METライブビューイング/ローエングリン
METライブビューイング : ワーグナー《ローエングリン》
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
演出:フランソワ・ジラール
ローエングリン:ピョートル・ベチャワ
エルザ:タマラ・ウィルソン
オルトルート:クリスティーン・ガーキー
テルラムント:エフゲニー・ニキティン
ハインリヒ:ギュンター・グロイスベック
<あらすじ> 名前を尋ねると白鳥が迎えに来るシステム
東劇にて鑑賞。ベチャワ様のローエングリンはバイロイトその他の映像で見聞きしたが(いつも素晴らしい、かっこいい、しかしいつもコスチュームが「白鳥の騎士」とは程遠い)、もうすぐ日本でエレクトラを歌うというガーキー様が観たくて。
ベチャワ様のインスタで何度も舞台の写真をみていて「どんな演出だろう、核戦争後の地球かな?」とか思ってたけど、どうかな? 舞台はシェルターの中であり、ローエングリンは宇宙船に乗って地球を救いにやって来た異邦人(宇宙人)と言ったところか。
舞台衣装で印象的なのは、合唱団の着ているマント付きのドレスで、ビラビラとめくると色々な色に変わり出演者の心情や音楽を表したりするのだ。しかし、あまりに色々と変わるので(合唱の人大変そう)、あとの方では妙にツボにハマってしまいジワジワ来てしまった。沖縄の海にいるマンタの大群みたいにも見える。
ライブビューイング名物の出演歌手のインタビューでは、主役プリマドンナ二人がメリケンの方なんで、いやあよく喋る喋る、役柄と全然違うキャラクターなもんでちょっと困る。そしてワーグナーの楽劇の中では中くらいの長さなのに、幕間が長すぎて16時半始まりで終わったの21時過ぎ。
歌手の中ではまあ、タイトルロールはいつものように美声を響かせてうっとり聞き惚れるばかりだった(往年のジェス・トマスを思わせる声と風貌)が、なんと言ってもエルザ役のタマラ・ウィルソンの透明な美声には驚嘆。一世を風靡した(そしていつの間にかいなくなった)チェリル・スチューダーを思い出した。そして演出上では多分主役のオルトルート役ガーキーの強烈演技と歌唱、日本でのエレクトラが楽しみ。
それにしてもまあ、METはやっぱりMET、演奏その他諸々がヨーロッパと違いアメリカだなあと思う。
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あなた!ちょっと聞いて下さる?私はこことは別にSNSをやっておりますのですが、そっちで「ローエングリン」の感想を書いたらなんとピョートル・ベチャワ(本物)から「いいね」を頂いたのでびっくり。ベチャワもっと好きになったわ。実演見たんじゃなくて、映画ですよ、映画。
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