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2016年11月27日 (日曜日)

東京二期会/ナクソス島のアリアドネ 2016

R・シュトラウス:歌劇「ナクソス島のアリアドネ」
プロローグと1幕のオペラ
日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
台本:フーゴー・フォン・ホフマンスタール
作曲:リヒャルト・シュトラウス
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執事長 : 多田羅迪夫
音楽教師 : 小森輝彦
作曲家 : 白𡈽理香
プリマドンナ/アリアドネ : 林 正子
テノール歌手/バッカス : 片寄純也
士官 : 渡邉公威
舞踏教師 : 升島唯博
かつら師 : 野村光洋
召使い : 佐藤 望
ツェルビネッタ : 髙橋 維
ハルレキン : 加耒 徹
スカラムッチョ : 安冨泰一郎
トゥルファルデン : 倉本晋児
ブリゲッラ : 伊藤達人
ナヤーデ : 冨平安希子
ドゥリヤーデ : 小泉詠子
エコー : 上田純子
管弦楽:東京交響楽団
指揮:シモーネ・ヤング
演出:カロリーネ・グルーバー
装置:ロイ・スパーン
衣裳:ミヒャエラ・バールト
照明:喜多村 貴

(11月26日 日生劇場)
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過去記事:飯守さんのナクソス島のアリアドネ(関西二期会)
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東京二期会/ナクソス島のアリアドネ(2008)
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昨日観てきた。なんだかもう、一晩明けてまだ頭がいっぱい、おなか一杯。「大満足」というよりは、「大変なものを観た」という感。ただでさえカオス感いっぱいのこのオペラ、数多くの仕掛けや演出で、もっとカオスなものになってしまった。
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印象を一行でまとめると、「ドイツ=オーストリア風吉本新喜劇+三谷幸喜+欽ちゃんの仮装大賞」・・・かな。とにかく舞台のあちこちでいろいろなことがひっきりなしに行われている。歌手の皆さんの歌唱以外の演技の負担は半端なく(とくにツェルビネッタ)。その上やたらと早いテンポでそれを行わなければならず、早回しの映像を見てるよう。もう何もかも・・・「よくやった」という感想。
が。
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断っておかなきゃならないのだけど、実は一階席の前から6番目でかなりいい席だと思ったら・・・またやってしまった。前の客の座高が高く、妖怪人間ベラのごとく髪の長い女性で、舞台の5分の1は隠れてしまって私は右に寄ったり左に寄ったり忙しかった。頭の上半分邪魔・・・キルビルのユマ・サーマンを呼びたくなった、いやそんな殺人事件起こしたくないです。
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なので、全部は見えてません。音はものすごくよく聞こえた。まあニッセイは小さいホールなのでどこも聞こえるけど。前にカプリッチョ観た時は2階席だったなあ。2階席にすればよかった。
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マエストラ・シモーネ女史の指揮はナマでは初めて。ただ、彼女のリングの録音は持っていてとても素晴らしいものだった。指揮・オケに限れば古今のリングの録音でも、かなり高レベルのものかと。ただ、歌手的には現代の歌手なのでごく普通にようろっぱで聴かれるレベルのもの。コンサートやシンフォニーは聴いたことがないので、比べようがないのだけど、彼女はかなりの劇場人であると思った、今回の上演を見聞きして。何だろう、ちょっとあらかわバイロイトのハンマー先生を思い出した。歌手とのタイミングはバッチリだし、音楽がゆるいところは一切ない。早めのテンポでぐんぐんと進める。しかも盛り上げるところは十分に盛り上げる。
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二期会、よく彼女を呼んだなあと。
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で、プロローグ。序奏から素晴らしい。緩急がちゃんとついていて、まるでCDで昔の名盤(ケンペとか)の演奏を聴いているようである。
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舞台は後方に地下駐車場。ホテルのエントランススペース。本家の劇場よりは舞台が狭いためか少し簡素化。本家の舞台写真と違い舞台に車は入れないので自転車で引っ張られた車の中からツェルビネッタご一行が出てくる。服装はなんというか・・・70年代ドイツっぽいというか。ヒッピーっぽいというのか派手だ。もしりゅうちぇる&ぺこちゃんがこの中に現れても違和感ない。プリマドンナも林さんも(お奇麗な方なのに)プロローグではヘンなピンクのスーツでなんかオバサンっぽい。
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そもそもドタバタ劇なのだが、もっとドタバタしている。歌ってる後ろでもいろんなことをしているし、お笑い担当歌手の方々はひっきりなしに(本チャンのリハーサルで)踊っている。覚えるの大変だったろうなあ。今はやりの恋ダンスでも踊ればよかったのに。舞台横に着替え室?的なものが男性用・女性用と並んでおり、その中でどさくさに紛れて音楽教師とプリマドンナがやっちゃってて、上演時間になり衣服を直しながら慌てて出てくる。
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ツェルビネッタ役は明るい茶色の髪のショートカットで、ちょっとIMARUちゃんみたいな感じだなあと。
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プロローグ終わって休憩。ロビーやトイレを歩き回る。日生劇場ってホントに古いというか、レトロな雰囲気。いろいろな思い出があり懐かしい。
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後半のオペラ。結婚式場の客席かなんかみたい。舞台はなく、観客の周りで(ホントに余興で)行われている感じ。アリアドネはアリアを歌いながら観客のワインを取り上げて飲んじゃったりする。羽を付けて高い靴をはいた3人の女性独唱者。端役ながらとても素晴らしい。もっとブラヴォー言ってやって。プリマドンナの林さんはさすがに素晴らしい豊麗な声。昨年は舞台で米とぎながらアリア歌ってたんだなあと、胸熱。来年はマルシャリンだそうだが、佐々木典子さんの跡を継ぐシュトラウス歌手になりつつあるのかな。
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期待のツェルビネッタ。これはホントにすごいぞう。ただでさえクソ難しいこのアリアを一つも音を外すことなく美しく歌唱しているのに、なおかつテーブルから飛んで4人の男性歌手に体を受け止められたり、はたまた胸だのいろんなところを男性に触られながら超絶技巧の歌を歌うというのは、いったいどんな感じなのだろう。いやほんと、恐ろしい度胸である。(実は正月に彼女の出るオペラコンサートに行くのだが、俄然楽しみになってきた。)
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演出ではその他、ちっちゃいスクリーンみたいなものが登場してその後ろで男性たちが演じて影絵のようになり、それとともにツェルビネッタが演じたりするのは楽しいのだが、早いテンポなので「忙しそうだなあ・・・ここまでやんなくても、歌だけでも十分楽しいのに・・・」という感想。何故か男性たちはフランツヨーゼフとかウィーンの皇帝に早変わり、ツェルビネッタはシシィの服装で、ホントに忙しい。
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そのあと、バッカスが登場するので音楽がにわかに慌ただしくなり、3人の女性があれこれ状況を説明したりする歌を聴いているうちに、何か知らんけど涙が溢れてきて。何だろう、この涙は。
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まるで女優さんのように美しいすらりとした林さん(ちょっと天海祐希さんみたい)と、いかにもオペラ歌手体形の(ちょっとプロレスラーっぽい)バッカスの似合わなさがいかにもオペラっぽく。最後の二重唱はとても幻想的な演出で、二人のほかは周りはスローモーションで。シュトラウスの音楽は本当に美しい、素晴らしい。こんなにこの曲って感動するものだったの。別にナマで聴くの初めてじゃないのに。最後はなぜか全員バタバタと倒れ、プロローグから出ていたキューピッド(子役)が出てきて、観客のほうに矢を向けて、終わり。このわけのわからなさがいかにもドイツから持ってきた舞台って感じ。
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前回ダナエのときは2回観に行ったけど、今回はこの1回だけ。なんか1回で十分堪能。ほんとに・・・歌手の皆様お疲れ様でしたと言いたい。
 

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