過去記事:びわ湖ホール/「死の都」(第一日目)
コルンゴルト「死の都」新国立劇場 (15日)
すいません。今月3回目の「死の都」舞台観賞。さすがにちょっとなあと思いつつも、どうしてももう一回観たくて、ぽちっとなしてしまったのが今週の月曜日。(いや、そのうち一回はDとかZとかだったらまだいいんだが、すべてAかS席・・・)
定価より千円ちょい引きで、その代わりに会場で券貰うまで「どこの席になるかわからへんで」という、ロシアンルーレットな席。S席だから相当悪いところはないだろうとは思うけど、過去に新国立でS席買って一階席の一番後ろだったという事実があるので、少し覚悟してたんだが。
なんと、一階席の前から9番目。少々中央からはずれるものの、はしっことかではない。自分史上、新国立のオペラで最高の席じゃないのかな、たぶん。今まで気付かなかった、舞台に左右二つずつある指揮者モニターの白黒画面も見えたし。なるほどねえ。
それにしても、「死の都」だけで今月何万使ったんだろう・・・。びわ湖の交通費と宿泊費入れたらじゅ・・・いやなんでもありません。
まあ、例えば。贔屓のフーゾクのねーちゃんができて、ちょっと通っちゃったと思えばそんなお金は普通じゃないのかな。人間、魔が差すということもあるしさー。
(こういう例えにホストクラブとかでないところが、クラヲタおっさんらしいあたし。女なのに。)
その代わり、「ラインの黄金」も行かないことにしたし。いいよね(←だれも怒らないし、困らない)。しかも明日会社だしさー。ちゃんと働くよ。
でま、さすがに最高の席で聴く「死の都」はやはり素晴らしく。15日より相当よかった。こないだの土曜日に聴いた時よりオケもずいぶん馴染んできたようで、普通にコルンゴルト・サウンドだった。(しかし、やはりコルンゴルトのオーケストレーションは演奏大変だ。演奏しにくそうだ。歌手も合わせ辛そう。)
15日はやや不安定だったケールも、今日は普通に良かった。日本になじんできたのかも。声がひっくり返ったり、かすれたりはほとんどない。いいパウルだった。演技も近くで見るととってもかわいい感じ。マリエッタが最初に登場する前とか、おめかししちゃったりしてて。
いやーそれにしてもマリエッタ役のミーガンちゃんときたら。歌うの4回目なのにパワーが落ちてない。凄い。全部で5回もうたうんだぜ、東京で。「幽霊マリー役の3倍くらい太ってるじゃん」とか思ったけど、やっぱりそのくらい太ってないとパワーがないのかな。15日に初めて聴いたときは、まだびわ湖の涼子ちゃんの激烈マリエッタが耳に残ってたので「あんまり・・・」って思ったけど、今日はもう凄い良かったわミーガン。
(砂川涼子さんの歌唱を聴きたくて、たまたまウチの録画機に残しておいた昨年と今年のNHKニューイヤーコンサートを見たんですけど。なんかミミとゾフィーって軽量級な役だったので全然違う人に見えましたわ。死の都出演にあたって「マリエッタ養成ギブス」でもしてたのかな?とか思うくらい。びわ湖一日目観れた人は勝ち組。)
あとは、日本人の方々もみなさんよかったです。新国立お馴染みの平井香織さんは、カツラと緑のドレスがとっても似合っててカワイイなあって思いました。ガストン役のダンサーの方もかっこよかった。しかし、外人巨漢歌手と一緒の舞台で見ると、日本人はちっちゃいね。いつものことだけど。
(今日のハイライト)
・フランク役の歌手は第一幕で登場したとたん、そこらへんにたくさんある写真立てを一つなぎ倒してしまい、ブリギッタ役の山下さんがちょっとびっくりしてたけどちゃんと歌ってたのでプロだなあと思った。っていうかあのセットは歌手はつまずきそうで大変だよねえ。
・第3幕でパウルが夢からさめたあと、舞台装置の後ろのブラインドがうまく締まらなくて「故障??」とか思ってひやひやした。千秋楽は直ってますように。
(その他、本日改めて気付いた点)
・それにしてもあの巨大な舞台装置がフィンランドからのレンタルなんて。わたし、物流会社に勤めているもので、あの大きな舞台装置とこまごました小道具を全部梱包して全部チェックしてフィンランドに送り返すという仕事を想像してしまい、ちょっと頭が痛くなってきてしまった。壊したら弁償かな?とか。夢のない話をしてすいません。
・今日は舞台近かったので小道具が良く見えてよかった。飾ってある写真立ての一つ一つ写真が違うのね。ちゃんと時代を感じる写真になってて(オペラグラスでじっくり見たけど、ちゃんと写真集とかにして見たいくらいステキ)、こだわりを感じましたわ。とにかくセンスがいい。アレ、やっぱりヨーロッパ人の仕事だわ。
・舞台上にたくさんあったマリーの遺品を入れたちっちゃいおうちみたいなのって「聖遺物筺」っていうんだねえ。ヨーロッパの美術館や教会にさんざん行ったはずなのに「何だろう」って思ってた。色々なものが入ってたね。レコードとか靴とか。第2幕のライティングはため息が出るわ。
・3幕でマリエッタが殺されたあと、パウルが夢から覚めたらいつの間にか舞台から消えてたんだけど、ベッドの横に穴(奈落?)があいて、そこからマリエッタは脱出してる・・・っていうしくみだった。
・歌わない役のマリーの女優さんに今回は注目。ふむ、色々と演技してたんだなあ。なかなか感動的だった。最後、動かなくなっちゃうところはさすがに胸がきゅううんとなった。まあ、マリエッタとは瓜二つではなかったけど。ヘチマとキュウリくらい違う。
・最後の最後にぽろっと涙が出たのは、曲に感動したというよりは、もうしばらくこの曲の舞台を生で見ることはないんだなあ・・・もしかしてもう一生ないかもって思ったから。作曲者もパパもうちょっと主役二人が休める部分を作れば、ヨーロッパ以外での上演もたやすいものになっただろうに。
・そーいえば、15日に新国でこの舞台観たあと、次の次の日の朝起きたらものすごい多幸感に襲われた。ドーパミンだかセロトニンだか(よくわからんけど)大発生した感じ。アレ、何だったんだろう。会社で超ハイになって自分でも怖かった。←薬とかやってないよ。
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今日は、京都駅で自分土産に買った「竹中缶詰のオイルサーディン」を食べてみた。ネギを載せてオーブントースターで焼いた。いろんなグルメ番組で激賞されていただけあってさすがに美味しかったが、そもそもオイルサーディンにそれほど思い入れがないので、もう買わないかと。高いし。余った大量の油がもったいなかった。パスタにすればよかった。