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2015年11月 7日 (土曜日)

陽気なインキネン/日本フィル・マーラー「大地の歌」

1446815020495 シベリウス: 歴史的情景第1番 op.25
組曲「ベルシャザールの饗宴」 op.51
マーラー: 大地の歌
テノール:西村悟
バリトン:河野克典
ピエタリ・インキネン指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
(11月6日 サントリーホール)
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陽気なインキネンのマーラーシリーズも、もう3回目である(私は)。しかし、決して気に入っているから行っているのではない。たまたま残業がなくて「何かコンサートに行きたいな」と思ったときにやっていたのがインキネンだっただけである。まあ、それがテミルカーノフだったり、ハーディングだったりしたこともあったけど。インキネン率は非常に高い。
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「大地の歌」の演奏会の時はオケが厚くてテノールがあんまり聞こえないので、3階席とかは避けるのが無難かと。なので本日は1階席(でも二等席)で。自分の席の前の紳士がおそらくどこかの大きな会社の重役か社長で、サントリーの係員とかお連れの女性(部下?)も色々と気を使っていたのをぼんやり眺めていた。外人のようだったがいったい誰なんろう。
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インキネン、今日はメガネなし。メガネフェチなのでがっかり。コンタクトにしたのかしら。
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インキネンのシベリウスはいつもよい(そんなにたくさん聴いてないけど)。自国の曲だからか・・・というかシベリウス音楽院の出だもんね。今回の2曲(というかどっちも組曲?)はどちらも私は存在すら知らず。有名なのか? 「歴史的なんちゃら」はこないだ聴いた6番を思い出し。とっても聴き所の多いかっこいい曲。シベリウスらしい。
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ベルシャザールは、一瞬「ウォルトンの??」と空目してしまったが、シベリウスのもの。ちょっとオリエント風味でシベリウスらしくない・・・といえばそうなんだけど。しかし、聴きどころはこちらも沢山。とくにヴィオラとチェロの活躍する第2曲は微妙なハモり具合が素敵。
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そしてメインのマーラー。本日はアルトソロが出産のため?に出れなくなったので急きょ?バリトンになった。実は今日バリトンじゃなかったら私、行かなかったかも。バリトンバージョン聴くの、生では初めてである。
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「大地の歌」、聴くと中学生の頃を思い出す。まだ子供で貧しいわりに大地だけは3種類ほどレコードを持っていた。初演者ワルターを二種類(フェリアー盤とNYP盤)、そしてバーンスタインVPO盤である。バーンスタインはキング様とF=Dだったし、指揮者のオーケストラ・ドライブ加減も素晴らしかったので、子供ながら気にいって聴いてた。アルトの代わりのバリトン、というよりはまるでマーラー自身が歌ってるようで、違和感はなかった。だいたい、終曲の「告別」なんか内容は男の人の歌だろうし。(コーホーはテノール&バリトン版はお嫌いだったような・・・レコ芸で「このレコードで最も気に入らぬ点はアルトパートをバリトンが歌っている点である」と書いてたと記憶)
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本日のバリトンの河野さんはほんとに素晴らしく、マーラーの曲にぴったりな美声だったので「ああ、こんな声でこの曲を聴けるなんて、何て幸せなの!」と思った。F=Dみたいなヘンな頭脳プレイもなく、ごく自然でいい歌いぶりだった・・・と思った。
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思ったんだけど。
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そこはやっぱりインキネンの指揮。そんなに私を幸せなままにはしてくれなかった。「告別」でここぞ!と歌わせる場面「君はどこにいるのか!私を一人おいて」の所でもさら~~~っと流していて。私は頭の中で「あれあれあれ」と思った。こことか、最後の「永遠に永遠に」の部分は、マーラーが、自分が活動したウィーンやウィーンの聴衆や、この世や、アルマや家族に別れを告げているところ、と思っている(私は)。バリトンで歌っているのなら、なおさらそうなのだ。だのに・・・・。
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とはいうものの、だいたいインキネンにそういう情緒的なものを求めるのがそもそも悪いのであって、お門違いというものである。インキネンはラーメンでも食べてればいいのである。
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テノールの西村さんは、マーラーというよりは、イタオペなんかのリリックなイケメン役が似合いそうなナイーブなお声。まあ・・・後ろの方は多分聞こえなかったんじゃないかな。この曲のテノールはやはりヘルデンテノールじゃないと客席まで届かないのかな。長身で素敵だったけど。
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まあ、指揮者はいろいろ私のこの曲への思い入れとずれているところは沢山あるとは言え、日本フィルさんの音色はとても綺麗で(久しぶりに大地の歌らしい音色に出会えた感じで、懐かしさで胸がいっぱいになった)、東洋人の演奏する「大地」もいいなって思った。本日は歌手と指揮者の意思疎通がもしかしてちょっとまだ・・・と思うところもあったけれど、明日はうまく行くのではないだろうか(日本のオケやオペラは2日目がよろしい)。明日はもう券は完売とのことで(サントリーのHPによる)、それはとてもめでたいことです。

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コメント

naoping様

メガネフェチでいらっしゃったとは!私は胸毛フェチですが、音楽家は毎回ホワイトの蝶ネクタイをしているので見れず、非常に残念です。

私は土曜日である今日の演奏会に行きましたが、不思議なことにテノールとバリトンの声量が逆転して聴こえました(笑)もしかしたら、単に楽譜に声が跳ね返って(私の席には届き難かった)だけかもしれませんが、面白い発見を頂き、感謝致しております。

声の大小はともかく、naoping様が仰る「河野さんと西村さん」に関する御意見と御感想、全く同感で御座います。インキネン氏の今回の指揮は、以前のシベリウス・ツィクルスと比べ雰囲気が変わって感じられました。未熟者の私は、今でもオロオロしています。

追記:眼鏡ですけれど、普段はコンタクトレンズだそうです。前回は、イタリアでの酷い花粉による目の辛さから、眼鏡を急遽かけられたとのこと。私はてっきり、指揮者は皆こぞってレーシックをなさるOR裸眼OR暗譜で勝負!かと思っていました(笑)

投稿: michelangelo | 2015年11月 7日 (土曜日) 21時13分

>>michelangelo様

あ、インキネンはやっぱりいつもはコンタクトなのですね。メガネが知的でいいなって思ったので、残念。私は貴重なものを見たのですね。ハーディングのメガネ姿もヤバイです(写真しか見たことないけど)。

胸毛・・・。オペラ歌手とかは裸になることはたまーにあるけど、指揮者はないですね。難しいですね(?)

ネットで土曜日のほうの演奏会の評判を読みましたが、やっぱり二日目のほうが評判はよいようですね。金曜日はまだ慣れてなかったのかな。どうもインキネンは初めて大地振ったようでしたので。でもテンポはともかく(ユダヤ系ねっとり大地で育ったもんで)、音色は彼らしい繊細さが聴けてよかったと思います。(ブログをのぞかせて頂きましたが、シベリウスの曲はYoutubeにあるのですね~。)

投稿: naoping | 2015年11月 8日 (日曜日) 15時46分

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