飯守さんの「神々の黄昏」 新国立劇場
ワーグナー:「ニーベルングの指環」第3夜
楽劇「神々の黄昏」(序幕と全3幕)
指揮:飯守 泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
演出補:アンナ・ケロ
美術・衣装:ゴットフリート・ピルツ
照明:キンモ・ルスケラ
舞台監督:村田 健輔
合唱指揮:三澤 洋史
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村 武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤 赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田 のり子
ヴェルグンデ:加納 悦子
フロスヒルデ:田村 由貴絵
第1のノルン:竹本 節子
第2のノルン:池田 香織
第3のノルン:橋爪 ゆか
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団
楽劇「神々の黄昏」(序幕と全3幕)
指揮:飯守 泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
演出補:アンナ・ケロ
美術・衣装:ゴットフリート・ピルツ
照明:キンモ・ルスケラ
舞台監督:村田 健輔
合唱指揮:三澤 洋史
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村 武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲン:アルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤 赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田 のり子
ヴェルグンデ:加納 悦子
フロスヒルデ:田村 由貴絵
第1のノルン:竹本 節子
第2のノルン:池田 香織
第3のノルン:橋爪 ゆか
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団
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申し訳ない。
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ずっと書いてきたが、この4月よりずっと多忙で。体が休まってない。やっとカミタソ行ってきたんだけど、まともな体調でない。今月も早や残業は30時間(←え)。前の日は10時まで働き、当日は朝8時半から出勤。昼まで給与計算業務をして半休取ってオペラパレスへ。土曜出勤の日だったもんで。でも、有給はごっちゃり余ってる。バイロイト3回くらい行けそう。金はないけど。
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休み時間もトイレ以外は席で死んでた。楽しみにしていたハヤシライスを食べに行く気力なく。当然第3幕ではお腹が空いてしまった。
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あまりに体がだるいのでオペラを見ている間も何だか後ろから歩いてくる黒い物体が見えたりして(通路でなく、わたしのすぐ横を)、結構ヤバイ感じがした。劇場って出るっていうし。見えないものが、見えないものが、見えないものが見えてくる(From アッシジ)。
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お前の体調なんかどーでもいい。はよ感想を書けと。ああそうかい。
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今回は「プログラム付きお座布団貸与付きS席」で。なんかお得な感じでしょ。お座布団は紺色で3センチくらいの厚さ(かな?)。わたしは腰痛持ちでもなく(版画してた頃はひどく悩まされていたが)、オペラパレスの座席もそんなに座り心地が悪いわけでもないのでタダじゃなきゃ借りないんだけど、座ってみるとちょっと座高が高くなる感じでこれはこれでいいかも。背が低いもんでね。
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席は前から11番目。前の席のお客さんがいつも気になるのだが(座高が高い人、アフロヘアの人などは非常にこまる)、今回は小柄なアジア系外人カッポーだったので全然気にならず。Youは何しに日本へ。
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逆に(こんなこと書いていいのかわからんけど)となりに座ってた知らない会社員風の男性が上演中かなり寝ており、起きているときも終始タメイキをつかれるので結構気になってしまった。このオペラ一番の聴きどころのハーゲンのまんねんの人たちの合唱が始まっても寝ていたのでエルボーで叩き起こそうかと思った(チミチミ、ここを見逃しちゃあかんやろ)。事件になるのでやんなかったけど。
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さて。私のリング歴はそこそこ長いが、コンプリートしたのは実は今回が初めてかも。トーキョー・リングも、準君のときとダン君の時を合算してコンプリートなくらい。何だかいつも一個抜けている。
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遠ーーーい昔に観たゲッツ・フリードリッヒの「神々の黄昏」も断片的にしか覚えてないんだけど。その時は「遠いようろっぱではこんな革新的なものをやっているのか。」と思ったものが、今見ると(一緒ではないけど同じ人が演出しているのでやはりかなり似ている)、ずいぶん古いなあという印象。パトリス・シェローのリングだって、当時はとんでもなく革新的で聴衆が受け入れられなかったものだが、今みると古典だしね。
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印象的だった舞台上に並ぶ巨大レンズもまた登場。あの後ろに歌手が立つと映画のクローズアップみたいな印象を観客に与える。演出家お気に入りの手法か。
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あと、薄い記憶であるが第3幕でジークフリートが3人のラインの乙女たちに何か四角い板のようなものを川にぶん投げてたシーンがあって、「なんか意味あんのかな。大人になったらわかるのかしらん」とかその時は思ったが、昨日ほぼ同じことがあったけどわかんないかった。板は三角だったけど。
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ええっと、順を追うと。プロローグ。端役は日本を代表する女性歌手で固めており。主役歌うような池田香織さんもノルンの一人。オカッパのウィッグでみんな同じように見える・・・って体形でわかるか。
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今回はペトラ・ラングのブリュンヒルデ。飯守さんリングは全部ブリュンヒルデは違う人だったのかな。どの人も・・・どうかな、テオリンがやっぱり一番好きかな。ラングはバイロイトおなじみな歌手だけど、あんまり好きな声ではない。しかも最初の方は声をセーブしているのかいまいち。仕方ないのか。
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グールドはいつものグールド。服装も変わらず。布がいっぱいいりそう。
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ギービッヒ家。ハーゲン役のペーゼンドルファーは「今日ちょっと調子悪いけど歌います」的なアナウンスが前回公演であったようで心配してたんだけど、この日は何もなく。治ったみたい。いつも通り見事。
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グンター役のケレミチェフは新国の「死の都」の時にフリッツ歌ってた人やで。死の都では二役で第2幕のピエロのあの有名なアリアも歌ったけど、真面目な歌唱をする人のようで「この人は(うーん)・・・ピエロ役より実直なグンターみたいな役のほうがぴったり」とか思ったので、ホントにぴったり。外見も、素敵なグートルーネ(安藤さん、美しい)とぴったりなスマートさ。怪しい関係にある兄妹がハーゲンの提案に喜んで、二人で手を取り合ってベッドの上でぴょんぴょんはねるシーンは可愛かったなあ。
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色々すっとんでワルトラウト・マイアーのヴァルトラウテ。相変わらずお奇麗である。芸歴長いからずいぶんいろいろな役を観させていただいたけど、ヴァルトラウテは初めて観るのかな。ジークリンデ、クンドリー、マリー(オランダ人じゃなくてヴォツェックのほうね)、イゾルデ。どの役も歌手のお手本になるような見事な歌いぶりだった。歌手というより舞台女優という感じ。普通のオペラ歌手のような「歌手だけどたまたまこの役やってる」感は皆無。もうその役の人にしか見えない(ロンドンでみたベーレンスもそんな感じだったなあ)。
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第2幕。アルベリヒ役の島村さんはリアルにアルベリヒにしか見えない。大体、西洋人がアルベリヒとかミーメとかを演じるとでっかい人が多いから「どこが小人族なの」と思うけど、島村さんはちゃんとアルベリヒに見える。片手が「フック船長」になってるのは「ラインの黄金」でヴォータンに指切られたからかな?
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ハーゲンがまんねんの皆さん(合唱団)を呼び出す。長いトランペットを持った奏者に人々が舞台の横のバルコニーに登場。効果満点である。合唱団も(今回は新国立合唱団じゃ人数足りなかったのか二期会その他からもお助け)いつもながら素晴らしい。ハーゲンがでっかいのでなんか合唱団が小人族のよう。ハーゲンは槍を股に挟んでまさかの下ネタ。2回もやる。演出だけど合唱団はもっと大暴れしてもいいのにな。
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ここにきてブリュンヒルデの怒り爆発。ここがこの役の真骨頂でしょ。ラングってなんか遠目に見て奈良美智さんの書くイラストみたいな感じだなと思った、オデコで。
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あまり関係ないけど、合唱団の女性の方々の正装の衣装がみんな違ってて、みんな素敵だった。オートクチュールかな、もっとよく見たいなと思ってオペラグラスで観てたんだけど出る時間短くてね。残念。
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第3幕。「ラインの黄金」と同様にながっぽそい青い蛍光灯みたいなのが前後しててライン川のお水を表す。3人の乙女結構衣装がせくしいで大胆。わたしがファンであるあの知的な加納悦子様があんなカッコで・・・ちょっと違和感。声楽的には(ノルンもだけど)この3人は見事。演技しながら大変そう。すっころんだりしたのは演出なのかしらん。
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いやまあ、今さらだけど、ホント不本意だわジークフリート殺されるの。なんだろうアレ。こないだの高速道路の事件思い出して(全然関係ねえのに)ムカムカした。見事な「葬送行進曲」を聴きながら、本当に悲しくなった。幸せだったころの「ジークフリート」でのジークフリートとブリュンヒルデを思い出して懐かしくなった。それと同時に・・・「ああ、もうこのリング観るの最後なんだあ」と思ってそれも悲しくなった。
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最後はブリュンヒルデの自己犠牲。ここでまたラングが本領発揮。あんまり声楽的には好きではないんだけど、とにかくド迫力で素晴らしい。さすがに歌いなれてる感。雷的な効果音が鳴り響き、大迫力。ドリフ的にセットがドタバタ倒れたりして「なんか・・・すごいもの見てるなあわたし。来てよかった。」とか今更思った。視覚的にも演奏も凄すぎて涙が出た。最後にいつも泣いてしまうんだけど何だろう。
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しかし、最後の最後でかぶったシーツの中からブリュンヒルデが引田天功ばりに「ハイッ」とばかり登場したので出てた涙もひっこんでしまった。ナニコレ。「ブリュンヒルデは生きていた!<完>」 でもちょっとターミネーターのサラ・コナーみたいでかっこいいなと思った。
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最後の拍手は舞台の幕が降りるまで待って待って待って・・・拍手が巻き起こった。たまにこういう観客の時に当たると大変ありがたい。まあ開演前に奇声を発する人もいたにはいたけど(何て言ってたのかわかんない)、鑑賞には影響はなかった。
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やはり一番拍手が多かったのは(第一幕の終わりでだけど)マイヤーさんだった気が。でも他の歌手もかなりブラボーが多かった。まあ若干飯守さんにもブーがあった気はするけど大体反応は良かった。それにしても(今更思うけど)日本人はなんでこんなにリング好きなのかしら。こんな長いものをよく耐えるよねえ。わたしもこんなに疲れているのにちゃんと全部観たし。
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その他、気づいた点。
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・ジークフリートのホルンの人が毎回のように外すのでなんか気の毒になった。終演後トイレで男泣きしてないか心配になった(そもそも男性なのか知らないけど)。
・新国立に初登場の読響は大健闘。ワーグナー得意だよね。
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・「指環」は指環というよりはメリケンサックみたいでアレで殴られたら出血しそう。
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・となりに座ってたカッポー(日本人)が、開演前の注意アナウンスを聞きながら「なんで日本語と英語だけなの。中国人とかも来てるんだから中国語とか韓国語とかでもすればいいのに」と言ってたけど、なんか想像するとぶち壊し感が。雰囲気を楽しもうよ。
申し訳ない。
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ずっと書いてきたが、この4月よりずっと多忙で。体が休まってない。やっとカミタソ行ってきたんだけど、まともな体調でない。今月も早や残業は30時間(←え)。前の日は10時まで働き、当日は朝8時半から出勤。昼まで給与計算業務をして半休取ってオペラパレスへ。土曜出勤の日だったもんで。でも、有給はごっちゃり余ってる。バイロイト3回くらい行けそう。金はないけど。
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休み時間もトイレ以外は席で死んでた。楽しみにしていたハヤシライスを食べに行く気力なく。当然第3幕ではお腹が空いてしまった。
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あまりに体がだるいのでオペラを見ている間も何だか後ろから歩いてくる黒い物体が見えたりして(通路でなく、わたしのすぐ横を)、結構ヤバイ感じがした。劇場って出るっていうし。見えないものが、見えないものが、見えないものが見えてくる(From アッシジ)。
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お前の体調なんかどーでもいい。はよ感想を書けと。ああそうかい。
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今回は「プログラム付きお座布団貸与付きS席」で。なんかお得な感じでしょ。お座布団は紺色で3センチくらいの厚さ(かな?)。わたしは腰痛持ちでもなく(版画してた頃はひどく悩まされていたが)、オペラパレスの座席もそんなに座り心地が悪いわけでもないのでタダじゃなきゃ借りないんだけど、座ってみるとちょっと座高が高くなる感じでこれはこれでいいかも。背が低いもんでね。
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席は前から11番目。前の席のお客さんがいつも気になるのだが(座高が高い人、アフロヘアの人などは非常にこまる)、今回は小柄なアジア系外人カッポーだったので全然気にならず。Youは何しに日本へ。
.
逆に(こんなこと書いていいのかわからんけど)となりに座ってた知らない会社員風の男性が上演中かなり寝ており、起きているときも終始タメイキをつかれるので結構気になってしまった。このオペラ一番の聴きどころのハーゲンのまんねんの人たちの合唱が始まっても寝ていたのでエルボーで叩き起こそうかと思った(チミチミ、ここを見逃しちゃあかんやろ)。事件になるのでやんなかったけど。
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さて。私のリング歴はそこそこ長いが、コンプリートしたのは実は今回が初めてかも。トーキョー・リングも、準君のときとダン君の時を合算してコンプリートなくらい。何だかいつも一個抜けている。
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遠ーーーい昔に観たゲッツ・フリードリッヒの「神々の黄昏」も断片的にしか覚えてないんだけど。その時は「遠いようろっぱではこんな革新的なものをやっているのか。」と思ったものが、今見ると(一緒ではないけど同じ人が演出しているのでやはりかなり似ている)、ずいぶん古いなあという印象。パトリス・シェローのリングだって、当時はとんでもなく革新的で聴衆が受け入れられなかったものだが、今みると古典だしね。
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印象的だった舞台上に並ぶ巨大レンズもまた登場。あの後ろに歌手が立つと映画のクローズアップみたいな印象を観客に与える。演出家お気に入りの手法か。
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あと、薄い記憶であるが第3幕でジークフリートが3人のラインの乙女たちに何か四角い板のようなものを川にぶん投げてたシーンがあって、「なんか意味あんのかな。大人になったらわかるのかしらん」とかその時は思ったが、昨日ほぼ同じことがあったけどわかんないかった。板は三角だったけど。
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ええっと、順を追うと。プロローグ。端役は日本を代表する女性歌手で固めており。主役歌うような池田香織さんもノルンの一人。オカッパのウィッグでみんな同じように見える・・・って体形でわかるか。
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今回はペトラ・ラングのブリュンヒルデ。飯守さんリングは全部ブリュンヒルデは違う人だったのかな。どの人も・・・どうかな、テオリンがやっぱり一番好きかな。ラングはバイロイトおなじみな歌手だけど、あんまり好きな声ではない。しかも最初の方は声をセーブしているのかいまいち。仕方ないのか。
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グールドはいつものグールド。服装も変わらず。布がいっぱいいりそう。
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ギービッヒ家。ハーゲン役のペーゼンドルファーは「今日ちょっと調子悪いけど歌います」的なアナウンスが前回公演であったようで心配してたんだけど、この日は何もなく。治ったみたい。いつも通り見事。
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グンター役のケレミチェフは新国の「死の都」の時にフリッツ歌ってた人やで。死の都では二役で第2幕のピエロのあの有名なアリアも歌ったけど、真面目な歌唱をする人のようで「この人は(うーん)・・・ピエロ役より実直なグンターみたいな役のほうがぴったり」とか思ったので、ホントにぴったり。外見も、素敵なグートルーネ(安藤さん、美しい)とぴったりなスマートさ。怪しい関係にある兄妹がハーゲンの提案に喜んで、二人で手を取り合ってベッドの上でぴょんぴょんはねるシーンは可愛かったなあ。
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色々すっとんでワルトラウト・マイアーのヴァルトラウテ。相変わらずお奇麗である。芸歴長いからずいぶんいろいろな役を観させていただいたけど、ヴァルトラウテは初めて観るのかな。ジークリンデ、クンドリー、マリー(オランダ人じゃなくてヴォツェックのほうね)、イゾルデ。どの役も歌手のお手本になるような見事な歌いぶりだった。歌手というより舞台女優という感じ。普通のオペラ歌手のような「歌手だけどたまたまこの役やってる」感は皆無。もうその役の人にしか見えない(ロンドンでみたベーレンスもそんな感じだったなあ)。
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第2幕。アルベリヒ役の島村さんはリアルにアルベリヒにしか見えない。大体、西洋人がアルベリヒとかミーメとかを演じるとでっかい人が多いから「どこが小人族なの」と思うけど、島村さんはちゃんとアルベリヒに見える。片手が「フック船長」になってるのは「ラインの黄金」でヴォータンに指切られたからかな?
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ハーゲンがまんねんの皆さん(合唱団)を呼び出す。長いトランペットを持った奏者に人々が舞台の横のバルコニーに登場。効果満点である。合唱団も(今回は新国立合唱団じゃ人数足りなかったのか二期会その他からもお助け)いつもながら素晴らしい。ハーゲンがでっかいのでなんか合唱団が小人族のよう。ハーゲンは槍を股に挟んでまさかの下ネタ。2回もやる。演出だけど合唱団はもっと大暴れしてもいいのにな。
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ここにきてブリュンヒルデの怒り爆発。ここがこの役の真骨頂でしょ。ラングってなんか遠目に見て奈良美智さんの書くイラストみたいな感じだなと思った、オデコで。
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あまり関係ないけど、合唱団の女性の方々の正装の衣装がみんな違ってて、みんな素敵だった。オートクチュールかな、もっとよく見たいなと思ってオペラグラスで観てたんだけど出る時間短くてね。残念。
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第3幕。「ラインの黄金」と同様にながっぽそい青い蛍光灯みたいなのが前後しててライン川のお水を表す。3人の乙女結構衣装がせくしいで大胆。わたしがファンであるあの知的な加納悦子様があんなカッコで・・・ちょっと違和感。声楽的には(ノルンもだけど)この3人は見事。演技しながら大変そう。すっころんだりしたのは演出なのかしらん。
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いやまあ、今さらだけど、ホント不本意だわジークフリート殺されるの。なんだろうアレ。こないだの高速道路の事件思い出して(全然関係ねえのに)ムカムカした。見事な「葬送行進曲」を聴きながら、本当に悲しくなった。幸せだったころの「ジークフリート」でのジークフリートとブリュンヒルデを思い出して懐かしくなった。それと同時に・・・「ああ、もうこのリング観るの最後なんだあ」と思ってそれも悲しくなった。
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最後はブリュンヒルデの自己犠牲。ここでまたラングが本領発揮。あんまり声楽的には好きではないんだけど、とにかくド迫力で素晴らしい。さすがに歌いなれてる感。雷的な効果音が鳴り響き、大迫力。ドリフ的にセットがドタバタ倒れたりして「なんか・・・すごいもの見てるなあわたし。来てよかった。」とか今更思った。視覚的にも演奏も凄すぎて涙が出た。最後にいつも泣いてしまうんだけど何だろう。
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しかし、最後の最後でかぶったシーツの中からブリュンヒルデが引田天功ばりに「ハイッ」とばかり登場したので出てた涙もひっこんでしまった。ナニコレ。「ブリュンヒルデは生きていた!<完>」 でもちょっとターミネーターのサラ・コナーみたいでかっこいいなと思った。
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最後の拍手は舞台の幕が降りるまで待って待って待って・・・拍手が巻き起こった。たまにこういう観客の時に当たると大変ありがたい。まあ開演前に奇声を発する人もいたにはいたけど(何て言ってたのかわかんない)、鑑賞には影響はなかった。
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やはり一番拍手が多かったのは(第一幕の終わりでだけど)マイヤーさんだった気が。でも他の歌手もかなりブラボーが多かった。まあ若干飯守さんにもブーがあった気はするけど大体反応は良かった。それにしても(今更思うけど)日本人はなんでこんなにリング好きなのかしら。こんな長いものをよく耐えるよねえ。わたしもこんなに疲れているのにちゃんと全部観たし。
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その他、気づいた点。
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・ジークフリートのホルンの人が毎回のように外すのでなんか気の毒になった。終演後トイレで男泣きしてないか心配になった(そもそも男性なのか知らないけど)。
・新国立に初登場の読響は大健闘。ワーグナー得意だよね。
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・「指環」は指環というよりはメリケンサックみたいでアレで殴られたら出血しそう。
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・となりに座ってたカッポー(日本人)が、開演前の注意アナウンスを聞きながら「なんで日本語と英語だけなの。中国人とかも来てるんだから中国語とか韓国語とかでもすればいいのに」と言ってたけど、なんか想像するとぶち壊し感が。雰囲気を楽しもうよ。
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・正直に書かせていただくと。今年聴いたもう一つのカミタソの、ハルサイ助っ人ブリュンヒルデのレベッカ・ティームが良かったなあ。もう一度聴きたい。あたし好み。
しかし、日本に居ながら年内に2回も、違うプロダクションのカミタソが見聞きできるなど、すごい時代になったものだ。
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