2023年9月23日 (土曜日)

テート美術館展 国立新美術館

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乃木坂の国立新美術館にて開催中のテート美術館展に昨日行ってきた。会社が振替休日だったので、平日とあってすぐ入れた。中はまあまあの人の入り。

テート美術館はロンドンに友人がいた時に、旅行の際に行ったのだが、その頃はあまりイギリスの画家に興味がなかったもので、バーン=ジョーンズやウィリアム・ブレイク、ジョン・エヴァレット・ミレイなどの独特な作風に魅了されたものだった。そして何よりターナーの素晴らしさが一番印象に残っている。ターナーの巨大で光り輝く海の絵の数々は、どうしても日本に持ってくるのは難しいようで、こればっかりはロンドンに行って見てね、というしかない(まるでエルガーやディーリアスの声楽の大曲を思わせる美しさ)

今回の展覧会もターナーは何点か来ていたし素晴らしかったけど、やはり小品になるのでやはり少し物足りない。

光をテーマにした展示という事で、バウハウス関係のモホリナジや現代の作家まで網羅していて興味深いものであった。

(実は長年使っていたパソコンが◾️んでる。ブログ以外家では使わないので買い替える気がない。この文も携帯で打ってる状態。アップ後の画面を確認する術がないのでフォントや改行などお見苦しいと思いますが、どうかご容赦ください。)

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2023年3月26日 (日曜日)

「重要文化財の秘密」展 東京国立近代美術館

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金曜日に急に思い立って有休を取り(この展覧会に行くためではなく、なんとなく疲れちゃったので)重要文化財の秘密展に行ってきた。明治以降に重文に指定された作品を展示するという催し(全部じゃないけど)。教科書に載ってる作品ばかりかと思いきや、初めてみる作品もわりとあった。会期途中に作品の入れ替えがあるらしく、目当てにしていた黒猫ちゃんには会えず。

重文といえど、最初から傑作との誉の高かった作品ばかりではなく、公募展でも成績は下の方とか、発表時は表現が新しすぎて世間が付いていけなかったりとか、そんな作品も多かった。まあ、そのくらい新しい表現方法でないと将来の美術史に残っていかないのであろう。かなり昔の作品なのに重文になったのは結構最近、なんて作品もちらほら。

例えば、以前知らなかったけど山田吾郎さんのYouTubeで知った「騎龍観音」は最初は「龍に乗っててサーカスの女みたい」な評もあったらしいが、正直言うと現代の私から見ても結構異様な感じではあった。
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(原田直次郎 騎龍観音 1890年)

この日は平日の金曜日にもかかわらず、朝イチは空いてたけど11時くらいからかなり混んできた。もしかして近隣の皇居の花見も兼ねての人も多かったのかな。

場内は撮影可・SNS可の作品もあり、みんなバシバシ撮っていた。しかし、わざわざ音声ガイド(前に行った「ポンペイ」の時にアプリを入れてあったので)を購入したのに、私の携帯のせいなのかWi-Fiがイマイチで音声が途切れ途切れなのは残念だった。800円もしたのにさー。

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(安田靫彦 黄瀬川陣 1940/1941 部分)
なんか侍ジャパンて感じ。ちょっと村上に似てるなとか思った(←気のせい)。

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(高橋由一 鮭 1877)
この絵を見ると鮭茶漬けが食べたくなる。

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(初代宮川香山 褐釉蟹貼付台付鉢 1881 部分)
これさ、鍋で湯がくと真っ赤になってきっと美味しいだろうね・・・と思うほどリアル蟹だった。

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(中村彝 エロシェンコ氏の像 1920)
全くどうでもいい話なんだけど、「つね」って漢字が難しいのでググったら全然違う人の写真(中邑真輔さんというプロレスラー)が出てきてびっくりした。

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(和田三造 南風 1907)
突然のいい体。筋肉は裏切らない。パワー!

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(高村光雲 老猿 1893)
この作品を作るために栃木の山から大木を切ってきたとか、知り合いに猿を借りたみたいなことが解説されていた。いやほんとに毛並みとか細かい。

常設展も全部鑑賞し(常設展には岡本太郎や藤田嗣治の絵があったり面白かった。修復に関する展示に「なんでも鑑定団」に出ててそれを美術館が買い取ったと思しき絵があった。)、近隣でとろ玉うどんを食べて(卵が不足している中、ちょっと貴重。美味しかったなあ)花見へ。しかし意外と桜の名所の千鳥ヶ淵公園は遠く、万歩計を見たらこの日は12000歩ほど歩いていた。いい運動。

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2023年1月28日 (土曜日)

エゴン・シーレ展(東京都美術館)

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一昨日から開催のエゴン・シーレ展に行ってきた。有休を取り(会社で取らされた、が正しい)金曜日の午前中であったがそこそこ混んでた。制服姿のJCが多く見受けられたのは意外。遠足かな修学旅行かな? 18歳以下の人は期間中は無料で入場できるそうなので(大学生・専門学校生は2月9日まで無料)、学生さんは行くべき。画家の死後、ウィーンの眼医者ルドルフ・レオポルド氏が集め始めているころはどうも春画扱いだったようなので、エロティックなデッサンが多いシーレではあるけど、小中高の学生さんに見せられないようなえっちい絵の展示はないのでご安心を(わたしがそう思ってるだけかもだが)。

シーレの絵は、日本で開催されるウィーン分離派展だのクリムト展だのはだいたい行くので、今回展示されてたシーレで見たことある絵は7割ほど。しかも本家のレオポルド美術館も行ったし、おまけに学生時代にシーレの伝記映画まで観てる。ただ、展覧会のチラシやポスターになってる自画像と並んで(前に見た時は)飾られるはずの「ヴァリーの肖像」の展示がない。ウィーンに絵を見に通うような人にはちょっと物足りないかもだが、初めてシーレの本物に触れるにはまあちょうどいい感じ。いつかウィーンに行って本物のクリムトやシーレを見たり、あの分離派館の建物を見たり入口のカメさんの彫刻を見るのを楽しみにすればよいと思う。

シーレ以外の周辺の画家の絵がまあまああり。しかし、アルマ・マーラーの愛人として名高いココシュカの展示があるというので「もしかして、『風の花嫁』あるかなー」と期待したが、なかった(「風の花嫁」はアルマと画家本人を描いた作品)。まあ、レオポルド美術館にないんだもん、こないよね。

見れて良かったのは、シェーンベルクの絵の先生でシェーンベルクの嫁と恋に落ちて結局自殺しちゃったゲルストルが描いた、アルバン・ベルクの妹のスマラグダの肖像。いやこの絵の存在さえ知らんかったわ。これのためだけにいつもは買わない図録買いましたわ。お陰で帰る道中重かった。こんな立派な画集、3500円はお買い得と思う。印刷なんでやっぱり色に難ありだけどまあ、それはしょうがないかな(元印刷業界勤務なんで)。読み物は豊富。他にTシャツ(比較的ぱっと見シーレっぽくないもの)とドリップコーヒーを購入。コーヒーは猿田彦コーヒーのものだが、5パックぜんぶ違う絵のパックになっており、入れ替えて飾れるようになっている。お土産用に一枚一枚配るより自分で飾って楽しみたい。絵葉書や一筆箋を買っても結局使わないし。

なお、風景画のコーナーだけ撮影可。大好きな「冬の木」の絵が撮影できて嬉しい。

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東京は午後は雪との予報だったので頑張って午前中に行ったのに、別に降らず。鑑賞後、重い図録を持って街を歩きたくなく、いつもの寿司屋には行かず。お昼ご飯は初めて駅構内の「東京じゃんがらラーメン」にて喫食。なんか私の思うとんこつラーメンより幾分さっぱりしてた。食べログではここより点数の低い一蘭や一風堂のほうが好きかも。食べログの点数ってようわからん。

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パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂(アーティゾン美術館)

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もう先週の話になってしまったが(土曜日)、京橋のアーティゾン美術館で開催中の「パリ・オペラ座展に行ってきた。パリのオペラ座は行った事ないのだけど、前もって想像していたより展示はかなり充実しており、16時に入って18時の終了時間までいたが時間が足りなかった。私は アーティゾン美術館は二度目なんでいいんだけど、一緒に見に行った友人は初めてだったのに常設展は見れず。気の毒。

ウィーン国立歌劇場には行った事何回かあるのでその時も思ったけど、外見も内装も過度に豪華。巨大なデコレーションケーキみたいだ。日本の劇場も歌舞伎座もそこまで豪華じゃない。国の威厳を示す為なんかな?

この日展覧会見に来たお客様は、20代から30代のマドモワゼルたち、小学生のお嬢様連れのママン、あとは老夫婦という感じで、多分オペラ好きよりはバレエ好きが多い印象。私のように「ワーグナーだ!タンホイザーだワルキューレだ!」などと大喜びしている者は少ない(ワーグナー展示のところは空いていた)。やはりバレエの展示のほうが賑わっていた。

パリ・オペラ座と言っても、オペラよりバレエのほうが有名なんだろうなと改めて思った(そういえば、よっぽど好きな歌手が出ない限りわざわざパリにオペラを観に行ったりしない気がする)。タンホイザーのパリ版に嫌々バレエをつっこんだワーグナー・・・・。

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この歌劇場の長い歴史を見ると共に、リュリやグルックから始まる長いオペラの歴史を見るような素晴らしい展示であった。自他とも認める珍しいオペラ好きだが、名も知らぬ忘れられたオペラの名前をたくさん見かけた。まあ、上演されなくなっちゃうオペラには何らかの原因があるんだろうなあ。若干リヴァイバルがあったコルンゴルトの「死の都」に(マリエッタの一団が練習する場面がある)出てくる「悪魔のロベール」も、今ではたまに海外の歌劇場で取り上げられる程度のようだが、展示で見る限りかなり重要なレパートリーであったようだ。

↓入口の大画面テレビにより映し出された「悪魔のロベール」の一場面を描いた絵画。

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最後の方にあったバレエとオペラの映像を見る時間はちょっと残しておいたほうが良かったな、とあとで後悔。「優雅なインドの人々」と「椿姫」のぶっ飛び演出は流石のおフランス。まあ・・・現在のようろっぱでのオペラ演出は新国立とはくらべものにならんほど前衛的なんでしょうから、現地の人にとったら普通なんでしょうね。

帰りに友人とドイツビール屋で乾杯(SCHMATZというチェーン店のようだが飲みやすいビールだった)。いつかウィーン国立歌劇場に行こうぜって話をして盛り上がって解散。(パリじゃないのかい!)

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2022年12月25日 (日曜日)

毒展 / 国立科学博物館

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やっと年末調整業務が終わり、有給休暇を取った(取らされた)。前から興味があった毒展へ。水曜日だったので若干空いているかと思ったが、わりと混んでいた。攻めた展示だったが、さすがは科博。科学的で真面目な展示である(当たり前だが)。展示は動画や一部の展示以外は撮影可。モルヒネ(アヘン)の展示が何故か撮影不可だったのが印象的だった(注意されてた人を見たので)。麻薬だからかな?

前から「カエンタケ」に興味があり、本物を見てみたかったのでみれてよかった(何かの液に漬けてあって生きてる姿ではないけど)。カエンタケって真っ赤なきのこは手を触れただけで大変なことになる。ちょっとだけでも食べたらもう大変(タヒぬ)・・・。いつか生きている姿が見たい。もちろん触らないけど。

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あとは適当に印象に残ったもの。

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ゴエモンコシオリエビ。「硫化水素やメタンをエネルギーに変える細菌を腋毛に共成させ、餌として利用するヤドカリの仲間」だと。ふうん、腋毛ね。

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スベスベマンジュウガニ。美味しそうな名前なのに毒をお持ちで。テトロドトキシンを持っているとも言われているから、結構猛毒ね。蟹好きなので気を付けなくては。蟹もキノコも大好物なんだけどどっちも毒のある種類があるのね、と気づく。最近はエノキポン酢バターが大好きで毎日のように作って食べてる。

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19世紀の英国の医者で殺人者、ウィリアム・パーマー。「毒殺の王子」という別名だったらしいが、正直”王子って顔かよ”って思うわ。親戚や子供など保険をかけて何人も殺したそうな。手に入れた保険金を競馬ですってたらしいから、こういう人を知ると「性善説ってないな」って思う。ミステリーの本場イギリスらしく、この人をモデルにした小説もちらほら。

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いろいろな毒に利くお薬。興味があるというか、昔のパッケージや薬瓶を見るのが好きだ(変な趣味)。

グッズはいつものように充実していたが、何故かどれも惹かれず。「毒」とプリントのある毒まんじゅうがあり(もちろん毒など入ってない)、実家のお土産にしようとか一瞬思ったが、冗談が通じなそうな気がしたのでやめておいた。それに上野だったらもっと美味しいまんじゅう売ってそうだし。

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これは毒ではないけど、ランチで初めて行った寿司屋。これは1600円、茶わん蒸しと赤だしのお味噌汁がつく。これより安くて1200円で茶わん蒸しなしウニなしってのもあって次回はそれでもいいかな。お寿司とても美味しかったけどどうしてだろう、お水が合わなかったのかな、みそ汁の風味に少し違和感があった。それ以外はコスパ100点です。

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2022年10月23日 (日曜日)

岡本太郎展 東京都美術館

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金曜日の夜、給与計算が終了したのでネットで予約して参戦。さほど思い入れのない芸術家だけど平日もたいそう賑わっているという話なので金曜の8:00までやっているときを狙って行った。しかし、行列ができるほどではないがそこそこ観客はいた。中には小学生のお子さん連れのファミリーとかもわりといて楽しそうに写真を撮ったりしてたもんで、「芸術は爆発だ」を知らん世代でもずっと受け入れられる芸術家なんだなと思った。私も中学のときはクラスの悪男子たちと図書室でダリの画集見ながらガハハとか笑ってたりしてたからそんな感じの存在かな。

そうそう、この展覧会は写真撮ってもOK(自分で使用するためのみ)。そこかしこに流される映像は写真ダメ、動画は撮っちゃダメ、作品の上からの撮影はダメ(カメラをおっことして作品を傷つけたりしないため)などの制限はあったものの、とても珍しいなと思った。最近はコンサートのカーテンコールは撮影可になったりして驚いたけど、やはりこのご時世なのでSNSで拡散するのは良しとしているのだろう。

それにしても恐ろしい展示の数。一人でこんなに描いたり作ったりしたのか、と今さらながら驚く。子供の頃は「ビートたけしのアーティスト版みたいな人」などという認識であったが(まあ、タケちゃんだって今やコメディアンというよりアーティストだけど)、改めて映像を熱心に見ると日本版ピカソ+ダリみたいな感じに印象が変わる。

まあ、展覧会には岡本氏本人の年譜が展示されてたけど、まあなんというか・・・エキセントリックな人生なんだな。お父さんもお母さんもちょっとクセがすごすぎる。家庭環境があのような芸術家を生み出したのかなあと。母親の家が大金持ちだったというのもあったけど、家族でフランスに渡ったりとか・・・実家が太いの芸術家には大事。

最近たまたま渋谷に行く事が多いのだが(コンサートとか)、井の頭線に行く途中に岡本太郎のでっかい絵(明日の神話)が飾っていているも「でっかいな~どうやって(どこの会社が)運んだのかな」(←職業病)とか考えてしまう。会場では修復や除幕式の様子の映像も流された。さしずめ日本の「ゲルニカ」かな。また、近鉄バファローズ(昔の)の帽子の展示があり、「なんで?」と思ったけどあの牛のマークは岡本氏のデザインだったのだね。チュッパチャプスのロゴマークがダリなのを思い出す。

6:30くらいに入ったため時間がなく1時間くらいで速足でみたけど、ちゃんと見たら2時間くらいかかりそうである。また、グッズが「どうしたの?」と思うほど充実していた(みんな狂ったように買ってた)。展示の中のブラウスの柄が可愛いな、布があったら作りたいなって思ったけどそんなの売ってるはずはなく、同じ柄の手ぬぐいを購入。あと、タローマンのハンカチも買ったけど、人に見られたらドン引きされそうな感じだ。

場内に「座ることを拒否する椅子」の展示が何個かあったけど、みんな拒否されず普通に座ってたし、私も座った。あまり座り心地のいいものではないけど。あと、例によってカタログを買わなかったのだが、あとで出品リストを見返したら「大野外オペラ・ローエングリンのためのデザイン」などというものがあり、すっかり見逃していて後悔。ネットで探すと一応上演の画像は出てきた(個人のブログだったのでリンクしないけど)。砂原美智子さんのエルザ、高田信夫さんのローエングリンとのこと。観たかったな(生まれてない)。

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グラスの底に顔があったっていいじゃないか・・だっけ?

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↑座ることを拒否する椅子。

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2022年10月 1日 (土曜日)

装いの力―異性装の日本史 松濤美術館

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水曜日に無理やり有休を取り、「何か面白そうなものやってないかな」と思ってネットを見たら見つけた美術展。「ずいぶん攻めた企画だなあ」とは思ったものの、「平日だからガラガラだろうな」と勝手に思ってたけどそうでもなかった。私は午前中に入ったので第1展示室に入ったところで15人くらいの人がいたかなあ?と思ったけど、12時過ぎたらずいぶん人がいて大盛況だった。平日でこんなんだから土日はめっちゃ混んでるんだろうな。ちなみにこのご時世だが平日なら予約なしで入れる。

展示は第1展示室と第2展示室?に分かれており、第1展示室は能から歌舞伎までの日本における女装・男装の歴史であり、ヤマトタケルなどの日本の古典の書籍や着物から三人吉三などの歌舞伎の木版画など。前に三人吉三の舞台を見たなあ、あれはかっこよかったなあとかしみじみ思い出していた。勘三郎さん・橋之助さん(現・芝翫さん)・福助さんが三人の吉三を演じたんだったんだ。そうそう、女装の吉三が出てきたな。

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第二展示室は、明治時代?から現代までの女装・男装の歴史。今となっては別に女装や男装の人は普通に見かけるが、明治時代はよく男装の人が捕まったりしてたらしい(という新聞の切り抜き多数)。展示はLBGTの人の話ではなく(まあそういう人もいるんだろうけど)あくまで女装や男装が趣味だったり、芸術的視点からの異性装の歴史である。私は美術の学校に行ってたし、比較的そういう人も見かけたのでそんなに珍しいとも思わないのだけど、やっぱり女装の人が今や普通にテレビに出て違和感なくなっているのは結構最近かなって思う。美術学校時代のバイト先に女装の大学生の男の子がいて、よくカラオケ行ったりして楽しかったな、浴衣にハイヒールはいてきたりして。元気かな。おうちが料理屋さんで、舞の海さんがお店に取材にきてついでにサイン貰ったな。

自分の好きな美術家の村山知義さん(近隣に彼の美術館があり、行った事がある)の展示があったり、女優さん等の服装でセルフポートレートを作品としている森村泰昌さんなど。森村さんというととくに面識はないんだけど、昔通ってた美術学校のクラスメート(女)が前に通ってた関西の美大で先生が森村さんで、そのクラスメートが「男性ヌードを描きたい」とぽつりと言ったところ、「私を描きなさい」と目の前でするするっと服を脱ぎだしたって話をして驚愕したけど、作品を見ると「ありえるかな」とも思う。

色々な展示の中で、やっぱり衝撃的だったのが最後の最後の奥の部屋のドラァグクイーンの人々と思しき展示で。入口で「性的な表現も含む展示ですのでご了承ください」的な注意書きもあったけど、ドラァグクイーンとか最近気になってて面白かった。シャンソン歌手のシモーヌ深雪さんという人、独唱会とかあるのか(チラシを貰ってきた)。

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写真は写真を撮ってもいいスポット。一人で行ったので自分は撮れず。

他に興味深かった展示
・塩原温泉のおいらん清ちゃん。召集令状も来て軍服姿の写真もあった。
・女装のストリッパー。
・リボンの騎士、ベルサイユのばら、ストップ!!ひばりくん!の原稿(ベルばらは原画)
・昭和44年のピーターさんの主演映画「薔薇の葬列」の映像。最高にポップで美しい。
・女装趣味の人の専門誌「ひまわり」など。
区立の美術館でこんな攻めた企画は渋谷ならではなのかな。

12時半くらいに場内が老若男女で混んできたしお腹も空いたので、出ようとしたらロビーのベンチで水色ワイシャツ・灰色ズボンの制服姿の高校生男子が2人、楽しそうに談笑してたので、ずっと見ていたい気分になった。いや我慢したけど。

食べログで調べて点数の高いラーメン屋さんに。鶏そばラーメンTONARIさん。カウンター8席のみ。幸運なことにすぐ入れたがそのうち外で待つ人もあり。さっぱりした塩ラーメンを頂いた。美味しかった・・・でもなかなか神泉にまで行く事ないしな。

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女装とかではないんだけど、ちょっと前にYouTubeで見かけてものすごく気に入ってしょっちゅう観ている動画がある。レオナルド・ヴィンチという作曲家(レオナルド・ダ・ヴィンチとは無関係とか)のバロックオペラ「アルタセルセ」の中のアリア。このオペラはカウンターテノールが多数出演しみんななんか凄い化粧で衣装もキラキラしいのだが。実はAmazonで全曲DVDを注文したが、どうも海外に注文してしまったらしく(前にポーランドの100年のCD36枚組は無事届いたのに)いまだに届かない。日本で買えばよかったな。フランコ・ファジョーリさんうますぎる、いつか生で聴いてみたい。猫耳のフワフワカツラなのにカツラ脱ぐとM字ハゲのおっさんなのすごい。歌唱は高音から低音まで美しくてすごい。すべてが完璧。あまりにうますぎて最後に指揮者が笑っちゃうのも好き。

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2022年8月26日 (金曜日)

芸術✖️力 ボストン美術館展

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あったのかなかったのかわからないお盆休みの代わりに、今週は2日ほど有給休暇を取った。そのうち火曜日に上野のトビカンでやっているボストン美術館展へ。

しかし大失敗。乗り換えの山手線内で気が付いた。メガネ忘れた。取りに帰るのももうめんどうくさく、まあ悪いのは左目だけで(0.1ない)、右目は普通に見えるのでなんとかなるだろうと思って(予約もしてしまったし)そのまま行く事に。

ひさしぶりに回らないお寿司ランチ。ひところ築地に2度ほど行ってたのでやっぱり・・・やっぱりちょっと落ちるなあ。しかし築地は値段が倍したので仕方ない。近所のパック寿司よりはぜんぜん美味しい。

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さて東京都美術館。ボストン展はびっくりするくらい・・・空いていた。いや学生はバリバリ夏休みのはずだから混んでるだろうと思ったけど。人生リタイア組のおじいさん?または老夫婦が多かった。あと何人か「夏休みの宿題」らしきお子さんがメモを取ってたりとか。

まあ、空いているのはありがたい。めっちゃ混んでいたら絵画や説明に近寄ることもできないし、何も見えなかっただろうし。作品ごとにいちいち「ド近眼」っぽく超近寄って鑑賞。しかも作品を傷めぬよう、場内はものすごく暗かったため余計見えなかった。

展示品はなんというか・・・日本、エジプト、ヨーロッパ、インドと多岐にわたって展示されていたので・・・正直言って「私、何を見に来たのだろう」とぼんやりした気分でいた。ラストに飾ってあった増山雪斎という画家の日本画が、おそらく若冲と間違えたんだろう(私が)、それらの絵はよかった、あとは狩野派の絵がたくさんあったのもなかなかよかった。

日本史と古文が苦手なため、絵巻ものとか見ても「?」だし。なんか遣唐使の物語絵巻が大々的に展示されており、「遣唐使として中国行ったけどなんか高床式の建物に幽閉されて、囲碁やったことないのに建物の格子状の天井で勉強させられて試験でやらされて、負けそうだったけど碁石を一個食べたお蔭で勝っちゃった(てへぺろ)」みたいなのを見た(面白くはなかった)。

エル・グレコの宗教画は「目が悪くても色合いで遠くから見てもすぐグレコだってわかるのねん」と感動した。あと、金持ち所有の宝石アクセサリーはさすがに奇麗だった。金持ちは何故宝石に走るのかわからん。

グッズ売り場はなんかガラガラでさみしかった。何も買わなかった。ガチャガチャほしかったけど細かい金がなく、くずすのもめんどうくさくてやらなかった。そもそも何のガチャだったのか覚えていない。

ボストンがあんなに空いていたのに・・・リニューアルまもない西洋美術館はめちゃくちゃ人がいたので、そっちに流れたのね、なるほどなあと思った。

実はこれ書いてる今日も有給休暇なんで、またこれから上野へ。東京音楽コンクール声楽の決勝へ。誰が勝ち進むかも知らんうちに券はとってあったのだけど、なんとコルンゴルトのアリアが歌われると知りテンションマックスだ。

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会社で従業員の前職の源泉徴収票を眺めていたのだが、何故かお茶の水のディ〇〇・〇〇オンの雑居ビルの会社の転職者が多くて「何でだろう、昔よくここで中古レコード買ってた」とつぶやいたら、一緒に働いている20代のおにゃのこが、「え、レコード買うんですか?」と驚かれた。なんでも彼女は最近レコードにハマっているらしい。若いのに不思議だなと思った。

「こないだレコードプレイヤー買ったんですよ。レコードはお茶の水のディ〇〇・〇〇オンで買いました」とにこやかに語っていた。彼女は彼氏もいるし普通のおにゃのこなのになんか趣味が微妙に自分と合ったりするのがよくわからない。お互い美術好きで、前も山田五郎さんのYouTubeの熱心なリスナーということでびっくりしていたことがある。私も前から好きでよく見てたので。


何のレコード買ったのかと聞いたら、プレスリーとプラターズとビートルズだった。ジャケ写見せてもらって「あ、サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンドじゃないか!」と驚愕した。

しかし「レコードは針をたまに替えなきゃならないよ。減っちゃうからずっと使えないんだよ。私はいつも電気屋にナガオカの針頼んでたけど。今もあるんだろうかナガオカ(←あります!)。」と言ったら驚かれた。「え、針って替えるんですか?調べてみます」とのこと。教えて良かった。

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2022年5月23日 (月曜日)

祝祭の呪物展

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会社を珍しく定時で上がって参戦。オカルト系ホラー系YouTuber大好きなんでいくつか見ているが、その中の1つ「都市ボーイズ」のはやせやすひろさんと、オカルトコレクターの田中俊行さんのコレクションによる展覧会に行ってきた。会社から電車で10分くらいだったんでちょうどいいと思った。

この展覧会はとても人気があり、平日もかなり混んでいるという情報を仕入れていたので覚悟していたが、案の定行ってみたら整理券をもらう行列が出来ており、夕方6時ごろ行っても入れるのは7時とのことだった。しかし、入口にあるカフェで何か飲んで待っていれば比較的すぐに入れるとのことだったので、コーヒーを注文して待つことに(ちなみにカフェは現金不可なのでクレカで注文)。

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入口でもらったコースター。番号を呼ばれてからも階段で待ってたりしたので結局20分くらい待った。まあ、ちょっと前に行ったバンクシー展は立ったまま1時間以上並んだのでそれよりは全然マシ。

展覧会場が狭かったせいかさほど人間は入ってないけど随分ぎゅうぎゅうな感じ。こんなに人気があるのなら、もうちょっと大きな会場で催しても良かったかも。しかし、あんまり大きな会場だともっとお金がかかり、入場料500円なんて破格の値段ではできないのかなあとか思った。

さて。

呪物とは。持っているとよくないことが起こったり、体の調子が悪くなったりするもの(命を落としたりもする)、らしい。普通の人なら持っていたくないものだが、このお二人は好き好んでコレクションされている。はやせさんの都市ボーイズのYouTubeを見ていたので、いくつか見たことのあるものもあった。特に印象に残っているのは、耳の欠けた猫ちゃんの置き物と、呪いの絵画(オークションで競り落とした)である。呪いの絵画はとてもファンシーで可愛らしいものだったが、結構呪いがすごいらしいので撮影はしなかった。

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猫の置き物とチャーミーちゃん。猫ちゃんは持っていると耳に障害が起こり、最悪の場合命を落とす。この猫ちゃんの動画の時は何故か(いるはずもない)猫の鳴き声が聞こえた。チャーミーちゃんは可愛がると死ぬらしい。あまり心を奪われないようにしたい。

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他にも色々と展示物があったが、あまり色々と撮影するとなんか持って帰りそうな気がしたのであまり撮らなかった(ちなみに撮影はしてもよく、SNSに載せても良いとのこと)。いつもYouTubeで見ているはやせさんが会場にいらして、何かと説明してくれたりするので嬉しかった。まあ、私はYoutubeを見ているだけで特に有料の何かに入っているわけではないので、特に話しかけるわけでもなく「うわあ、動画で見るのと一緒だ(かわいい)」と感動して見てただけだったけど。

私自身は最近はあんまり霊現象が起こらず(前はカハクや美術展に行くと頭痛に見舞われたり、変な声を聞いたりしていたもんだが)、さほど心配はしていないものの、念のため家に入る前に業務スーパーの塩をわんさか浴びてから入った。まあ、あんなにたくさんの人が見ているわけだから、わざわざ私のところに憑いてくるわけはないと思うけどね。

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2022年5月 7日 (土曜日)

メトロポリタン美術館展

 

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6日の金曜日の18時に予約。混んでる美術展は金曜の夜に行くのが私のデフォ。20時までやってるからね。目論見はあたり、GWながらそんなに混んでなかった(19時過ぎはガラガラ)この美術展に休日に行った友人2人ぐらいに聞いたら「とっても混んでいた」とのこと。まあ金曜日は本来なら休日ではないんだけど1ヶ月一回以上有給は取らなあかんので。ゆっくり1時間半鑑賞。

美術展は先日スコットランド国立美術館展に行ったばっかりなので、ついつい比べてしまう。どっちも良かったけど結構作家は被ってた。印象としてはメトは若干宗教画が多いかな。実は先月バッハのマタイ受難曲を聴きに行ったばっかりだったので、キリスト様の絵を見るたびに頭でマタイ受難曲が鳴りだす。逆にマタイ受難曲を生で聞くといつも、ヨーロッパで見たルーベンスやら無名の画家やらの数々の宗教絵画が頭に浮かぶ。

宗教絵画をお好きでご覧になる方は、マタイ受難曲を(あの長い)全部聞いたりするんだろうか。私はクラヲタで良かったなと思うことの1つが、マタイ受難曲を最初から最後まで退屈せずに聴けるってことだ。実際キリスト教である人は宗教画を見ると「あ、あのシーンだな」ってすぐわかるんだろうけど、私も(家は真言宗だけど)絵を見て大体「このシーンだな」って思う。これはギリシャ神話の絵画を見ると結構「あ、知ってる」って思うのと一緒だ。シュトラウスのオペラ好きなもんでね。

出品リストを見ると63点ほどあったらしい。1番最初にフラ・アンジェリコの「キリストの磔刑」(タクケイって読むんだそうだ)を見たが、近隣に2人連れの30代だか40代だかの女性が、お連れの友人に「これ、これはぜひ見てね!アンジェリコは天使って意味なの!」(いや、貼ってある説明に書いてあるよね)とか言いながらめっちゃドヤ顔で説明してたので『うっざいなあ、クラシック音楽における私みたいなやつだ』と思って避けてたけど、鑑賞している間中いろんなところで出っくわしたのでうんざりした。「人のふり見て我がふり直せ」ってこの事だなあと思った。そもそもこのご時世、鑑賞中はあんまり喋っちゃいけないんじゃないか? もういいのかな。

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しかしまあ、全作品見てずいぶん素晴らしい絵があったにも関わらず、「やっぱりフラ・アンジェリコが1番いいな」と思ってまた頭に戻ってじっくり鑑賞。あ、フラ・アンジェリコって「受胎告知」が有名だよね。本物は見た事ないけど徳島の大塚国際美術館で複製を見たし、記念写真も撮ったわ。

お土産物屋がいつも通り充実していたが、あんまりそそられず(最近は以前みたいにドカ買いしなくなった。大人になったものだ)。フラ・アンジェリコとカラヴァッチョとエル・グレコの絵葉書(何に使うんだろう)と、カルロ・クリヴェッリという画家の「聖母子」のチョコレートを購入。アルミ缶に絵のシールが貼ってあるだけなんだけど、なんかキリスト教っぽくて珍しかったので。空いたら飴でも入れて持ち歩くのにしよう。

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これとは全然関係ないが、先日見た「ラジエーションハウス」のドラマのほうで(FODで見たのかな)、浜野謙太さんが主役でマッチングアプリで知り合った美女(堀田真由さん)が、実は人の顔を認識できない脳の病気で・・・という回で、「あれの元になったのは、チャップリンの『街の灯』じゃないのかな」って絵を鑑賞中に突然閃いた。いやホント関係ないけど。堀田真由さんって綺麗だよね(しみじみ)。

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