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2022年8月27日 (土曜日)

第20回東京音楽コンクール 声楽部門・本選

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第20回東京音楽コンクール 声楽部門 本選出場者

〇黒田祐貴(バリトン) KURODA Yuki, Baritone
E.コルンゴルト:オペラ『死の都』より「私の憧れ、私の空想(ピエロの歌)」
G.マーラー:『子供の不思議な角笛』より
「起床合図」
「美しいトランペットが鳴り響くところ」

〇前川健生(テノール) MAEKAWA Kensho, Tenor
G.ドニゼッティ:オペラ『ランメルモールのルチア』より「我が祖先の墓よ」
R.シュトラウス:オペラ『ばらの騎士』より「厳しさに胸を装い」
G.ヴェルディ:オペラ『リゴレット』より「彼女がさらわれた!~ほほの涙が」

〇川越未晴(ソプラノ) KAWAKOSHI Miharu, Soprano
G.ドニゼッティ:オペラ『ランメルモールのルチア』より 狂乱の場「あの方の優しい声が、私の心に響いたわ!〜苦い涙をこぼしてください」

〇池内響(バリトン) IKEUCHI Hibiki, Baritone
W.A.モーツァルト:オペラ『ドン・ジョヴァンニ』より「カタログの歌」
V.ベッリーニ:オペラ『清教徒』より「ああ!永遠に私は貴女を失った」
G.ヴェルディ:オペラ『ファルスタッフ』より「夢かまことか」

園田隆一郎指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
(8月26日 東京文化会館大ホール)

音楽コンクールはピアノとヴァイオリンしか観に行った事ないので、声楽部門は初めて。ヴァイグレ指揮の二期会で2年続けてワーグナーの舞台で主要な役を歌われた清水勇磨さんを見聞きして素晴らしいと思い、でも全く知らなかったので「海外で長年経験を積まれたベテランで、最近日本に帰ってこられたから知らないのかな」とか思って調べたら2015年に東京音楽コンクール1位とあった。えー、じゃあまだまだ若手でいらっしゃたのね→東京音楽コンクールってすごいのね!(今更)と思い、観に行くことに。

本選に残った方々と曲目を確認してびっくり。大好きなコルンゴルトの「死の都」のピエロの歌が歌われるじゃないですか!この曲をオケ伴奏で聴けるなんてラッキー。あと、二期会の「ルル」でアルヴァ役を歌われた前川健生さんが出場とな。えー、だってアルヴァって準主役じゃないですか。でもコンクール出るのかあ、これは聴きものだと思った。

(演奏順)
1.黒田祐貴さん(バリトン)。「鬼のパンツはいいパンツ」の動画でお馴染み(なのか?)だが、すでにCDデビューもされている。コルンゴルト歌われてる時点で私の中では優勝。イタオペが圧倒的に多い出場者の中でコルンゴルトとマーラーというオーストリア物で勝負しててかっこいい。温かみのある美声もさることながら、舞台俳優のごとき長身で痩身、舞台映えしそうだ。舞台で是非見てみたいがどこかに所属してないのかな。

2.前川健生さん(テノール)。二期会に所属されているのですでに何度か舞台は見ている模様。私の記録があるだけでシュトラウスの「ダナエの愛」、前記の「ルル」など。とくにアルヴァ役は難役なのに(っていうかこのオペラ自体とんでもないのだが)頻発する高音をびんびん響かせて素晴らしかったのを覚えている(その後飼われた猫さんに「るる」と名付けたそうだ)。いやもう「薔薇の騎士」のテノール歌手のアリアを歌ってくれて、オケ伴奏のあのフルートの序奏を聴いただけで嬉しくてウルウル(←え)。リゴレットの有名なアリアで得意の高音を響かせてもううっとり。また二期会の舞台で拝見できるといいな。

3.川越未晴さん(ソプラノ)。何曲か歌う出場者の中で、「ルチア」狂乱の場という難曲中の難曲の長丁場1曲で勝負。清楚で可愛らしい外見で舞台映えしそうだ。最初はやっぱり緊張感に溢れていてなんかお母さんだったら耐えられない、かわいそうで客席から逃げ出しちゃうかもって思ったりもした(何故か親目線)。しかしだんだんのこの悲劇の主人公が憑依した感じで、難しいフルートとのデュエットもピタリとこなし素晴らしかった。それにしてもなんという心臓だろう。

4.池内響さん(バリトン)。こちらのバリトンも長身でスタイルがよい、「カタログの歌」から表情豊かに歌い(関西人なので芸人さん?ちょっと見取り図の盛山さんぽい)、聴衆の心をわしづかみに。やっぱり選曲は大事だと思った。そのあと続く2曲のイタオペのアリアで、響き渡る低音の美しさにもうノックアウト。コンクール観に行って「次にお金出してでも観に行きたい」って思うのが私の中の審査基準なんで、「聴衆賞」の1票は彼の投票箱に。

<審査結果>

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第1位
池内響(バリトン) 

第2位
前川健生(テノール)

第3位
黒田祐貴(バリトン) 
川越未晴(ソプラノ) 

聴衆賞
池内響(バリトン) 

皆さん順位がついてまずホッとした。自分が投票した池内さんが1位と聴衆賞だったのでよかった。それにしても審査員が錚々たるメンバーで、紹介されたときになんだかテンションが上がってしまった。市原多朗さん、伊原直子さん、大倉由紀枝さん、大島幾雄さん(部門審査委員長)、高橋薫子さん、永井和子さん、堀内康雄さん、彌勒忠史さん、吉田浩之さん、久保田真澄さん。なんかもう1曲づつ歌ってほしいくらい。とくに子供の頃から憧れのディーヴァ、伊原直子さんを久しぶりに舞台で拝見。お元気そうで嬉しい。皆さんこのご時世でマスク装着でそれは残念。

表彰がほぼ終わったあと、観客席に慌てて入ってきた女性二人に「優勝はどなたでした?」「聴衆賞は?」と聞かれて「池内響さんです」と答えると飛び上がって喜ばれていたので、池内さんのファンなのかな、ぜんぜん関係ないけど私も喜ばれて嬉しかった。

今朝、Twitterを漁ってたら声をかけて頂いた方と思われるつぶやきを偶然見つけた。

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餃子召し上がっていたんですね。上野の昇龍有名ですね、行った事ありますよ。残念ながらTwitterやってないのでお返事できないけど(お返事は求めてないだろうけど)。9月9日のコンサート私も行きたいけど、仕事の関係で行けなそうで残念。

 

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