« アリス=紗良・オット ピアノリサイタル(所沢ミューズ) | トップページ | よしもとお笑いライブ 目黒パーシモンホール »

2022年6月 8日 (水曜日)

資生堂チャリティーコンサート MUSIC for PEACE

A9e034ed287d499abba4a62e2e816d97

(6月7日 サントリーホール)

課長から「クラッシックに興味のある人早いもの勝ち!」というメールがきて、「は~い」と手を上げてゲットしたコンサート。いやこれは私しかいないっしょ。資生堂さん主催のウクライナからの避難民に向けたチャリティーコンサート。ウチの会社は資生堂さんは大得意先なんで、賛同していくらか寄付して券が回ってきたのであろう。こんなコンサートだもんで、行ってみるといつものサントリーホールの観客とはすごく違ってて、何かのセミナーとかちょっとした株主総会のようだった。しかしマナーはいいとは言えず、休憩時間にサントリーの係員のおねいさんたちがどんなに「おしゃべりしないで」のカードを捧げて歩いても、べちゃくちゃおしゃべり。

4541e6290ad345bdace1d23e46b6bd19

貰った券は1階席の前から11番目という、大変よい席。しかし、私のとなりのとなりのとなりくらいに『心の声が口にでちゃうタイプ』のおそらく重役クラスのおっちゃんがいて、資生堂の魚谷社長の心のこもったご挨拶に「こんな話いらねえんだよ早く始めろよ!」と発言していたので、私は『もしかしてウチの会社の人だったらどうしようはずかしい』とか思った。しかし、同じ会社の人と思われる周囲の女性たちの話を聞くと、どうも違う会社のようでホッとした。


私は比較的チャリティーコンサートに行く人なので(お金を払ってまで行く)、慣れっこなのだがわりといろんな人がご出演。司会はTBSの皆川アナウンサーで可愛かった。最初に登場した演奏家は仲道さん。彼女のチャリティーご出演を見たのは2度目である。前は何故かキムタクのご令嬢のフルート演奏を聴くという貴重なコンサートだった。お話しを交えた仲道さんの演奏はやはり素晴らしく、私の好きな曲ばっかりだったのでとても嬉しかった。続いて成田達輝さんのバッハの無伴奏のシャコンヌ。ストラディバリウスの響きはやっぱり素晴らしく、これ聴けただけでもいいかなって思うくらい。

休憩をはさんで。メインの出演者、ウクライナからいらっしゃった(というか命からがら避難されてきた?)オクサーナ・ステパニュックさんとデニス・ビシュニャさんのオンステージ。ステパニュックさんは昨年藤原歌劇団の「ボエーム」の舞台でムゼッタを歌われるのを見聞きした。その時はウクライナ人だなんてとくに意識してなかったし、コロナ禍だったものの戦争のせの字もなかった。清楚で素晴らしいムゼッタを聴かせて頂いたが、まさかこんな形でまたお会いするとは。ボエームの時は「このご時世で来日して下さってありがたいな」とか思ったけど、そもそも藤原歌劇団の一員らしい。

もちろんヴィオレッタだのジルダだのヴェルディの諸役のアリアも素晴らしかったけれど、何と言っても自ら弾くウクライナの民族楽器のバンドゥーラの演奏と歌唱が本当に素晴らしかった。いやほんと素敵。コロラチュラ・ソプラノは夜鳴きうぐいすそのもの。

もう一人のウクライナ人のバス歌手、ビシュニャさんは「タラス・ブーリバ」みたいな衣装で登場。ヘンデルの「オンブラ・マイフ」を凄いバスの美声で歌唱。いやもうショパンにバッハにヘンデル、もう私の好きな作曲家ばかりで嬉しい。しかし、そもそもタラス・ブーリバってウクライナの話なんだね(知らんかった)。しかし、歌われたのはヤナーチェクじゃなくてミコラ・リセンコってウクライナの作曲家の歌劇「タラス・ブリバ」のアリア。いやあ、こういうのがいいのだよ、知らない作曲家の知らない曲を聴くのがいいの。ビシュニャさんは何度か日本で公演されてその縁で?ご家族ともども日本に避難されてきたという。平和な日本に縁があって本当によかった。

私の近隣にいたあのうるさい重役風のおっさんはウクライナ人の歌唱が終わってそそくさと退散。最後は闘魂・・・じゃなくてお馴染み東混さんの素晴らしい歌唱。いや、ちゃんと最後までいようよ。日本の素晴らしい歌の数々。どれも編曲が変わっていて素晴らしかった。「上を向いて歩こう」はこういう時に聞くと本当に心に沁みるね。三善晃編曲の夕焼け小焼けも素晴らしかった。最後は出演者全員の「ふるさと」。ウクライナの歌手さんたちもちゃんと日本語で歌唱。っていうかちゃんと日本語しゃべれるのすごい。

こんな盛りだくさんのコンサート、タダで聴くの悪いなあって思ったので帰りにいくばくか寄付しようと思ったけど、だれも寄付しないので恥ずかしくてとっとと出てきてしまった。まあ、ウクライナにはまあまあ寄付しているのでいいかなって思った(すいません)。

|

« アリス=紗良・オット ピアノリサイタル(所沢ミューズ) | トップページ | よしもとお笑いライブ 目黒パーシモンホール »