メノッティ/電話 (調布国際音楽祭)
モーツァルト:
オペラ《フィガロの結婚》序曲
メノッティ:オペラ《電話》
ソプラノ:中江早希
バリトン:大西宇宙
――休憩――
ストラヴィンスキー:
組曲《火の鳥》(1945年版)
鈴木優人指揮 読売日本交響楽団
(調布グリーンホール大ホール)
鈴木一族による音楽祭に初めて参戦。はるばる調布まで行ってきた(東京都民なのでそんなに遠くはないが)。調布グリーンホール行くのは初めて。間違えて最初小ホールに行ってしまった。
昨年、堪能したヘンデルのオペラ「リナルド」にて悪役夫婦を演じた中江さんと大西さんを主役に上演されたメノッティの「電話」。このオペラ、今まで映像で見たことはあったけどナマで観られたのは初めて。「リナルド」では主役を食うほどの勢いだったお二人だったので、この上演を知ってすぐさま券を購入した。
大西さんは前日放送の「題名のない音楽会」に出演、クラシックの声楽家には珍しく、ようろっぱではなくアメリカのジュリアードに留学されていたのは「ウエストサイド・ストーリー」に感動して歌いたい!と思ったためだったっつー話を聞いた。なるほど、やっと謎が解けた。なので、おそらく今回のアメリカン・プログラムは嬉しかったに違いない(っていうか、もしかして現地で演じたことあるのかな?)。
片や、中江さんは絢爛たるコロラチュラソプラノであり、この役にぴったり。よくこのお二人をキャスティングして下さったと感謝感謝。
さて。ホールに入ったあと普通に検温・おてての消毒等あったのだが、何故か傘を預けさせられた。私は折り畳み傘なので普通に中に持って入ろうと思ったのだけど、どうもこの雨の中、傘を持ってホールに入ると読響さんの高価な楽器に影響があるっていうことらしい(だもんでしぶしぶ預けた)。こんなこと長年コンサート行ってて初めてだった。なんかコロナ対策的には帰りに密になりそうだなあとはオモタ。
始めに「フィガロの結婚」序曲。私は恐らく死ぬまでこのオペラを観ることはないと思うので序曲しか聴いたことない。高校の時ブラスバンド部で序曲を演奏したことはあるが(←ガチクラヲタには忌み嫌われるフレーズ)。なのでノーコメント。
「電話」は「演奏会形式」ながら、恐らく楽屋やホールから持ってきたと思われるソファーやらちゃぶ台やら座椅子やらを舞台にセッティング。小道具の中心となる黒電話と昔の公衆電話も(古道具屋で調達)セッティング。最後に地元のお酒「澤乃井」の一升瓶も運び込まれた。(前の「リナルド」を見た観客はちょっと笑いが漏れた)
最初に大西さん演ずるベンが中江さん演ずるルーシーに手みやげを渡すのだが、ルーシーが開けてみると中身は消毒アルコールの瓶だった(爆笑)。「これ、欲しかったの」とか言いつつ二人はおのおの除菌。
中江さんは希代のコメディエンヌぶりを発揮し、たまに発せられる「まじで~?」とか「もしもし~?」などの台本にない日本語なども利いていて、とってもチャーミング。コロラチュラの美声も大変素晴らしかった。昔のアメリカンなワンピも可愛かった。
大西さんは(そもそもミュージカルを目指してた?だけあって)電話ばっかりしている恋人にイライラしている演技が素晴らしかった。相変わらずの美声だし。ああ、びわ湖のローエングリンの伝令行きたかったなあ。コロナじゃなかったら行ってたのに。
調布地元らしい微ネタも満載で楽しかった。なお、用意された一升瓶はてっきり中江さんが飲むのかと思ったが、飲んだのは大西さんのほうだった。ちゃんと封を開けて飲んでたので、おそらくガチで飲んでたのかと。大西さんは最後は大事に持って帰ってた。
休憩のあとは「火の鳥」。私は鈴木王子の「火の鳥」は以前ラ・フォル・ジュルネで聴いたことあった。その時は母校のオケで、とんでもないすっごいド派手な火の鳥Tシャツを着て指揮されていた。けど、今日は真っ赤なシャツを着て指揮。(若干期待してたが)
「火の鳥」は(あんまりストラヴィンスキーにハマったことないのでそんなによくわからないんだけど)流石に読響だけあってダイナミックな演奏で素晴らしかった。1945年版って言われても(ブルックナー同様)よくわかんないんだけど。
舞台にセッティングされた公衆電話・・・っていうかこの形のものをみたことないんだけど。
調布はウチから一時間もかからないし、全然遠出でもないんだけど小旅行に行った気分を味わいたくて調布パルコの「北野エース」にて澤乃井の大辛口と深大寺のお蕎麦を購入。澤乃井はまだ飲んでないけどお蕎麦は美味しかったでした。なお、「火の鳥」を聴いて焼鳥食べたくなったので選挙の帰りに地元の焼鳥屋で購入。それにしても澤乃井・・・楽しみ・・・。
なお、オペラ「電話」のあとの筋書はなんとベンは二股かけていて、ルーシーじゃない振られたほうの彼女は電話をしながら首に電話のコードを首に巻き付けて自殺する・・・というのはウソです(それはプーランクの「声」です)。
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