藤倉大「アルマゲドンの夢」新国立劇場(最終日)
藤倉大:オペラ「アルマゲドンの夢」
台本ハリー・ロス(H.G.ウェルズの同名小説による)
指揮:大野和士
演出:リディア・シュタイアー
美術:バルバラ・エーネス
衣裳:ウルズラ・クドルナ
照明:オラフ・フレーゼ
映像:クリストファー・コンデク
ドラマトゥルク:マウリス・レンハルト
クーパー・ヒードン:ピーター・タンジッツ
フォートナム・ロスコー/ジョンソン・イーヴシャム:セス・カリコ
ベラ・ロッジア:ジェシカ・アゾーディ
インスペクター:加納悦子
歌手/冷笑者:望月哲也
新国立劇場合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団
過去記事:LFJ 2019 ライヒ/ディファレント・トレインズ
<あらすじ>
クーパー・ヒードンは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。クーパーは、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、愛妻のベラと合流し、闇を往く《無限列車》の中で、ジョンソン率いる独裁政治の一派に立ち向かう。夢と現実のはざまで混乱するクーパー。やがて戦争が始まり、ベラは銃で撃たれ息絶える。
(半分くらい鬼滅の刃を混ぜてみました。)
月末にガス点検があり、大掃除に全集中するつもりだったので行かない予定だったが、「こんなブログやってるのにこれを観に行かないのはおかしいと思われるんじゃないか」と思った(いや、別にそんなことはないんだけど)ので慌てて券を購入。
藤倉さんの作品は過去記事にあるとおりにラ・フォル・ジュルネで聴いた。その時聴いたのは「サイレンス・シーキング・ソレス」という英詩による歌曲などで、(自分の感想を見ると)とても気に入ったようだった。だもんで、たぶんオペラもいいんじゃないかな、という期待を持って初台へ。
で、鑑賞後の感想は・・・「うーん」って感じ。現代オペラだということなので音楽的にはある程度覚悟をしていたが、やっぱりなあ・・・という感じ。最初アルバン・ベルク、途中でブリテン、あちこち「中国のニクソン」かな・・・という感じ。現代音楽の世界的レベルってこんななの・・・って感銘を受けた。演奏難しそう・・・。
しかし演出は面白かったなあ。最初のあのへんな被り物(キモカワイイ?)の合唱団のアカペラで始まるのもなんかキャッチーだし、新国立劇場の舞台機構をフルに活用した地下から上がってくる電車もかっこいいし、途中で始まるカラフルな舞踏会(というか、オスカー・シュレンマー風盆踊り?)も楽しいし。
天使になった瀬戸内寂聴さんみたいないでたちの加納悦子さん、(長年彼の舞台を見続けているが)初めて見るすごい女装の望月さんと、日本人出演者も素晴らしかった。最後を「アーメン」の美しいレクイエムでしめるボーイ・ソプラノの子もとても素晴らしかった。最近、児童合唱とかボーイ・ソプラノが舞台に乗るオペラをよく見るんだけど、みんなうまいねえ。
まあ、正直言って・・・「頭のいい方が世界中から日本に集結して作り上げる天才的な舞台を見たけど、頭が悪すぎてついていけない」っていう感想。原作読んでないけど、(いろいろな感想を読んだところ)結構原作との乖離が多いのかな。最近くじ運いいからサイン入り原作本(HGウェルズのサインはないよ)もしかして当たるかなあ・・・と思ったけど当たらなかった。
コロナ禍中とは言え、演出上はほとんどそれを感じさせなかった。鑑賞中はほとんど忘れてた。わたし的には久しぶりの両隣が座っての鑑賞で(4階席はいっぱいだった)、右隣が大変ふくよかな男性で終始呼吸音が気になったし、左隣の若者は終始寝ていた。わがまま言うようで申し訳ないけど、やっぱり一人おきの着席のほうが気分的に楽だよね。
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