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2021年11月29日 (月曜日)

ニュルンベルクのマイスタージンガー 新国立劇場

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ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲
【指 揮】大野和士
【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
【美 術】マティス・ナイトハルト
【衣 裳】シビル・ゲデケ
【照 明】ファビオ・アントーチ
【振 付】ラムセス・ジグル
【演出補】ハイコ・ヘンチェル
【舞台監督】髙橋尚史

【ハンス・ザックス】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【ファイト・ポーグナー】ギド・イェンティンス
【クンツ・フォーゲルゲザング】村上公太
【コンラート・ナハティガル】与那城 敬
【ジクストゥス・ベックメッサー】アドリアン・エレート
【フリッツ・コートナー】青山 貴
【バルタザール・ツォルン】秋谷直之
【ウルリヒ・アイスリンガー】鈴木 准
【アウグスティン・モーザー】菅野 敦
【ヘルマン・オルテル】大沼 徹
【ハンス・シュヴァルツ】長谷川 顯
【ハンス・フォルツ】妻屋秀和
【ヴァルター・フォン・シュトルツィング】シュテファン・フィンケ
【ダーヴィット】伊藤達人
【エーファ】林 正子
【マグダレーネ】山下牧子
【夜警】志村文彦
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団、二期会合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団

(11月28日 新国立劇場 オペラパレス)

昨日行ってきた。上演時間5時間55分とのことだったが、体感、もっと長い気がした。あれ?私このオペラの全曲ナマで観たの何回目だっけ?と思ったらたったの3回目だった。こんなに長いと思ったことなかったわ。もしかして、テンポ遅い?(リングやトリスタンと比べてあんまりこの曲聴かないからわからん)

新国では座席に一枚づつお座布団が敷いてあるんだけど(エア・ウィーブ?)、それでももう3幕の最後の方はお尻が痛くなってきた。帰りの京王線で座った時、痛さに思わず「ひゃっ」と声が出た。

演奏は、なんかよかったのかよくなかったのかわからない(←えー)。普通に行われていた気がする(何年か前に聴いたハルサイの時のヴァイグレよりはよい)。10日の間に4回もやってもうなんかみんな疲れてないか? 楽団はとんだブラック企業。

しかも。拘束時間長いのに、愛する二期会では主役級の方々が、「え、いつ歌ったの?」ってくらい歌うとこない。もったいない・・・。鈴木准さん、大沼さん、長谷川顕さん、妻屋さん、好きな歌手さんたくさんなのに。もっと聴きたいよう。

覚えていることをつらつら。(ネタバレ?)
<第1幕>
舞台は現代。しかも今年の話だ。筋書では教会だけど、この演出では舞台上にもう一つ舞台、観客が宗教演劇みたいなのを見ている。マイスターの組合は劇団に読み替えされている・・・のかな。今年の話なので客がはけたあと、椅子をアルコール除菌シュッシュしてフキフキ。他の人が触った本をまたフキフキ。いちいちフキフキ。

現代のってわかるのは、舞台上の方にマイスターたちの写真が飾られるんだけど、そこに"Unsere Meistersinger2021"ってあったんで。あと、挙手するときに人差し指一本立ててたんで(ドイツでは日本人みたいに普通に挙手すると捕まるんだよね??)。

ヴァルターがエーファと結婚したいために、とりあえずマイスタージンガーの歌の試験。ベッグメッサーが舞台幕の後ろに隠れて、黒板に採点。黒板には何故か漢字がいっぱい。(あと1回上演があるけど、1階席前のほうでもオペラグラス必須。あちこちでいろんなことが起こり、小道具にも細かい設定が色々仕掛けられているので。ザックスの仕事部屋にクラナッハ?のアダムとイヴの絵が貼ってあって、まるでこの演出の結末を表しているような。あと演劇とオペラのスケジュール表にポーグナーの広告が載ってたりとか)

何故か熊の縫いぐるみ着ている人がたまに出てくるし、肉襦袢着た3人のおねいちゃんたちも何だろう。ぼる塾みたいな・・・

ヴァルターが怒りのあまり歌合戦に出る人々の写真の額をビリビリ破ったりする。鈴木准さんなど私の好きな歌手さんの写真が破られているのはとても悲しく、辛い。つか、ヴァルターはちっともかっこよくないし、歌もそんなに(悲)。合唱はいつも通りうまい。林さんはいつもながらお奇麗でうまい。安定の山下牧子さんもいわずもがな(長髪のかつらかぶるとお美しいのね。第3幕のお花のワンピース可愛かったし。)。ダーヴィットの伊藤さんは初めて見るな、代役なのか。めっちゃがんばってた。(でも・・・望月さんのダーヴィット観たかったなあ。)あと、コートナーの青山さんがすっごい美声で良かった。彼が座るときに座席に腰かけてた他の人が振動で飛び上がったのは、青山さんがイルデーヴの人だから?

第一幕、なんか眠かった。ワーグナーで眠くなるの珍しい。

<第2幕>
「ずっと眠かったらどうしよう」とか心配していたが、大丈夫だ、2幕は面白いので安心せい。とにかく・・・ベックメッサーを演じるアドリアン・エレート(ヴァイグレの時もこの人だった・・・忘れてたけど)が本当に面白くて・・・なんかもうこの人だけで今回大枚はたいて前の方取ってよかったと思った。YouTubeでゼンパーオーパーの予告編見たら、この人オリジナルメンバーなのね。アレ、まるでMrビーンなんだもん。エーファにセレナーデを歌う時だけちょーちんブルマー履いてたのワロタ。

この演出ではザックスは劇団の団長なのかな?って設定だけど、靴屋の設定は(音楽上)どうしても必要になるので、靴も作っている団長ってことなのかな(ワカラナイ・・・)。

ベックメッサーとダーヴィットの取っ組み合いのあと、大騒ぎになって劇場のブレーカー?が爆発しておしまい。

<第3幕>
ヴァルターが自分の歌を書き留めてた紙をベックメッサーがこっそり持ち出す(ザックスに見つかるけど)んだけど、歌合戦の時にザックスが演説してるときにこっそりその紙をちろちろとみているところがホントにMr.ビーンっぽかった。そんなシーンあったよねえ(第1話「カンニングはダメよ」)

本来であれば、従順な娘のはずのエーファだが、この演出では全然そんなことない。「靴が合わねー!!」って言ってザックスに向かって靴をぶん投げたりする。まあ、林さんが何をやっても、ダナエ役で米研いでたのを見てからびっくりしない。最後の最後のどんでん返しも、私はTwitterで知ってたのでそんなでもなかったし、いやそもそも現代のおにゃのこが「歌合戦の賞品」にされるのを良しとするわけない。あの演出は正しいのよ。

初日は演出に対して?ブー出たらしいけど(ブラヴォーは禁じられてたけどブーはええのんか?)、この日はなし。あとは大拍手喝采。もうなんか「このご時世の中、何度も延期になったけどよくやった」ってのと「こんな長い時間よく演奏した」ってのでもうスタンディングオベーションよ。本当に・・・お疲れ様でした。上演してくれて本当にありがとうございました。

しかし最近また、おミクロン様が出てきて(あたしゃ「なんで憎っくきコロナに『お』なんか付けるの?」ってホントに思ってたわ)、今後の演目はどうなるのか・・・「オランダ人」大丈夫なのかしら(行かないけど。)

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