2022年4月30日 (土曜日)

ワーグナー/トリスタンとイゾルデ ウィーン国立歌劇場ライヴ・ストリーミング

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いつか再開するのかな〜とたまに起動してたウィーン国立歌劇場のアプリだか、先日の新国立劇場の「ばらの騎士」に合わせて(なのか偶然なのか知らんけど)本場の「薔薇の騎士」を配信してくれた。新国立劇場だって素晴らしかったけれど、やっぱり本場はすげえなって思いつつ見てた。オクタヴィアン役の歌手が高身長で演技も素晴らしかったしかっこよかったなあ。

次の配信の演目の「ランメルムーアのルチア」は残念ながら全部見切れず。その次がこのトリスタンである。いつまで見れるのかな。演奏は大変素晴らしい。フィリップ・ジョルダンの指揮も(デモーニッシュなところはないけど)軽快で素晴らしい(アルミン・ジョルダンの息子さんね)。

ところで。

「このコロナ禍で悔しかったことベストテン」をやったら(数多く挙げられる中で)「東京春祭のシャーガーさんのトリスタンが中止になった事」がわたしの中では堂々の第一位である。もう彼のトリスタン(や、他の諸役)を見聞きするには、ウィーンやベルリンに行かないといかんのかなあ、とか憂鬱になる。わたしは数多くの「トリスタン」を見聞きしてきたけれど、最初から最後までちゃんと(力を抜かず)歌われたトリスタンは2回しかない。シャーガーさんはその3回目になるはずだった(多分)のである。


この公演でのシャーガーは絶好調で、最初から最後まで声をビンビン響かせている。クルヴェナルやイゾルデと抱き合って歌うところなど、(彼のリサイタルを前の方で見聞きしたもので)相手の歌手は耳がかなりしんどかったのではないだろうか。第3幕でクルヴェナルは瀕死のところなのにイゾルデの到着で力一杯歌うトリスタンの横で耳を塞いでいた(演技なんだろうけど)。

イゾルデ役のマルティナ・セラフィンは前にトーキョー・リング再演の時にジークリンデを歌ってた人である。すっごい声量のある人だなあとびっくりした覚えが(というかわたしの感想では)あるが、まあウィーンでこのくらいよく歌ってくれれば文句はないなって感じのレベル。ブランゲーネのグバノヴァは綺麗で歌も良い。全くどうでもいい事だが、ブランゲーネの衣装のグリーンのワンピースがとても素敵で(なんでイゾルデは同じグリーンでもあんな変な水玉模様なんだろう、でもジャケットの裏地は細かい水玉模様で可愛いな、とは思った)あの柄があったらワンピース作りたいな、とか思った。

ルネ・パペがマルケ王なのも豪華だなあと。パペのマルケ王は随分前にベルリン国立歌劇場の引越し公演で見聞きしたが(その前にフンディングでも見てるな)、相変わらずいい声。しかし、第2幕で子供連れだったのはなぜ。

こんなに素晴らしいレベルでトリスタンを券取れて見られればもう本望よ!ってくらいの公演だと思うけど、やっぱり演出の意図がさっぱりわからんかった。いや、演出の意図がわかるような(プレーンな)演出のワーグナーは、もうドイツやオーストリアのでかい劇場では見られないのかもしれない。第1幕のたくさんのブランコ(大人がブランコ乗ってると黒澤明の「生きる」を思い出す)もびちゃびちゃの舞台もよくわからんし、第2幕の別々の部屋で壁紙や家具やら破壊しまくるトリスタンとイゾルデもよくわからん(コロナで隔離されてるのかと思ったけど違ったみたい)し、生魚を捌いているブランゲーネも気の毒だし(鱗をカリカリ削ったり内臓を出したりしてた)、「この演出は無視して音楽にのめり込むのが1番良い鑑賞法かな」と思うように見てた。

だが、第3幕ではもう無視するとか無理だった。演出家が「ふっふっふ、わたしの演出は観客をこの曲に集中できないようにしてるんだよ」みたいに言われているような気がした(わたしは)。幕が開いてすぐ何十人もの全裸の男女(全裸だぜ)が舞台にいて、男同士で(女同士で?)抱き合ったり〇〇したり。パ〇パンだからまだいいようなものの。画面の前で「ひゃー」となってしまった。シャルマイ吹いてるはずの牧人の役の人も別に楽器を吹くそぶりもなく、座ってるだけだし。

でもまあ、最後はちゃんとトリスタンは死ぬし、愛の死歌ったあとにイゾルデも、結構落ち着いてぶっ倒れてたダイニングセットを綺麗に整えてトリスタンを座らせ、自分も向かいに座って死亡。「本当はこんな生活を夢見てたんだよね」みたいな不倫カップルの死に方(かな?)。

 

 

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2022年4月 2日 (土曜日)

ワーグナー/ローエングリン 東京・春・音楽祭2022

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何年ぶりになるのかな、春祭のワーグナー。私は2017年の「神々の黄昏」以来らしい。コロナになってシャーガーさんのトリスタンが中止になってもう何年かな。もう、日本にいる限りシャーガーさんには会えないのでは、という悲しみが襲う。

それでもまあ、久しぶりにヤノフスキは日本にやってきた。相変わらずの低い譜面台が懐かしい。

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そもそも、ワーグナーのオペラではあんまりローエングリンは見ない方。何故かというと、日本で大人気の歌手さんが大体タイトルロールなんで。私はあの歌手さんが苦手なんだよね。なので春祭も新国立劇場も縁がなく。あ、二期会は行ったよ。今回はツィトコーワたん目当てで券をゲット。でも、直前になってキャンセルに。まさか、ロシア人だからってことはないよね。

そんで、キウリってとっても覚えやすい名前の歌手が代役に。

とにかくまあ、ワーグナーのオペラが全曲聴けるのであれば、演奏会形式でもありがたい。今やほとんど日本人キャストの新国立劇場を思えば、こんなに外人の歌手がキャストを占めるのはコロナ以来珍しい。コロナ前とほとんど変わらない・・・東京オペラシンガースさんがちょっと人数が少ないかな?というくらい。

いつもはキュッヒルさんがコンマスを務めているのが目玉の1つだったが、今回は白井圭さんがコンマス。それもまた良い。ワーグナーのオペラで大活躍の舞台裏のバンダの金管楽器とか合唱とか聞くと、やっぱりオペラはこうじゃなくちゃね、というなんか懐かしい気持ち。コロナ前は普通だったのに。

あと。このところのヨーロッパ情勢で、このオペラが随分昔の筋書きながら、ドイツ軍がハンガリーに攻めるとか?以前と比べて昔の話っぽくなくなっている感が(対訳を見ながら鑑賞すると特に)ある。そのオペラをポーランド人が指揮してるってのもねえ(気にしすぎか?)

歌手は・・・タイトルロールは腹の出っ張ったメガネのおっちゃんが担当。3等席だったんだけど舞台が結構見える席だったので、正直、あまり見ないようにはしていた。声はなかなかいいなって思ったけど、第3幕ではやっぱりちょっとつかれてた感。でも、最後の最後は盛り返して頑張ってたよ。

それとは打って変わって、エルザ役のオオストラムという歌手はとっても素敵だった。外見も金髪でエルザらしくて美しかったし、声量がありどこまでも伸びる声がすごく素敵だった。失礼だけどローエングリン役のヴォルフシュタイナーはあんまり見ないでエルザばっかり見てた。

オルトルートのツィトコーワたんの代役のアンナ・マリア・キウリという歌手は覚えておいていいと思う。「予習」と称してこのところ昔のサヴァリッシュ/バイロイト盤を聴いてたんだけど、愛するヴァルナイ様のオルトルートを思わせる悪役っぷりだった。いやホントですってば。旦那役のシリンスはちょっと悪役要素が足りなかったなって思ったけど声楽的には良かったと思った。

男声ではハインリヒ王役のタレク・ナズミという歌手さんがとってもいい声で外見も押し出しが立派でとても良かった。彼が歌うところを待ち遠しくしていたくらい。伝令のホレンダーって歌手も頑張ってたけど、うーん、伝令と言えば石野繁生さんの素晴らしさを超えるものは今の所なし。

演奏はもちろん素晴らしく、とは言えそういえば二期会の準メルクルの方が指揮は好みだったよなあとか思いつつも、こんな素晴らしいキャストで聴けるのは本当にありがたく、最後はやっぱりスタンディングオベーション。第3幕の登場で拍手が終わる前に演奏を始めたのは、同じポーランドの指揮者のヴィトみたいだなあとか思ったりもした。曲は違うけど。

最後は拍手が鳴り止まず、N響さんが片付けを終わった後も鳴り止まず、スタンディングオベーション。やっと指揮者が挨拶に出てきてそれで終了。このご時世でやってきて下さった指揮者にも歌手の皆さんにも、もちろん関係者の方々にも感謝。演奏後Twitterを検索し、ワーグナーの時はいつも悪口を撒き散らしてる ○こ○○さんをまた非表示にした自分の行動も懐かしさを感じた。いやこんなに文句言うならドイツにでも移住したらいいのに。

終演後、上野駅の駅弁売り場が200円引きだったので購入。私がこれを購入したら後ろに並んでたお婆さま方も買ってて笑った。

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いやあ だって金目鯛と鰻とシャケ乗ってた買うでしょ。美味しかったし、また見かけたら買いたい。これで(200円引きで)900円ちょいは安い。

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それと・・・明日、去年夫に先立たれた高校時代の友人と久しぶりに会うので、ちょっとでも笑顔になってもらおうと上野駅でお菓子を購入。しかし、なんで私の(かなり親しい)友人って夫に先立たれる人多いんでしょう。もう3人目だ。

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2021年11月29日 (月曜日)

ニュルンベルクのマイスタージンガー 新国立劇場

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ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲
【指 揮】大野和士
【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
【美 術】マティス・ナイトハルト
【衣 裳】シビル・ゲデケ
【照 明】ファビオ・アントーチ
【振 付】ラムセス・ジグル
【演出補】ハイコ・ヘンチェル
【舞台監督】髙橋尚史

【ハンス・ザックス】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【ファイト・ポーグナー】ギド・イェンティンス
【クンツ・フォーゲルゲザング】村上公太
【コンラート・ナハティガル】与那城 敬
【ジクストゥス・ベックメッサー】アドリアン・エレート
【フリッツ・コートナー】青山 貴
【バルタザール・ツォルン】秋谷直之
【ウルリヒ・アイスリンガー】鈴木 准
【アウグスティン・モーザー】菅野 敦
【ヘルマン・オルテル】大沼 徹
【ハンス・シュヴァルツ】長谷川 顯
【ハンス・フォルツ】妻屋秀和
【ヴァルター・フォン・シュトルツィング】シュテファン・フィンケ
【ダーヴィット】伊藤達人
【エーファ】林 正子
【マグダレーネ】山下牧子
【夜警】志村文彦
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団、二期会合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団

(11月28日 新国立劇場 オペラパレス)

昨日行ってきた。上演時間5時間55分とのことだったが、体感、もっと長い気がした。あれ?私このオペラの全曲ナマで観たの何回目だっけ?と思ったらたったの3回目だった。こんなに長いと思ったことなかったわ。もしかして、テンポ遅い?(リングやトリスタンと比べてあんまりこの曲聴かないからわからん)

新国では座席に一枚づつお座布団が敷いてあるんだけど(エア・ウィーブ?)、それでももう3幕の最後の方はお尻が痛くなってきた。帰りの京王線で座った時、痛さに思わず「ひゃっ」と声が出た。

演奏は、なんかよかったのかよくなかったのかわからない(←えー)。普通に行われていた気がする(何年か前に聴いたハルサイの時のヴァイグレよりはよい)。10日の間に4回もやってもうなんかみんな疲れてないか? 楽団はとんだブラック企業。

しかも。拘束時間長いのに、愛する二期会では主役級の方々が、「え、いつ歌ったの?」ってくらい歌うとこない。もったいない・・・。鈴木准さん、大沼さん、長谷川顕さん、妻屋さん、好きな歌手さんたくさんなのに。もっと聴きたいよう。

覚えていることをつらつら。(ネタバレ?)
<第1幕>
舞台は現代。しかも今年の話だ。筋書では教会だけど、この演出では舞台上にもう一つ舞台、観客が宗教演劇みたいなのを見ている。マイスターの組合は劇団に読み替えされている・・・のかな。今年の話なので客がはけたあと、椅子をアルコール除菌シュッシュしてフキフキ。他の人が触った本をまたフキフキ。いちいちフキフキ。

現代のってわかるのは、舞台上の方にマイスターたちの写真が飾られるんだけど、そこに"Unsere Meistersinger2021"ってあったんで。あと、挙手するときに人差し指一本立ててたんで(ドイツでは日本人みたいに普通に挙手すると捕まるんだよね??)。

ヴァルターがエーファと結婚したいために、とりあえずマイスタージンガーの歌の試験。ベッグメッサーが舞台幕の後ろに隠れて、黒板に採点。黒板には何故か漢字がいっぱい。(あと1回上演があるけど、1階席前のほうでもオペラグラス必須。あちこちでいろんなことが起こり、小道具にも細かい設定が色々仕掛けられているので。ザックスの仕事部屋にクラナッハ?のアダムとイヴの絵が貼ってあって、まるでこの演出の結末を表しているような。あと演劇とオペラのスケジュール表にポーグナーの広告が載ってたりとか)

何故か熊の縫いぐるみ着ている人がたまに出てくるし、肉襦袢着た3人のおねいちゃんたちも何だろう。ぼる塾みたいな・・・

ヴァルターが怒りのあまり歌合戦に出る人々の写真の額をビリビリ破ったりする。鈴木准さんなど私の好きな歌手さんの写真が破られているのはとても悲しく、辛い。つか、ヴァルターはちっともかっこよくないし、歌もそんなに(悲)。合唱はいつも通りうまい。林さんはいつもながらお奇麗でうまい。安定の山下牧子さんもいわずもがな(長髪のかつらかぶるとお美しいのね。第3幕のお花のワンピース可愛かったし。)。ダーヴィットの伊藤さんは初めて見るな、代役なのか。めっちゃがんばってた。(でも・・・望月さんのダーヴィット観たかったなあ。)あと、コートナーの青山さんがすっごい美声で良かった。彼が座るときに座席に腰かけてた他の人が振動で飛び上がったのは、青山さんがイルデーヴの人だから?

第一幕、なんか眠かった。ワーグナーで眠くなるの珍しい。

<第2幕>
「ずっと眠かったらどうしよう」とか心配していたが、大丈夫だ、2幕は面白いので安心せい。とにかく・・・ベックメッサーを演じるアドリアン・エレート(ヴァイグレの時もこの人だった・・・忘れてたけど)が本当に面白くて・・・なんかもうこの人だけで今回大枚はたいて前の方取ってよかったと思った。YouTubeでゼンパーオーパーの予告編見たら、この人オリジナルメンバーなのね。アレ、まるでMrビーンなんだもん。エーファにセレナーデを歌う時だけちょーちんブルマー履いてたのワロタ。

この演出ではザックスは劇団の団長なのかな?って設定だけど、靴屋の設定は(音楽上)どうしても必要になるので、靴も作っている団長ってことなのかな(ワカラナイ・・・)。

ベックメッサーとダーヴィットの取っ組み合いのあと、大騒ぎになって劇場のブレーカー?が爆発しておしまい。

<第3幕>
ヴァルターが自分の歌を書き留めてた紙をベックメッサーがこっそり持ち出す(ザックスに見つかるけど)んだけど、歌合戦の時にザックスが演説してるときにこっそりその紙をちろちろとみているところがホントにMr.ビーンっぽかった。そんなシーンあったよねえ(第1話「カンニングはダメよ」)

本来であれば、従順な娘のはずのエーファだが、この演出では全然そんなことない。「靴が合わねー!!」って言ってザックスに向かって靴をぶん投げたりする。まあ、林さんが何をやっても、ダナエ役で米研いでたのを見てからびっくりしない。最後の最後のどんでん返しも、私はTwitterで知ってたのでそんなでもなかったし、いやそもそも現代のおにゃのこが「歌合戦の賞品」にされるのを良しとするわけない。あの演出は正しいのよ。

初日は演出に対して?ブー出たらしいけど(ブラヴォーは禁じられてたけどブーはええのんか?)、この日はなし。あとは大拍手喝采。もうなんか「このご時世の中、何度も延期になったけどよくやった」ってのと「こんな長い時間よく演奏した」ってのでもうスタンディングオベーションよ。本当に・・・お疲れ様でした。上演してくれて本当にありがとうございました。

しかし最近また、おミクロン様が出てきて(あたしゃ「なんで憎っくきコロナに『お』なんか付けるの?」ってホントに思ってたわ)、今後の演目はどうなるのか・・・「オランダ人」大丈夫なのかしら(行かないけど。)

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2021年11月27日 (土曜日)

ハイティンクを偲んで ROHのリング(YouTube)

ふと、今日暇だったので「久しぶりにハイティンクのワーグナー聴こうかな」と思い、YouTubeを探したら(いやあ、CDのワルキューレは実家において来ちゃったんだよね)、なんと1996年のロイヤル・オペラ・ハウスのライブの「ワルキューレ」と1995年の「神々の黄昏」ってのがあった。

どうもBBCラジオからのエアチェック(←古い?)らしく、UPして下さった方の説明で「カセットをチェンジする間のパッセージがところどころ抜けてます」的なことが書いてあったので、てっきりエゲレスのワグネリアンさんなのかしらって思ったら違ってた。なんとロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団の首席クラリネット奏者の方らしく。私がロンドンに観に行った時のプログラム本を見たら、ちゃんとお名前があった。おおううう・・・(感涙)。

私がロンドンでハイティンクのリングを見聞きしたのは1998年で、ホールも違うんだけど(当時ロイヤル・オペラ・ハウスは工事中だったんで、ロイヤル・アルバート・ホールで観た)、確かに聴き始めてすぐ「ああ・・・そうだ、こんな音だったわ」と思った。何というか、登場人物や聴く人を大きな暖かな愛で包み込んでしまうような演奏。例えば、私が一番見聞きしているはずの飯守さんのワーグナーは、彼自身のワーグナーへの愛情が痛いくらいに聴衆に伝わる演奏なのに対し。

とりあえず本日はワルキューレを全曲鑑賞。(うーん明日もワーグナーあるでな)
このYouTubeのワルキューレは私が観に行った時のキャストとは若干違うけど6割くらい同じであった。いや何たって私の時はブリュンヒルデはベーレンスだったもんでね。いやはや、いつぞやの同志の方々との飲み会で、私が泥酔すると必ずハイティンクのリングの素晴らしさを語りだすという迷惑な人だったんだけど。この録音を聴けば、どんなに素晴らしかったか(少しは)わかるんじゃないかな。録音の抜けはあるものの、音はさすがBBC、素晴らしい。聞いていてまるで昔のアルバムを何十年ぶりに開けたみたいな気持ちになった。一生の宝物、ずっとこの動画は聴けるといいな、欲を言えば(BBCに残ってたら)CDで発売して欲しいな。あと実はロンドンで観たのでは「ジークフリート」が一番良かったので、ないのが残念。

Die Walküre ROH 25.10.1996 Bernard Haitink

Götterdämmerung ROH Haitink 28 October 1995

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2021年5月16日 (日曜日)

飯守さん傘寿記念コンサート/ニーベルングの指環ハイライト

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R.ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」ハイライト(演奏会形式/字幕付)
序夜『ラインの黄金』より
―序奏~第1場「ヴァイア!ヴァーガ!…」~アルベリヒの黄金強奪 (ラインの乙女たち、アルベリヒ)
―第4場 神々のヴァルハラへの入城 (管弦楽)
第1日『ワルキューレ』より
―第3幕 第1場 ワルキューレの騎行(管弦楽)
―第3幕 第3場 ヴォータンの別れと魔の炎の音楽
 「さらば、勇敢ですばらしい娘よ!」(ヴォータン)
第2日『ジークフリート』より
―第1幕 第3場 ジークフリートの鍛冶の歌
 「ホーホー!ホーハイ!鎚よ、丈夫な剣を鍛えろ!…」(ジークフリート、ミーメ)
―第2幕 第2場 森のささやき(管弦楽)
―第3幕 第2場 「上の方を見るがよい!… 」(さすらい人、ジークフリート)
―第3幕 第3場 「太陽に祝福を!光に祝福を!…」(ブリュンヒルデ、ジークフリート)
第3日『神々の黄昏』より
―序幕より 夜明けとジークフリートのラインの旅(管弦楽)
―第2幕 第3場「ホイホー!…」
    ~第4場「幸いなるかな、ギービヒ家の御曹司!」(ハーゲン、男声合唱)
―第2幕 第5場「ここに潜んでいるのはどんな魔物の企みか?…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン、グンター)
―第3幕 第2場「それから小鳥は何と?…」~ジークフリートの死と葬送(ジークフリート、ハーゲン、グンター、男声合唱)
―第3幕 第3場 ブリュンヒルデの自己犠牲「太い薪を積み上げよ…」(ブリュンヒルデ、ハーゲン)

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ワーグナー特別演奏会合唱団(合唱指揮:藤丸崇浩)
指揮:飯守 泰次郎(桂冠名誉指揮者)

ブリュンヒルデ:ダニエラ・ケーラー 
ジークフリート:シュテファン・グールド
アルべリヒ、ヴォータン、グンター:トマス・コニエチュニー
ハーゲン:妻屋秀和
ミーメ:高橋 淳
ヴォークリンデ:増田 のり子
ヴェルグンデ:金子 美香
フロースヒルデ:中島 郁子
名誉監督:カタリーナ・ワーグナー(バイロイト祝祭劇場総監督・演出家)

コロナ禍緊急事態宣言のため開催が危ぶまれていたが、関係者の皆様の努力のお蔭で見聞きすることができた(ありがとうございます)。都民なので色々としんどい思いをしていたが、東京都民で良かった、地方に住んでいたら鑑賞を諦めていたと思う。聴いていて色々な思いがよぎったけれど、今これを鑑賞している自分を羨ましく思うという謎の感情。演奏会終わったあと、友人に「もうなんか、明日死んでもいいかもって思うくらい良かった(死なんけど)。」ってLINEした。

「完売御礼」との表示だが、もちろん会場は満員ではない。このご時世なので50%くらいで売り切れにしたみたい。だもんで「きっと隣の席は空いているんだろうな」と思ってたら私の列はびっちり。隣の片方はちょっとふくよかな方で肩がしょっちゅう当たるし、反対側はずっとうとうとと舟漕いでいてそれも気になるし(舟漕いでた方は「かみたそ」の前に帰られたので助かったが)。

先日観た新国立「ワルキューレ」がオケ縮小版ってやつだったので(とは言え全然オケは見えない席だったんだけど)、舞台に上がったフルオーケストラは壮観で、それだけでも涙が出そうだった。ホルン何人いるんだい・・・。もうすべてが本気でねえ・・・コロナなんて何だよ!どこも縮小しないよ!っていう飯守さんの意気込みが感じられる。

飯守さんを見たのは2019年の新響との「トリスタン」以来だったんだけど、ご病気されたせいなのか若干足元が不安な感じがして心配してしまったのだけど、指揮ぶりは相変わらずだったのでほっとした。椅子が用意されてたけどちゃんと立って指揮されてたし。

それから、東京にグールドとコニェチュニーがいて、生の声が聴けるっていうのが信じられない。バイロイトのスタメンの歌手が、このコロナ禍で生で聴けるなんて、ああ、あたし本当に生きてるの?って思った。

今回、外人勢は3人いらっしゃって(残念ながらペーゼンドルファーは来日不可能になったので妻屋さんが代役を務めた)、グールドとコニュチュニーはそりゃー何回も見聞きしているのできっとよかろうとは思ってたんだけど、肝心のブリュンヒルデを歌うケーラーって歌手が知らなくて、どんなかなあって思ったんだけど、この人すっごい発見だった。

見た目まだ若い人のようだったけど、やや細めの声ながらよく通り、(私のいる)3階席まで普通に聴こえた。声が高くなる程美しくなる。ブリュンヒルデなんて音楽史上最も難しい役だと思うんだけど、ブリュンヒルデの(ジークフリートに起こされた時の)戸惑い、裏切られた時の怒り、そして最後にこの長い楽劇を〆る長丁場を見事に演じ歌い切った。今にバイロイトのスタメンになる人なんだろうな。カタリナが送り込んだのかな。

ポーランドの星コニェチュニーも大活躍でアルベリヒとヴォータン(さすらい人)とグンターを演じ分けた。最初のアルベリヒの時に演技とかめっちゃしながらの熱演で、本当に歌うの嬉しいんだなって思った。声質からいうとアルベリヒが一番合っているなって思う・・・っていうかアルベリヒでしょこの声は。いやもう何歌ってもこの声量は何。3階席でも普通に聴こえるの凄い。

新国立での飯守さんリングでローゲとジークムントとジークフリートを歌ったグールドは、相変わらずでっかいなあ、スーツなんか普通の4倍くらい布がいりそう、とか思いつつ聴いてたんだけど(なんじゃそりゃ)、本当に・・・シャーガーさんと並んで貴重なヘルデンテノールだよなあ。普通に金床カンカン叩いて歌ってたけど。ミーメの高橋淳さんとの掛け合いも最高。ってか高橋さんはミーメにしか見えないんだが。

話は前後するけど、3人のラインの乙女の日本人の方々も安定感ハンパなし。二期会での「ワルキューレ」のジークリンデ以来、飯守さんは事あるごとに増田のり子さんを起用されているようだし、バイロイト経験者の金子さんはもちろんだし、こないだのびわ湖でワルトラウテを歌われてた中島さんの深い声も最高だし。いやほんと穴がない。

しかしまあ。リングのハイライトで、これだけ濃ゆいものが今まであっただろうか。リングの中の数々の名場面の中で、演奏がハードな部分を抜き出した感。だからオケにとっても演奏がすっごいハードだと思う。最初から最後まで気を抜かずに同じテンションで演奏し続けられるのは本当に凄い。オケの本気を見た。

ギービヒ家のまんねんの人たちの男声合唱も、謎の「ワーグナー特別演奏会合唱団」という団体だったんだけど、きっと実力のある合唱団から集められたに違いない、素晴らしい歌唱だった。マスクして歌ってたけど。びわ湖でもハーゲン歌われてた妻屋さんもさすがの歌唱。

どの曲も最初から最後までとんでもないテンションで演奏&歌唱されたが、最後の「ブリュンヒルデの自己犠牲」のあと、カーテンコールのあとに舞台上全員で「ハッピーバースデー」を演奏。こんな豪華な(バイロイト歌手含む)ハピバは初めて聴いたし、たぶん死ぬまでこれ以上はないな。そのあとも拍手は鳴りやまず。14時から始まり、18時半過ぎに終わったコンサートだが、そのあとも19時くらいまで拍手してた。もうね、オケも合唱団も退出して、コントラバスのあとかたづけしててもまだ、観客の3分の1くらい残って拍手してた。

まったくまとまらない感想ですいませんが、本当に凄かった。ぎりぎりに券取れて良かった。飯守さんお誕生日おめでとうございます(←今頃)。いつまでも長生きして、日本のワグネリアンを楽しませて下さいね。

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お昼に上野公園で頂いた「やわらかひれかつサンド」。万世のカツサンドが上野駅で見当たらなかったからしかたなく買ったんだけど、分厚くてやわらかくて美味しかったなあ。また食べたい。からしが別添えなのもグー。

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2021年3月21日 (日曜日)

新国立劇場「ワルキューレ」(2021)

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楽劇「ニーベルングの指環」第1日
『ワルキューレ』/リヒャルト・ワーグナー(アッバス版)
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
(3月20日 オペラパレス)

ジークムント(第1幕)村上敏明
ジークムント(第2幕)秋谷直之
フンディング:長谷川顯
ヴォータン:ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
ジークリンデ:小林厚子
ブリュンヒルデ:池田香織
フリッカ:藤村実穂子
ゲルヒルデ:佐藤路子
オルトリンデ:増田のり子
ヴァルトラウテ:増田弥生
シュヴェルトライテ:中島郁子
ヘルムヴィーゲ:平井香織
ジークルーネ:小泉詠子
グリムゲルデ:金子美香
ロスヴァイセ:田村由貴絵

大野和士指揮/東京交響楽団
ゲッツ・フリードリッヒ演出

大野指揮の最終日に行ってきた。全体の最終日は城谷正博さんという人(ワーグナーのスペシャリストらしく、この日もプロンプターをされていた)で、大野さんを別に選んだわけではない。そもそも飯守さんが振るはずだったので券を取り、そのあと新国立のサイトを見て、指揮者変更を知った次第。

あー だって、休日の行ける日がこの日で、S席が一個しか残ってなかったんだもん。しょうがないよねえ。だもんで、たまたま誰かキャンセルしたと思しき1階席のまあまあ良席をゲット。

ところで(話はそれるので、いらん人は飛ばして)。

いつもTwitterで鑑賞の前でも後でも感想を検索するけれど、「ワルキューレ」とだけ入れても(今回とくに)なかなか該当の感想にたどり着かず。まあいつもの・・・アニメかマンガかゲームの関係でしょ、って思ったけど、今回は「何がこんなにワルキューレ?」と疑問に思いチェック。何でも、「終末のワルキューレ」というマンガがアニメ化されるってのと、アニメ「マクロスΔ(デルタ)」に登場する少女戦士のグループ「ワルキューレ」がオンラインライブのようなことをやってたらしい。

「終末のワルキューレ」はマンガの第1巻だけ読んだ(無料だったので)。ざっくりとした筋書は、「世界のかみさま」が大集合して人類の終末を決めるが、そこへ元神様で今は人間の(マンガでは半神半人のようだが)ブリュンヒルデが登場し、「一番強い神様と一番強い人類を何人か選んで、戦わせればよくね?」的な意見を述べ、順々に戦わせるっていうバトル漫画だな、たぶん。ヴォータン(オーディン)も出てくる。

「マクロスΔ」はアニメの第1回と第2回だけ見た。西暦2067年、人類が奇病に侵され、それを救うために作られた戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の活躍の話。「ワルキューレ」に憧れて入団する少女はりんご農園?の娘でフレイアって名前で(フライアのこと?)、何か特別な力を発するときに「ルン」と言われるものが頭から出てくるので(ルーンのこと?)、「リング」関係がよくわかってるとなるほどなって思う。製作者はワグネリアン?

ルンがピカッと光ったら」は名曲。これはワルキューレの声優さんたちが歌っている。

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さて新国立のワルキューレだが。

ご存知の通り、指揮者がかわり、コロナ禍のためにほとんどの外国人歌手が来日不可能。日本ではよくワーグナーを歌う東京二期会の歌手の方々はびわ湖「ローエングリン」に出稼ぎに行ってたせいか、なんと普段はワーグナー歌わん藤原歌劇団からジークムント&ジークリンデをキャスティング。

ブリュンヒルデは先日二期会「タンホイザー」でヴェーヌスを歌った池田さん、フンディングがヘルマン歌ってた長谷川さん、ヴォータンは関西でたまたまワーグナー・コンサートに出演してたクプファー=ラディツキーさんを引き留めキャスティング。予定通りなのはフリッカの藤村さんとワルキューレの皆さん・・・かな。

しかも。ぎりぎりまでジークムント役は決まらず。「このぶんだと公演まで発表なくて、舞台に出てきて『おお、この歌手だったのか!』ってゲリラ発表だったら面白いかも」って思ったけど、1~2週間前くらいにやっと発表。1幕と2幕は別の歌手が歌うと。

ご覧になった方々のTwitterの感想を見てて、「第1幕を歌った村上さんがかなり不調で、第2幕の秋谷さんに交代すると突然良くなる」みたいな印象だったけど、(かばうわけではないけど)そもそも村上さんは「ボエーム」のロドルフォを歌うようなリリックテノールである。秋谷さんよりもきめ細かやかな表現では優れていたと思うし、個人的には好きな声なのでスタミナ切れが残念だけどそんなに不調でもなかったと思う。

秋谷さんのスタミナと村上さんの表現力を足して2で割ったらちょうどいいんじゃないかな(←無理)。

それとあと、イレギュラーなのはオケで、普段ワーグナー上演ではぎゅうぎゅうトレイン状態のオケピット人数を減らすために、小劇場・中劇場用に作られた「アッバス版」を使用。金管・木管楽器はいろんなパートを吹いたりするからかなり大変そう。(子供のころ読んだマーラーの伝記で、マーラーが駆け出しの頃地方の小劇場の指揮者で、それこそ人手不足で歌手も楽員もいろいろなパートを掛け持ちしてたみたいなことが書いてあったんで、それを思い出した)

残念ながら1階席のためオケピットは全く見えなかったが、耳で聞いてもやっぱり弦は薄い印象。ただ、それがいい事もあって、日本人はやっぱり声量が足りない人が多いので、縮小編成のせいでオケにかき消されることがあまりなかったこと、あと(個人の印象だが)普段はあまり目立たない木管楽器がよく聴こえて、とくにオーボエのソロが素晴らしくてブリュンヒルデが切々と歌うところなどすごくよかった。

まあ、そんなこんなで色々とアクシデントが多い公演であった。第1幕は日本人しか出てこないせいか何故か「ワーグナーというよりはNHKの朝の連続テレビ小説みたいだ。ジークムントはテルヲ?」と思った。

第2幕から突然「ああ、私は新国立劇場にワーグナーを観に来ているのね」という実感が湧く。ヴォータン役のクプファー=ラデツキーさんは新国立の「フィデリオ」の時のドン・ピツァロで見ていたのだが、その時はどうもあんまりよい印象ではなかったようで(自分の感想を見ると)、どうかなって思ったけど、素晴らしかった。自分の今まで観てきたヴォータンの中で最も泣き虫だった。

ブリュンヒルデの池田さんは。日本人キャストの中でもかなり小柄な方なのに、声のパワーは相変わらず。びわ湖「神々の黄昏」では(まあ、ブルーレイですけどね)ワーグナーオペラでは珍しい「恋する女」を巧みに演じられていたけれど、「ワルキューレ」ではジークフリートに出会う前の「まだ色恋も知らん乙女」で「強いいくさ乙女」というよりはあくまでヴォータンの娘であるちっちゃな可愛いブリュンヒルデを歌い、演じられた。

第2ヒロインであるジークリンデの小林さんは、もちろん初めて聴いたのだけど、初役とは思えない堂々たる声でとても感動した。今回のカヴァーであるオルトリンデで出演されてた増田のり子さんを思い出した。前に二期会で歌われた彼女のジークリンデもよかったなあ。

(小林さんは5月に上演予定の新国立劇場「ドン・カルロ」でエリザベッタを代役で歌われるそうです。ついでにエボリ公女を藤村さんとか・・・ないか。)

藤村さんはいつもの・・・いつもの通り。ドイツ人みたいな歌いぶり。押しが強い。気品たっぷりなのに怖い。藤村さんの出演部分だけバイロイト。前の新国のフリッカはツィトコーワたんだったので全然違うキャラクター。

二期会での「ワルキューレ」でもフンディング歌った長谷川さん。流石の貫禄。演出のせいか怖い。悪い顔選手権に出そう。普段はいい人そうなのに。

さて、ご存知の通り昨日の上演中にかなり大きな地震が東北地方に発生。オペラパレスちほーも結構ゆらゆら揺れた。ちょうど激しいワルキューレの騎行の時だったので、ディズニーのアトラクションみたいに感じが出てて良かった(←そんな物騒な)。我々観客はちょっと「地震?地震?」ときょろきょろしたりしてたけど、なんも気にせず上演は続けられた。(その昔バイロイトの「神々の黄昏」上演中に丁度いいタイミングで雷が鳴ったってのがあってだな・・・)

第3幕最後の最後、ややオケは音量はいつもよりは弱かったものの、やっぱりヴォータンとブリュンヒルデの別れのシーンは本当に素晴らしく(ブリュンヒルデよりヴォータンが泣いてるのは新しい)、わたし的にはマスク着用での鼻水だらだらは本当に辛くて・・・。私の周りの観客のみなさん、鼻すすってうるさくてすいませんでした。まあ、周りも結構泣いてたけど。

カーテンコールは何度も続き、スタンディングオベーション。池田さんちょこまかして可愛いなあ。こんな急場を凌いだ大野さんの指揮も素晴らしかった(小編成を補うティンパニードカドカがちょっと気になったけどしょうがないかな)。残り一回の城谷さんもどんなかな。聴いてみたかったなあ。

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2021年2月21日 (日曜日)

二期会/ワーグナー「タンホイザー」(千秋楽)

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ワーグナー:歌劇「タンホイザー」(パリ版準拠・一部ドレスデン版にて上演)
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
合唱:二期会合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団

原演出:キース・ウォーナー
演出補:ドロテア・キルシュバウム
装置:ボリス・クドルチカ
衣裳:カスパー・グラーナー
照明:ジョン・ビショップ
映像:ミコワイ・モレンダ
合唱指揮:三澤洋史
演出助手:島田彌六
舞台監督:幸泉浩司
公演監督:佐々木典子

ヘルマン:長谷川 顯
タンホイザー:芹澤佳通
ヴォルフラム:清水勇磨
ヴァルター:高野二郎
ビーテロルフ:近藤 圭
ハインリヒ:高柳 圭
ラインマル:金子慧一
エリーザベト:竹多倫子
ヴェーヌス:池田香織
牧童:牧野元美
4人の小姓:横森由衣、金治久美子、実川裕紀、長田惟子
(2月21日 東京文化会館大ホール)

千秋楽にやっと参戦。コロナ禍で最初の予定の指揮者のアクセル・コーバーが来日できなかったので、ちょうど読響のコンサートのために滞在中のヴァイグレが代役を買って出て下さった。コーバーはバイロイトでも振ってる指揮者だけど、正直あんまり知らなかった(ウィーン国立歌劇場のネット配信でリングを聴いた程度)んで、あたし的にはどっちでもよかった。

ヴァイグレのワーグナーは以前、春祭でのマイスタージンガーで聴いたけれど、やけにあっさりした指揮だったので「この人のワーグナーとは相性悪いかも」って思ってた。(音楽監督やってるフランクフルトのリングのDVDは良かったけど)

しかし。

ふたを開けてみると、Twitterでは大評判。そもそも読響はワーグナーに定評があったから、よい演奏になることは想像がついたけれど、とんでもない大名演・・・みたいな感想で溢れてた。なので、かなり期待してた。

演出は、キース・ウォーナー。あの「トーキョー・リング」の演出家だが、あのようなキッチュで面白い演出ではない。以前、コヴェントガーデンのウォーナー演出の「ワルキューレ」を映画館で見て、やっぱり新国のとは全然違ったので「あの新国のやつは特別だったのかな」って思った。

ただ、舞台美術は違ってもその演出家にはいつも共通した何かがあるような・・・気がするんだよね。ウォーナーは何故か・・・いつもハシゴがあるイメージ。(「トーキョー・リング」の「神々の黄昏」の最初のノルンの場面とか、コヴェントガーデンの「ワルキューレ」にもあった)

今回も絶対ハシゴあるよ!って思ったけど、アレ、舞台中央にある籠みたいなやつ、最後にタンホイザーが昇って行ったからやっぱりハシゴだよね、って誰も共感しなそうだけど自分で納得してた。

で、今回の舞台美術の特徴は、名画みたいなのが何回か出てくるってことかな。舞台の後方に「額縁」的なものがあって、幕開けに「ボッティチェルリかなんかの絵画かな?」って思ってたのが実はヴェーヌスベルクのダンサーが静止してて、音楽とともに踊りだすんだよね。あれはすげーかっこいいなって思った。

あと、タンホイザーが人間界に帰ってきて、領主ヘルマンとかが登場するシーンは、レンブラントの「夜警」の絵を思い出す感じだったし、第3幕の最後にヴェーヌスがはだかのダンサーたちと登場する場面は、ワグネリアンで有名な画家ジャン・デルヴィルの絵画(たくさんの裸の肉体が踊ったりからまったりしてるやつ)ちょっと思わせたな。

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まあ、演出はよくわからないところも若干あったけど(あの男の子は結局何?とか)、全体的に美しくてとても良かった。ダンサーとか合唱団が椅子を舞台上で運んだりなかなか大変そうだなと思った。

歌手は。ダブルキャストだもんでもう一つのほうの歌手の出来栄えは知らんのだけど。今日出演の歌手の皆さんは平均すればかなり良かったと思った。まあ、池田香織さんを目当てに券取ったものの、大沼さんのヴォルフラムも捨てがたく「どうしようかな~」とは思ったものの、私が観た組のヴォルフラムの清水さんも美声でとてもよかった。っていうか全然初めて聴く歌手さんだけど、知れて良かった。

あと、エリザベート役の竹多さんも初めて聴く歌手だったけど、美声だし声量があってすごくよかった。第3幕のエリザベートとヴォルフラムのシーンはとても切ないものなのだけど、二人とも美声で素敵なアリアを聴かせてくれて、ホロリときた。いいなあって思った。そして俺たちのカオリンは言うまでもなく素晴らしい。いつも素晴らしい。何を歌っても素晴らしい。

ところで、私自身はあんまり「タンホイザー」てオペラはワーグナーの中ではあんまり好きじゃなくて、今回観たのはたったの4回目なんだけど、オケと指揮と合唱が素晴らしすぎて、急に遠い昔に観た初めての「タンホイザー」を思い出した。シノーポリのバイロイト音楽祭の引越し公演のね。シェリル・スチューダーの名唱とか、男声合唱団の身振りとか、第2幕の突然遠くから聞こえる合唱とかが急に私の脳裏に蘇った。そして見事にピッチの揃った二期会の合唱団は、あのノルベルト・バラッチュ指揮の祝祭合唱団を思い出した。そのくらい、凄かった。さすがバイロイトで研鑽を積んだ三澤さんのご指導だけある。

しかし、一番凄かったのは言うまでもなくヴァイグレ指揮の読響。流石に常任指揮者だけあって、ヴァイグレがちょっと振って、ちょっと表情を付けるだけで、読響の「こんなですか?」みたいな感じで凄い表現豊かな音楽が繰り広げられる(今回は指揮者とオケが比較的よく見える席だったので良かった)。いやもう見事というしかない。正直ちょっといつも退屈だなって(私は)思ってる「ローマ語り」も、金管楽器の表情がすごく豊かで、全然退屈じゃなかった。

上演が終わったとたんにオケの人々が大拍手してて、それは珍しいなって思ったけど、この上演を救ってくれたヴァイグレへの感謝の気持ちもあったと思う。いや、二期会も私たち聴衆もどんなに感謝していることか。しかもこんな高い水準の演奏で。もちろん私もスタンディング・オベーション。

比べるのも申し訳ないけれど、おととし聴いた新国立劇場の「タンホイザー」よりも数段感銘深いものだった。新国は世界レベルの歌手だったにもかかわらず、全然今日のほうが演奏は素晴らしかったし、感動した。指揮者が違うとこんなに違うのか・・・というか作品に対する向き合い方(もしかして東洋の島国の団体に対する向き合い方かな?)が違ったのかも、と思った。ヴァイグレは日本の団体をリスペクトしてくれているからなのかも。

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2020年7月25日 (土曜日)

シュトゥットガルト歌劇場「神々の黄昏」(ネット視聴)

ワーグナー:「神々の黄昏」

Chor: Ulrich Eistert • Musikalische Leitung: Lothar Zagrosek • Regie: Peter Konwitschny • Bühne und Kostüm: Bert Neumann • Licht: Lothar Baumgarte • Dramaturgie: Werner Hintze, Juliane Votteler

Siegfried: Albert Bonnema • Gunther: Hernan Iturralde • Alberich: Franz-Josef Kapellmann • Hagen: Ruland Bracht • Brünnhilde: Luana DeVol • Gutrune: Eva-Maria Westbroek • Waltraute: Tichina Vaughn • Te three Norns: Janet Collins, Lani Poulson, Sue Tachell • Woglinde: Helga Ros Indridadóttir • Wellgunde: Sahrah Castle • Flossilde: Janet Collins • A Bear: Manuel Garcia
Staatsocherester Stuttgart
Staatsopernchor Stuttgart

シュトゥットガルト歌劇場のカミタソなので、てっきり石野繁生さんがグンターで出るのかと期待していたが出てなかった(がっかり)。でも、ずいぶん昔に「影のない女」の皇后で来日したルアナ・デヴォルがブリュンヒルデ、ウェストブロックのグートルーネということなので全部観ることに。途中洗濯したり料理したりで画面見てないところもあるけど。

このリングの他のはワルキューレしか観てないので「ドイツらしいよくわからん演出」という見識で観てたが、なんか一貫性がないなと思ったらどうも全部ちがう演出家らしい。今回はコンヴィチュニーの息子の演出。観客はこういうのに慣れているようで「ハア?」という感じでもなくブーもなく、拍手喝さいでスタンディングオベーションの客もいた。

そうですか。

最初のほうは「まあこんなもんかな」みたいな感じで見てたが、「いやあ・・・なにこれ」と思うのは最後の最後の自己犠牲で。あの長いアリアの途中で、死んでたはずのジークフリートが「あ、アレ?」ってな感じで起き上がり、指環をブリュンヒルデに渡してすたすたと退場。それからどうするのかな?と思ったら幕が降り、(ドイツ語なのでわからないけど、字面から見てたぶん)字幕でこれから起こることをつらつらと説明してあって、曲が終わるまで幕はあがることはなく。その間観客の表情をずっと画面で映していた。

最後のシーンが肝心なのではないのか。これいらないのか。こーゆー「おのおのの解釈に任せる」的なしたり顔の演出がだいっきらいである。ドイツ人ってなんで・・・。

途中途中は面白いところもあったんだけどな。グートルーネとジークフリートがエプロンしてケーキ焼いてたり・・・。

歌手は全体的にはまあまあ。女声はうまい。ルアナ・デヴォルの歌声が懐かしい(うるっ)。ダイナマイト・ボディのウェストブロックも相変わらず美しかった(ちょっとでっかいけど)。ジークフリートは最初のほうは「なんか・・・声が昔ながらのジークフリート・・・かな?」と思ったけど、グンターの家でスーツに着替えさせられてとたんに良くなった。顔はちょっとルネ・コロに似てるなと思った。声は残念ながら全く似てない。

びっくりしたのが(まあ大体びっくりなんだけど)、ヴォーンさんとかいう歌手がワルトラウテやってたんだけど、天井から釣り下がって出てきた。それがまあすっごい太ってた(120キロくらいありそう)んで、あれをささえる綱?針金は相当強いな、と思った。黒人さんらしく深い声でよかった。

退廃シリーズでお馴染みのツァグロゼクはよく盛り上げていたし、いい指揮だった。演出がああ・・・と思わなければ平均的によい上演だったのでは。なお、DVDで発売されてる模様。


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本当なら、東京オリンピックだったはずなのだが。4連休は東京者らしくほぼ出かけず。友人から飲みの誘いがLINEであったが、こっちから返事を出す前に断ってきた。はあ、まあ・・・この時期に外飲みは危険。マスクせずに人としゃべるなんてできない。

ゴロゴロしているのも何なので、「もうすぐ会社の健康診断だから、ダイエットでもしようかな」と思い「在庫ロス掲示板」で見かけて気になってた「ヘルシーこんにゃくお楽しみセット」を購入。こんにゃくラーメンとかうどんとか、カロリーゼロのフルーツゼリーとかのセットである。しかし、注文してもすぐ届くわけではないので、届くまでの間のぶんをカルディや業務スーパーで買ってきた。実は業スーでもお取り寄せと同じものは売っているのだが(しかも安い)、お取り寄せのと違いあまりバリエーションがないし、何よりコンニャクは大変重いので(たくさん買うと)、やはりお取り寄せが正解。

わりと普通に美味しいのはカルディのこんにゃくそうめん。そうめんとしてではなく、ベトナムのフォーみたいにして食べるのにハマっている。ちゃんと鶏むね肉をお湯でゆでて、すうぷを取ってナンプラーとか入れて、具は干ししいたけともやしとカイワレなど。歯ごたえにこんにゃくっぽさは若干あるものの、おいしい。カロリーはほとんど気にしなくっていい(まあ、にわとりはカロリーちょっとはあるけどな)。最近のこんにゃく麺はほとんどこんにゃく臭くない。

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あと、普通の板こんにゃくと黒毛和牛(豊洲市場から取り寄せたシャトーブリアンのオマケでついてたちっさいやつ)2切れを一緒に焼いて、コンニャクに黒毛和牛の味をうつしてこんにゃくステーキにして食べたがなかなか美味しかった。まあこんにゃくだけ焼いて「ビーフステーキですう」と言って食べるのはなかなか難しいもんでな。

いつかこんにゃくパークにも行ってみたい。 


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手作りマスクを手縫いしている半沢直樹。「ひと針縫ったら、ひと針の半分返す、半返しだ!」


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2020年7月12日 (日曜日)

METライヴビューイング/さまよえるオランダ人

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ワレリー・ゲルギエフ指揮
フランソワ・ジラール演出
出演:エフゲニー・ニキティン、アニヤ・カンペ 、藤村実穂子 、フランツ・ヨーゼフ=ゼーリヒ、セルゲイ・スコロホドフ 、デイヴィッド・ポルティッヨ
メトロポリタン歌劇場
上映時間:2時間28分(休憩なし)
MET上演日:2020年3月10日(当初の3月14日から変更)
言語:ドイツ語

アグリッピーナに続き、鑑賞。どっちかというとアグリッピーナは観る予定なくてオランダ人は当然観る予定ではあった(藤村さん出るから)。ずいぶん公開は伸びていたようだが。

アグリッピーナに行った時は平日だったので観客は10人くらいだったが、昨日は土曜日だったのでまあまあ人は入っていた。小さめのホールで前3列くらい開けてほとんど入ってた感じ。でも、ご存知の通り映画館は千鳥格子状にしか座れないので、そんなに一杯な感じではない。隣に人はいないので、普通に映画を観るよりは快適・・・。と、うまくいけばいいのだがそんなでもなく。

一席開けて隣に座って男性が(たまーにそういう人いる)普通に「生活音がうるさい人」で。「んっ」とか「むむっ」とかたまにでちゃう人いるでしょ、病気とまではいかなくても。恒常的に咳払いする人とか。なんで、若干気になってしまった。ワーグナーじゃなければそんなでもないんだけど。

さて内容。演出はまあ、とにかくよく踊るなという印象。若干長い?あの序曲中も、ゼンタ(の替え玉のダンサー)がイナバウワーばりにのけぞりながら踊っている。アメリカ人はこんな序曲の間でも退屈なんだろうか。あと、女声の合唱の「ぶんぶん回れ糸車」のときも、糸車を回すような振付で踊っている。糸は上からロープがたくさん降りていてそれをもってぐるぐる振り回したりする。ぱっと見芥川の「蜘蛛の糸」みたいな感じか。

だが、まあメトは(ドイツの歌劇場みたいに)へんな演出はないので、安心して観られる。ぜんぜん普通である。演奏もゲルギエフだからすげえなあっていうほどでもなく、普通に良かった。歌手も平均的に良かった。カンペがメト初出演なのはびっくりだが、その昔観たリスベート・バルスレフのだんだん狂気を帯びてくる歌唱・演技がいまだに頭にあるので、ゼンタは意外とおとなしい印象。いつもながらゼンタのお父さんは(「フィデリオ」のマルツェリーネのお父さんとともに)「目的は金かよ!!」と思ってしまうけど、しょうがないのかな。エリックももうちょっとお金もちだったらね。

それにしても、藤村実穂子さんのマリーはもったいない・・・歌うとこ少ない・・・。ドイツやウィーンだったらマリーはないわ。次は「トリスタン」のブランゲーネとか歌って欲しい。「神々の黄昏」のヴァルトラウテもいいな。いやもう、実穂子さんの実演がまた観たいな。

オペラのほんものはいつになったら見られるのかな。こんなふうに映画もいいけれど、やはり思い切り拍手したりブラボーしたりしたいものである。

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家に帰って(演目的になんか物足りなさを感じて)、シュトゥットガルト歌劇場の「ワルキューレ」を鑑賞。「ラインの黄金」はなんか駅のトイレ?みたいな噴水みたいなところにたむろしてる娼婦みたいなラインの乙女たちに辟易して結局全部観なかった。「ワルキューレ」もいかにも「ドイツらしい」演出だし、デノケのジークリンデもベーレのブリュンヒルデもいかにもドイツのおばはん的なショートカットの髪型で可愛くもなんともない。映像見なければそんなに気にはならないのかもだが。ひところサヴァリッシュとともによく日本に来てくれてたヤン・ヘンドリック・ロータリングがヴォータンで、なんか懐かしかった。「ヴォータンの別れ」は何故かリモートで行われており抱擁もキスもなく、テレビ画面ごしの別れ。ソーシャルディスタンスか?「神々の黄昏」は石野さんは出演するのかな。

今夜はBSでウィーン国立歌劇場の「影のない女」の放映なので、ちゃんと録画できればいいな。

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2020年7月 5日 (日曜日)

びわ湖リング Blu-ray到着

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先月予約しておいた「びわ湖リング」が昨日届いた。「不良品があれば7日以内にご連絡を」とのことだったので、到着日に3月7日全曲と8日の半分くらいを見た。不良品ではないことを確認。(石野さんと池田さんが好きなので迷わず両方購入)

考えてみると、日本人の演ずるオペラの映像を買ったのは初めてだ。そもそも発売されたことあるんだろうか。無観客公演をDVD化するという提案(追加ギャラなしで)に反対した出演者は誰もいなかったということらしいが、考えてみると自分の一番いい時期の歌唱と演技を残してくれるなら、それはそれで歌手としては有難いことだと思うんじゃないかな。日本で活躍している歌手ならばなおのこと。石野さんなど海外のオペラハウスの専属ならば、まあ映像化はあるとは思うけど(コロナのお蔭でシュトゥットガルトから配信されてるのを見るし)。新国立劇場や二期会でさえ、映像ソフトは発売されているのを私は見たことないので(一般発売じゃなかったらもしかしてあるのかな?)、こんなにいい機会はないだろう。しかも神々の黄昏で。

届いたブルーレイは流石に映像が美しく、音も生配信とはくらべものにならないくらい良かった。しかしなんだろう、私は「びわ湖リング」の生の舞台を一度も観ないで終わってしまったもので、このカミタソの映像は「ホントにこれ舞台でやってるの?」くらいの恐ろしい違和感。まるで特撮の映画みたいである。ワルトラウテはちゃんと馬に乗って飛んでくるし、ラインの乙女はちゃんと泳いでるし。なんかもう・・・オペラ上演とは異質の、何か違うジャンルの新しいカルチャーみたいな。古いのに新しい。ワーグナーの頭の中にあった映像がここにある。

日本語の対訳がデフォルトで出てくる(英語とか中国語とか選べない)ので、残念ながら英語圏の人は英語の対訳を観ることはできないのだけど、それでも海外の人に広く見せてあげたいな。例えば上野のハルサイの時のリングだってわざわざ中国からいらっしゃった方もいたし。

まだ全部観てはいないのだけど。歌手の印象としては7日はベテランの味(ブリュンヒルデ以外は)、8日は若さあふれる感じ。ブリュンヒルデは(全く私の印象だから異論は認めるけど)ミュターさんはヴァルナイ系、池田さんはリゲンツァ系かな。グンターとハーゲンは圧倒的に石野さんと妻屋さんが素晴らしい(いやこれ世界に誇れる歌唱でしょ)けど、8日組も若々しくてカッコイイです。どっち買うか迷っている方は、どっちを買っても多分後悔はないと思うけど、必ず「両方買えばよかったかな・・・」という気持ちになると思うよ。


あ、選挙は行きましたよ。当たり前じゃないですか。福島県民の血を引く者としては。

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