日と比べて全部は売れなかったようだ。400枚ほど余っているとのことだったので、朝予約しようと電話をかけたけど、繋がらない。めんどうくさいので直接行くことに。でも、ボックスオフィスに行った時点ではもう3階と4階席しかなかった。
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そんなもんで3階席をゲット。なんかお得なのかそんなに普通に二期会に行くのと変わらないのか不明なのだが(今度やる日本人キャストの魔笛D席よりは高い)。3階とはいえ、横っちょのせり出したところの二番目だったので鑑賞には不自由はない。声はほんの少しS席相当よりは聞きづらいかも。
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はて。行ってみるともう、初台はプリーツミニスカートのJKと灰色のワイシャツ制服姿の男子高校生で溢れており。意外と「カワイイなあ、もう!」とは思えない。凄いアウェイ感。普通の日にディズニーランドに行ったら高校の遠足とぶち当たったような、ヘンな感じ。
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そもそも高校生が「蝶々夫人」とか普通に楽しめるのかがかなり疑問。ふとTwitterを見ると、これから見にいくという女の子が「ちょ~~wwwこれから見に行くっているのにチラシに結末書いてある~~~超ネタバレ!!」的なことを書いていたので、「オペラって結末わかってて観に行くものだよね、そもそも」とへんな感心。
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会場に入ってもなんだか場内は騒然としており。場内アナウンスも聴こえないくらい。「これからオケがチューニングしますのでお静かに」というアナウンスでやっと引率教師が黙らせて少し静かに。指揮者が出てきて男子学生たちは「ヒューヒュー」とか言いだして、ここはロックコンサート会場かと。
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まあ、演奏中はだれも騒ぐことなく(ここらへんは普通のオペラ上演よりむしろ静かな気がした。大部分は寝てたんじゃないかな)大変有意義に楽しむことができた。
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休憩は25分。化粧室に行こうとすると、男子が何やら騒いでた。「解説を下さ~~~~い!解説を!!」
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おお。予習なしで連れてこられたのか。学校も不親切ですこと。何か事前に解説をするとでも思ったのか学校は。普通は解説とかないもんね。あらすじは解説書を読めってことよね。
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また、別の男子(同じ男子かも?)は「休み時間25分なんてオレそんなに長い休憩いらね~し、はやくやって(終わらせて?)ほしいんですけどおおお」と意見。するとおともだちの男子が「いや、そもそも休憩ってオレらのためじゃないんじゃね?やってる人の休憩じゃね?」と回答。あたしもそれを聞いて「あっそうだよね、考えてみると」と感心。
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で。
セットはいつも新国でやられているのと同じやつらしく、やや簡素な感じ。演出は普通。まあそもそもあんまり読み替えとかしないだろうが。
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キャストはダブルキャストで、別キャストは蝶々さんは横山さんでピンカートンは村上さん。シャープレス須藤さんとスズキの山下さんとかなり豪華キャストで「こっち観たいなあ」とも思うけど、これは仕方ない。
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ただ、私の観たほうの蝶々さんの腰越さんはとってもかわいかったし(15歳っつーのは無理だが)、歌もかなり頑張ってたので全然よかった。「ああ、ここまで信じ切っちゃって、まだ捨てられたってのがわかんないのか」とか本気で思ってしまった。大変失礼ながら横山さんの蝶々さんだったら(声楽的に立派すぎて)ここまで感情移入できなかったかも。樋口さんのピンカートンも素敵だったけど、小柄でアメリカ人には見えないのが難だな。

(頂いた解説書には「オペラは声がすべてよ。見た目いっさい関係なし!」的なことが書いてあって「なるほど」とは思ったけど、今やオペラはビジュアルも大事なんだよね。)

手慣れているせいか演奏水準はすごく高く、合唱がやっぱり限りなく美しく(蝶々さんの登場シーンなんかね、もうね)、普通に楽しめたし、通常通り泣けた。みな芸達者だ。
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終わってからの高校生の反応を観察してみたものの、みんな別に普通の日常会話に終始しており(結構寝てた人が多かったような、Twitterだと)、楽しんでたかどうかは不明。「またオペラを観たい」との答えが95%という、昨年のアンケート結果はホントなんだろうか。疑問。
ま、みんなこれから渋谷や新宿に遊びに行くんだろうな、とはオモタ。

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2015年6月28日 (日曜日)

神奈川フィル オール・プッチーニ プログラム

プッチーニ:交響的奇想曲
歌劇「ラ・ボエーム」より
歌劇「蝶々夫人」より
歌劇「妖精ヴィッリ」より
歌劇「トゥーランドット」ハイライト(演奏会形式)
大隅智佳子(ソプラノ並河寿美(ソプラノ) 西村悟(テノール)ジョン・ハオ(バス)井上雅人(バリトン) 
神奈川フィル合唱団(合唱)
現田茂夫指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
(神奈川県民ホール)
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本日は神奈川県民まで。代理で行かせて頂いたのだった。(そもそも行こうかなとは思ってたが)
有難いことに全部プッチーニ。前半はプッチーニのデビュー曲?的な管弦楽曲と有名なアリア集。後半は「トゥーランドット」のハイライト。しかしハイライトというよりは「ピンポンパンが出ないのでそれ以外はずいぶん演奏した」というイメージ。パンフレットによると、80分くらいやった。時間は計ってないので実際はよくわからない。
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ところで。
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私の神奈川フィルのトゥーランドット率は非常に高い。今まで見聞きしたトゥーランドット、人生最初のトゥーランドットがスカラ座引っ越し公演なのは除き、他は全部神奈川フィルである。まあ、そのうち2回はハイライトだけど。
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どうも、「トゥーランドット」というと開演前に中華街で中華料理食べて、そのあと鑑賞するっていうイメージである(私の中で)。まさか、神奈川フィルが中華街が近いからと言って、トゥーランドットを得意としている・・・とかじゃないよね。
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さて。
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一曲目は初めて聴く曲。何でもミラノ音楽院の卒業作品だという。初めから「なんか悲劇が起こりそう」的な感じである。いかにもプッチーニ的な。で、普通に聴いているとそのうち突然非常に耳慣れた音楽が流れてくる。
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あ、これか。これが(解説書によく書いてある)プッチーニの若き日の作品の引用か。
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そう、「ボエーム」の冒頭が出てくる。結構重要なメロディ。これによって「ボエーム」ってオペラのの中の「若さ」とか「青春」的なものを表しているんだよね。しかし、オペラの冒頭に自分の実質最初の作品のメロディーを引用するなんて、きっとこの曲に自信があったんだろう。
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そして「ボエーム」の第一幕の有名なミミとロドルフォの場面。お二人ともとてもフレッシュな歌唱。素敵だ。なんかカワイイとさえ思ってしまう(失礼)。
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そして本日トゥーランドットを歌う予定の、並河さんが登場。「ある晴れた日に」を歌った。お綺麗で堂々たるスタイル。声も堂々としていて、声量もあり、凄い。期待できそう。
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後半は「トゥーランドット」。前記のようにピンポンパンがいないので、奴らの活躍する部分とクイズを3問出す部分はカツ・アイ。なので、並河さんの歌う部分は結構少ない感じがした。かなすい。
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いや、ホントに並河さんが他を圧倒してて物凄い声量でよかった。体中に声が響き渡っててぴんぴん響いている感じだった。ワーグナーとか歌ってもよさそう。ヴェーヌスとか歌っているそうだが。
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ジョン・ハオさんが結構好きなので、楽しみにしていたのだけど、やっぱりそもそも歌うとこ少ない。もっと聴きたかったな。前半でアリア一曲歌ってもよかったのに。
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この曲の最後はいつも盛り上がり、拍手大喝采となるのだが(みんなこの曲好きだよね)、本日もそうであった。だのに、マエストロ現田さんは早々に「バイバイ」と手を振って帰った。オケもしかり。打ち上げが控えていたのかなあ。
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何にしろ、中華街のコース料理みたいな美味しい楽しい演奏会でありました。いい演奏を有難うございました。
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演奏会で売ってるオケのグッズは(いかにも感が強いので)あまり買わないのだけど、このキャラは大変可愛いし色のセンスもいいので、ちっちゃいタオルを買ってしまった。安かったし。それと中華街であまりに色々な食べものを買ってしまい(海軍カレーやらベビースターラーメンやらシュウマイやら)、結構反省している。.

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2014年11月 2日 (日曜日)

藤原歌劇団/ラ・ボエーム (砂川・村上組)

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プッチーニ:「ラ・ボエーム」

ミミ:砂川涼子
ロドルフォ:村上敏明
ムゼッタ:伊藤 晴
マルチェッロ:須藤慎吾
ショナール:柴山昌宣
コッリーネ:伊藤貴之
ベノア:折江忠道
アルチンドロ:柿沼伸美
パルピニョール:岡坂弘毅

総監督:岡山廣幸
指揮:沼尻竜典
演出:岩田達宗
合唱:藤原歌劇団合唱部  
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

(オーチャードホール)

過去記事:びわ湖ホール/「死の都」(第一日目)

サントリーホールへ。

<あらすじ> 貧乏暮らしの男女が一瞬にして恋に落ちるが、その後女の病気が原因で別れ、結局病気が悪化して死ぬ。

待ちに待った「ボエーム」。藤原歌劇団の舞台を見るのは初めてである。まー、基本的にはワーグナーやR・シュトラウス好きだから二期会のほうが出かけるのは多くなるよね。

今回、出かけたのは今年の3月にびわ湖ホールまでわざわざ出かけて観に行った、「死の都」のマリエッタを歌ってた砂川さんがすっかり気に入ってしまったからである。

ホント、びわ湖ではびっくりするほど素晴らしい声だったし舞台姿も可愛かった。女のあたしでも惚れちゃうくらいだ。(いえ、そのケはないです)

でも、やっぱり彼女は当たり役のミミを聴くべきかなあと。彼女のミミをナマで見聴きするのを夢見ていたら、結構すぐ叶ってしまったのである。ラッキーだった。実はこの3連休に毎日藤原のボエームは上演されるのだが、昨日と明日はあのバルバラ・フリットリがミミを演じることになっている。そのことはもちろん知ってたけど、あえて日本人組で。昨日のフリットリは素晴らしかったということはネットで伝わっているけど、まああんまり興味なし。あくまで聴きたいのは砂川さんなんで。

このボエーム、前に砂川&村上コンビで教育テレビで放送されたのは観た。でも、やっぱり・・・砂川さんはナマで聴くべき歌手である。アレはね、ホントにそう思った。・・・フレーニの本当の素晴らしさは録音では伝わらないように。

そんでまー。

実は私はボエームを生で観るのは3回目である。すくねー。初ボエームはもちろんクライバーのスカラ座来日公演である(たまたまだが、本日の指揮者の沼尻さんもそうらしい。それを知ってとても嬉しくなった。あの公演を知らない人は日本でボエーム振る資格ないと思う。)。2回目はサントリーホールでの演奏会形式だった。

で、今日はイタオペだというのにたった一人で参戦。超初心者向けオペラなため、いつもオペラに連れて行く友人を誘ってもよかったかなーとも思ったが、私はボエームにおいて人と泣けるツボが違うので、なんか恥ずかしくて一人で行ったのだ。

実は私、第2幕で泣いちゃうのだ。なのに続く第3幕やミミが死んじゃう第4幕はそんなーでもない(感動はするものの)。だからとても恥ずかしい。

今日ももう、「ダメだダメだ」って思いながら、あのファンファーレのあと第2幕の幕が上がったら合唱団が歌ってて、もうダメだった。そっから泣いてた。とくに今回子供合唱団がものすごくうまくて(とくに演技が)、もうダメだった。助けて、誰も泣いてない。ムゼッタのアリアの最後の盛り上がる部分もダメ。ハンカチ出して泣いてるし。

で、えーと。

歌手の方々ですが、砂川さんはやっぱりとっても素敵だった。でも思ったのは、前のボエームの公演の写真より美しくなってないか? お化粧のせいなのか(失礼?)。全然綺麗だった。声はやっぱり素晴らしい。しかし、肺病で死にそうな役なのに声はすごいパワフル(フレーニもそうだったけど、そこはオペラではしょうがないのかなー)。第4幕の死にそうなよたっとした演技はリアルでよかった。

村上さんのロドルフォももちろん素晴らしく。今日は残念ながらオーチャードなので舞台の後ろのほうで歌うとちょっとオケに音が負けてしまう時もあったけれど(あ、私は今日は一階席前から6番目でした)、高い声も不安なく響かせていて素敵でした。外人組ロドルフォが調子悪い話も漏れ伝わっているのでこれは頼もしい。やっぱり日本人頼りになる。

声が素晴らしかったのは須藤さんのマルチェロ。前に(偶然)日伊声楽コンコルソのお披露目コンサートに行き、第一位だった歌声を聴いたのが最初。その時も素晴らしい声であった。その後あまり舞台に接する機会に恵まれず(飯守「トリスタン」のチョイ役くらい?)、ちゃんとした役で見聴きするのは初めて。でも、やっぱり凄くパワーアップしてた。声はサミュエル・ラミー系かな(よく知らんが)。演技とかもとてもチャーミング。今後ますます楽しみな歌手さんである。

今回が藤原デビュー?ということでムゼッタを歌った伊藤晴(ハレ)さんも素敵だった。プロフ写真からもっとスーブレット系の可愛らしい声なのかな、と勝手に想像してたけど、全然違ってて堂々たる声(と演技)だった。もっと色々聴いてみたいな。

沼尻さんの指揮するオケも生き生きとして素晴らしく。まあ、このヘンになるとオケも暗譜で弾けたりしね? 手慣れた感じで良かった。テンポもかなりオーソドックスで、落ち着いて聴けた。

その他、気付いた点。

・第一幕で、ろうそくの火を貰いに行ったミミだが、ろうそくの火を貰ったとたんに火が消えてしまい、ミミもロドルフォも観客もみんな「え?」ってなったのが面白かった。

・上演前に総監督の人が曲の解説をしたんだが(元バス歌手だったらしく、声がシヴーイ)、ミミとかの当時のパリのお針子って結構「娼婦的」な存在だったらしい。あー、そうなのね。そんな気はしてたんだけど、ちょっとショック。椿姫的ショック。だから貴族んとこの世話になってたのね。経済的理由だからと言って、それを許しちゃうロドルフォもアレだわ。

・この舞台、全体的に薄汚れた感じがなんかいかにもそれっぽくてよかった。第2幕の舞台や衣装など全体的に色彩がマッチしてて(佐伯祐三の絵がモチーフのようだ)、新国立も参考にしてほしいわ。

・前記のとおり、第2幕の合唱団がすごーくうまくてよかった。大人も子供も生き生きとした演技が楽しかった。演出もよかった。あれだけでももう一回観たいが・・・仕事で疲れちゃってなあ。(明日のカルウォーヴィチも残念、パスです。)

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2014年1月26日 (日曜日)

ショルティ箱より~ドイツ語トゥーランドット(ハイライト)

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プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」(ハイライト)
トゥーランドット:クリステル・ゴルツ
カラフ:ハンス・ホップ
リュー:テレサ・シュティッヒ=ランダル
ピン:ホルスト・ギュンター
パン:ペーター・オッファーマンズ
ポン:ユルゲン・フェルスター
アルトゥム:クルト・シーベナー
ティムール:ヴィルヘルム・シルプ
役人:ハイナー・ホルン

ケルン放送交響楽団・合唱団 フンボルト・グラマースクール少年合唱団
サー・ゲオルグ・ショルティ指揮

(1956年 モノラル)

あまりに忙しくて、あまりCDを聴く暇もないため音楽記事が書けなくて申し訳ない。たまには何か書こう。とは言うものの、ネタになるCDがないのである。で・・・たまたま昨日の記事、ベームの「影のない女」の主役二人が歌っている「トゥーランドット」のCDのハイライトがショルティ箱に入っていたので、これにしようっと。

西ドイツ放送に保管されているアーカイヴからの歴史的録音。こういったものは録音は古いものの、スタジオ録音が多いので大体はコンディションは良好である。で、この手のものの常として、イタオペでも普通にドイツ語である。これって結構普通のイタリア・オペラだとそんなに違和感はないんだけど、「トゥーランドット」って大好きなオペラでもうイタリア語の歌詞が沁みついてしまっているので、結構違和感がある。「誰も寝てはならぬ」は「カイネルシュラーフェ」?とか歌いだしててなんか変。

でも主役二人はワーグナーやシュトラウスを得意にした歌手だけにやっぱり素晴らしい。かつてのヘルデンテナーのホップが歌うなんか変な「誰も寝てはならぬ」も、声楽的にはかっこいい。ゴルツも立派だけどニルソンなんかに比べると血の通った女性らしさがある。ステキ。

アルファーノ補筆の二人で歌う部分は・・・何と言うかホントにワーグナーのオペラにしか聞こえない。「イヒビンカラーーーフ」なんてまるでジークムント。ワルキューレ第1幕みたいで、大変スリリングでここは聴きごたえがある。最終トラックだけリピートして聴いてしまった。いやほんと、ワグネリアンのお客さんここだけでも聴いてもらいたいわ。胸熱。

オケ伴奏のほうは・・・若きショルティなため、やっぱりすごくダイナミックである(名盤と言われるラインスドルフ盤もこれくらいガンガンやって欲しいなって思う)。でもこういう曲はやっぱりステレオだといいな、って思ってしまう。つか、もしこれがステレオ録音だったら全曲盤買ってもいいわ。

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全曲盤↓

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2012年7月 8日 (日曜日)

プッチーニ/トスカ  レナータ・テバルディ(1955)

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プッチーニ:歌劇『トスカ』全曲

フローリア・トスカ:レナータ・テバルディ(ソプラノ)
マリオ・カヴァラドッシ:フェルッチョ・タリアヴィーニ(テノール)
スカルピア男爵:ティト・ゴッビ(バリトン)
チェザーレ・アンジェロッティ:マイケル・ランドン(バス)
堂守:グウィン・ハウエル(バス)
スポレッタ:デイヴィッド・トゥリー(テノール)
シャルローネ:ロナルド・ルイス(バス)、他
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団
フランチェスコ・モリナーリ=プラデッリ(指揮)

録音時期:1955年6月30日
録音場所:コヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス
録音方式:モノラル(ライヴ)
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先日のチョーチョーさんからやっぱりブッチーニっていいな、なんて思いつつあいかわらず大量にある未聴のCDの中からこれを発見。 トスカはカラスの有名な全曲しか持ってなかったな、そういえば。

今回はカラスのライバルとして有名なテバルディのライブ。二人とも世紀の大歌手として名高いが声とか外見とか見事に全然違う印象。二人ともかなり舞台映えする容姿の人だが、カラスは「ギリシャ系の濃い顔」、テバルディは「イタリア人にしては比較的薄い顔」としてあたしの頭にある。そんで声と顔が比例してる気がする(なんとなくだけど)。

ドイツものが好きすぎてイタリアものにまで手が回ってないあたしなので、ウチにテバルディのCDはとても少ない。テバルディのトスカ、全曲聴くの初めて。

さてこの全曲盤は有名な録音(らしい)。モノラルでライブだけどまあまあ状態はよい。でも、たまーにがしゃがしゃ傷があり。年代的には仕方ないか。

で。テバルディ、タリアヴィーニ、ゴッビと大歌手が揃ってしまったらもう何も言うことはないという感じだ。オペラハウスにまだ神様がいた時代の演奏。いいなあ、こんな演奏がコヴェントガーデンで行われてたなんて不思議。テバルディの気品のある声、タリアヴィーニの美声、ゴッビの貫録。いまさらあたしがここで書くまでもない。

まあそう思いつつ、最初から最後まで平常運転的に「さすがは歴史的録音」などと普通に聴いていたんだが、最後のほうでカヴァラドッシが処刑されるシーンのテバルディの取り乱し方は半端なく、オケもとんでもなく凄くて、ちょっと(かなり)前にテレビでみた「アンドレア・シェニエ」日本公演(モナコとテバルディの出たやつ)の凄さを彷彿とさせ(あれ初めて観たときびっくりして一晩眠れなかったんだ)、一度聴き終わったあとまた3幕の途中からもう一回聴いてしまった。ああ、これ生で観たら凄かったろうなあ。間髪入れずの拍手もキモチイイ。

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Pa0_0032昨日は七夕だった。やっぱり雨だった。足元のお悪い中、渋谷の某飲み屋にてお誕生パーティが開催された。ここは行くの2度目なんだけどとても安く雰囲気もよく、とっても美味しい。また行きたい。 ・・・ダイエット中だったが、まあいいや。

時節柄東京でも七夕飾りをあちこちで見かけたが、「願い事」をみるとそこの駅の利用年齢層というのが見てとれるのは面白いと思う。乗り換えで利用する大手町の笹の葉の願い事はなんとなくアダルティで年齢層の高さを感じ、渋谷の地下街の笹の葉の願い事は子供・若者が多いなという印象。

私は大手町では「会社がつぶれませんように」と書き、渋谷では「結婚できますように」と書いた。前者はおそらくかなうと思う(合併したし、親会社は先日記念カステラ配られたくらい業績いいし)が、後者はどうも自信ががない。考えるたびに命の火が消えていきそうな感じだ。

だいたい、七夕に願い事を書いてかなった記憶が幼少より全くない。むしろ何を書いたのかも記憶にない。もしかして子供の頃は「カルロス・クライバーに会えますように」とか書いてたかなあ・・・。

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