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2023年1月28日 (土曜日)

エゴン・シーレ展(東京都美術館)

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一昨日から開催のエゴン・シーレ展に行ってきた。有休を取り(会社で取らされた、が正しい)金曜日の午前中であったがそこそこ混んでた。制服姿のJCが多く見受けられたのは意外。遠足かな修学旅行かな? 18歳以下の人は期間中は無料で入場できるそうなので(大学生・専門学校生は2月9日まで無料)、学生さんは行くべき。画家の死後、ウィーンの眼医者ルドルフ・レオポルド氏が集め始めているころはどうも春画扱いだったようなので、エロティックなデッサンが多いシーレではあるけど、小中高の学生さんに見せられないようなえっちい絵の展示はないのでご安心を(わたしがそう思ってるだけかもだが)。

シーレの絵は、日本で開催されるウィーン分離派展だのクリムト展だのはだいたい行くので、今回展示されてたシーレで見たことある絵は7割ほど。しかも本家のレオポルド美術館も行ったし、おまけに学生時代にシーレの伝記映画まで観てる。ただ、展覧会のチラシやポスターになってる自画像と並んで(前に見た時は)飾られるはずの「ヴァリーの肖像」の展示がない。ウィーンに絵を見に通うような人にはちょっと物足りないかもだが、初めてシーレの本物に触れるにはまあちょうどいい感じ。いつかウィーンに行って本物のクリムトやシーレを見たり、あの分離派館の建物を見たり入口のカメさんの彫刻を見るのを楽しみにすればよいと思う。

シーレ以外の周辺の画家の絵がまあまああり。しかし、アルマ・マーラーの愛人として名高いココシュカの展示があるというので「もしかして、『風の花嫁』あるかなー」と期待したが、なかった(「風の花嫁」はアルマと画家本人を描いた作品)。まあ、レオポルド美術館にないんだもん、こないよね。

見れて良かったのは、シェーンベルクの絵の先生でシェーンベルクの嫁と恋に落ちて結局自殺しちゃったゲルストルが描いた、アルバン・ベルクの妹のスマラグダの肖像。いやこの絵の存在さえ知らんかったわ。これのためだけにいつもは買わない図録買いましたわ。お陰で帰る道中重かった。こんな立派な画集、3500円はお買い得と思う。印刷なんでやっぱり色に難ありだけどまあ、それはしょうがないかな(元印刷業界勤務なんで)。読み物は豊富。他にTシャツ(比較的ぱっと見シーレっぽくないもの)とドリップコーヒーを購入。コーヒーは猿田彦コーヒーのものだが、5パックぜんぶ違う絵のパックになっており、入れ替えて飾れるようになっている。お土産用に一枚一枚配るより自分で飾って楽しみたい。絵葉書や一筆箋を買っても結局使わないし。

なお、風景画のコーナーだけ撮影可。大好きな「冬の木」の絵が撮影できて嬉しい。

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東京は午後は雪との予報だったので頑張って午前中に行ったのに、別に降らず。鑑賞後、重い図録を持って街を歩きたくなく、いつもの寿司屋には行かず。お昼ご飯は初めて駅構内の「東京じゃんがらラーメン」にて喫食。なんか私の思うとんこつラーメンより幾分さっぱりしてた。食べログではここより点数の低い一蘭や一風堂のほうが好きかも。食べログの点数ってようわからん。

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パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂(アーティゾン美術館)

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もう先週の話になってしまったが(土曜日)、京橋のアーティゾン美術館で開催中の「パリ・オペラ座展に行ってきた。パリのオペラ座は行った事ないのだけど、前もって想像していたより展示はかなり充実しており、16時に入って18時の終了時間までいたが時間が足りなかった。私は アーティゾン美術館は二度目なんでいいんだけど、一緒に見に行った友人は初めてだったのに常設展は見れず。気の毒。

ウィーン国立歌劇場には行った事何回かあるのでその時も思ったけど、外見も内装も過度に豪華。巨大なデコレーションケーキみたいだ。日本の劇場も歌舞伎座もそこまで豪華じゃない。国の威厳を示す為なんかな?

この日展覧会見に来たお客様は、20代から30代のマドモワゼルたち、小学生のお嬢様連れのママン、あとは老夫婦という感じで、多分オペラ好きよりはバレエ好きが多い印象。私のように「ワーグナーだ!タンホイザーだワルキューレだ!」などと大喜びしている者は少ない(ワーグナー展示のところは空いていた)。やはりバレエの展示のほうが賑わっていた。

パリ・オペラ座と言っても、オペラよりバレエのほうが有名なんだろうなと改めて思った(そういえば、よっぽど好きな歌手が出ない限りわざわざパリにオペラを観に行ったりしない気がする)。タンホイザーのパリ版に嫌々バレエをつっこんだワーグナー・・・・。

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この歌劇場の長い歴史を見ると共に、リュリやグルックから始まる長いオペラの歴史を見るような素晴らしい展示であった。自他とも認める珍しいオペラ好きだが、名も知らぬ忘れられたオペラの名前をたくさん見かけた。まあ、上演されなくなっちゃうオペラには何らかの原因があるんだろうなあ。若干リヴァイバルがあったコルンゴルトの「死の都」に(マリエッタの一団が練習する場面がある)出てくる「悪魔のロベール」も、今ではたまに海外の歌劇場で取り上げられる程度のようだが、展示で見る限りかなり重要なレパートリーであったようだ。

↓入口の大画面テレビにより映し出された「悪魔のロベール」の一場面を描いた絵画。

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最後の方にあったバレエとオペラの映像を見る時間はちょっと残しておいたほうが良かったな、とあとで後悔。「優雅なインドの人々」と「椿姫」のぶっ飛び演出は流石のおフランス。まあ・・・現在のようろっぱでのオペラ演出は新国立とはくらべものにならんほど前衛的なんでしょうから、現地の人にとったら普通なんでしょうね。

帰りに友人とドイツビール屋で乾杯(SCHMATZというチェーン店のようだが飲みやすいビールだった)。いつかウィーン国立歌劇場に行こうぜって話をして盛り上がって解散。(パリじゃないのかい!)

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2023年1月14日 (土曜日)

第20回東京音楽コンクール優勝者コンサート

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第20回東京音楽コンクール 優勝者コンサート
・トランペット:河内桂海 *金管部門第1位
トマジ:トランペット協奏曲
・バリトン:池内響 *声楽部門第1位及び聴衆賞
プッチーニ:オペラ『ジャンニ・スキッキ』より 「声は瓜二つだったか」
モーツァルト:オペラ『フィガロの結婚』より 「訴訟に勝っただと」
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロ』より 「私の最後の日がきました」
・ホルン:吉田智就 *金管部門第1位
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 Op.11
・ピアノ:中島英寿 *ピアノ部門第1位及び聴衆賞
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
指揮:高関健
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
司会:朝岡聡
(1月9日 東京文化会館大ホール)

過去記事:第20回東京音楽コンクール 声楽部門・本選 

昨年の東京音楽コンクールの優勝者によるコンサート。声楽部門の本選を聴きに行って、ついでなのでお披露目コンサートも行く事に。しかしまあ上野は混んでいた。開演前に上野公園に行ったら「牡蠣フェス」なる催しをやっていたので、カキフライを並んで買って食べた。一人だったので牡蠣を右手に持ちながらビールを買うのは難しく、断念。しかし牡蠣はとても美味しかった。画学生時代、卒業制作期間中カキフライ弁当を毎日ほか弁で買って食べていたら「もうたくさん」状態だったので、食べるの久しぶり。(生ガキは大好きなので当たりませんようにと毎回祈りながら食べる。)

祝日とあってコンサートはなかなかの人の入り。ロビーは人でごった返していた。イベント割で前売り買っておいたけど、「絶対に陰性証明か接種証明書を持ってきてくださいね」とくぎを刺されていたので今回は忘れず。皆様、文化会館主催のコンサートは接種証明を忘れずに持って行こうね。割引きになるものがあります。

さて演奏。今回は金管楽器の1位がお二人だったので2曲聴けることに(儲かったのかな?)。ピアノとヴァイオリン以外の楽器のコンクールは全く行ったことないので興味深く聴いた。しかしまあ、やはりピアノとヴァイオリンのように演奏家人口が多くない(管楽器は私みたいに学生時代にブラバンでかじってる人は多そうだが)、そもそも有名な協奏曲も少ない。たまたまトマジはCD持ってたけど、実はシュトラウスは初めて聴く。トランペットの子は緊張感がこちらにも伝わってきてしまいどうもリラックスして聴くことができなかった。ホルンの子は(私は3階席だったのでそんなに良く見えなかったが)汗びっしょりで吹いていたようだ(司会者によると)。

声楽部門の優勝者の池内さんは、他のコンテスタントと比べるとかなり年上だしすでにコンサートや舞台で活躍されている人なので、全く緊張感なく見ることができた。途中司会者とのトークも挟まれたが、関西人だけあってトークも慣れたもの。それにしてもマイクいらなくね?と思うほど話す声も大きい。アリア3曲歌われたが、私は前日に「ドン・カルロ」のロドリーゴのアリアはYouTubeのホロトフスキーで予習。ホロ様もかっこよかったが池内さんもかっこよかった。

さてコンサートの花形はさすがにピアノ協奏曲。私はグリーグのピアノ協奏曲にトラウマがあり(学校の音楽鑑賞教室でこの曲が演奏されたが何故か前奏とともに大爆笑が起こり、すでにクラヲタの卵だった私はたいそう恥ずかしかった。それと小学校のときからホフナング音楽祭で育ったのでこの曲は鬼門)、「うわなんでこの曲なの、ブラームスかラフマニノフならいいのに」とか思ったけど、意外なことに大変感動した。この曲ナマで聴いて良かったの初めて。(昔コンサートで聴いたヒロコナカムラの演奏でも「うーん・・・」とか思ったくらい)

ピアノの中島さんは小柄でまだ少年のような外見だったが、実際は20代後半らしい。しっとりと落ち着いたスケールの大きい演奏で、第1楽章から「これは凄いぞ」と思いながら聴いてたら第1楽章の終わりで拍手が起こった。とくにマナー知らずな観客というわけでもない(他の曲は楽章間で拍手なんか起こらなかったし)から、自然に起こった拍手なんじゃないかな。オケと合わせて披露したのこれが初めてらしい。ラフマニノフとかシューマンとか聴いてみたいな。

最後も大喝采でもさすがにこのご時世だったのでブラボーはなし。高関さんの好サポートもあってよい演奏会でした。司会の朝岡さんはこういう催しの時にたまに登場されるけどホントにオペラ好きなんだなって思うわ。局アナの時よりこういう仕事のほうが楽しいんだろうね。(こういった司会とかインタビューとかの才能が全く私はないので仕事にできる人は羨ましい)

帰り道で東南アジア人と思われる男の人に「〇〇駅に行くにはどの電車に乗ったらいいか」と聞かれ、『ああ、まただ』と思った。優しそうで親切そうなオーラが丸出しなのに、実は方向音痴で説明ヘタ英語もヘタ。おまけにコミュ障。よく外人さんに道とか聞かれるのが悩み。まあ、地元だったのでカタコトの英語を駆使し、「this train OK!バイバイ!」みたいな感じで電車につっこんでサヨナラした。まあ、本当にわかんなかったら駅員に丸投げするけど、最近駅員が駅にあまりいなくて困る。

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会社でバディを組んで?働いている会社の女の子が、なんと先週末に陽性になってしまい、今週は休んだりたまに在宅勤務で働いたりしていた。コロナなのに働かせるのかこの会社は~とか思ったけどやっぱり仕事は万全ではなく、そのぶん私の仕事が激増して昨日は夜11時過ぎまで残業。おまけに会社は節電してて寒い(フェイクファーして仕事してるの私くらいか)。他の社員も結構風邪引いたり体壊して休んだりしてるけど、私はただ疲れているだけで風邪とかぜんぜん引いてない。オペラやコンサートの券とってあるから気を付けてるからかなあ。N響のシマノフスキは取れなくて残念だけど、今年はコンサート目白押しなので倒れられない。

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