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2016年5月11日 (水曜日)

チャップリン/モダン・タイムス C・デイヴィス/新日本フィル

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新日本フィルの生オケ・シネマ
チャップリン/モダン・タイムス
カール・デイヴィス[指揮]
新日本フィルハーモニー交響楽団[管弦楽]
山本光洋[オープニング・チャップリン・パフォーマンス]
(5月7日 すみだトリフォニーホール)
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ゴールデンウィーク終盤の、一番の楽しみだった演奏会。映画「モダン・タイムス」をすみトリで上映し、世界的映画音楽指揮者カール・デイヴィス指揮の新日本フィルの超絶シンクロ生演奏を楽しむという企画。「映画で6000円もするって何」って思ったんだけど、ペア券なら一人当たり4800円になるというので、友人を巻きこんで鑑賞。
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(この券を予約したあと、凄くうれしい気持ちで近所のスーパーに買い物に行ってこの映画の中の一曲「スマイル」を鼻歌で歌っていると、なんと場内でナット・キング・コールの「スマイル」が流れてきて、なんて偶然!って思ったのを思い出した。普段からナイスBGMなスーパーではあるけれど。)
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カール・デイヴィス指揮のチャップリンは以前「街の灯」を観ていた。その時もとても見事な演奏で感激したものの、最初は「ああ!生演奏だ!素晴らしいなあ!やっぱりいいなあ生演奏は!」と思いながら聴いていたけど中盤くらいになってあまりにチャップリンのギャグの連発に引き込まれてゲラゲラ笑いまくって、結局は生演奏であることは忘れちゃうって感じだったんだよね。
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さて今回の演奏会。30分ほど早く着いて作ってきたおにぎりを食べようと思ったら、ロビーでチャップリンの扮装の山本さんがパフォーマンスをしていた。子供も大人もおじいちゃんもおばあちゃんもみんな爆笑してて、それはそれは平和な日本のホリデイな風景だった。連れてこられたお子様たちもきっといい思い出になったんだろうなって思う(遊園地行くくらいの値段するんだけど)。
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チャップリンの扮装の山本さんは、演奏(上映)直前になってまたホール内に現れた。女性客の何人かにお花を配ると(わたしらは中央の席だったので貰えず)、舞台上で演奏前のご注意のアナウンスに合わせてパントマイム。まるで映画上映前に出てくる「映画泥棒」さんみたいな感じ。
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この映画は初めて観たが、断片的には色々有名なシーンの連続で(自動食事マシーンとか、手すりが工事中のデパートで目隠ししてローラースケートするシーンとか、車のCMでも有名なあの歌とか)、全く初めてではない感じがした。勿論、ギャグの連続でめちゃくちゃ笑った。あんまり笑わないで演奏を楽しもうと思ったんだけどダメだった。本当に面白かった。こんなに笑えるものって近頃のテレビや映画であったかしらん。80年も前の映画で、現在と同じクオリティで笑えるってやっぱり凄いことだと思う。きっともう100年先の人類でも同じものを見て笑えるんだと思う。しかしまた、そもそも作曲がチャップリンていうのも(今さらだけど)凄い。譜面も書けないし編曲は別の人がしたにしろ。大好きな「スマイル」もだけど、どれも美しい音楽。
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それにしてもまあ、最初の工場のシーンであれだけハイテクの工場なのにねじを巻いたりトンカチで叩いたり?みたいなローテクなことは人間にやらせるの何故なんだろうと思ったことは思った(それは言っちゃなんねーよお客さん)。
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まあ、映画的にはいろいろあるんだけど、とにかくチャップリンの演技のすごさ、器用さにはホントにまいった。相手役の女優さんもとっても可愛い。「少女」というにはちょっとアレなんだけど、最後のほうになったら心の底から応援してあげたくなった。
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観ているうちにすっかり忘れてしまう(ちょっと気の毒な)デイヴィスと新日本フィルの演奏は本当に映画とぴったりで、最初のほうでちょっとトランペットかなんかの音がひっくり返ったりした時は「ああっ!!本当にこれ生演奏なんだ!すごいなあ」とか思った。効果音とかも全部オケがやってるんだよねこれ。しょっちゅう拍子が変わってて、これってやっぱり熟練の指揮者じゃないとできないなって思った。映画がよく見える席にしたものの、普段自分が好きで取っている二階席のオケが見渡せる両側の席にしてもよかったかなと思った(まあ、友人が一緒だったので今回はダメだけど)。オケの一生懸命合わせている所をよく見たい。
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感動的な最後(二人で夕日に向かって歩き出すシーン)が終わり、もちろん拍手大喝采。なかなか拍手が鳴りやまなかった。最後にスクリーンに映し出された大きなチャップリンの写真にまた、拍手。普段とは違う疲労感があったんじゃないかな新日本フィル。いやはや本当にありがとうございました、お疲れ様でした。あとでツイッター見たらエレキテル連合のどっちかの人(細貝さんのほうかおしゃべりワイフのほうか忘れた)が観にいらしてたらしい。最近すっかりテレビで見なくなったけど、元気なのね。いや、お笑いやってる人は観た方がいいねチャップリン。
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終演後、友人と錦糸町の美味しい飲み屋さん(名前忘れた。唐揚げとかなんでも美味しいしちゃんとお店で作ってる感じ。しかも安い)で食事をしていたのだが、私が先日大変に感動した上野での「ジークフリート」のシャーガーさんの話をしたら、彼女は興味を持ちだした。で、YouTubeで鍛冶屋の場面を見せたら「きゃー!!かっこいい!!声も素晴らしいしなんかセクシー!!名前もかっこいい!!今度来日したら誘って!!連れて行って!!」とか言ってたんだけど、いつ来日するのかなあ。つか、友人は長いワーグナーの上演に耐えられるのかなあ(「オランダ人」なら全曲上演に連れて行ったことあり)。

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