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2022年7月31日 (日曜日)

フェスタサマーミューザ2022  ブルックナー/交響曲第9番 井上道義/読響

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ハイドン:交響曲第45番「告別」
ブルックナー:交響曲第9番(ノヴァーク版)
指揮:井上道義  読売日本交響楽団
(7月29日 ミューザ川崎シンフォニーホール)

過去記事:フェスタサマーミューザ ブルックナー/交響曲第8番 井上道義/読響

3年前にたまたま同じオケ&指揮者で8番を聴いて、たいそうよかったので今回の9番も行く事に。在宅勤務で会社のネットワークが途中でつながらなかったりスリリングな一日であったが、なんとか仕事を終わらせて川崎へ。

8番がよかったせいか、平日にもかかわらずこの日は意外と混んでいた。3階席から見たところ8割~9割は埋まっている感じ。あいかわらず学生から中高年ビジネスマンからシニア世代までの男性観客で溢れていた。女性はブルックナーはすきじゃねえの。私もずっと苦手だったが、ワーグナー経由で飯守泰次郎さんのブルックナーに行くようになって良さに気付いた。ブルックナーって昔は「おじいちゃん、シベリアで捕虜になった話はもう何回も聞いたわよ」みたいな感じで、どれを聴いても年寄の昔話みたいに感じて面白くなかったんだけどね。

ブルックナーは女子トイレが空いているのでとてもありがたい。前はワーグナーでもそうだったんだけど、最近は女性もワーグナーの良さに気付いてしまったようで女子トイレでも結構並ぶ。

この日も前と同じように指揮者のプレトークあり。間に合わなかったので途中から聞いたけど、いろいろな気になる発言。「死ぬのはちっとも怖くない」(え、前に大病から生還したのに?)「ブルックナーを配信で聴くなんて意味がない」(まあ、そうだけどこのご時世だから来れない人もいるよね)など。

そんなこんなで演奏。舞台の後方に大スクリーンがあり、「なんかあるのかな?」と思ったらハイドンの時の演出だった。ハイドンの「告別」は最終楽章で楽員が一人づつ舞台からはけていく・・・という指定があることで有名だが(いくらハイドン音痴の私でもそれくらいの知識はあり)、この演奏が終わったら夏休みに入る(いや、まだブルックナーがあるけど)楽員さんの楽しい夏休み風景のスナップ写真がスクリーンに次々と映し出された。指揮者も譜面台に体を投げ出して寝てたり色々とやってた(みたい)。楽員さんがバイロイト行った写真があって羨ましく思った。

ブルックナーの9番は前に飯守さん&新響で聴いたことがある。その時は・・・正直そんなによくわかんなかった(いいな、すげえなと思ったけど)。今回は、だんだんわかってきた。最後の交響曲で、未完成。ふうん。私の印象は「病院で死の床に居て、余生を送っているってこんな感じ?」みたいな曲だなあと思った。そろそろ死について考えることもあるよなあ(結構友人とか友人のダンナとか死んでるし、私だってコロナになるかもだし)。

それと。読響さんでは先日二期会の「パルジファル」に行ったので、そのことを思い出した。こないだは演出のせいで(決して悪い演出じゃなかったしこういう視点もあるんだなあとは思ったけど)あまり曲に集中できなかったんだけど・・・いやあの第3幕のパルジファルがクンドリーに「あなたは泣いている・・・でも御覧なさい、野はほほえんでいるのです」と歌う場面の一連の音楽はいつもながら本当に美しくて・・・いやあれより美しい音楽はこの世にあるのかなくらい。ブルックナーを聴きながら、あの場面の時の気持ちがずっと全部、みたいな音楽だなと思った。きっと読響は意識してるのだと思う。

予想はしていたが、拍手は鳴りやまず。楽員さんがほとんどはけたくらいに指揮者が再登場しソロカーテンコール。引退を発表されているが本当にやめるのかなあ。やめるやめるサギじゃないの。いやまだまだ。

帰りに知り合いに会って、コロナ禍からクラヲタの人にお会いしたのが久しぶりだったので話が弾みすぎて家に帰ったら日が変わってた。それにしてもこのご時世で9番聴くだけのために関西から東京へ・・・。じゃあ私も東京からびわ湖に行ってもいいのかなあ、その頃はちょっとは収まってるかなあなどと思ったり・・・いやわからんけど。

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