埼玉ゆかりの名歌手たちによるニューイヤーコンサート
小川里美(ソプラノ) 藤田美奈子(ソプラノ)
増田のり子(ソプラノ) 光岡暁恵(ソプラノ) 坂本 朱(メゾ・ソプラノ)
林 美智子(メゾ・ソプラノ) 小川明子(アルト) 大槻孝志(テノール)
高橋 淳(テノール) 友清 崇(バリトン) 原田勇雅(バリトン)
大井剛史(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
大林奈津子(司会)
(1月16日 川口リリアメインホール)
去年から券を取ってあったもの。緊急事態宣言発令のため開催を危ぶんていたが(わたしが)、前日リリアホールに問い合わせてみたところ「やります」とのことだったので、行ってきた。埼玉県出身または在住の、二期会や藤原をを代表するようなベテラン名歌手の名がずらりとならび、しかもシティ・フィルという豪華版なのに、謎の3,500円という低価格。やっぱりホール使用代が安いからかな。友人を誘って鑑賞。
リリアホールは昨年で開館30周年だということで、このコンサートは本当は去年やるはずだったのだけど、コロナのせいで延期になったということである。延期になってなければ私に情報は入ってなかったはずなので、結局(わたし的には)よかったかなと。リリアホールは遠い昔に母親と「蝶々夫人」を観に行ったことがあり。大変素晴らしかったのを覚えている。
なお、出演予定だった澤畑恵美さんは体調不良のため、欠席。とっても残念。
座席は一人置きに設定。近隣住民の観客が多いのか、高齢の方が多い感じ。まあ・・・こういうコンサートでは仕方ないのかカバンのチャックを開け閉めしたり、演奏中にお茶飲んだりとかしてる人が周りで見受けられた。券が安いとしょうがないね。
曲目は有名どころが集められているが、どうしてもドイツオペラはこういう時は少ないねえ。フィデリオだけだ(モーツァルトはドイツオペラか?)。代わりに?レハールやカールマンのオペレッタのアリアが聴けて、これはとても嬉しかった。そしてフランスものが若干多かった感じもしたのも嬉しい。
印象に残った歌。
藤田美奈子さん。「椿姫」のアリア、お美しい外見と悲劇性を感じる芯の強い声質でヴィオレッタに合っていた。この曲はとっても有名だけど、ただ音を外さずうまく歌えばいいってわけではなく、難しいアリアだよなあ。
大槻孝志さん。フェデリーコの嘆き、オネーギンのアリア。美声で素晴らしい。しびれる。ナマでこんな美声を聴けるのはとても幸せ。やっぱりナマはいいなあ。
増田のり子さん。月に寄せる歌。久しぶりに彼女の声を聴くなあ。ドヴォルザークのアリアいいよね。じいいいんと心に沁みる。
林美智子さん。ハバネラ。「日本でカルメンと言えば私よ!」みたいな感じで堂々たる歌唱(そういえばテレビのニューイヤーコンサートでも歌ってた)。双子のお子さんいるのかあ。
高橋淳さん。星は光りぬ、君こそ我が心のすべて。ひところ体を壊されて出演されなかった時期があって心配していたが、元気になられたようで良かったなあ。ミーメなどの性格テノールの第一人者だけど、普通の役も行けるのいいよね。
小川里美さん。チャルダーシュの女王。指揮者とともにノリノリで踊ったり楽しい。ところでオペレッタのオケ伴奏って生で聴くと本当にいいんだよね。
友清崇さん。フィガロの結婚のアリア イタオペ・フランスオペが続く中、突然のモーツァルトで新鮮に感じた。
原田勇雅さん。闘牛士の歌。何故か自然に手拍子が発生。この曲で手拍子起こったの初めて見た。埼玉の風習?
坂本朱さん 君の声にわが心は開く。この曲好きなので聞けると嬉しい。深いお声でうっとり。
他の方もみなさん素晴らしかった。司会の女性の方も(なんだか暗い棒読みの今年のNHKニューイヤーの司会と違って)明るく知性的でよかった。出演者のインタビューも良かったんだけど、男の方にもインタビューしても良かったかなと思う(と、一緒に聴いてた友人が言ってた)。
色んな国の曲を振り分けていた大井さんはとても楽しそうだった。思うに、演奏家やオペラ歌手は自粛生活の中何とかYouTubeなどで演奏を発信できるけど、指揮者はなんもやりようがないから、実演のうれしさはひとしおだろう。
とても楽しいコンサートだった。しかしまあ、相変わらずブラヴォー禁止なので何か気が抜ける。ブラヴォー言いたい。
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友人と久しぶりに会ったので、手短に川口駅周辺で(3密を避けながら)会食。パチンコ屋さんの8階の「千の庭」という和食チェーン店で。高級っぽい店構えなのに比較的リーズナボーで良かった。
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