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2022年10月 1日 (土曜日)

装いの力―異性装の日本史 松濤美術館

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水曜日に無理やり有休を取り、「何か面白そうなものやってないかな」と思ってネットを見たら見つけた美術展。「ずいぶん攻めた企画だなあ」とは思ったものの、「平日だからガラガラだろうな」と勝手に思ってたけどそうでもなかった。私は午前中に入ったので第1展示室に入ったところで15人くらいの人がいたかなあ?と思ったけど、12時過ぎたらずいぶん人がいて大盛況だった。平日でこんなんだから土日はめっちゃ混んでるんだろうな。ちなみにこのご時世だが平日なら予約なしで入れる。

展示は第1展示室と第2展示室?に分かれており、第1展示室は能から歌舞伎までの日本における女装・男装の歴史であり、ヤマトタケルなどの日本の古典の書籍や着物から三人吉三などの歌舞伎の木版画など。前に三人吉三の舞台を見たなあ、あれはかっこよかったなあとかしみじみ思い出していた。勘三郎さん・橋之助さん(現・芝翫さん)・福助さんが三人の吉三を演じたんだったんだ。そうそう、女装の吉三が出てきたな。

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第二展示室は、明治時代?から現代までの女装・男装の歴史。今となっては別に女装や男装の人は普通に見かけるが、明治時代はよく男装の人が捕まったりしてたらしい(という新聞の切り抜き多数)。展示はLBGTの人の話ではなく(まあそういう人もいるんだろうけど)あくまで女装や男装が趣味だったり、芸術的視点からの異性装の歴史である。私は美術の学校に行ってたし、比較的そういう人も見かけたのでそんなに珍しいとも思わないのだけど、やっぱり女装の人が今や普通にテレビに出て違和感なくなっているのは結構最近かなって思う。美術学校時代のバイト先に女装の大学生の男の子がいて、よくカラオケ行ったりして楽しかったな、浴衣にハイヒールはいてきたりして。元気かな。おうちが料理屋さんで、舞の海さんがお店に取材にきてついでにサイン貰ったな。

自分の好きな美術家の村山知義さん(近隣に彼の美術館があり、行った事がある)の展示があったり、女優さん等の服装でセルフポートレートを作品としている森村泰昌さんなど。森村さんというととくに面識はないんだけど、昔通ってた美術学校のクラスメート(女)が前に通ってた関西の美大で先生が森村さんで、そのクラスメートが「男性ヌードを描きたい」とぽつりと言ったところ、「私を描きなさい」と目の前でするするっと服を脱ぎだしたって話をして驚愕したけど、作品を見ると「ありえるかな」とも思う。

色々な展示の中で、やっぱり衝撃的だったのが最後の最後の奥の部屋のドラァグクイーンの人々と思しき展示で。入口で「性的な表現も含む展示ですのでご了承ください」的な注意書きもあったけど、ドラァグクイーンとか最近気になってて面白かった。シャンソン歌手のシモーヌ深雪さんという人、独唱会とかあるのか(チラシを貰ってきた)。

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写真は写真を撮ってもいいスポット。一人で行ったので自分は撮れず。

他に興味深かった展示
・塩原温泉のおいらん清ちゃん。召集令状も来て軍服姿の写真もあった。
・女装のストリッパー。
・リボンの騎士、ベルサイユのばら、ストップ!!ひばりくん!の原稿(ベルばらは原画)
・昭和44年のピーターさんの主演映画「薔薇の葬列」の映像。最高にポップで美しい。
・女装趣味の人の専門誌「ひまわり」など。
区立の美術館でこんな攻めた企画は渋谷ならではなのかな。

12時半くらいに場内が老若男女で混んできたしお腹も空いたので、出ようとしたらロビーのベンチで水色ワイシャツ・灰色ズボンの制服姿の高校生男子が2人、楽しそうに談笑してたので、ずっと見ていたい気分になった。いや我慢したけど。

食べログで調べて点数の高いラーメン屋さんに。鶏そばラーメンTONARIさん。カウンター8席のみ。幸運なことにすぐ入れたがそのうち外で待つ人もあり。さっぱりした塩ラーメンを頂いた。美味しかった・・・でもなかなか神泉にまで行く事ないしな。

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女装とかではないんだけど、ちょっと前にYouTubeで見かけてものすごく気に入ってしょっちゅう観ている動画がある。レオナルド・ヴィンチという作曲家(レオナルド・ダ・ヴィンチとは無関係とか)のバロックオペラ「アルタセルセ」の中のアリア。このオペラはカウンターテノールが多数出演しみんななんか凄い化粧で衣装もキラキラしいのだが。実はAmazonで全曲DVDを注文したが、どうも海外に注文してしまったらしく(前にポーランドの100年のCD36枚組は無事届いたのに)いまだに届かない。日本で買えばよかったな。フランコ・ファジョーリさんうますぎる、いつか生で聴いてみたい。猫耳のフワフワカツラなのにカツラ脱ぐとM字ハゲのおっさんなのすごい。歌唱は高音から低音まで美しくてすごい。すべてが完璧。あまりにうますぎて最後に指揮者が笑っちゃうのも好き。

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