ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 Op.125 「合唱付」
ソプラノ:田崎尚美
メゾ・ソプラノ:金子美香
テノール:与儀巧
バリトン:加耒徹
指揮:飯守泰次郎
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京シティ・フィル・コーア
合唱指揮:藤丸崇浩
(12月28日 東京文化会館大ホール)
過去記事:飯守さんの真夏の第九
仕事納めの日。定時まで仕事するつもりだったが、飯守さんの第九の当日券が出るという情報を得て、4時半でフレックス退社。良いお年をしてきた。当然演奏会も今年のラスト・ライヴだ。
17時半から当日券売り出しとのことだったが10人くらい並んでいた。私の前に並んでいた年金受給者世代のご婦人が一階席の前の方を選んでおられたので『うわあ、お金持ち?』とか思ったらお値段を聞いて「あら、こんなに高いの!」とビビっておられた。まあ、そうだろうなあとか思いつつ、私はいつものお気に入りの3階席のサイドから見下ろすB席をチョイス。4500円なり。
さて。年末に第九を聞く習慣が私はそもそもないので、年末に生でこの曲を聴くのは人生で2回目くらいだと思う(1回目は当時働いてた会社の人が合唱団に入ってて観に行った)。あとは季節外れに何回か。前に飯守さんの第九を聴きに行ったときは・・・感想に残している通りに人生で上位にランクされそうなほどひどい聴衆だったので、今回はリベンジ。
第九を聴きに行くというよりは・・・飯守さんの健康状態を確認しに行くのが目的。マエストロはN響の時のブロムシュテットを想起させる・・・戸澤コンマスに支えられながら登場。いつもの黒い椅子が指揮台にあった。演奏が始まると思いきや、「譜面台が低い」というクレーム(たぶん)で、戸澤さんが調整しようと試みる。それを係員の人が慌てて舞台に登場して調整。いつからコンマスは指揮者のお世話係になったのだろうとか思ったり、そもそも飯守さんくらいになると第九なんて暗譜でスコアなんてなかったんだけどやっぱりそれでも気になるのかな。
3階席だったので楽員の細かい表情とかはわからないのだが、いやさすがに最初は入りにくい指揮ぶりだな(フルトヴェングラーかな?ってくらい)とは思ったけどさすがに長年の手兵のシティ・フィルなので合わせてきている。温かみのあるよい演奏だと思った。でも私はわがままなので、「このコンビだったらワーグナーやってほしいなあ」とか思ってたけど。
こんなにわかりやすい曲は音楽史でも珍しいよな、などと考えているうちに第4楽章。二期会オペラやBCJでお馴染みの加耒さんはいつもながら力強い美声でふろいでを歌う。かっこいいな。さすがはハンサム四兄弟の一人だ。しかし甘いマスクでなくとも私はファンになってると思う(←強調)。テノールの与儀さんも相変わらずの美声でよきよき。あまり見せ場がないソプラノとメゾも美声を響かせてアピール。飯守さんの弟子みたいな金子美香さんも相変わらず素敵。こんなに豪華な独唱陣なのになんで券余ってたのかすら。あ、ノットと被ったからかな?
合唱団は今回はそこそこ人数は居り、安心。しかし全員白いマスク着用。おお、いつまでこんな感じなんだろうか。マスクをしながらも合唱団はそれにめげずに素晴らしい歌唱。最近どこの合唱団もうまいなあと感じる。
ブラヴォーは相変わらず禁止されていたので(サッカーでもあんななんだからもういいじゃんねえ)、若干さみしい感じもしたがそれに負けじと拍手は鳴りやまず。飯守さんは疲れ果てている感じで支えられながら再登場。いやまあこんなによろよろした人の紡ぎだす音楽とは思えない。音楽が聴ける平和をしみじみとかみしめる。プログラムの歌詞の対訳を見て、「これをプー〇ンに読ませてやりたい」とか思ったり。よい第九を聴いた。ナマで聴く第九では最高峰かと。たったの5回目くらいだけど。家で最上と思ってたフリッチャイのベルリン・フィル盤を聴きながら「おもんない」と思ったけどやっぱりナマとセッションの違いか。
家に帰ってこちらとは別のSNSを更新し、感想書いたら早々に加耒さんご本人からいいねが付き、きゃーきゃー言ってしまったのだった。やべー。
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昨日演奏会の券をケチった分、今日は生まれて初めて松坂うしを購入。100gちょいしか入ってないのに1400円もするのよ。売ってたスーパーからすると大赤字の大放出らしい。最近、ソロキャンプ用のちっちゃいカセットコンロを購入したんだけど、おうち焼肉というのは安上がりでなかなかいいね(安い肉ならばだが)。念入りに育てたニトリのスキレットでの焼肉はとても美味しい。暖かくなったらどこかお外で焼肉したい。