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2017年9月10日 (日曜日)

ヴェルディ/オテロ バッティストーニ 東京フィル

1505045007857_2_3ヴェルディ:歌劇「オテロ」
指揮・演出:アンドレア・バッティストーニ
映像演出:ライゾマティクスリサーチ 真鍋大度
 
オテロ:フランチェスコ・アニーレ
デズデーモナ:エレーナ・モシュク
イアーゴ:イヴァン・インヴェラルディ
ロドヴィーコ:ジョン・ハオ
カッシオ:高橋達也
エミーリア:清水華澄
ロデリーゴ:与儀 巧
モンターノ:斉木健詞
伝令:タン・ジュンボ
新国立劇場合唱団(合唱指揮:冨平恭平)
世田谷ジュニア合唱団(合唱指揮:掛江みどり)
東京フィルハーモニー交響楽団
(オーチャードホール)
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<あらすじ>
アフリカ系黒人の男がせっかく政権と白人美女を得たというのに部下に騙されてすべてを失う。
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昨年のイリスがよかったので、今年も参戦。というか、バッティストーニがまだ日本で観られるうちに、まだものすごく偉くならないうちにオペラだけは観ておかなくては。
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実はオテロ、ナマで聴くの初めてなの。CDはトスカニーニのしか持ってない。この曲に関してはトスカニーニを超える演奏はないぜ・・・とは思ったものの。
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本日、指揮に限ってはそんなに違和感なかった。さすがに「トスカニーニの再来」と言われるだけある。演奏はホントに素晴らしかった。
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バッティスさんは舞台に颯爽と登場。指揮台に上ると会場の拍手が終わらないうちに演奏を始めた。こないだのアントニ・ヴィト先生のようだ。
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ところで。
今回のこの上演の目玉は映像の演出が真鍋大度さんであるということである(リオ五輪閉会式の日本のプレゼンの映像の演出とかPerfumeの舞台の映像を作ったりした人)。今回の上演は「美術手帖」にも特集されるくらい、美術界でも注目されていたのだと思う。まあ、いろんな仕掛けがあり(よくわかんないけど)、バッティストーニの腕になんか仕掛けられててそれに合わせて映像もいろいろ変わるとか、この曲の聴く人の心理状態に合わせて映像もいろいろ変わるとか・・・。
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私はリオ五輪での映像は面白かったし、Perfumeも実際見て見たいとは思ってたし、今回も実験的で見ててまあ面白いなとは思ったけど。正直東京フィルの演奏があまりにも雄弁なので「これってなくてもよくね?」とか思った。こんな凝ってなくても、先日の「けものフレンズ」コンサートの照明演出くらいでもよかったくらい。でも、まったくオペラに接するのが初めてな人だったら、こういう何かがないと、きっと見ていて迷子になってしまうに違いない。長年クラヲタしていると、なかなか初心者の気持ちがわからない。まあ、舞台いっぱいにプラネタリウムのごとく星空になったり、合唱団の歌うところで人の影が右往左往したり、デスデモナの死の前にろうそくの炎がたくさん映し出されていたり、そういう結構アナログな感じなところはきれいで好きかな。
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歌手は・・・まあ素晴らしい人とそんなでもない人と凹凸あった。たまたまこの日はどこかの映画館でヨナス・カウフマンの演じるオテロをやってたらしく。彼のようなイケメンオテロだったら、視覚的にずいぶん楽しめただろうなあとおもったけど。前回「イリス」にで出てたアニーレ。「テノールは不調のようだ」というツィッターがたくさん流れていたけどあたしの印象としては、昨年とそん・・・なに変わらない感じ。そもそもあんな感じなんじゃないかと。まあ昨年はタイトルロールでもなかったから気にしなかったけどね。
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基本的にドイツオペラ好きなので、よくわかんないんだけど。「オテロ歌い」ってやっぱり不足しているものなの?ジークフリート歌いやトリスタン歌いが不足しているように。やっぱりデル・モナコやラモン・ヴィナイ、シャーンドル・コンヤみたいなオテロ歌いは、今いないのかしら。今回のアニーレさんを見て、「いやこの人にデル・モナコは求めんわ、アレはムリだわ」とは思ったけど。
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それに比べて。相手役のデスデモナの人はとても素晴らしかった。初役だというが。外見もなかなかエロイ感じでよかった(ちょっとだけ昔の弘田三枝子さんぽかった)。高音もすんなり伸びていて聞きほれたし、聞かせどころの「柳の歌」もほろりとする名歌唱であった。後半みんな彼女の歌唱に引き込まれてた感じ。
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このところ(何年もだけど)絶好調の清水華澄さんも素晴らしかった。とてもよい演技をされていた。でも彼女のせいじゃないけど歌うとこ少なすぎるな。もっといっぱい聴きたいですね。
(・・・まあ、彼女のせいじゃないけどエミーリアってもしかしてデスデモーナを助けられたんじゃないの??とか思ったりもするが。違うの?)
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イヤーゴ役の人は、声楽的には素晴らしかったとは思うものの、もっと「やなやつ」感がほしかったところ。それに「悪役なのに惚れちゃう」感もなし。
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あー、でもね。今回一番思ったのは。
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そもそも、オテロに出てくるイヤーゴみたいな純然たる悪役にちょっと違和感がある。わたしが普段聴いているワーグナーのオペラは悪役の人間、少ないんだよね。「いや、ワーグナーのオペラに悪役たくさんいるだろう、アルベリヒとかクリングゾルとかオルトルートとか」と思われるかもしれないけど、ワーグナーのオペラの悪役、大体普通の人間でない。「魔法使い」だったり「小人族」だったりしませんか? 純然たる人間で悪役、少ない気がする。だから、イヤーゴを見てると「えー、人間なのにこんなに悪い人なの?この人には良心がないの?」とか思っちゃう。へんかなあ。
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まー。今回の席は前から6番目くらいだったのでよく聞こえたし(舞台後ろの方に歌手が行ってしまうと結構聴きづらくなってしまうのだけれど)、音響的には不満はさほどではなかった。
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第3幕が非常にド迫力でとくに楽しめた。
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それにしても、オテロってなんであんなに・・・バカなの。騙されすぎでしょ。
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ところで、本日「27時間テレビ」見てて思ったんだけど、バカリズムさんにオペラの演出をやってもらいたい。モーツァルトとかロッシーニとかどうかな。R・シュトラウスでもいいけど。

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