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2019年8月31日 (土曜日)

龍角散presents ベートーヴェン「フィデリオ」演奏会形式 ヤルヴィ/N響

Fiderio_jarvi

ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」(演奏会形式)
【レオノーレ(男装:フィデリオ)】アドリアンヌ・ピエチョンカ
【フロレスタン】ミヒャエル・シャーデ
【ロッコ】フランツ=ヨーゼフ・ゼーリッヒ
【ドン・ピツァロ】ヴォルフガング・コッホ
【マルツェリーネ】モイツァ・エルトマン
【ヤキーノ】鈴木准
【ドン・フェルナンド】大西宇宙
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】NHK交響楽団
【指揮】パーヴォ・ヤルヴィ
(8月29日 文化村オーチャードホール)

過去記事:フィデリオ チョン・ミョンフン 東京フィル (オペラシティ)

飯守さんのフィデリオ at天井桟敷 (新国立劇場)

初日に鑑賞。龍角散が協賛ということで入口で龍角散の試供品を一包ずつ配られた。「なんでクラシックのコンサートの協賛が龍角散?」と思ったものの、なるほど演奏中の咳の防止のためには理にかなっているし、べつに普通にこれはサービスで配ってくれてもいいんじゃないかなとは思った。しかし、そんなことは全然関係なく私のすぐ後ろでものすごく咳をしているお客さんがいらっしゃって、(仕方ないことだが)なんか落ち着かなかった。夏風邪かな。私の龍角散あげましょうか?とか思った。結局私は調子よかったので最後まで龍角散は使わなかった。

この日はS席とA席しか残っていなかったが、何しろ一番安いC席でさえ12000円という。この超豪華メンバーならしかたないのかもしれないが高いなあと思う。そして・・・多くのクラヲタが申しているようにこのホールは音が良くない。いつもサントリーやオペラシティ、ミューザやすみトリなど音のいいホールで聴いているので、オーチャードの酷さは本当に困りもの。東急さんも(私が住んでるところからすると一番お世話になっている会社だが)ちょっと音響を見直すとか、ゲイゲキみたいに工事を入れるとか、考えたほうがいい。

ということでヤルヴィが頑張って指揮していたにも関わらず、なんとなくN響の音がこちらに届いてこないというかもどかしい感じは最後まであった。日曜日はちっとは良くなるのだろうか。当日券(しかも話題のtktsで取ってもらったんで)だったから1階席の30番目だったんっだけど、一応S席である。NHKホールもそんなによくはないものの、ここよりはましのような。しかも。なんとなくお客さんのノリが悪い。おそらく平日のため協賛会社がたくさんタダで配ったんじゃないかな、という気もする。有名なアリアが何曲かあるのにもかかわらず、アリアが終わってからの拍手もあんまりなかったり。「ここ、拍手していいのかな」みたいな戸惑いもあり。例えば新国立のお客さんとは質が違う。ただ、外国人のお客さんも(ドイツ人かな?と思われるでっかい女性や、どっかの大使館からきたのかなと思う民族衣装の方とか)多かった。

さてさて、私はフィデリオは人生3回目である。前の2回は昨年だったので、私のフィデリオ歴は非常に短い。子供の頃はあまり得意なオペラでなかったのでずっと聞かないで人生を送っていたが、昨年2回も立て続けに聴いたため、だいぶフィデリオ慣れしてきた。しかも3回ともかなり豪華メンバーである。チョンさんのも飯守さんのもとっても素晴らしかったし感動した。まあ、それぞれに演奏以外で特徴的だったこと(チョンさんの時は私の前の席の男性が何かあるたびにいちいち振り向いてびっくりスマイルするので気が散ってしょうがなかったこと、飯守さんのときはカタリナ・ワーグナー女史の素晴らしい?演出、等)はあったが、演奏も歌唱も合唱も世界レベルであったと思う。

この夏の終わりにはるばる欧米からいらっしゃって下さったびっくりするくらいの豪華メンバーなので、「ウィーン国立歌劇場が引っ越してきたのかな」感あった。バイロイトでも大活躍のピエチョンカ女史の素晴らしい(かっこいい)レオノーレは最高の歌唱だったし、フロレスタンのヘルデンテノールというよりはモーツァルトのタミーノ寄りかな?と思われるシャーデの高音も素晴らしかった。まあ、役柄的にはヘルデンよりも拘留されて弱ってるからリリックでもいいのかな。ロッコ役のゼーリッヒはウィーンのモーツァルトの香りをそこはかとなく漂わせていたし(気のせい?)、ウィーン国立歌劇場のバラクでおなじみコッホもなんか悪役顔で「ほんとにあの人のよさそうなバラクの人なの?」と思ってしまった。わが新国立では「アラベラ」のマンドリーカを歌ってたりしたので、オペラ歌手ってほんといろんな顔を持ってるなあと思う。

初めて聴くと思われるマルツェリーネ役のエルトマンもたいへんな美声で拍手を貰っていた。若い頃のルチア・ポップとかエディット・マティスとかの透明なガラスを震わせるような声がした。好きな声だった。新国立に続きヤキーノを歌った鈴木准さんは、安定した歌唱であったものの・・・色々な上演に引っ張りだこなのはよいのだけど声をつぶさなきゃいいな、とか恐らくライフワークであると思われるブリテンの曲もまた聴きたいなあと思ったりも。

ただ、実はこの公演を聴きに行こうと思ったのは、大西宇宙さんが出演するからであり。しかし、ドン・フェルナンドの出番は非常に少ないので「どうしようかなあ・・・」と最後まで迷ってた。まあ、声が聴けたのは有難かったけど、ちょっと前に松本ではオネーギンを(代役で?)歌われたというし、昨年はたまたま初めて聴いたプレトニョフ指揮の「イオランタ」で大変素晴らしい歌唱だったので、「もうちょっと主役級の、たくさん歌うのを聴きたいな」という贅沢な不満は残った。

いつもながら合唱団はうまいなあと。とくに囚人1を歌った(合唱団員の)中川さんはいい声だなって思った。ソロでも十分な人が集まって合唱団を作っているのでこんなにうまいのだな。

日曜日も上演するが、おそらく初日よりも聴衆の質も新国立並みになるだろうし、演奏もまとまってよくなるのではないか。とにかくこのレベルの歌手が東京で聴けるのはありがたかった。そして大西さんがもっと日本で聴けますように(石野さんとともに期待)。

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