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2018年10月20日 (土曜日)

ルジツキ/バレエ音楽「パン・トヴァルドフスキ」

51wbjbsl03l_sx355_ルドミル・ルジツキ:3幕のバレエ「パン・トヴァルドフスキ」(トヴァルドフスキ氏)
Antoni Wicherek 指揮/ワルシャワ大劇場管弦楽団・合唱団
Janina Ruskiewicz(ソプラノ)Bogdam Paprocki(テノール)

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前にルジツキのオペラ「エロスとプシュケ」のCDをとある読者の方が個人輸入?して下さり、ついでに送って頂いたのがこのCD。
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実はすぐにこの曲の記事も書こうと思ってはいたものの、いかんせん曲の内容がさっぱりわからず、そもそもこの「トヴァルドフスキさん」が何者なのかネットで調べてもさっぱりわからんかった。ポーランドなまはげみたいなもんかなと思ったくらい。なのでずっと止まったまま。
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ところが。
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先日購入した「ポーランド音楽史」のご本に、この曲のあらすじ的なものが書いてあった。ああ、有難い有難い。大先生にはすいませんが引用をさせて頂く。
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「このバレエの物語はポーランドの伝説に基づいたクラシェフスキの小説によるものである。占星術師で錬金術師のトヴァルドフスキ氏は失敗を重ねて借金を残し、借金取りに責められ、奥さんに怒鳴られて、苦しまぎれに悪魔を呼び、火の鳥に乗ってクラクフに行き、オルクシの鉱山でドラゴンを倒した。クシェミンキで悪魔と魂を売る契約を結び、若者に変身してメフィストを連れて、クラクフ市内でタトラ山で踊りを楽しみ、宮殿では女王の死を悲しむジグムント王に女王の姿を魔術で現出する。また、アラビアまで行って楽しむが、機智で悪魔に魂を売らずに済み、大空で今なお不思議な旅を続けているという内容である。」(田村進著・ポーランド音楽史より引用)
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正気か。とてもバレエで表現するような内容ではない。ポーランドのオペラやバレエ音楽がいまいち外国に浸透しないのは、ポーランド語が難しいとかではなく、「ポーランドの人以外にはあまりよくわからない物語」を素材に選びがちだからなんじゃないかと・・・私は思う。「エロスとプシュケ」もそんな気がするし、民族オペラであるモニューシュコ作曲の何曲かも、本で筋書を読んだけどとても複雑な話だった。それってポーランドの国民性なのだろうか。またそれとは別の話かもしれないけど、ポーランドの音楽家、兼業の人がものすごく多い。指揮者と作曲家とか、ピアニストと作曲家なんてありきたりなもんじゃなくて、作曲家と政治家(オギンスキ、パデレフスキなど)とか、作曲家と登山家(カルウォーヴィチなど)とか、なんか不思議・・・。
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さて、この曲の音楽であるが、とても平易でわかりやすい、ルジツキらしい曲である。バレエ音楽では珍しく(まあ、あまりバレエに詳しくないので調べれば色々あるのかもしれんが)上演には合唱(少年合唱も)とソプラノとテノールが必要になっている。ルジツキのオペラは(私のざっくりな印象として)シュトラウスやワーグナー的な、官能的な印象があるのだが、このバレエ曲でも独唱者が出てくるところだけはとても官能的である。ワーグナーやシュトラウスっぽい。他はまあ・・・普通かな。あとのほうチャイコフスキーの交響曲のかなりはっきりとした引用があり、著作権とか当時大丈夫だったんだろうか。
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なお、紹介のCDはYouTubeでも今は聴くことができる。1973年録音なので若干音が古いのだが貴重な録音といえよう。(当然だけどCDのほうが音はよい。)

第一幕のみ貼っておく。あとは探して。

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