« 横須賀せっかくグルメ | トップページ | スニーカーランドリーぶる〜す »

2020年10月19日 (月曜日)

能「隅田川」/ブリテン「カーリュー・リヴァー」連続上演「幻」

6046a252ca944f59a619c336e03e9ff0

■能「隅田川」
狂女    観世喜正
梅若丸   観世和歌
渡し守   森 常好
旅人    舘田善博
笛     竹市 学
小鼓    飯田清一
大鼓    亀井広忠
後見    観世喜之 遠藤喜久
地謡    弘田裕一 駒瀬直也  中森貫太 
      中所宜夫 佐久間二郎 小島英明 
      桑田貴志 中森健之介

◆オペラ「カーリュー・リヴァー」
指揮    鈴木優人(オルガン)
狂女    鈴木 准
渡し守   与那城 敬
修道院長  加藤宏隆
旅人    坂下忠弘 
霊の声   横須賀芸術劇場少年少女合唱団団員
巡礼者たち 金沢青児 小沼俊太郎 吉田宏
      寺田穣二 寺西一真 山本将生 
      奥秋大樹 西久保孝弘 
演奏 カーリュー・リヴァー・オーケストラ
 フルート    上野星矢
 ホルン     根本めぐみ
 ヴィオラ    中村翔太郎
 コントラバス  吉田 秀
 ハープ     高野麗音
 パーカッション 野本洋介
 オルガン    鈴木優人
副指揮      平野佳子 
合唱指揮     谷本喜基
演出:観世喜正 ■、彌勒忠史 ◆
(10月18日 横須賀芸術劇場大ホール)

C9abbe4d1e48411493dbe71473b1041d

過去記事:ブリテン/カーリュー・リヴァー

隅田川+カーリュー・リヴァー(藝大奏楽堂)

はるばる横須賀まで行ってきた。隅田川とカーリューの組み合わせを観るのはもう3回目だし、遠いし行くのやめておこうかな、とは思ったけど、何かもう意地のようになっていて(ブリテンのオペラは行ける限り行こうぜみたいなものがある)、ぎりぎりA席をゲットして参戦。

ところで。

最初にこの組み合わせを観たのは観世能楽堂だったんだけど、この演奏の記録をネットで探したのだけど、トンと出てこない。パンフレットは実家にあるんだか、なくしちゃったのか手元にないし。なんだろうなんか気持ち悪い。

さて、前に観たカーリューも主役は同じ鈴木准さんである。不思議なのは今月同じブリテンの「夏の夜の夢」を新国立劇場で上演したが、前の藝大でやった時も同じ月に新国立劇場で「ピーター・グライムズ」を上演したのである。だもんで、新国立の今や常連の鈴木准さんだが、ブリテンのオペラではどっちも出られてない。同じ月じゃなかったらおそらく出てたんじゃないだろうか、何らかの役で。

ブリテンは他にも、同じ月に「戦争レクイエム」を二つの別団体が演奏したっていうこともあった。同じすみトリで。というようにあまり日本では演奏されないブリテンなのに、やるときは何故かかぶりがち、という私の認識。

まあ、それは置いといて。

今回の上演。申し上げた通りお能「隅田川」を観るのは3回目である。だけど、今回観て発見したことがある(個人的に)。それは。

「隅田川」ってメシアンの「アッシジの聖フランチェスコ」に似てない???

いや部分的にだけど。「アッシジ」の私の一番好きなところの第1幕「重い皮膚病患者への接吻」の場。狂女と皮膚病患者との違いはあるけど、「隅田川」の時に「地揺」っていうの?その他合唱隊みたいな人々が若干不協和音で発声してた?のを聴いて、なんか「アッシジ」っぽいなあと思った。

それと。今まで男声だけだったところに、ソプラノの天使が降臨して歌うところが、「隅田川」の子供が出てくるところに似ているなあって思った。

メシアンって親日家っていうし、きっとお能も観てるんじゃないかな(知らんけど)。「アッシジ」もなんか男ばっかり出てくるし、あまりドラマティックじゃなく静かに演じられるところが能っぽいじゃないですか(←私だけ?)。前回の「隅田川+カーリュー」を鑑賞した時は全然そういう発想はなかったんだけど。やっぱりカンブルランの日本初演を聴いた後だからかなあ。

で、「カーリュー・リヴァー」のほうは。藝大で観たときは何か舞台上にゴミがいっぱい?浮浪者?みたいな演出でちょっとイヤだったんだけど、今回は打って変わって美しい衣装と舞台。藝大のほうの演出はあまり動きがない印象だったけど、今回の狂女は百合の花を持ってくるくる踊っているように歌う。能というよりまるでプリマドンナ。全然違うね。

でも・・・残念だったのは(しかたないんだけど)オペラのときはみんな黒いマスクをしていたこと。まあコロナ対策なんだけど、なんだか・・・キリスト教じゃなくてなんか違う宗教のような感じで。ビスミラー!ハラマハラヒム!って言っちゃいそう。だいたい、このオペラは狂女は男性が演じているけれど、准さんは女装がお似合いなんですよ(藝大での上演の時奇麗だった)。それも楽しみにしてたのに・・・。与那城さんも実は・・・イケメンなんですよ(←みんな知ってるよ!)。マスクで隠れてて勿体ないな~。

現在ブリテンのテノールで第一人者のイアン・ボストリッチもこの「カーリュー・リヴァー」を演じている動画があるけれど、なんだか・・・彼はでっかいからちっとも女性に見えないですね。声楽的にはもちろん素晴らしいんだけど。

とか色々と文句がある(コロナに)ものの、公演は素晴らしいものだった。小編成のオケも1人1人がトップ奏者であったので皆さん印象に残った。

(ふと心配になる、来月見る予定のいくつかのオペラはどないなるんでしょう。歌手はまさかみんなマスクするんじゃないでしょうね)

あともう一つ・・・自分の好みの問題であるけど、お能の子役さん(狂女役の方の娘さん)もオペラのほうのボーイソプラノの子も・・・うますぎるので。私はもうちょっと下手なほうが好きです(自分勝手)。いやほんと、こないだの「夏の夜の夢」の少年合唱もめちゃくちゃうまかったけど、日本の合唱のレベルは凄いね。

・・・とまあ色々書かせて頂いたけど。こんなすごい公演がたったの一回だけなんて!もったいない。演奏もだけど、あの美しい衣装はどうするんですか? 他のオペラで使うのかな?って思うほど豪華だったし、本当に・・・再演してください、東京で(横須賀は会社より遠い・・・)。

-----

本日は在宅勤務だったのでYouTubeで「カーリュー・リヴァー」の他の公演だのお能の「隅田川」だの聴きながら?仕事してたのですが、たまたま出てきた「戦争レクイエム」の動画がやばかった。いやあの・・・テノールもバリトンもイケメンすぎてですね、仕事がはかどらないじゃないですか。テノールはワイルドだし、バリトンはブラピかと。いやほんと仕事しろ私。




<ちょこっとお知らせ>
このブログが、ココログのトップページにピックアップされるらしいです。「ココログ編集部で読み応えのあるブログや素敵なブログをピックアップして、日替わりで2件づつ紹介しています」とのこと。10月20日~29日の間の一日だけなのですが、使用画像として「マーラーとシェーンベルクとR・シュトラウスのカリカチュア」を選んでみましたのでお暇な方は毎日覗いてみて下さい。

|

« 横須賀せっかくグルメ | トップページ | スニーカーランドリーぶる〜す »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 横須賀せっかくグルメ | トップページ | スニーカーランドリーぶる〜す »