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2021年4月18日 (日曜日)

あやしい絵展/国立近代美術館

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昨日の土曜日に鑑賞。15:30にネット予約したが、結構混んでいた。まあ、ぎゅうぎゅうってほどでもなかったけど。休日にしては丁度いい感じかな。

前に開催されて大ヒットした「怖い絵展」の続編的な感じか、または「うらめしや~、冥途のみやげ展」の系譜を継ぐのかな。こういうちょっとオカルトホラー系の展覧会が好きな人にとってはたまらない。

こういう企画展にはありがちなのだが、私のように美術史を一通り勉強したり、足しげく展覧会に通ってる者でも、日本美術史ではあまり知られていない人は結構いるもので、知らない画家の作品が沢山展示されていた。絵はまあ、うまいっちゃうまいんだけど、「この絵、買っておうちに飾るか?」って言われるといやあ・・・絶対いらないし、もし仕事から家に帰ってこの絵が出迎えてくれてもなんか・・・毎日ビビりまくるなあ、っていう画家さんの絵がちらほら。

特に印象に残ったのは、この展覧会のチラシや入場券になっている絵の甲斐庄楠音という画家の絵の数々で・・・美人画とは程遠い女性の肖像画である。何を思って描いたんだろう、気になる。「幻覚(踊る女)」など、こんな人が目の前に現れたら怖いなって思う。ある意味ダークウェブ的な。

あと、女流画家の梶原緋佐子という人の絵も印象に残った。いかにも「市井の女」をリアルに描いた絵の数々。「唄へる女」など、ちっとも奇麗でないけど、リアル大正時代の一般の女はこんな感じだったのかな。

しかしながら、こんないかにも不気味な絵ばっかりというわけでもなく、普通にみんなの大好きなミュシャのサラ・ベルナール・シリーズのポスターとか、(私が)ロンドンで沢山見た「ファム・ファタル(宿命の女)」な一連のロセッティやバーン・ジョーンスなんかの展示もあるし、更にこういった企画物ではレギュラー・メンバーのオーブリー・ビアズリーの「サロメ」の挿絵や、それに影響を受けた数々の日本の挿絵画家の絵も見ることができる。いや、何てビアズリーの影響は大きいことか。「パタリロ!」の魔夜峰央さんだってビアズリーの影響を多分に受けていると思うし。

色々と興味深いテーマに溢れていて、「怖い絵展」を楽しまれた方はきっと楽しく見られると思う。まあ、一番人気のあった部屋は普通に高畠華宵の美少女絵だったりするわけだけど・・・やっぱり弥生美術館の絵はいいよね。

こういう企画では、グッズの充実も楽しみではあるわけだが・・・最近ワーグナーの券取りすぎてお金が・・・ないんで何にも買わず。一緒に行った友人は、普通に近代美術館のミュージアム・ショップの古賀春江の「海」をデザインしたボールペンを購入。私も欲しかったんだけど、会社で出向の際にステッドラーの素敵なボールペンを貰ったばかりなので、買わず。古賀春江マグカップもちょっと心が動いたけど。色々他では買えないようなグッズに溢れてて魅惑的だった。

友人と久しぶりに会ったので、コロナに気を付けながら駅のレストラン街で食事。外人さんがやってるエスニック料理屋で「ビール1杯だけね」って言いながら3杯くらい飲んじゃうけど、ボトルワイン空けないだけちょっとは遠慮してるんですよ、私ら。

こういった怖い系の展覧会や、博物館に行くと結構持って帰ってしまいがちなので心配したのだけど、家でお布団で「さあ寝よう」とした時に背中をドンと押されたくらいであとはそんなに大したことはなかった。いつも恐ろしい頭痛に悩まされたりするんでね。

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まったく関係ないのだが。うちの録画機が勝手に録画してた「バチカンよりニッポンへ 祈りのレクイエム」という震災の復興支援コンサートの番組を見たら、薮田翔一さんという作曲家の「祈りの灯火」などという曲を演奏してて、「こりゃまた例の『HIROSHIMA』みたいなアレかな?」って思ったけど聴いたら結構いい曲だなって思って、何回も聴いている。とても静謐で聴きやすい。でもマーラーでもないしバーバーでもグレツキでもないし・・・って感じ。

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