「ミケランジェロと理想の身体」展 (国立西洋美術館)
終わりが近かったので慌てて金曜日の夜に駆け付けた。雨のせいか?人気ないのか?あまり混んではいなかった。大巨匠ミケランジェロとはいえ、彫刻はあんまり人気ないのかな。
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ミケランジェロ「と」って付いてるので、当然ミケランジェロだけの展覧会ではない。今回のミケランジェロの展示はたった二つ「ダヴィデ=アポロ」と「若き洗礼者ヨハネ」である。あとはギリシャ彫刻とかレリーフとか金属版彫ったやつとかである。ふううううん。
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ミケランジェロを描いた絵とかミケランジェロが像を作ってるのを作った像とかが印象に残った。ミケランジェロって若い時にお友達に?鼻を殴られたとかでお鼻が曲がってる肖像画があった。
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ミケランジェロの作品の二つは、一つはダヴィデなのかアポロなのかよくわかんないまま伝えられたやつらしい。テレビで爆笑問題がやってた番組で観たので知ってたけど、全体的に途中っぽかった。刃物のあと?がガリガリ残ってるし、背中を支える棒っぽいものも残ってる。未完成の美というか。
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もう一つの「ヨハネ」は何でも戦争で爆撃されてバラバラになったやつを、残された写真をもとに復元されたものだという。バラバラになった写真を見てなんか泣きそうになった。人間だったら即死だったろう。でも彫刻なので、みんなの力で蘇った。今もかけらが発見されたらいつでも繋げるようにマグネットでくっついてる式にしてあるらしい。お顔が半分くらいなくなってて再生されたのでほんとにかわいそう。
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あと、復刻版ではあるけど「ラオコーン」の展示があった。これは本物じゃないので撮影自由である。一人で行ったので一緒のポーズ取って写真撮ったりできなくて残念(そんなバカな人はいなかったが)。ラオコーンは全身像じゃない半身の石膏像は受験生にはおなじみで、私も高校の時美術室でよく描いていたものだが(よくあんな勉強で受かったもんだ)、全身像は写真以外では初めて観たなあ。
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「ミケランジェロあんまないじゃん!」とか思わなければ、謎のいい体の像をたくさん観られるので楽しい。あと、意外とギリシャ神話オタク?の女性の方を何人も見かけた。お子さんにネプトゥヌス(ネプチューン)の説明を丁寧にしていたおかあさんとかいて、どういう生活してるのかなと興味を持った。(どんな分野でもマニアやオタクの女性というのはいるものだ。昆虫展にもいるのかな)
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先日観た「累」が頭から離れない。あれ、本当にすごかったなあ。好みもあるし劇中で「サロメ」を演じたというのもポイント高かったけど、個人的には「カメラを止めるな」よりも面白かったな。センスの悪いポスターに騙されないでたくさんの人に見てほしい。土屋太鳳ちゃんが嫌いな人も観てファンになった人もたくさんいるみたいだしね。
上演が終わらないうちにもう一回観に行こうかなあと思ってる。監督が「絶対零度」の監督だってなるほど納得。質の良い演劇映画なのに、センスの悪い宣伝が本当に惜しい。
あと、エンディングテーマ曲もとてもいいですね。ハスキーな声が好きです。ファンになったわ。
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コメント
こんにちは。
私も『ミケランジェロと理想の身体』を見ましたので、大変興味を持ってブログを読ませていただきました。日本で今まで見ることができなかったミケランジェロの本格的彫刻作品の傑作『ダヴィデ=アポロ』を初めて見ることができて、感激しました。古代ギリシャ・ローマとルネサンスの作品を対比することにより、古代ギリシャ・ローマとルネサンスの芸術家が考えていた理想の身体美の表現の違いを感ずることができて、ルネサンス美術に対する理解を深めることができました。
私は、ミケランジェロの傑作『ダヴィデ=アポロ』と『若き洗礼者ヨハネ』を初めて生で鑑賞して感じたすばらしさと、成熟期の傑作ミケランジェロの若き日から晩年に至るまでの芸術の変化との過程と、成熟期の記念碑的な傑作・システィーナ礼拝堂の天井画『アダムの創造』を中心とした『創世記』のフレスコ画と『最後の審判』への道程についてレポートしてみました。 ぜひ目一度を通してみていただくようお願いします。
投稿: dezire | 2018年9月20日 (木曜日) 01時26分