ヘンデル/オラトリオ「メサイア」 バッハ・コレギウム・ジャパン
ヘンデル:オラトリオ『メサイア』HWV 56
ソプラノ:森麻季
アルト(メゾ・ソプラノ):湯川亜也子
テノール:西村悟
バス(バリトン):大西宇宙
指揮:鈴木雅明
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン
(12月24日 サントリーホール)
年末調整も終わり(今月残業60時間超えたわ)。当日券が出るということで、朝思い立って予約。いやクリスマス・イヴに「メサイア」なんてそんなベタな、と今までずっと思ってたが、よく考えてみるとここ2~3年で私のヘンデル好きに気が付いてきたので(観たのオペラだけだけど)、生演奏初挑戦。しかし、実際のところメサイアで聴いたことあるの、ハレルヤコーラスんとこだけ。
大丈夫かな。実はつまんなかったらどうしようって思い、その日の在宅勤務中にYouTubeで聴いてみたんだけど、結構いけるじゃん、英語だからわかりやすいし安心。
2階席の結構いいところをゲット。しかし、運悪く前の席の男の人が座高が高く、ソリストはあんまり見えず。嗚呼。
そもそも、外人のソプラノとバスだったそうだが(ソプラノはレイチェルだったのね)このご時世で全員日本人に変更(困ったときの大西宇宙さん)。その上キャスティングのソプラノの人が調子悪くて歌えないってことで、当日突然森麻季様に代わった。サントリーのTwitterで知り、思わずガッツポーズ取ってしまった。しかし、過去に歌ったことあるとは言え、そんなに急に歌えるもんなんだろうか。
でも全然杞憂だった。前からのキャスティングかと思うほどで、女神か天使のように美しい声だった。遠目に見て、まるでダビンチの描く聖母マリアのような外見だった。赤いドレスが素敵だった。しかし、第9やクリスマスコンサートで多忙なはずの人気歌手なのに、イヴにたまたま空いてたなんて奇跡だな。
他の歌手さんもみんな素敵で。あいかわらず大西宇宙さんの声は力強くかっこいいし、比較的出番の多いメゾの方もとても知性的で素晴らしい歌声だった。テノールの西村さんも相変わらず長身でかっこいいし、歌声も素晴らしかった。それにしても・・・少数精鋭のBCJの合唱団の素晴らしさよ。一人ひとりのソロでも素晴らしいんだろうね。
オケも素晴らしい・・・こないだのヘンデルのオペラでも「すげえな」って思ったバロックトランペット?の凄さ。あれ、あたしでも吹けるかなあ。どうやって音程作ってるんだろう。大西さんとのアリアの掛け合いもカッコイイし。
(そーいや家は真言宗だし、ついこないだ親戚の法事でお経を聞いたりしたあとだったのに、キリスト教の音楽がこんなに心に響くのはどうしてだろう。・・・とは言いながら、こないだ聞いたお経もお坊さん3人で唱えてて、結構ポリフォニーな、アジアな感じでかっこいいな、とは思ったけど。)
何もかも初めてだったので、色々気が付いたこと。
・ロビーの注意書きで、「ハレルヤコーラスで座席から立たないで下さい、一緒に歌わないで下さい」ってのがあったんだけど、もしかしてコロナ禍でなかったらそういう人いるってこと?いや、町の教会ならまだしも、世界に名だたるBCJと一緒に歌ったりする観客がいるってこと?そんなの迷惑すぎる。
・対訳の電光掲示板がなく、プログラム冊子に書いてある対訳を見ながらの鑑賞だったんだけど、ヘンデル(というかバロック)って同じ歌詞を何回も繰り返し歌うから全体的の量は少ないし、英語だから初めてでも目で追うのは簡単ね。
・しかし、私の両隣の知らない女性はどっちも対訳追えてなくて、ページをパラパラやってたけど。
・長い曲なので、途中で出て行ったりする観客もいなかったわけでもないけど、「あと2曲でハレルヤなのに、出てっちゃっていいの?」とか思う老夫婦もいらっしゃった。ハレルヤあってのメサイアでしょうが。
曲が終わって大拍手のあと、こういう大曲のあとには珍しくアンコールあり。最初「アルヴォ・ペルトの知らない曲かな?」というくらいすごい絶妙な和音でアカペラでさすがだなあ~と実はヘンデルより感動してたんだけど、途中から「に、日本語?」と思い、何の曲か謎だった。サントリーホールのHPによると「トラディショナル(鈴木優人編):いけるものすべて」とのこと。賛美歌かあ。
・鈴木パパが指揮の時はだいたい鈴木息子さんがチェンバロ弾いてるもんだと思ったら、今日は違ってて「他にコンサートあったのかな?」と思ったらどうもMステに出てたらしかった。知ってたら録画してたのに・・・うう。
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今年から会社で一緒に働いてるおにゃのこが、毎週「題名のない音楽会」観てたりライトクラシックなコンサートに行ったりしてるんで若干お話が合うなあとは思ってたんだけど、実はガチなクリスチャンで日曜は礼拝行ったりしているということをこないだ初めて聞いた。クリスマスはやっぱりメサイアとか聴きに行くのかな。聖書読んだことないしよくわからんで聴いてる私とはやっぱり感じ方は違うのかな。
ところで、楽しみにしていた二期会の「影のない女」が中止に。まあ、無理だろうなあとは思ってたんだけど。こんな状況でリモート演出でなんかあの難曲はムリなり。考えてみるとこんな状況で「ルル」はよくやったよなあ。
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