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2016年9月18日 (日曜日)

トリスタンとイゾルデ 二期会

ワーグナー:歌劇「トリスタンとイゾルデ」
トリスタン:ブライアン・レジスター
イゾルデ:横山恵子
マルケ王:清水那由太
クルヴェナール:大沼 徹
メロート:今尾 滋
ブランゲーネ:加納悦子
牧童:大野光彦
舵取り:勝村大城
若い水夫の声:新海康仁
ヘスス・ロペス・コボス指揮
読売日本交響楽団
二期会合唱団
(東京文化会館大ホール)
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過去記事:カンブルラン/読売日響 トリスタンとイゾルデ①
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まず、大変喜ばしいことに本日やっと新しいパソコンが届いた。そんで今もうこうして使っている。最初の「わいはい」接続には思いのほか苦労した。「こんなにつながらないんじゃ、もしかしてわいはい飛んでないのかも」とか疑ったくらい。つながらない原因は、電気屋の書いてくれた手書きのIDパスワードの数字が間違っていたからであった。自分のところに届いたメールで確認して正しいのでやってみたらすんなりと接続できた。これが最初からあってれば、3分くらいでできたはず。
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まあ、○ッ○○○ラのおにいちゃんも親切にしてくれたし、ずいぶんといいパソコンを5万円ちょいで売ってくれたのだから、文句は言わないとしよう。
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で。本日行ってきたトリスタン。昨年、カンブルラン指揮の読響の演奏会形式のに2回とも出かけて、たいそう素晴らしかったので、また鑑賞することにした。正直、日本人キャストは今更感(←失礼!)もあったのだけど、歌唱もかなりのレベルだったと思った。
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第1幕。さほどいろんなものがあるわけでもない簡素な舞台装置。舞台には二枚の壁が合わさっていて、波の模様が全体に書いてある。中央には井の頭公園とかにあるくらいの簡素なボートとオールが2本。ボートにたたずむイゾルデと、ボートの外にブランゲーネ。海の中で溺れちゃうぞブランゲーネ。
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そんで私、横山女史の舞台姿と簡素な舞台を見て、「ああっ、昔懐かしい新バイロイト様式のようじゃ!まるでビルギット・ニルソン!」とか思ってふつうに観ていたんだけど。
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となりに座っていたご夫婦の奥様が第一幕終わったあと、怒りながら「あたし、許せないわ。もうちょっとお姫様みたいな人ならいいのに、これじゃ感情移入できないわ。声はいいけど。」と。(ごめんなさい)
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私もはたと気づく。中学生の時からワーグナーをふつうに聴いていたし、写真とかでヒロインの姿を見たりしてたので、正直ワーグナーのヒロインはニルソンみたいな人が普通だと思ってた。まあ、リゲンツァとかデルネシュ、はたまたW・マイアーみたいに声も素晴らしくて美女のイゾルデなんて奇跡でしょ。
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だって横山さんなんて今回のチラシのライプツィヒ公演の写真の現地イゾルデよりよっぽど可愛かったじゃない。そして声は力強さも女性らしさもあり、素晴らしい。第1幕からかなり飛ばしてたので「最後まで持つのかなあ」と少し心配になったけど、大丈夫。やっぱりパワーが大事ねワーグナーは。
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(池田香織さんも実は聞きたかったんだけど・・・予算オーバーのため見送り。評判よいので残念。)
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しかしまあ、今回も素晴らしいと思ったのはやっぱりブランゲーネ役の加納さんで。まあ、加納さんのブランゲーネは観るの2度目なんだけど、今回の演出がかなりブランゲーネに重きを置いていたようで、苦悩するイゾルデを敬ったり、慰めたり、はたまた毒薬を飲ませるようにイゾルデに言われて悩んだり、苦肉の策で惚れ薬を飲ませてしまった時とかの戸惑いの演技が秀逸であった。舞台女優並みでしょ。いや、オペラ歌手ってある意味舞台女優か。
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あと、クルベナール役の大沼さんもホント素敵でしたわ。「ダナエの愛」のときもかっこよかったのだけど、今回はもっとやんちゃな若々しい演出であった。まるで遠い昔の白黒映像の(YouTubeとかでたまにボロボロ落ちてる)F=Dの映像みたいな感じ。とても可愛らしい。
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トリスタンは・・・思ったより歌えてた。まあ「歌えてた」以上のものはないけど。びわ湖よりは全然まし。
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第2幕。壁紙が変わり、今度はルノアールの絵の拡大版みたいなグリーンの点描画の拡大みたいなの。そんで裏返しにされたボートとオール。マルケ王とちっともうまくいってないイゾルデ(当たり前か)。で、ろうそくの火を消して赤いスーツに身を包んだトリスタンが嬉しそうに登場。なんか・・・もうここらへんになるとなんだかカンブルランの時の演奏会形式が懐かしくなってしまった。なんかなあ・・・見ててむずがゆくなってくるんだよね、演出なんてなくていいのに(←じゃあ、何故見に行った)。
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まあ、演出で「おお」と思ったのは2幕の最後でトリスタンとイゾルデが相次いでナイフで自分の両目を切ったとこで(イテー)、私はちょっとだけ「え」とか言ってしまった。あとは思ったより普通の演出かな。あ、愛の二重唱の通常カットあり上演でした。
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第3幕。なんか現代美術の「おっきな筆で書きなぐったような」壁紙。中央にはやっぱりボートだが、今度は真ん中で折れている。オールも折れていて、そこらへんに散らばっている。ボートの中で寝ているトリスタン。グレーのスーツ姿のクルベナール。かっこいい。なんかクルベナールばっかり見てしまう。もうトリスタン役には興味がなくなってしまった。
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牧童役の人が白いスーツで白いお帽子をかぶってて、しょっちゅう帽子を脱ぐんだけど、何アピールなんだろう、つるつる頭に後光が射して(ごめんなさい)きらきらしてた。演出上何か意味あるんかなあとか注目してたんだけど、ただ禿げてただけだったみたい(ごめんなさいごめんなさい)。
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トリスタンは黒い目隠しをしてたんだけど、イゾルデが到着したと聞いて目隠しを取る。もうなんかめっちゃ歓喜だったんだけど、そこらへんになるともう私トリスタン役にはやっぱり興味がなくって、「ただおっきな外人が勝手に苦しんでる」みたいな感覚に陥った。いやあ、ここんとこの読響はホントに素晴らしかったなあ。「こんな音も出してたんだ」とかいろんな新たな発見があった。このオペラの主役はオケなんだなあ。
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イゾルデが目隠しして登場。まあ、周囲では普通に修羅場を演じ、クルベナールは自分で自分を刺したりして死んでしまう。ブランゲーネはグレーのスエットみたいな素敵なスーツで登場。あーゆー服ほしいな。
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イゾルデの愛の死で、「最後どんなどんでん返しが??」とか思ってわくわくしてたんだけど、ヒロインは折れたオールをつなぎ合わせて、ボートもつなぎ合わせて、ボートの中で歌って終わり。結構普通。横山さんはいつもながらメタリックな声で素晴らしい。日本人では最高レベルのイゾルデでは。
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マルケ王が若干「若すぎるかなあ」って思ったけど、みなさんよかった。あらかわバイロイトで大活躍の今尾滋さんもメロートで頑張ってた。
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ちょっと残念に思ったのは二期会合唱団が(上演中もカーテンコールも)まったく顔を出さなかったこと。舞台裏では普段着だったのでしょうか。演出とは言え、もっと舞台上に出てきて歌ったほうが男声合唱の迫力があるのに。もうちょっと聞こえたかったなあ。
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オケは(何度も言うけど)素晴らしかったし(ホルンとかクラリネットとかとくに)、いつもながらよい音であった。カンブルランと比べて、指揮はごくごく普通のテンポだった。
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初めて上野でポケモンGOやってみたんだけど(もうレベル22なの!)、ポケストップが「ヘラクレス像」とか「カレーの市民」とかで芸術的で上野らしいなあと思った。レアポケモンのハクリューを初めてゲットしたぜ。ピカチューは山手線内で逃した残念。

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