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2023年3月18日 (土曜日)

映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(まあまあネタバレあり)

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月曜日、アカデミー授賞式の日に「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(エブエブ) 」を観てきた(auマンデーだったので)。観た回の日比谷の映画館は7割の入り。1100円で映画が見られるのはありがたいけれど、銀座・日比谷界隈はラーメンの値段が高く、1100円のラーメンを食べて(一番安いのだぜ)なんとなく釈然としなかった。まずくもなく、かと言ってさほど美味しくもなく。

会社の女の子が公開後すぐに見に行って、「(色々な意味で)是非観て下さい」とのことだったので「どんなもんかなー」と思ったけど、まあ・・・想像を絶するカオスっぷりにドン引き。これを観た後にどんな映画を観ても、「普通に意味がわかるって素晴らしい」って思うと思った。

映画の内容は、「主人公はLGBTの娘を認めることのできない母親。夫とは離婚の危機にある。ある日父親と夫とともに自営のコインランドリーの税金の申告にIRSへ行ったが、エレベータの中で普段冴えない夫が急に豹変し(中略)、国税局の中で数ある敵に立ち向かう(中略)ハートウォーミングな家族再生の物語」である。(たぶん)

おバカ映画である。次から次へと場面が変わり、頭がついていくのがやっと。観客の何割かは落伍者が出ていたようである(女子トイレで、「速攻寝た」という話をしていた女子たちがちらほらいたので)。私は全然寝なかった。寝る暇などなかった。金払ったものをどうして寝ようか。途中出て行く人も何人か。寝てはなるものかと一生懸命ついていってみてたけど、やっぱりよくわからない。えーと、あのう・・・って感じ。しかし、最後はハッピーエンドでほっこりとし、なんならちょっと感動までした。でもやっぱり・・・ここまでのことを描くのにこのめちゃくちゃな設定はいるかなあ、などと思った。

あとで知ったのだが、映画「スイス・アーミー・マン」の監督だとのことで「ああ、なるほどなあ」と思った。「スイス・・・」はあのダニエル・ラドクリフが最初から最後まで死体役で出演する映画で、わたしは(たぶんアマゾンでみたと思うが)どんなおバカ映画でも最後まで見るという謎の自信があるのだが、これは最後まで見た記憶がない。ラドクリフは好き好んでこの映画に出演を決めたそうだが、なんかなあ。


しかしまあ、ヘンな映画慣れしているせいか、税務局の女性(助演女優賞もらった)が「私は優秀なのでこんなにトロフィーを貰っているのよ」と自慢げに見せるシーンを見て、わたしはその独特な形を見て「ああ、あれは多分おしりの〇〇に・・・」などと想像したら主人公が戦うシーンで予想通りに使用されたので「えええ??」というよりは「やっぱりなー」と思った。・・・という具合に下ネタがあるのでそういうのが嫌いな人は見ない方がいいかもしんね。

アジア人初めて米アカデミー賞獲得したミシェール・ヨーは60歳だそうだが、あんなに体利くのかすごいなーと(まあ特殊撮影だろうけどそれでもねー)思った。カンフーシーンとか。夫役のキー・ホイ・クァンは「グーニーズ」や「インディ・ジョーンズ魔宮の伝説」で子役で出演していた人だが、すでに51歳となっていて時の流れを感じた。アカデミー賞授賞式では大村崑さんみたいな容貌になっていたが、やっぱり演技をずっと見ていると「面影あるな」とは思った。もう一人のヒロインというべき主人公の娘役のステファニー・スーは、アジアのおっさんおばさんばっかり出てくる中でギリギリの奇麗どころ(かなりお世辞)だが、井上真央ちゃんと渡辺直美ちゃんを足して2で割った感じ・・・かな? 彼女がいろんなカッコして出てくるのが楽しい・・・けど、映画の核となるベーグルの意味がイマイチよくわからないので・・・いったい何。

IRS(アメリカの国税庁)の監察官役の女性は、現実とは別の世界ではヒロインとカップル?になっているが、同居する部屋では手の指がソーセージ状になっており、ピアノを弾くのは足で・・・なんか柔道一直線の近藤正臣さんを想起させた。

報道の通りアカデミー賞7部門受賞。なんか審査基準がさっぱりわからない。ちなみに何年か前にアカデミー賞作品賞取った(そして評判はこれよりずっとよい)「グリーン・ブック」より私はずっと好きだ。予定調和な映画が私はあまり好きじゃないし、どちらかというと「あっ」っと驚かされるような映画が好きである。そして、エブエブと同じようにアカデミー賞作品賞とって賛否両論だった「シェイプ・オブ・ウォーター」が私は大好き。

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