藤田嗣治展 東京都美術館
お盆だというのに出社し、ほとんど人がいない中仕事をしていたが、なんか午前中で仕事が終わってしまったので帰ることに。本当はカハクの「昆虫展」に行きたかったが、何しろ世間は夏休み。小学生であふれかえってるのは想像がついたのでやめた。昆虫別に好きじゃないけど、香川照之さんが監修ということなので。昆活したかったなあ。
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ミケランジェロとどっちに行くか迷ったが藤田氏のほうへ。ミケはまた行こうと思う。
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藤田氏は今年で没後50年だという。今まであまり藤田画伯と向き合うことのない人生だったので、今回ずいぶんたくさんの彼の作品と出会えて本当に良かった。彼の絵はなんか白い裸体とネコちゃんの印象しかなかったし。それだけじゃなかった。ピカソほどじゃないけど、長い画家人生の中で何回か作風は変わっている。
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私にとって藤田嗣治は、あのオカッパ頭の独特の風貌の他には「女性にもてもてのフランス寅さん」のような印象の人だ。なんかずっとフランスに行ってた印象がずっとあったのだけど、そんなでもなかった。帰国してたこともあったし、南米やアメリカに行ってたこともあったという(初めて知った)。南米に行った時はそれなりに南米っぽい絵を描いていたし、帰国してた頃は日本人をモデルにして色々描いていた。でもなんか・・・もうおフランス生活が長かったせいか、描く日本人はどことなく・・・「外人が描いた日本人」という感じがして面白い。何故か沖縄が好きとのことで、平良とみさんみたいな沖縄の「おばあ」を描いたりしてて、「へー、これがフジタ・・・」と意外に思った。アメリカに居た時の絵はあんまりアメリカっぽくないのね。
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しかしまあ、生涯に何人もパートナーが変わったりしてたから(5回結婚?)、よほど女性にもてる人だったんだなと。ピカソみたいだなと思った。あの風貌で何故・・・と色々と疑問がたくさん沸いてきた。きっと魅力的な人だったんだろうな、あんな日本人、フランス人関係なく美女を虜にしてきたんだもんね。
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魅力的と言えば・・・もちろん絵もものすごく魅力的である。藤田画伯は日本人画家の範疇にはないのかな、とも思う。日本人が見てもヨーロピアンな感じが魅力的なのに、ヨーロッパの人が見ても東洋的というかエキゾティックで魅力的なんだろうと思う。
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絵も素晴らしかったけど、人となりにすごく興味を持って、カタログは買わずに「藤田嗣治 手紙の森へ」という新書を購入。本屋さんで買うのと違ってカバーを付けてもらえないので、いつも美術館で貰う朝日新聞の展覧会の号外をブックカバーにしてみたら、なかなか素敵になった。でも手汗かいたらインクが落ちそうだけど。
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