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2022年10月15日 (土曜日)

ヴェルディ/椿姫 ゲッツェル指揮/東京フィル

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ヴェルディ:歌劇「椿姫」(ラ・トラヴィアータ)

ヴィオレッタ:森麻季
アルフレード:山本耕平
ジェルモン:大西宇宙
フローラ:林美智子
ガストン子爵:大槻孝志
ドゥフォール男爵:成田博之
ドビニー侯爵:斉木健詞
医者グランヴィル:金子慧一

アンニーナ:増田弥生
ジュゼッペ:廣田亮
使者:秋本健
フローラの召使:川村章仁

指揮:サッシャ・ゲッツェル
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

(生け花)華道家:假屋崎省吾 

(10月10日 Bunkamraオーチャードホール)

月曜日に観に行って、ずいぶん経ってしまったのだがまだ上演の素晴らしさは頭に残っている。演奏会形式ながら舞台に長椅子や書き物机などあり、かなりガチ演技つきであった。衣装もちゃんと幕ごとに合わせて変わっていた。(だもんでまあまあ券はお高い) 人気演目のため満席とまでは行かないがかなり席は埋まっていた。

4月に観に行った新国立での「ばらの騎士」で名演を残し、日本のクライバー信奉者を狂喜させたサッシャ・ゲッツェルの指揮の椿姫、もう行かないわけはない。薔薇の時はあまり指揮者が見えない席だったので、今回は彼の流れるような美しい指揮ぶりを堪能できた。まあ、指揮は言われるほどクライバーのコピーというわけでもないが、前日クライバーの椿姫のCDを全曲聴いていてテンポとかは全く違和感がなかった。ライブらしい盛り上げ方もあり、見事であった。歌手の背を向けての指揮だったので、たまにあわせたいときに歌手のほうを振りむくのがかっこよかった。

歌手は主役の森さんはじめ、穴がなかった。端役に林美智子さん、大槻さん、成田さん、増田さんなど二期会の重鎮で贅沢だなと思った。アルフレード役の山本耕平さんは舞台を見るの初めてなのかな。二期会のルルでアルヴァを歌ってたとのこと(私の観た回は前川さんだったので見てない)。なかなか森さんクラスのプリマドンナと渡り合うテノールは今は難しいのかな、とは思うけどまあ役柄がどう見ても「世間知らずの金持ちの家のお坊ちゃま」なので(いや彼自身はそんなことはないんだろうけど)、ヒロインより年下感があって一途な感じで良かった。そもそもそんな感じなのかなこの役は。

ゲッツェルさん森さんとともに、大西さん目当てで行ったのだが、「えー、父親役なんて若すぎる」と思いつつ聴いていたのだけど、立派な歌声で舞台を支配しておりなんだか途中で若さなど気にならなくなった。しかしまあ、子供の頃ジョルジョ・ジェルモンは「この二人を引き裂くなんてひどいジジイね!」とか思ってたのだけど、大人になると「まあ・・・親としては息子が高級娼婦と一緒になるのは・・・ちょっと」としか思わないよね。

森さんと大西さんはこのところバッハコレギウムのからみで一緒に舞台や演奏会で拝見することが多い。しかし、だいたいバロックだったもんでイタリア・オペラで観るのは新鮮である。とくに森さんの外見の美しさ・はかなさと、ヴィオレッタ・ヴァレリー自身が乗りうつったような演技に圧倒された。3幕の瀕死のシーンなど、迫真の演技に周囲からすすり泣きの声が。いやほんと、大満足の舞台。

そういえば、かなり前に同じホールで椿姫を見たんだけど(誰が出てたのかも覚えてない)、その時はヴィオレッタは死なず手を高く掲げたまま終わったので、やっぱりヴィオレッタは死ぬ演出のほうが落ち着くなと思った。

今回の目玉に生け花とのコラボとのことで、假屋崎省吾さんの生け花が舞台や会場に生けてあった。舞台は演奏中以外は撮影可とのことでみんなバチバチ撮っていた。ただ、「椿姫」だから椿に限られるし、赤い椿だとヴィオレッタがお仕事できない日になってしまうので(いや違うか)白い椿で統一されていた。

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カーテンコールも撮影可だったので一生懸命撮ってたんだけど、何分にも2階席で舞台から遠くてあまりうまく撮れず。あ、新国立合唱団は相変わらず素晴らしいですね。海外のライブ録音とか聴いても最近は「新国立のほうがうまいな」とか思ってしまう。

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素晴らしい舞台に連れて行った友人ともども感激して外へ。ずいぶん昔からやってる東急本店前のイタリアンへ。コロナ禍のせいか、ホールを店長?一人で回してて忙しそうだった。しかしかなり昔に通ってた気がするので、久しぶりに行って懐かしかった。あんまり渋谷で飲みに行かなくなったなあ。人が多くてしんどい。

演奏会を終わってその日某SNS(誰にも教えてない)でこの舞台のこと書いたところ、なんとサッシャ・ゲッツェル自身からイイネ♡を頂き、何日かして大西さんからも頂き、感動して動悸息切れめまいがして「しぬる」とか思った。いやしなんけど。さて今日もまた渋谷に行くのでしんどい。演奏会は楽しみ。

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コメント

しなないでw
でもこれはしぬるほどうれしいでしょうねー。

ゲッツェルさん、クライバーなのですか。
彼がトルコのオケを振ったレスピーギアルバムを以前買ったんですが、あまり聴いてなかったので聴きなおしてみますね。ありがとうございます。

投稿: ぜん | 2022年10月22日 (土曜日) 16時08分

>>ぜんさん
コメントありがとうございます。ゲッツェルについては「薔薇の騎士」と「椿姫」しか演奏は聴いたことないんで、他の曲はクライバーとどうかとかはあまり自信はないのですが・・・とりあえず人見知りなクライバーとは違って明るくて人当たりのよい指揮者という印象です。

投稿: naoping | 2022年10月23日 (日曜日) 09時34分

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