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2017年10月28日 (土曜日)

読書嫌いが読むカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

最近。
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夜中に毎日(再)放送しているTBSドラマ「わたしを離さないで」にめっちゃはまっている。何回もこのブログに書いているがウチは全録画テレビなので、放送に気が付いた時はもう何話も過ぎていたにも関わらず、さかのぼって一話から視聴することができた。そんで・・・この文章を書いている時点ではまだ最終回まで観てないんだけど。
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原作読んでみようかなあ・・・というゆるい欲求が湧いてきたので大手町のくま書で買ってみた。さすがノーベル賞取ったばかりの作家の作品で、普段音楽雑誌と付録付き女性誌しか用がない私でも探し回ることなくすぐ手に取ることができた。
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びっくりするかもしれないが、私が文庫本を手に取るのは本当に久しぶりである。音楽関係(と、漫画)以外の本を読むのは久しぶりである。「文庫本ってこんな大きさだったっけ」とかわけのわからんことを考えながら(値段、結構高いんだなとも思った)、購入。基本的にアホなので、さほど厚い本ではないが読破できるか心配だった。
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ところでテレビのドラマのほうであるが。大変暗い、重い内容である。しかしよく考えてみるとこういった傾向のドラマが私は前から好きなんだなと気が付いた。「永遠の仔」とか「白夜行」とか「明日ママがいない」とか。どれも明るく笑って見られるような内容ではない。共通点として大体子役が出てくるし、過酷な運命を背負った子供の成長の話が多い気がする。

(そういえば、先週だかにフジテレビで放送された「北九州監禁殺人事件」の犯人夫婦の息子のインタビューもちゃんと見た。あれはドラマと違って現実の話だけに更に重いものだったけど、今は普通の精神状態を取り戻し、結婚もして幸せになっているようでよかった。)
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というわけだが(←何が)。
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こんなに読書の苦手な私がなんと一日ちょいで読んでしまった。だけど、けっして読みやすかったわけではない。ドラマを見てたので頭の中で補足して読めたからかも。ドラマのほうがわかりやすいし、そもそも・・・ドラマは出演者が綾瀬はるかちゃんと水川あさみちゃんと三浦春馬くんとかなんで、メンバーからして圧倒的にラブストーリー要素が強い。そして・・・イギリスを舞台にした原作に比べて、日本らしく色々とウェットである。
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おまけにドラマには、原作にはない「クローン人間に基本的人権を!!」みたいな運動をする団体みたいなのが出てくるもんで(この運動をしている女の子がなぜかフランス人ハーフの女優さんで、めっちゃ美人。好き)、ドラマを観ることなく原作読んだ場合おそらく湧いてくる「なんでこの子たちはこの運命に抗うことなく静かに受け入れるのだろうか?」という疑問も解決できる。
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というように、非常に分かりやすくテレビドラマはできている。水川あさみちゃんが主人公の親友(原作でルースに当たる)役なのだが本当にムカつく役回りである(女ジャイアン?)。原作とは全然違う。最後の「提供」に向かう場面ではかなり凄い(内臓摘出手術に抗う)演技が見られる。涙なくして見られない。
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そういえば、本日「ふふふふーん」でこれのイギリス映画版を放送したみたいなんだけど、ウチ「ふふふふーん」に入ってないので観れないの。観たかったなあ。すいません、そのふふふふーんって何なの。
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TBSのドラマのほうは、本放送ではかなり視聴率が悪かったそうだが(いや、そりゃそうだわ。週末に観るのはしんどい)、残酷な内容ながら映像は美しく静謐な音楽が素晴らしい。全編に流れる「Never Let Me Go」の歌もいい。子役もうまい。しかし・・・何度も観たいとは思わない。SFとは言え、本当に辛い内容である。実際、わたしはテレビのグルメ番組で「この鶏はストレスのかからない自然に近い環境で育てています」とかいうのを観るのもしんどくなるくらいだった。人間が家畜として育てられる話だもんね。
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(ところで、このドラマの名前を略すと「わた離」となり、ノーベル賞作家から突然橋田寿賀子っぽくなっちゃうのでやめたほうがいい。)
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挿入曲「Never Let Me Go」
https://youtu.be/LUNWm_RyGyA
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今日、久しぶりに隣町の魚屋さんに行ってみたら、なんと・・・更地になっていた。このブログで数々のヘンテコ魚料理記事を書いていた、あの「歩いて行ける築地」と勝手に私が呼んでた大好きな魚屋さんである。本当にショックだった。これから新鮮なお魚(もしくはくじらのお刺身)を手に入れるのはどうしたらいいのだろう。

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コメント

ドラマは見てませんが、原作は刊行直後に読みました。
素晴らしい作品だと思いましたが、
でもこれってiPs細胞が完全に実用化されると
物語として成り立たなくなっちゃうな、
未来の人は理解できるだろうかと
数十年後の読者に向けていらぬ心配をしてしまいました。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2017年10月31日 (火曜日) 19時55分

>>木曽さん
やはりお読みになってますか(とっくに)。まあ、人間における普遍的な問題を描いたということでこの作品は今後も成り立つのではないかと私は思います(←ちょっと何言ってるか意味わかんない)。
その後、短編集「夜想曲集」を買って読みましたがこっちのほうが読みやすいですね、私アホなので(笑)。面白かったです。

投稿: naoping | 2017年11月 3日 (金曜日) 07時59分

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