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2016年5月28日 (土曜日)

カラヴァッジョ展

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夜のカラヴァッジョ展。
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カラヴァッジョといえば、この看板のバッカスちゃんが有名だが、昔からこの絵の酒の神様の外見はヘンだと思ってた。頭にブドウの木ぶっさした、眉毛が特徴的な丸顔の飲兵衛(シュトラウスのオペラに出てくるバッカスはもっとカッコイイと思う)。突然こんな人が街中で現れたらひくわあ。個人的には俳優の加藤諒さんにコスプレしてもらいたい。
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金曜日は夜8時まで絶賛営業中なので、会社の定時ぴったりにぶっとんでったものの、現地外には意外にも行列が。世界遺産になっちゃったし、みんな考えることは一緒?とか思ったらなんと「いせしまさみっと」の厳戒態勢中だったので荷物検査のために並んでいる列だったのだ。あたしはお腹が空いて「ぐううう」って鳴ってしまうのを防止するため、お弁当の残りの手造りおにぎりを並んでいる最中にもぐもぐ食べた。道の途中で買った80円のペットボトルのお茶も飲みつつ。おにぎりは食べ終わったものの、お茶は半分残してカバンに。そったら、荷物検査でお茶没収されてしまった。なによう、お茶でなんか何ができるっての。しかも「いせしまさみっと」は上野とは全然遠いじゃないの。オバマさんは今日は広島でしょ。金属探知機まで体中わらわらとされて、ここは空港か。
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などと半分不機嫌になりながら会場入り。中は普通の混み具合。展示物は約50点ほどでうちカラヴァッジョの絵は11点ほど。他は同時代の同じコンセプトの画家の絵である。真っ黒の画面に人物や静物に光が当たって浮き上がるというしかけのもので、黒い絵の具の消費量半端ない(たぶん)。無論、同じコンセプトのラ・トゥールの絵なんかもあった。
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テレビでカラヴァッジョのドキュメンタリーを見てたので、こいつがどんなに悪党で、乱暴者で、死刑囚で、銃刀法違反で、逃亡生活を送ってきたかは知ってる(でしょ?)。芸術家イコール善人なんて思ってたら大間違いである。この画家の記録はあまり残ってない・・・残っているのは裁判記録ばっかりというのはドキュメンタリーで言っていた。裁判記録の展示もあった。アーティチョークが油炒めなのかバター炒めなのかもめて、そんなの食ってみればわかるで的な裁判記録もあった。そういえばアーティチョークって食べたことない。
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「この男を見つけたら殺しちゃっていいぜえ」みたいな悪党だったので、いつも死と隣り合わせだった。「ならどうして殺人なんかしちゃうの?なんでどんどん罪を重ねちゃうの?」とか一般市民な私たちは思うけれど、そういった人生を送っていたからこそ、こんな狂気に満ちた絵が描けるのかもなあと思うこともあった。
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今回の一番のハイライトは、新たに発見されて「これカラヴァッジョでしょ」と専門家に認められた「法悦のマグダラのマリア」の絵の世界初公開だったのだけど、コレはもしカラヴァッジョ作でなくっても凄い素晴らしい絵だと思う。作者がずっと手放さずに持ってた(らしい)というのもよくわかる。「こりゃうまく描けたわ~」って思ってたんじゃないかな。古今東西たくさんマグダラのマリアの絵はあるけど、この絵の表情は凄い。死を目前にして宗教によって罪を許された法悦感(いや、キリスト教の知識がバッハの受難曲とかでしかないのでちょっと違ってるかも)。印刷やテレビでは見えなかった(ウチ14型テレビだからかもしれんが)、茨の十字架もくっきりと光に照らされて見えて、感銘深い。真言宗でもこの感じはすごく心に来る。
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あと、カラヴァッッジョの絵で印象的だったのは「トカゲに噛まれる少年」という絵で、「あっ痛ててっ!!」という衝撃感が400年の時を超えて伝わってくる。
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カラヴァッジョの絵以外で印象的だったのは、タンツィオ・ダ・ヴァラッロという画家の「長崎におけるフランシスコ会福者たちの殉教」という絵で、何でも長崎のキリシタンが十字架に沢山掛けられているところを描いたもので、日本史が全くダメな私はいろいろ「???」であった。そんな時代のことようろっぱの人々にも伝わったの?とか。調査が必要。
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6時半に観はじめて、時間切れにならないよう速足で観てたら45分くらいで観終わってしまった。ボッティチェリの時にあまりに作品が多くて時間切れになってしまったので、そうならないようにだったんだけど、カラヴァッジョは結構作品数少なかった。もっとじっくり観ればよかった。残念。
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販売グッズはそんなに色々なく。ワインや食べもの関係が何故か多かったけど、高くて買えなかった。カルディでいいわ、そんなの。
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夜なので、お外の見なれた彫刻たちもライトアップ。なかなかかっこいい。
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夕飯に大好きなメルヘンのサンドイッチを上野で買ったのだけど、いつも買う豚カツサンドのカツが異常に分厚くなっていた。しかも断面の見える部分しか肉がなかった。だったら前みたいに薄い肉にして全面にしてほしいな。美味しかったけど。

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コメント

以前より新鮮な切り口のコメントを興味深く拝見していた者です。お節介ながら…。
長崎の殉教者の件。16~17世紀、世界的にはキリスト教の殉教はほとんどなくなっていたのですが、その中で日本は殉教が発生する国としてヨーロッパの注目を集めていたそうです。
殉教者の遺体は「聖遺物」となるので、日本の殉教者の遺体も海外に持ち出され崇敬の念を集めたのだとか。(私も、星野博美著「みんな彗星を見ていた」を読んで最近知りました。)
なお、明智光秀の娘、細川ガラシャの死も知られており、17世紀末のウィーンで「勇敢な婦人」というオペラが出来たとのことです。

投稿: saiyo | 2016年5月28日 (土曜日) 14時29分

>>saiyoさま

コメントありがとうございます。
長崎の殉教者の絵はカラヴァッジョの絵以外に至極印象に残っています。遺体が聖遺物・・・。日本で言うと即身仏みたいな感じでしょうか。宗教の世界は深いですね。お勉強になりました。

細川ガラシャのオペラは調べたら2013年に紀尾井ホールで上演されてたのですね。全然知りませんでしたが、チラシを見たら興味津津。ハプスグルグ家にて初演から300年後に日本で上演。バロックオペラで日本の歴史上の話って凄いですね。観たかったです。

投稿: naoping | 2016年5月29日 (日曜日) 11時37分

naoping様

貴ブログの大ファンです。こんにちは。

アンドレアス・シャーガー氏をはじめ、珍しい作曲家の作品など読みどころ満載ですが、今回の美術館トークから様々な学びを得ました。ありがとうございます。

私は美大を出ておきながら、数える程度の画家しか知りません。カラヴァッジョについても、殆ど知識がなく全てが新鮮に感じられました。

「トカゲに噛まれる少年」をネットで検索しましたところ、関連してヒットしたのがソフォニスバ・アングィッソラが描いた「ザリガニに噛まれる少年」。

他に笑える絵画で有名なのはアドリアーン・ブラウエルの「苦い薬」ですが(苦い飲み物の方が多くヒットします)、ワーグナー様は皆「甘い薬」ばかり。ワインが好きでありながら、甘い果物が御嫌いだったのが嘘のようです。

パソコンですが、私も先日お茶を淹れている隙にWindows10が無断でアップグレードされました。近々、PCデポへ持って行き何とかして頂く予定です。

投稿: michelangelo | 2016年5月30日 (月曜日) 18時01分

>>michelangelo さん

何も学ぶ所はない?美術感想文をお読み頂きありがとうございます。「ザリガニに噛まれた少年」の展示はあったような気がします(原本だったのか複製写真だったのか忘れましたが)。苦い薬の絵は初めて(検索して)観ました。

私も美大に通ってたんですけど、作曲家に比べてあんまり画家は詳しくないです。現代美術史の先生が「あんたらがやっている油絵というジャンルはもう終わってる」的な考えだったのであんまり楽しい授業ではなかった気がします。やっぱり自分の目で(出来ればヨーロッパで)観るしかないのだなあと大人になって思いました。

パソコン、買いかえないとホントにヤバイ感じですが、ウチのパソコンはあまりに虫の息すぎて「ウィンドウズさん勝手に更新」のレベルにないようです。

投稿: naoping | 2016年6月 4日 (土曜日) 09時50分

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