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2021年1月31日 (日曜日)

藤原歌劇団/ラ・ボエーム (伊藤・笛田組)

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(チラシ写真は愛知公演のもの)

プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」全曲

総監督:折江忠道
指揮:鈴木恵里奈
演出:岩田達宗

ミミ:伊藤 晴
ロドルフォ:笛田博昭
ムゼッタ:オクサーナ・ステパニュック
マルチェッロ:須藤慎吾
ショナール:森口賢二
コッリーネ:伊藤貴之
ベノア:豊嶋祐壹
アルチンドロ:東原貞彦
パルピニョール:井出 司

合唱:藤原歌劇団合唱部
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
(1月30日 東京文化会館)

過去記事:藤原歌劇団/ラ・ボエーム (砂川・村上組)

初日に鑑賞。前回鑑賞時はムゼッタ役だった伊藤晴さんが今回はミミに昇格。人気若手テノールの笛田さんがロドルフォという配役。マルチェロは前と一緒で須藤さん。ちょっと前に見た感じなのに、もう6~7年経っているのか。月日のたつのは早いものである。

とはいうものの、前回の名演と同等に感想を述べるのは少しためらう。予定ではセスト・クワトリーニが指揮する予定だったが、鈴木絵里奈さんという知らないおねいちゃんに変わった。

更に、直前になって少年合唱団が出演しなくなった。「録音での演奏になります」的なTwitterを見て、たいそうガッカリした。前回見た時は少年合唱団が演技も歌もとても上手で、とても楽しみにしていたのである。でもまあ、しょうがない。第2幕の激混みのパリをこのご時世で舞台に乗せるわけにはいかない。

だもんで第2幕はちょっとさみしいものになった。大人の藤原歌劇団の方々は頑張っていたけど。パルピニョールのシーンは見てて厳しかったな。

さらに、歌手の皆さんはフェイス・シールドを着用しての歌唱となった。声が前に出ないのでは、とも思ったけど私のいた2階バルコニー席ではまあよく聴こえた。

オケは編成通り入ってた(と思う)。管楽器以外はマスクはされていたようだが、管楽器は仕方ないのでマスクなし。昨年の「ルチア」みたいに、感染リスクの大きい金管楽器は入れずに代わりにピアノで補強していたのを見聞きしてたので、大好きなボエームはちゃんと演奏されてたので本当にありがたかった。感染とか、何もないといいけど。

指揮者はちょっと知らない人だったので心配していたけれど、(演奏慣れている東京フィルだからかもだけど)わりと気にならない程度に良かった。この曲のヒロインに寄り添うこともできる若い女性が指揮しているということで、逆にキュンとしたりした。

ミミ役の伊藤さんは堂々とした歌唱でよかった。まるでアイドルみたいな可憐な砂川さんとは違い、伊藤さんは遠目に見ると若いころのフレーニみたいに見える。リアルなミミ、って感じ。

笛田さんの美声を生で聴けて嬉しい。ただ、ただそれだけでもう、有難い。須藤さんのマルチェロも最高。ステパニュックさんのムゼッタも可憐な歌声で素敵。たった一人だけ西洋人のキャストだけど、そんなに違和感はなかったな。

ミミの死を見ると、普通はただかわいそうだな、と思うのだけどこのコロナ禍、「自分の大好きな人たちに囲まれて死ぬなんて、まだ幸せじゃないか?もしコロナだったらせいぜい病院の人しかいないところでたった一人で死んでいくのに。」とか思ってしまった。

日本の伝統ある歌劇団による王道の舞台、佐伯祐三の絵画をもとにした美しい舞台は相変わらず何のひねりもなく、変わったこともしていないのに、見られて何て幸せなのだろう。色々と大変でしょうが、陰ながら応援して行きたいです。

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オペラがはねて、友人と会食して家に帰った。百恵ちゃんの伝説のラストコンサートを録画していたのでちゃんととれてるかちょっと見てみるつもりが、引き込まれて全部見てしまった。いや本当に百恵ちゃんは歌うまいな、っていうか舞台で演じてる感。友人との鑑賞だったのでボエームではさっぱり泣かなかったのに、さすがに「さよならの向こう側」には泣いてしまった。服部克久先生の指揮とは豪華な。

 

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