ワーグナー/タンホイザー(2023年 新国立劇場)
ワーグナー:歌劇タンホイザー
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付)
【領主ヘルマン】妻屋秀和
【タンホイザー】ステファン・グールド
【ヴォルフラム】デイヴィッド・スタウト
【ヴァルター】鈴木 准
【ビーテロルフ】青山 貴
【ハインリヒ】今尾 滋
【ラインマル】後藤春馬
【エリーザベト】サビーナ・ツヴィラク
【ヴェーヌス】エグレ・シドラウスカイテ
【牧童】前川依子
【4人の小姓】和田しほり/込山由貴子/花房英里子/長澤美希
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【管弦楽】東京交響楽団
【指 揮】アレホ・ペレス
【演 出】ハンス=ペーター・レーマン
【美術・衣裳】オラフ・ツォンベック
【照 明】立田雄士
【振 付】メメット・バルカン
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】髙橋尚史
(2月4日 オペラパレス)
鑑賞からもう一週間経ってしまった。前回、新国立で同じ演出で見聞きしたのは2019年であった。その時はコロナなんてまだなかったから普通にこの演出を見ていたんだなあ。そのあと2021年に二期会のヴァイグレ指揮によるタンホイザーを見聞きしたのでここ何年かは結構(ワーグナーの中では苦手な)タンホイザーは見てたんだな。
今回は3階席、B席をゲット。15400円也。まあまあ見えた。
コロナ禍真っ最中の時はどんなに高いお金を積んでも普段のレベルの公演は観れず。このところはやっとコロナも落ち着いてきて(というかみんな慣れてきて)合唱団がちゃんとフルメンバー舞台にいる、世界的な名歌手が登場するコロナ前のレベルの公演にやっと戻った感。
ステファン・グールドが主役を歌い、あんまり聞いた事ないけどすごい実力のある外国の歌手が出てくる、新国立劇場としては普通の(高レベルのほうの)公演。わたし的には指揮者とオケは2021年の二期会のタンホイザーを超えるものでは無かったものの(ヴァイグレと読響が素晴らしかった。なんであんなに良かったんだろう) 世界レベルの歌手は皆さん素晴らしかった。グールド、妻屋さん、外人美女二人、ヴォルフラムの人は言うまでもなく、ネットでかなり書いている人がいたけど、牧童を歌われた前川依子さんが大変素晴らしかった(考えてみるとこの役の人はだいたいいつもうまい)。グールドは飯守さん傘寿コンサートの時に(それこそコロナ真っ最中の時だ)コニュチェニなどと共に日本にいらして下さったので、そんなに久しぶり感はないけれどやはり彼のワーグナーは安定している。ただ、演出上どうしてもエリーザベトに向かって跪いたり起き上がったりしたりするので、あの巨体だと難しそうだった。
ヴァルフラムも素晴らしかったが、二期会のときの清水勇磨さんの美声を思い出して、また聴きたいなと思った(中止になった二期会「影のない女」のバラックは彼が歌うはずだった)。
そうそう先日、東京文化会館小ホールでのリサイタルで歌唱を聴いた、花房英里子さんが4人の小姓の一人として登場した。しかしみんな同じような化粧で同じカッコだったのでどれが彼女がわからず。ごめんなさい。みなさんかわいかったけど。
そういえば私の席の近くで、第二幕でタンホイザーがヴェーヌスベルクを讃える歌を歌うたんびに「ハッハッハ」と笑ってる観客がいて、「今更そこで笑う?」と不審に思って、休み時間に見たら外国人だった。へえー、外国人はそこで笑うのね、とちょっと面白く思った。外人さんはどう思ったかな、日本でのオペラ。
いつもながら、誰一人として同情できない(エリーザベトにとってヴォルフラムの何がダメなのかさっぱりわからない)よくわからないオペラだがやっぱり音楽は素晴らしい。こないだパリ・オペラ座の展覧会の時も思ったけれど、筋書的にはさっぱり受け入れられないものではあったろうに、音楽がそれを圧倒している。だから(マイアベーアなどとは違い)今もさかんに上演されているのだろう。ヨーロッパの人、あんなにドイツ人大嫌い(ワールドカップで日本がドイツを倒した時に、ヨーロッパの人々に何か違う感謝をされた気がする。)、ワーグナも大嫌いなはずなのに、ワーグナーの音楽は熱狂的に大好きなの不思議。
次回の新国はホフマン物語。合唱団活躍の演目で楽しみ。
おまけとしてついでに。最近素晴らしいと思ってよく見ているYouTubeの映像について。
ベルント・ヴァイクルのチャンネル
これは本当に有難い。彼が出演・参加のワーグナーやシュトラウスの舞台の映像・録音がかなり見聴きできる。スタンダードなものからちょっとマイナーなものまで。「平和の日」や「火の欠乏」とか、「ボエーム」(プッチーニじゃないほう)とかも聞けてありがたい。ルチア・ポップとグルベローヴァ共演のこうもりも見れるの嬉し。
ベルリン・ドイツ・オペラのガラ・コンサート(1986年)
私がもし、大病か事故で神に召されたときに再び目が覚めて天国がここだったらいいなって思うようなコンサート。一晩で当時の名歌手が大集合して、オペラの舞台の一場面や衣装まで再現して上演するというお宝映像の数々。これが再生数すくないの不思議。意外とあんまり映像のないカタリナ・リゲンツァのゼンタ(やっぱり奇麗だ)とか、若きルネ・コロのリエンツィ、カラン・アームストロングとイエルザレムのコルンゴルト、ジャニス・マルティンのバラクの妻、ポップのスメタナとか、ヤノヴィッツのマルシャリン、パヴァロッティやカバリエも出演。懐かしき故ゲッツ・フリードリヒ監督が司会。ただ、ジェームズ・キングいないのは何故。
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