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2019年8月 3日 (土曜日)

フェスタサマーミューザ ブルックナー/交響曲第8番 井上道義/読響

B1cd05cd1c73400b80ec07b8dabe4223 ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB.108(ノヴァーク版)
井上道義指揮/読売日本交響楽団
コンサートミストレス:日下紗矢子
(2019年7月31日 ミューザ川崎コンサートホール)

急に思い立って会社を早退(ちょっと理不尽なことで怒られて頭にきてた)、水曜日だったので映画でも観ようと思ったんだけど今一つ乗り気ではなかったので、急遽川崎へ。ブルックナーあまり得意じゃないし「あのミッチーもブルックナーやんのか」(失礼)くらいのスタンスだったのだけど、読響だしいい演奏に違いない。

前に聴いた「ゲロ夢」の時に4階席横っちょから見下ろす席がよかったので同じような席で。しかし4階席なのに階数は3階から入るという困惑(迷ってうろうろ)。

ミューザでは前に食べたおろし唐揚げ定食?が美味しかったのでまた食べて(とろろご飯が美味しいのねえ)、ミッチーの前口上があるので急いでホールへ向かうと待ちあいで友人とばったり。くっちゃべってたのでミッチーのお話しはほとんど聞いてないんだけど(ごめんなさい)、どうも「この曲は下の方より上の方で聴いた方がいい。値段の高い1階席のお客さんは安い3~4階席に移った方がええで」的なことを仰ってたので、「わーいラッキー!!貧乏席最高!!」って喜んだ。

何でもミッチー氏は50年も前にG・ヴァント指揮読響のリハーサルに潜り込んで聴いたのがこの曲との出会いだったらしい。そんで今回サマーミューザのオファーがきたので断られるの前提で?読響とならブル8がいいな、と希望したらOKになってしまったという。まあ、夏祭り気分のサマーミューザでブルックナーの大曲1曲だけっていうのは(私にとっての生ブルデビューの)飯守さんの7番であったことはあったのでそんなに珍しくもないのかも。あれもいい演奏で忘れられない。

で、まあ私自身あんまりブルックナー聴かない人だし、ブルックナーは女子トイレが空いてて楽だとか(ワーグナーやマーラーもだが)、ティンパニー1人が大忙しなのに打楽器奏者の残りの2人は出番のある第3楽章までずっと座っているので、「ヒマなんだからティンパニーのマレットを渡してあげたり手伝ってあげればいいのに」とか思ってしまったり(同一労働同一賃金に反しているのでは)、「お茶でも入れてあげたいな」とか思ったりしながら聴いてる。

まあ、演奏についての細かいところはもっと詳しいブルヲタさんたちに任せて(色々な演奏を聴いてるわけではないので。ちなみに私が初めて買ったCDはジュリーニのこの曲だった)、ブル素人なりの感想を述べよう。まず、第1楽章は「遅いなあ」という印象であった。これを「堂々たる」と感じるか「ぬるい演奏」と感じるかは人によって違うのかな。ただ、指揮者が言ってた「4階席のほうがいい」というのは合っているような気がした。まるでヨーロッパの大聖堂を思わせる構築された響きに魅了された。家に帰ってからYouTubeでインバルと都響の演奏を聴いたら、もっと色々テンポ動かしたりやってたんで、どうもミッチー先生はこの曲のありのままというか曲そのものを聴かせたかったのかな、とか思った(よくわかんないけど)。第3楽章はやっと出番のシンバルさんとトライアングルが曲を盛り上げていたけど、出番はここだけなのね。

読響は今や黄金時代なのか(やはりカンブルランとの演奏会で腕を磨いたのかな)、管楽器も素晴らしかったし(私、フルートからクラリネットに旋律が渡されるところが好きなんだよね、何楽章か忘れたけど)、日下さん率いる弦楽器軍団も無敵の美しさだった。コントラバス軍団の楽譜めくるときに燕尾服のしっぽをひらっとさせるのがかっこよかった(演奏関係ないけど)。

まあ、ブルックナーよくわからんなりに私もかなり感銘を受けて聴いていたし「これは希代の名演になるのでは」という雰囲気が聴衆の皆さんたちの中にもふつふつと感じられた。第3楽章の終わりでも拍手?があったり、最後もいい具合な感じのタイミングで大拍手が起こった。拍手はなかなか鳴りやまず、オケが帰ったあとも鳴りやまないので日下さんとともに指揮者再登場。一般参賀?あり。「やっぱりいい演奏会だったんだ。私の耳に間違いなかった」と嬉しかった。終演後、ブルヲタさんたち何人か話しているのを聞いたけど、みんな大感激してた様子だった。

あとでミッチー本人のブログを読むとわかるが指揮者自身も相当会心の出来だったらしく、「カラヤンやチェリビダッケよりいい演奏」と楽屋に飛び込んできた批評家に言われたのを相当喜んでらしたようだ。私もそういう演奏にたまたま当たって嬉しかった。こないだのインバルの巨人とともに忘れられない演奏の一つになりそう。

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