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2020年7月12日 (日曜日)

METライヴビューイング/さまよえるオランダ人

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ワレリー・ゲルギエフ指揮
フランソワ・ジラール演出
出演:エフゲニー・ニキティン、アニヤ・カンペ 、藤村実穂子 、フランツ・ヨーゼフ=ゼーリヒ、セルゲイ・スコロホドフ 、デイヴィッド・ポルティッヨ
メトロポリタン歌劇場
上映時間:2時間28分(休憩なし)
MET上演日:2020年3月10日(当初の3月14日から変更)
言語:ドイツ語

アグリッピーナに続き、鑑賞。どっちかというとアグリッピーナは観る予定なくてオランダ人は当然観る予定ではあった(藤村さん出るから)。ずいぶん公開は伸びていたようだが。

アグリッピーナに行った時は平日だったので観客は10人くらいだったが、昨日は土曜日だったのでまあまあ人は入っていた。小さめのホールで前3列くらい開けてほとんど入ってた感じ。でも、ご存知の通り映画館は千鳥格子状にしか座れないので、そんなに一杯な感じではない。隣に人はいないので、普通に映画を観るよりは快適・・・。と、うまくいけばいいのだがそんなでもなく。

一席開けて隣に座って男性が(たまーにそういう人いる)普通に「生活音がうるさい人」で。「んっ」とか「むむっ」とかたまにでちゃう人いるでしょ、病気とまではいかなくても。恒常的に咳払いする人とか。なんで、若干気になってしまった。ワーグナーじゃなければそんなでもないんだけど。

さて内容。演出はまあ、とにかくよく踊るなという印象。若干長い?あの序曲中も、ゼンタ(の替え玉のダンサー)がイナバウワーばりにのけぞりながら踊っている。アメリカ人はこんな序曲の間でも退屈なんだろうか。あと、女声の合唱の「ぶんぶん回れ糸車」のときも、糸車を回すような振付で踊っている。糸は上からロープがたくさん降りていてそれをもってぐるぐる振り回したりする。ぱっと見芥川の「蜘蛛の糸」みたいな感じか。

だが、まあメトは(ドイツの歌劇場みたいに)へんな演出はないので、安心して観られる。ぜんぜん普通である。演奏もゲルギエフだからすげえなあっていうほどでもなく、普通に良かった。歌手も平均的に良かった。カンペがメト初出演なのはびっくりだが、その昔観たリスベート・バルスレフのだんだん狂気を帯びてくる歌唱・演技がいまだに頭にあるので、ゼンタは意外とおとなしい印象。いつもながらゼンタのお父さんは(「フィデリオ」のマルツェリーネのお父さんとともに)「目的は金かよ!!」と思ってしまうけど、しょうがないのかな。エリックももうちょっとお金もちだったらね。

それにしても、藤村実穂子さんのマリーはもったいない・・・歌うとこ少ない・・・。ドイツやウィーンだったらマリーはないわ。次は「トリスタン」のブランゲーネとか歌って欲しい。「神々の黄昏」のヴァルトラウテもいいな。いやもう、実穂子さんの実演がまた観たいな。

オペラのほんものはいつになったら見られるのかな。こんなふうに映画もいいけれど、やはり思い切り拍手したりブラボーしたりしたいものである。

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家に帰って(演目的になんか物足りなさを感じて)、シュトゥットガルト歌劇場の「ワルキューレ」を鑑賞。「ラインの黄金」はなんか駅のトイレ?みたいな噴水みたいなところにたむろしてる娼婦みたいなラインの乙女たちに辟易して結局全部観なかった。「ワルキューレ」もいかにも「ドイツらしい」演出だし、デノケのジークリンデもベーレのブリュンヒルデもいかにもドイツのおばはん的なショートカットの髪型で可愛くもなんともない。映像見なければそんなに気にはならないのかもだが。ひところサヴァリッシュとともによく日本に来てくれてたヤン・ヘンドリック・ロータリングがヴォータンで、なんか懐かしかった。「ヴォータンの別れ」は何故かリモートで行われており抱擁もキスもなく、テレビ画面ごしの別れ。ソーシャルディスタンスか?「神々の黄昏」は石野さんは出演するのかな。

今夜はBSでウィーン国立歌劇場の「影のない女」の放映なので、ちゃんと録画できればいいな。

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