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2017年2月26日 (日曜日)

新日本フィル オール・ポーランドプロ

1488070262545_2_2モニューシュコ:歌劇『パリア』序曲
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11
シマノフスキ:交響曲第2番 変ロ長調 op.19
クシシュトフ・ヤブウォンスキ(ピアノ)
アントニ・ヴィット指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

(すみだトリフォニーホール 2月24・25日)
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前売り買ってなかったのに、金曜日・土曜日と結局両方出かけてしまった。そのくらいよかった。
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日本のプロオケの定期で、全曲ポーランドの作曲家の曲というのはあんまりないんじゃないか。全部ショパンとかならもしかしてあるかもだけど。モニューシュコとショパンとシマノフスキ。同郷の作曲家という以外は実は聞き手によってはみんな存在的にバラバラである。今回のプログラム(と演奏者)で、いろんなタイプの音楽好きがどんな反応なのか、勝手に想像してみた。
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(一般的な音楽好き)
・モニューシュコ→誰?全然知らない。まあ短そうだしいいかな。
・ショパン→ショパンのピアノ協奏曲大好き!(でもこのピアニスト誰?ヤブロンスキとは別人?どんな人?)
・シマノフスキ→名前しかしらない・・・なんか難しそう。面白くなかったらどうしよう。ぶるぶる。
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(クラヲタ)
・モニューシュコ→初めて聴くなあ。でも面白いかも、楽しみ。
・ショパン→何で今更ショパンなんか・・・でもマニアックな曲ばっかりだとお客入らないから仕方ないな、もしかしてナマで聴くの初めてかも。
・シマノフスキ→2番!!めったにやらないし絶対聴く!!しかもヴィット!!楽しみすぎる!!
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それに対してわたし。
・モニューシュコ→わー、モニューシュコ!!嬉しい!!でもパリアってどんなんだっけ。ウチにあるCDは「ハルカ」「幽霊屋敷」 (共にオペラハイライト盤)だけだし。まあ、あんな感じなんだろうな。
・ショパン→ヤブウォンスキ先生だ!!ショパンコンクールの審査員!!ウチにあるザレンプスキの五重奏曲のCDのピアノの人だよね。嬉しい!!きっといいに決まってる!!
・シマノフスキ→シマノフスキの交響曲がナマで聴けるなんて!!もう大変!!しかもヴィットの指揮!!もうわくわくが止まらない!!でもホントは3番やってほしい。
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ヴィットの指揮は私は初めてではない。以前ショパンコンクールにめっちゃハマって、日本での入賞者ガラ・コンサートまで行ってしまったときの指揮者がヴィットだったのだ。その時はワルシャワ・フィルまでやってきた豪華版で、ネットの実況中継で見てた面々がそのまま舞台に乗ってたので大層感動したものだ。まあ、ショパンばっかりじゃなくてシマノフスキとかやってほしいなどと思ったのも事実だけど。
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その時の記録だと、2回もピアノ協奏曲1番を聴いたようである。ゲニューシャスとヴンダーというフレッシュな面々。そういえば、私はこの曲は若手の演奏ばっかり聴いている気がする。
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ということで、演奏会。金曜日はS席で一階前から14番目。超セレブリティな席。両隣は空席だったんだけど。土曜日は3階席。
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ヴィット先生、舞台に登場。ぱーっと出てきたと思ったら指揮棒振りながら指揮台に乗った。まるで熱狂的な聴衆に応えてアンコールで「星条旗よ永遠なれ」を指揮するバーンスタインのようだ(←想像)。いやまだ演奏会始まったばっかだし。2日間ともそうやって出てきた。
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「パリア」(パエリアではない)は、解説書によるとインドのカースト制度を主題にしたラブストーリーのようだが、別に曲にインド臭はしない(気がする)。まあ、一般的なポーランド(民族的)音楽である。チェコで言うスメタナのような感じか。激しいところはことさら激しく、なのに静かな部分はびっくりするほどつまんなく演奏(笑)。2回聴いて2回ともそうだったので、そういう曲なんだろう。別にけなしてるわけではない。対比がとても面白い。ポーランドの指揮者じゃないとわかんないのだろうな。
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1曲目終わって、舞台上前の方を片付けて、スタインウェイをセッティング。ヤブウォンスキ先生登場。ガタイがよい。だけど演奏は繊細。ピアノの音の印象としては重厚さがなくてとても軽い響きな気がした(誉め言葉です)。演奏はことさらテンポを動かしたりせず、ショパンの心をそのまま音にしている印象。キレイな湖の水面にきらきらと月光がふりそそぐような、心が洗われるような美しさ。ヴィットの指揮もさすがに「世界一この曲指揮してる指揮者(ショパンコンクール等で)」という自信に満ちたもので、いつもながら立派。
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熱狂的な拍手に応えてアンコールは2日ともショパン2曲づつ。
1日目はノクターン第20番と革命エチュード。2日目はワルツ2番とノクターン第20番。どれもこれも宝箱を開けたようなきらきらとした演奏。ノクターンの静謐な響きはショパンの「言いたいけど言えない、もどかしい」感じがしてとても心に触れた。また、小学生のときにマウツジンスキの盤で毎日よく聴いたワルツも懐かしく(そういえば彼もヤブウォンスキ同様にショパンコンクール3位だった人である)。華やかな演奏に心が躍った。ロビー売店のヤブウォンスキのCD、1日めは売り切れたらしい・・・という情報も。
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ああ、いいコンサートだったねえと帰っちゃう気分になるほど前半素晴らしい演奏だったのだけど、メインのシマノフスキが残ってる。
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シマノフスキの交響曲は3番が大好きで、ほとんどピアノ協奏曲の第4番もたまに聞くけど2番はそん・・・なでもなかったので、演奏会に備えて(残業帰宅後)毎日のようにお風呂で聴いていた。なんかまあ、混沌とした曲だこと。
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もちろんヴィットはこの曲に精通してるだろうし(暗譜かな)、なにも疑問はなかったのだけど、ホントにびっくりしたのはこの曲演奏するの初めてかと思う新日本フィルがものすごくうまかったことである。ホントに日本のオケなの?って思うくらい。(実は友人情報だと「相当ヴィットは怖い人らしくて、しごかれたみたいよ」と。飯守さんみたいな人なのかな)
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とりとめのない、しかし官能的な響き。Rシュトラウスの交響詩をお鍋でぐつぐつ煮込んで、繊維がなくなっちゃったのを食べているような音楽。おいしいね。スクリャービンに比肩するほどの変態さ(誉め言葉です)。私は前記したように1日目は1階席だったのであまりの迫力に圧倒されて前で手を組んで祈るような姿勢で鑑賞。2日目は3階でちょうどいい音量であった。ただ、1日目のほうが指揮者に何か憑依したような感じですごかったな(ヴィットさんは曲が終わったとたんに我に返った感じで、曲の終わりが聴衆がよくわかんなくて拍手がぐだぐだになった)。2日目は楽員も慣れたのか整ってた。
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ヴィットさんは定期的に新日本を振ってポーランドものをやってほしい。ご本人も自国の曲を披露できるのは嬉しいだろう。(想像してみなさい、日本の指揮者が海外のオケを振って武満・芥川・伊福部などのオール日本プログラムを海外のホールでできたら、どんなに嬉しいか・・・違うか)
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おうちに帰って、まずヤブウォンスキのショパンコンクールの時の音源を聴き(そういうCD集を持っているので)、シマノフスキの2番を聴き(うちのはカスプシクとポーランド放送響盤。やっぱり自国もので滅法うまい)、ふとネットを見ると訃報が(遅いわ)。スクロヴァチェフスキはついに1回も実演に接することができなかった。わたしブルックナー得意じゃなくて。
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スクロヴァチェフスキはヴィットの師匠だったこともあったみたいだから、ヴィット悲しかっただろうな。同郷だし。だからあんなに熱のこもった演奏だったのかな。
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ヤブウォンスキ先生出場のショパコン。この年はブーニンが優勝。最近ブーニン見かけないなあ。
 

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