« グチ2件 | トップページ | 飯守さんのフィデリオ at天井桟敷 (新国立劇場) »

2018年5月26日 (土曜日)

ツィンマーマン/歌劇「白いバラ」(日本初演)

Weisserose2ヘンツェ:交響的侵略 ~マラトンの墓の上で~
ウド・ツィンマーマン:歌劇「白いバラ」
(演奏会形式/字幕付・日本初演)
ソプラノ:角田祐子
バリトン:クリスティアン・ミードル
指揮:飯森範親
東京交響楽団
(サントリーホール)
.
直前まで非常に行くのを迷った演奏会。ナチスや退廃芸術について(音楽でも美術でも)ずっと興味を持っている私なので、ショル兄妹を主題としたオペラは観るべきであるとは思っていたものの、何分にも(クラヲタなのに)現代音楽が苦手。ヘンツェとかツィンマーマンとか・・・ないわあと思っていたのだった。
.
ただ。
.
YouTubeでいくつものドイツ上演の予告編を見た。ドイツ現代演劇なのでとってもかっこいいのである。また、音楽的にももしかして・・・シェーンベルクとかベルクとか、とくにヴォツェックが大好きな私だったら大丈夫な感じはした(ただの勘だけど)。
.
.
まあ、行くのを迷ったものは「行くべき!」としているので(その昔、シモンボリバルの来日公演に行くのを迷って行かなかったことをずっと後悔している)まあ、とりあえず行く事に決定。当日券はSからP席まで出たのでそれも有難かった。サントリーの当日券でC席なのって初めてかも。事前にTwitterでみたリハーサルの写真の、数々の打楽器・・・とくにいろんな大きさのパエリア鍋みたいなのが釣り下がっているのを見て、もうこれはバルコニー席しかないと思い、それをゲット。
.
というわけで、会場はけっこう空席が目立つ。今年のLFJの10時過ぎ開演のゲイゲキのような感じ。土曜日の六本木でこんなんでいいのだろうか。勇気ある選曲である。
.
一曲目のヘンツェ。ヘンツェ、名前しか知んねえの。まあこの曲の作曲は2000年代なのでバリッバリの現代音楽なんだけど、全然心配することなかった。打楽器奏者の方々(何人もいたけど掛け持ちしまくってて忙しそう)の大活躍を眺めているのも楽しいし、曲自体もとてもかっこいい。もともと演劇の舞台の音楽だけあって、難解なものではなくジャズを思わせる部分もある。楽しかったなあ。
.
そして、メインの白バラ。まあ、ここにいらっさるようなお方には歴史上有名なお話なのでざっとかいつまんで書きますと、第二次大戦中に反ナチ活動してた兄妹がゲシュタポに捕まって処刑される話。なのだけど、このオペラは物語性はあんまりなくて、ナチスに捕まったあとのこの兄妹の心象風景を綴ったような内容になっている。
.
休み時間終わってホールに戻ると、ヘンツェの時と比べて3分の1くらいの小編成オケになっていた。それでも、弦楽器はそもそものオリジナルは5重奏とのこと。指揮者の希望で弦楽合奏になったようだ。大ホールでは弦楽合奏のほうが好ましいかな。
.
まあ、そもそもは独唱者二人とごく小さい編成のオーケストラで上演可能である、ということはちっちゃい劇場でも上演でき、お子様たちも気軽に(内容は気軽ではないが)鑑賞できるという教育的な側面もあるのかなと思った。これからのドイツを担う子供たちはこういう間違った大人に意見できるような、勇気ある子になってほしいというような。
.
独唱者お二人は本当に素晴らしく。とくにシュトゥットガルトでご活躍された宮廷歌手の角田さんの清らかで温かい歌声が印象に残る。バリトンの歌手の方も(高いめの声が多いのでテノールかと思ったくらい)本場では何度も演じているということで素晴らしかった。しかしまあ、いやあ、特に日本人の歌手の方がドイツの心を歌い演じ切ってらっしゃるところがねえ。あの「神様の元に連れてってください」的な悲痛な叫びは凄かった。
.
最後の最後は「私、ギロチンで殺されるのかしら、それとも絞首刑?」みたいな歌詞のあと、舞台は暗転、そして終わり。まことに衝撃的であった。私のとなりにいた見知らぬ男性は泣いていたようだった。私はあまりの曲の重さに、泣けなかった。
,
終わったあとは大ブラボー。みな惜しみない拍手を。私はこんな現代音楽を全く退屈せずに聴き通せたことに感動した(←え)。大満足の演奏会だった。行って本当によかった。
.
そのあと、六本木一丁目駅の「フクシマヤ」でパン買って帰ろうと思って行ってみたところ、3~4才くらいのお子様たちが楽しそうに遊んでいるのを見て、なんだか泣きそうになった。こんな小さな子供たちでも、ナチスは平気で殺してたんだよなあと。いつの時代でも、大人は未来のある子供たちを悲しませてはいけないよね。(上演中某アメフト部のことも考えてしまってたなあ)
..
この曲は演奏会形式でももちろんよかったけど、ちゃんと舞台で上演して欲しいものだ。演劇としても見てみたい。できれば某大作曲家の子孫みたいな演出家でなく(←え)。
.
----
.
おうちに帰って、テレビを見てて「ああ、平和ってすばらしいなあ」と心の底から感じ。そんで楽しみにしていた「おっさんずラブ」を見たら。まさかの展開に「日本の平和」は吹き飛んでしまった(私の中では)。ネットも大荒れである。みんな牧君が好きすぎる。実はこのドラマのヒロインは牧君である。
.
牧君沼にハマった人々よ。NHK時代劇の「銀二貫」を是非見てほしいわ。「おっさん」以上にけなげな林遣都君が見られるから。ただ、ちょんまげは似合わないけど。(時代劇専門チャンネルで6月20日午後8時から放送されるようですよ。このブログの読者が加入してるとは思えないけど。笑)
 
 

|

« グチ2件 | トップページ | 飯守さんのフィデリオ at天井桟敷 (新国立劇場) »

コメント

かっくん(角田祐子さん)は以前、とても気の合うお友達でした。彼女の声は凄いです!でも一度、年末のN響で彼女がソロを歌う時、風邪を引いてしまい、いろいろなオペラ歌手さんに良いお医者さんが無いか探して頂いた事があります。でも本番はなかなか良い出来でしたけれど、「DVDにダビングしてベルリンのEさんに送ります!」とメールしたら「えーちゃんやめてー」と返信が来ました。

投稿: えーちゃん | 2018年6月17日 (日曜日) 20時56分

>>えーちゃんさん

いつもコメントありがとうございます。歌手の皆様とお友達なようで羨ましいですね。

投稿: naoping | 2018年6月18日 (月曜日) 22時36分

親愛なる読者の皆様へ

ここで一つお断りとお願いです。
このブログ、一般の個人ブログですが勿論演奏者の方々もお読みになって頂いております(たまに個人的にメールを頂いたりもします)。そこのところをよくご理解の上、お書込みを頂きたく(不快に思われる方もいらっしゃるかもしれませんので多くは申しません)。どうか宜しくお願いします。

投稿: naoping | 2018年6月18日 (月曜日) 22時43分

すみません。悪気など全く無く昔の懐かしい話をつい思い出して書き込みしてしまいました。本当にすみません。オペラ歌手の友達が多い みたいな自慢する人に映った事でしよわうね。私自身は発達障害があり、自閉者スペクトラムで自分を客観的にも見るのがとても苦手です。結果、他人を悪気なく、下手すれば良かれと思っていた事が相手を不機嫌にさせ、自分でも本当に嫌なのです。こういうブログなんかにも投稿するのは控えた方が良かったのでしょうね。本当にすみませんでした。

投稿: えーちゃん | 2018年6月22日 (金曜日) 21時49分

ブログ主さんも「アスペルガーのせいにするな」と思われているかも知れませんね。ちょうど1年前、仲の良かった先輩夫婦からも突然言われました。「アスペだって真面目に生きている人はいる」とか辛辣なものでした。少なくとも真面目に生きているつもりだったので、それこそ死にたくなるほど落ち込みました。アスペで無い人にアスぺの辛さの何が分かるのかな?と

投稿: えーちゃん | 2018年6月23日 (土曜日) 13時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/108585/73563589

この記事へのトラックバック一覧です: ツィンマーマン/歌劇「白いバラ」(日本初演):

« グチ2件 | トップページ | 飯守さんのフィデリオ at天井桟敷 (新国立劇場) »