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2023年2月25日 (土曜日)

プッチーニ/トゥーランドット 東京二期会 チームラボ

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プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」
(ルチアーノ・ベリオ補筆版)

指揮:ディエゴ・マテウス
新日本フィルハーモニー交響楽団
二期会合唱団

演出:ダニエル・クレーマー
セノグラフィー、デジタル&ライトアート:チームラボ
ステージデザイン:チームラボアーキテクツ
衣裳:中野希美江
照明:シモン・トロッテ
振付:ティム・クレイドン
演出補:デレク・ウォーカー 

合唱指揮: 佐藤 
演出助手: 島田彌六
舞台監督: 幸泉浩司
公演監督: 大島幾雄
公演監督補: 佐々木典子

トゥーランドット姫:土屋優子
皇帝アルトゥム :川上洋司
ティムール :河野鉄平
王子カラフ :城 宏憲
リュー:谷原めぐみ
大臣ピン:大川 
大臣パン:大川信之
大臣ポン:市川浩平
役人:井上雅人
(2月24日 東京文化会館大ホール)

チケットが高かったので鑑賞しないつもりだったが、24日に有休を取ったので急遽券を取って行くことに。残っていた一番安い席はB席(この日は平日のためか千円お安い)。チームラボが舞台美術ということで、いつもと違う感じの観客の方々(お若い方が多かった)。平日の昼間なのにかなり客席は埋まっていた。私のとなりにいたカッポーは関西から来られたのかな、初めてオペラを見るとのことで興奮気味。男性は演奏中も終始ため息をついておられ、とても気になった。

私のいた3階席の前の列には、旅行中?と思われる可愛い西洋人のおにゃのこたちがいて、楽しそうに(演奏中にこそこそと内緒話をしながら)鑑賞。Youはこれ観に日本へ??

トゥーランドットは何度も舞台を見てきたが(ゼッフィレッリ演出のスカラ座からチャン・イーモウ演出のフィレンツェ劇場まで)、ルチアーノ・ベリオ補筆版を聴くのは初めて。アルファーノ版の違和感を超える違和感。イタリアオペラというよりは、何だか初期のウェーベルンみたいな雰囲気で、これはこれで好きかも。たまたま上野でやってるエゴン・シーレの絵みたいに表現主義的な感じ。ああ、なんで完成してからあの世に行ってくれなかったのか、プッチーニよ。アルファーノ版はやたらと華々しく終わるのに対し、ベリオ版はかなりしんみりと終わる。演出では皇帝アルトゥムの死の床でみんなに囲まれて曲が終わる感じなんで、いつもの公演とは全然違う印象。

演出は、よくわからんとこもあったが(舞台が遠くて下のほうで行われている細かいところは見えなかった)、ド派手なレーザー光線の美術とともに、本当に面白かった。まあ、この曲はよっぽどのことがない限り面白い舞台なのだけどね。レーザー光線は舞台上だけでもなくて、文化会館の天井まで照射されていた。なのできょろきょろしてしまった。まあ、3階席でもよいこともあって、2幕のトゥーランドットは天井から吊り下げられたバルコニー?みたいなのに乗って歌ってたので目線がちょうど同じくらいでとてもよく聴こえた。3幕のリューとティムールも吊り下げられた透明のBOXみたいなのに乗って歌ってたのでしかり。合唱団は横にながっぽそい白い半透明の箱に入って歌ってたので、前日の天皇誕生日の時の一般参賀みたいな感じだな、とか思った。

歌手の方々は(私はわりと馴染みのない歌手さんが多かった)、皆様素晴らしかった。カラフ役の城さん、高い音も決めてて幕が降りてからは終始ご機嫌そうだった。リュー役の谷原さんは声量もありしみじみとした歌にホロリ、題名役土屋さんはまだお若い方と見受けられたが声量が凄くてびっくり。これはもしかして二期会の次世代のブリュンヒルデは彼女かも? ピンポンパン役の三人は演出上一番大変そうだった。ストリップショーよろしく半裸(遠目にはほとんど全裸)で踊ったり、かなり性的な表現もあったのでお子さん連れは辛いものがあったかも。三人とも遠目に見てなんかIKKOさんの真似するチョコプラの松尾さんみたいだった。

さて演奏であるが、見事な歌唱と舞台装置に紛れてみんな忘れてると思うけど、緩急のキリリと締まった指揮ぶりが素晴らしかった。新日本フィルの演奏も良かった。席のせいだと思うけどガツンとくるほど衝撃的な大音響なわけではなかった。この曲に慣れちゃったのかな?

そろそろ、ブラボー解禁してほしい。前の席の外人の女の子たちはブラボーしてた。それにしても初めてのオペラ鑑賞の方々は、オペラ歌手はマイクなしであの巨大な声を出すんだよって教えたらびっくりかな。

その他、メモ
・オケピットの前の通路が解放されていたので、幕間にオケピを覗きに行く観客が見られて懐かしい感じがした。
・外国のお客様が多いように思った。みんな旅行で来たのかな。
・1幕と3幕の間の休憩がなく、代わりに2幕と3幕の間の休憩が30分。最近そういうの多いな。ワーグナーだったら無理。
・なにぶんにも席が舞台から遠かったので、女性の歌手はみんなスリップ姿になると渡辺直美ちゃんに見えた。
・だいたいオペラなんてこんなにいつも面白いわけではないので、これでオペラにハマって他の演目見て「つまんねー」って思ったらどうしようなどと思ったりした。(←いらぬ心配)

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