東京・春・音楽祭 神々の黄昏
ワーグナー:舞台祝祭劇 『ニーベルングの指環』 第3日 《神々の黄昏》
ジークフリート:アーノルド・ベズイエン
グンター:マルクス・アイヒェ
ハーゲン:アイン・アンガー
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ブリュンヒルデ:レベッカ・ティーム
グートルーネ:レジーネ・ハングラー
ヴァルトラウテ:エリーザベト・クールマン
第1のノルン:金子美香
第2のノルン: 秋本悠希
第3のノルン:藤谷佳奈枝
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:秋本悠希
フロースヒルデ:金子美香
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀
指揮:マレク・ヤノフスキ
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
映像:田尾下 哲
(4月1日 東京文化会館大ホール)
終わったぜ。何はともあれ終わったのです。・・・っていうのも、今日はかなりスリリングな公演だったのだ。主役二人が直前に降板って・・・うそでしょ。エイプリルフールでしょ。まあ、わたしネットで知ってたので行ってみてがびょーん!!ってわけでもないけど。
だもんで、公演の前に「本日の代役の二人は3月29日に到着して歌ってくれてるのでそこんとこ理解してちょんまげ」(意訳)的なアナウンスがあった。まあ、直接的に言えば「無理を承知で受けてもらったので間違ってもブーはすんな」ってことで。わかったZE!!(カヴァー歌手がおらんのがびっくり。新国立はいつもカヴァーが控えてるじゃないか)
ま、桜の季節ってことで花見でもしようかと思ったら、2時から名物ファンファーレ。リング最終章だから一応動画も撮った(UPはしないよ。友人に自慢するための記録)。小雨だったので室内で演奏、そのままロビーへ。外寒かったので開演まで1時間もロビーで待機。
お弁当。おいしいものを食べてこその人生なのです。
開演。席は前から28番目(!!)。満席のはずが、私の横4席は空席(!?) おまけにその前の4席も空席(!!?) おかげで大変見やすく、音も良好であったけどそれってどうなのよ。人気のこの公演、満席だからってあきらめた人もいるだろうに。まあ、当日券も出てたけどね。
主役(代役)二人。向かって右にジークフリート、左にブリュンヒルデ。なんだか聴いていて右スピーカー壊れてるのかな?的な。ジークフリート、声が小さい。そしてブリュンヒルデがものすごく声がでっかい。この差は。たぶん事情はいろいろ。ブリュンヒルデは今日だけ歌い、ジークフリートはもう一回公演も歌うし、セーブしてた感。そして(たぶん)ブリュンヒルデはすでに何十回もこのパート歌ってるだろう、そしてジークフリートはさほど経験ない感。だってプロフ見たら全然ドラマティックな役じゃないし。気の毒。
いつもながら、ヤノフスキの指揮は早いねえ。普段聴きなれているのはクレメンス・クラウスとかクナだもんで、「いやこんなはずでは」とかいろいろと考えるところはあったけんども。もう3回もこの人のワーグナーを聴いてたら慣れてしまった。慣れって怖いわ。
その後、登場のギービヒ家の人々。なんか3人かっこいいぞう。悪カッコイイ役のハーゲンはめちゃくちゃかっこいいし、ちょっと情けない役のグンターも演奏会形式ながら演技で情けなさ満載で。グートルーネは容姿、声ともにグートルーネみが満載。っていうか外見がなんかワーグナー家ぽくて、ヴィーラントの孫って言っても信じるわ。(失礼?)
ブリュンヒルデとヴァルトラウテのシーンは大変聴きごたえあり。音楽祭レギュラースタメンのクールマンはいつもながら抜群の安定感。そんでパワフルなティームとの掛け合いは凄かったねえ。ちょっとティームは怖かったくらい。「歌うジェット機」的な。
第一幕長いねえ。で、いつものように男子トイレの待ち列は長く。そして女子トイレはいつもガラガラ。私の行くコンサートはおっさん率高いのだ。
第二幕のコニエチュニーはどう見てもアルベリヒで。声、演技、すべてがアルベリヒだ。ヴォータン役なんてうそでしょってくらい。考えてみるとコニエチュニーもヤノフスキもポーランド人なのよね。全然そんな気がしない。ポーランド全然関係ない感。
第2幕は合唱団入るから楽しい。東京オペラシンガースはいつもながらうまい。今更だがN響もうまい。日本中からワグネリアンが集まる公演だもんな。いや、世界中からか。ドイツ人らしき一団も見かけたし(おそらくカタリナ・ワーグナーらだと思う。あとで考えてみると)、ロビーで中国から来たっていう女性も見かけた。新幹線に乗って日帰りで駆け付けた方も周りにはいて、終演と同時にバタバタ出て行った。忙しいのう。
ところで、本日は舞台後方に(また)安っぽいアニメーションが。このところ「けものフレンズ」にハマっている私なので、どう見てもこれってジャパリパーク。「いわやまちほー」「ぎーびひけちほー」みたいな。今にもフレンズたちが登場しそうだ。
↑ハーゲンに呼び出されるフレンズたち。ギービヒ家の危機なのだ。
第3幕。素敵なおねーさんたち(ラインの乙女)登場。オペラ版Perfume的な。ジークフリート役は3幕でやっと自分のペースに。なんかジークフリートというよりはマイスタージンガーのダヴィット的な。これはこれでリリカルでいいのかもね。4日も歌うからこれは期待していい。仕事忙しいから行けないけど。
ブリュンヒルデの自己犠牲。いやあもうかっこいい。聴いていて今までのリング演奏を思い出して涙が出た。まあラインの黄金は行けなかった(その年「死の都」3回も観たのでな)んで3回しか聴いてないけども。ティームさん猛烈かっこよかった。29日にアメリカから(かな?知らんけど)飛行機で来てくれて音楽史上最重量級のブリュンヒルデ役を歌う!!もうネ申としか。
終了後はもちろん大拍手。カーテンコールはスタンディングオベーション。何はともあれお疲れ様でした、無事終わってよかったよかった。いつもならトンでもなく長いカミタソも、5時間ちょいのコンパクト演奏。4日はもともとのブリュンヒルデが登板だそうで、調子が良くなってればいいけど。とりあえず本日のブリュンヒルデはわたし的には大満足!!ありがとうございました。桜全然見なかったのか唯一の心残り。それと昨年のシャーガーさんは奇跡。
来年はローエングリンか。うーん、パスかも(演目が嫌いなのではない)。
東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9《ローエングリン》上演決定!
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前日10時半まで残業で今朝は健康診断の再検査の結果貰いに行ったのでもう疲れちゃって。乱筆乱文ごめんなさい。再検査は全くなんともなく。まあ、健康はいいことなのだが、お金かけて検査してなんもなくて寂しいのは何故。
突然マンションの工事屋が入りケーブルテレビが見れるようになった。BSプレミアムも見られるので、シャーガーさんの放送も観れる。他には別にみたいものないんですが。
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コメント
結局チケットが入手できず!
「逃した魚は…」とほぞをかんでいたのでしたが、ふーむ、ドタキャンがあったのですね。まあ、ヤノフスキの指揮もそりが合わなかったから、まあ半々といったところか。
6月(TSO)と10月(YSO)の新国で、この悔しさはらします。
投稿: IANIS | 2017年4月 2日 (日曜日) 10時10分
>>IANISさん
うーん、演奏会自体はよかったのですが、主役が二人とも交代ってなんだかなって思いました。早々に完売してたのに当日券出たのもびっくりだし、当日券さばけなかったのもびっくり。たぶん主役交代した演奏会に当日行く客も少ないでしょうね、値段高いし。ブリュンヒルデが当たりだったのでまだ救われました。
投稿: naoping | 2017年4月 2日 (日曜日) 15時51分
4日(火)の公演を聴きに京都から上野へ。
リボールのブリュンヒルデもオケから声が突き抜けてすばらしかったですよ。
でも、黄昏のジークフリートもシャーガーさんで聴きたかった。
ということで、自分の退職記念として4月下旬のヴィースバーデンのリングチクルスに行きます。
http://www.staatstheater-wiesbaden.de/
投稿: antonin104 | 2017年4月 6日 (木曜日) 09時44分
>>antonin104 さん
いなくなってわかる、シャーガーさんのありがたみ。
私も退職してシャーガーさん観に行きたいです。
リボールさんもよかったみたいですね、ブリュンヒルデ。どっちも行きたかったけど、4日は残業で10時過ぎまで会社だったもので。
投稿: naoping | 2017年4月 6日 (木曜日) 22時58分