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2015年10月28日 (水曜日)

日本音楽コンクール本選(ヴァイオリンの部)に行ってみた。

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
上野明子(ヴァイオリン)
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
小林壱成(ヴァイオリン)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
吉江美桜(ヴァイオリン)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
小川恭子(ヴァイオリン)
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高関健指揮/東京交響楽団
(オペラシティコンサートホール)
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コンクールをネットで見るのが(何年か前まで)大好きでよく夜更かししていたが、「そう言えば生でコンクールって見たことないな」と思ったので、こないだ初めて行ってみたのだ。日本音楽コンクール、NHKのドキュメンタリーで見たことある。その時「りぼんちゃん」という女の子がヴァイオリン部門で優勝したのを覚えている。たまに「りぼんちゃん」がコンサートに出てるのを本とかネットとかで見かけると嬉しくなる。一回も聴きに行ったことはないがの。
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本当は土曜のピアノ部門が観たかった。でも早々に売り切れていたんだ。みんな考えることは一緒。
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ピアノ部門、曲目がどうもかなりストライクゾーンだったらしく(あたしの)。ラフマニノフの2番と3番、そしてプロコ。いいなあ。聴けたらよかったのに。
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で、翌日のヴァイオリン部門へ。当日券もかなり並んでいたのでずいぶん買うのに時間がかかった。意外と人気あるのね。一等席を張込んだ。でも3500円でコンサート、安くない?
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曲目は当日まで知らず。でも、ブラームスはやるよっていう情報は得ていたので(素敵だ)、あとは大好きなシベリウスでもやってくれたらオンの字だ!って思ったんだけど・・・あんまり得意じゃないチャイとメン。しかもチャイは二回。うう。
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なんでやねん。
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入り口で聴衆賞を決める投票用紙を貰う。やったー!!なんかそれっぽくなってきた。
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しかし。
演奏は・・・まああんまりよくわかんないというか。ヴィエニコンを必死に聴いていたのと比べては・・・いけないんだ。世界を相手にする血のにじむような闘いを見てしまったので・・・それとはまた違うんだなと思った。ええ、もちろんみなさん大変お上手でしたが。
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上野さん。キンキラキンのドレス。初々しい表情がかわいらしい。高関さんのサポートが素晴らしい。第一楽章の最後のほう、猛烈に盛り上げる。とてもいい演奏。ヴァイオリン明るい音色が綺麗。
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小林さん。芯の通った太い音。演奏の途中で地震が起こって舞台の壁がかたかたと音を立てた。でもヴァイオリニストは全く動じず全曲弾き切った。さすがは日本男子。
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吉江さん。きれいな色の青いドレス。シックでとても素敵。少し線の細い音。大きな曲なので最後まで大丈夫かしら、と心配になった(んなこたあない)。ちゃんと弾き切った。やっぱりブラームスはいい。
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小川さん。赤に金色のラインが入ったドレス。上野さんのキンキラキンを凌駕する派手さ。しっかりとした明るいよく響く音。メンデルスゾーンは前日「ららら」で予習済みでよかった。
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さて、聴衆賞はどうしよう。「最も強い印象を受け、感動した演奏は」と聞かれても・・・。オケの演奏は一曲目がよかったし、地震に動じなかった根性にも感動したし、青いドレスはセンスがいいわと思ったり、こんなキンキラキンのドレス演奏会で初めて見たわ、これって普通なの?などと思ったり。色々考えて一番ブラヴォーが多かった小川さんに投票。演奏も一番まとまってた気がしたし、楽器の音もよく響いていたし。
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楽器の紹介はなかったので(パンフレット高くて買わなかったから書いてあったのかは知らない)、みんなどんな楽器なのだろう。あたしはガルネリが好きなんだけど(ごめんよく知らない)。
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結果はおうちに帰ってネットで見た。別に知り合いが出てるわけではないから待ってられなかったんだけど。でも結構すぐに結果出るもんだねえ。あんなに待たせるショパコンとは違うね。
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結果は以下の通り。
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1位  小川恭子
3位  小林壱成
3位  吉江美桜
入選  上野明子                  
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岩谷賞(聴衆賞) 小川恭子
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皆さま、いい演奏をありがとうございました。今後のご活躍をお祈りしております。
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ああ、一度はピアノの国際コンクールを見てみたいよ。浜松行きたいけど、年末調整真っ最中だし・・・。うううう。
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別件だが、会社の話。
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例の美人派遣社長秘書に、「●●さん(←私の苗字)って不思議ちゃんですよね」と言われた。ずっとショックであんまり仕事が手に着かない。あの霊長類最強の不思議ちゃんに不思議ちゃんと言われたってことは私って「ドレッドノート級不思議ちゃん」ってことなんだろうか。それとも「不思議ちゃん」の意味を本人わかってないのかもしれん。
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気になったので、一緒に働いてる男性社員に聞いてみたけど「えー●●さんは不思議ちゃんじゃないじゃん」と言われたのでちょっとほっとした。

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2015年10月21日 (水曜日)

ショパコンはあんまり見なかったけど。

今年のショパコンが終った。仕事が忙しすぎて(疲れちゃって)リアルタイムでは全く聴けなかった。しかし、私が参戦しなかったおかげか(?)、日本人のおにゃのこがファイナリストになった。ショパコンでファイナリストに残るってすごいことなの。日本のマスコミは「入賞しなくて残念!」とか平気で書くけど、ファイナリストになることがどんなに大変なことか、前回のショパコンを(ネットでだけど)見聴きした私はとてもよくわかっている。
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実はファイナルのコンチェルトの、優勝者のチョソンジン君と小林愛実さんしか聴いてない。チョソンジン君のピアノは相変わらず・・・あまり面白くない、モーツァルトみたいな(←モーツァルトdisってるんじゃないの。ごめんなさい)演奏。ショパンの憂愁、ポーランドへの郷愁はどこへ行ったの。
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それに比べ、小林愛実ちゃんのコンチェルトは・・・とてもよかった。ハタチそこらの若い女性の情熱や思い入れがひしひしと伝わって、ぐっときた。フライングブラヴォーもおこった。
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もしかして、彼女はまだおこちゃまの頃から日本のコンサートでショパンの協奏曲を弾いていたのかな。何年か前まで、コンサート会場などでまだ子供だった彼女の写真の入ったチラシを貰って、まじまじと眺めていた。うーん・・・。おそらく一生彼女のコンサートは聴きに行かないし、彼女はきっと大人になったら演奏などやめてしまうだろう・・・と思った。
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でも、もう彼女はお酒も飲めるような年齢になり、ショパコンに出場して初出場にしてファイナリストにまでなったのだ。なんと素晴らしいことだ。この経験を生かしてまた次につなげればいい。
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で、優勝は韓国のチョソンジン君。今回はあんまり聴いてないのに何とも言えないんだけど、まずは順当だったのかなと(ショパコン、まずはテクニックが大事。そして予選からのトータルで決めるので。前回のアブちゃんでとてもよくわかった。)。彼は2011年のチャイコフスキーコンクールの3位だったわけだが、その時の彼とはずいぶん大人になった印象(当たり前だけど)。前はただ太ってただけな印象だったもんね。
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それでは、そのチャイコフスキー・コンクールの時のあたしの彼についての感想を。全くのピアノ素人なのにホントにごめんなさい。そしておめでとうございます。
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2011年チャイコフスキー国際コンクールの過去記事より。
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(第一次?審査)
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Seong Jin Cho (South Korea)
Beethoven Piano Sonata No. 31 in A-flat major, Op. 110
Tchaikovsky Dumka, Op. 59
Tchaikovsky The Seasons, Op. 37: December: Christmas Week
Liszt Apres une lecture du Dante: fantasia quasi sonata, S.161, No. 7
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ソンジンチョウって名前にロシア人悪戦苦闘(そんなに難しい?)。外見、前に会社にいた男の子の似てるな。ソナタ、なかなかいい。アジア人だけど目を覆うほどではない(←誰の事を言ってるのかな?)。
チャイコフスキーもいいのだが。やっぱり先ほどのちゃぷりなちゃんとかロシア人とは違うのだな。アクセントとかがなんか違う気がする。どう違うかはわからないけど。ダンテを読んで!って・・・何故命令形。ヘンタイのない蒸留水のようなリスト。激しく眠くなってきた。まだ夜中の部があるってば。
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(モーツァルトのコンチェルトを弾くという審査)
Seng Jin Cho (Korea)    No. 20 in D minor, K.466
韓国の男の子。映像が裏ビデオ並みに荒れてるんだがネット視聴率高いのかしら。さすがはチャイコン。オケが馴染んでるな、昨日より。この子お腹がたぷんたぷんしてそう。以前の会社にいた毎日アイスクリーム食べてた子に似てるんだわ、とっても。きっとこの子もアイスが大好きなんだろう(想像)。
演奏はいいんじゃね?あたしはもーちっとガラスのような透明感が欲しいが。もったり体型が演奏を表してる?
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(最終審査で第3位に入り、入賞者ガラコンサート)
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Seong Jin Cho  Tchaikovsky. 'Dumka'
韓流ぽっちゃり王子 チャイコフスキー ドゥムカ
こないだうとうとしながら地下鉄乗ってたら、車内釣り広告に非常に見覚えのある顔が。ぽっちゃり王子のコンサート広告だった。日本に来るんだねえ。会期中に太った気が。ピロシキがお口に合ったのか。

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2015年10月17日 (土曜日)

飯守さんの「ラインの黄金」 新国立劇場

1445074452447 ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指環」より序夜 「ラインの黄金」
指揮:飯守泰次郎 演出:ゲッツ・フリードリヒ
出演:黒田 博/片寄純也/ステファン・グールド/妻屋秀和/クリスティアン・ヒュープナー/トーマス・ガゼリ/アンドレアス・コンラッド/シモーネ・シュレーダー/安藤赴美子/クリスタ・マイヤー/増田のり子/池田香織/清水華澄
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
(新国立劇場・オペラパレス)
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<あらすじ>
トンネルないやつ。
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千秋楽。この上演はさんざネットで語られて、「ぜんぜん楽しくないかも」とか「今さらラインゴールドもねえよなあ」とかちょっと重い気分で臨んだが、やっぱりワーグナー。とっても面白かった。残念な席ではあったが。
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ダナエの時同様午前中は会社で仕事をして(社畜なので)、午後新国立へ。まあまあ会社から近いのでそんな大したことじゃないけれど、やっぱり少し疲れる。なんだかもう・・・この仕事ぶん投げられ加減が非常にミーメだわ。女ミーメって呼んで。
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いつものように、オペラシティのサブウェイのサンドイッチを食べたが、一切水分は取らず。まあ、せいぜい3時間弱だからおトイレ行きたくなっても大人なんだから我慢できるだろうけど、念には念を入れて。
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それでも、やはり耐えかねて途中で外に出られる観客の方も。神様ダンス直前まで頑張って、もうちょっとなのに出てっちゃって・・・惜しい方もおられた。
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これが面白くない・・・という人は多分、「トーキョーリング」しか見てない人なんじゃないかな。トーキョーリングはあまりにも・・・あまりにも面白すぎた。異常だとおもう。
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ゲッツ・フリードリッヒのトンネルリング、まだベルリン・ドイツ・オペラでは上演されてるっつーのは驚く。普通なことなのか?日本にもってきてくれたときは舞台の奥行きがなくてトンネルが二股に分かれてしまった。もし新国立の舞台でやったらできたのかな。知りたい。
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トーキョーリングはあまりにセットが沢山ありすぎて上演は大変そうな感じだが、今回のフリードリッヒのは(トンネルないし)わりと簡素は感じである。お金かけてない感。
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演奏は指揮者登場の拍手もなく静かに始まる。トーキョーリングもそうだったようだ(自分の過去のブログを見て思った)。ラインのお水を表す蛍光灯の細長い奴みたいなのが上下している。舞台はつるつると滑りそうな傾斜。さっきツィッターを見たらラインの乙女の一人がこれで怪我しちゃったらしかった。ちゃんと普通に演技して歌ってらしたので大したことなかったのかな。良かった。
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ラインの乙女、飯守ワーグナーにはよく出演の3人が熱演。みんな素敵だった。でも清水さんが日本人離れしたボリューミーな声でとくによかった。彼女うまいよね。
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ラインの乙女を見ると、ちょっと前に見た「ダナエの愛」のポルックスの4人の姪たちを思い出す。「ダナエ」は一人多いけど、実質的には3人しか歌ってないそうである。謎だが。
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というか、「ダナエの愛」はほとんどリングのアンサーオペラであると思ってしまう。まあ深作さんの演出のせいかもしれないが、色々と気付く点が多く。両方見た方は何倍も楽しめたんじゃないかな。今日も「避けよヴォータン、避けよ!」というエルダの歌も、「選べよ、ダナエ、選べ」というユピテルとミダスの歌を思い出したし。
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ワーグナーが「ラインの黄金」で描いた、「愛をあきらめた者が黄金を得る」みたいなことの、真逆でしょダナエは。黄金より愛を選んじゃうんだよね。
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今回、正直いうと演出はそんなにたいしたことしてない気がする。「いつ見ても、これはいつものラインゴールド」感が強くて、誤解を承知で言うと、「吉本新喜劇みたい」と思った。まああたしは関西人ではないのであんまりよくわからんのだけど、たぶんいつものセットでいつものメンバーでいつものギャグで(パチパチパーンチ!みたいな)・・・みたいな感じがそう思ったのかもしれない。よいマンネリ感。既視感?
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そう思うと、二人の巨人は「でっかい漫才師」にしか見えなくて(「阪神・巨人」じゃなくて、「巨人・巨人」なの)。例の「ダンダンダーンダンダダーン」という巨人が出てくるライトモティーフでは二人で音楽に合わせて足踏みして見せるけれど、ファゾルトはもう終わって歌い始めているのにファフナーはまだ足踏みをしていてファゾルトが「やめんか~い」みたいな身ぶりをしていて(二回くらいやる)、それは可愛かったなあ。二回目に出てきた時にラッパーみたいな後ろ向きのキャップの被り方の巨人・巨人に萌えた。YOーYOーみたいな。
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あと、やはり一番目立ってたのはステファン・グールドのローゲ。でもあんなに恰幅のいいローゲって初めて見たので妙に違和感が。逆に「あ、この声でジークムントとジークフリートが聴けるんだ~~~」という予告編的なワクワク感。
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あと、歌手ではバイロイトのスタメンっつーアルトのおねいさん方お二人は意外と外見に対して声は軽量級な印象。とくにフリッカはラブリーでさえあった(声だけ)。
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アルベリヒとミーメはびっくりするくらいアルベリヒとミーメだった。外見も声も。
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その他気付き案件。
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・フリードリッヒ演出ではドンナーはいっつもボクサーなのか。
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・アルベリヒの化けた大蛇は、緑色のちょっと人相の悪いジバニャンといった感じでしょぼかった。
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・カエルさんはリアルだった。
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・小人たちのキャーキャーはいつもより長めな気がした。
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・巨人さんたちが一生懸命建てた城がしょぼい。今話題の欠陥マンションじゃないだろうね。あんなに黄金を払ったのに!!
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という感じで書きたいことは沢山あるんだけど、とにかくこの上演を持って「つまんない」って言っちゃう日本人ってどんだけ目と耳が肥えてんの?って思った。上演終って歩いてて「つまんなかったね~~」と話しあうおっさんたちに遭遇しちゃって・・・どう思う?萎えるわあ。
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オケは。ダナエとカッシェイ組にいい演奏者取られて、微妙なラインゴールド、という噂をツイッターで見たけど、そんなでもなく。普通に東フィルさんでした。飯守さん、神々の黄昏までホントにお元気でいて欲しい。
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27000円も払ったのに

2時間半こんな状態だった私の気持ちを180文字以内で述べなさい(10点)

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2015年10月16日 (金曜日)

とても忙しく、とても忙しい。

仕事が忙しい。

こんなに忙しいのに、みんな暇そうだ。
こんなに忙しいのに、社員登用者研修で先生になって講義を行ったりする。ペーペーなのに。他の部署の講義する人はみんなシュニンとかなの。なんで私だけペーペーなの。
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ただ、美味しいお弁当が食べられるってだけで。「だい○す」の。
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さすがに、うまかったけど。
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美人秘書(?)その後
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社長秘書の派遣さんがきて、早や1ヶ月になる。すぐやめるかと思っていたが、そんな様子もない。私は忙しすぎて彼女にかまっている暇もなく、そもそも彼女とお話しする機会もないため全く仲良くなってない。(シュニンとはしゃべっているようだが、結婚と恋愛の話しかしない。)
まあ、優しくはしていると思う。
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彼女は、とても声が小さい。
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朝、事務所に入ってくると普通は人に聞こえるように挨拶をするが、彼女はしない。私が「おはようございます」と普通に挨拶するとゴニョゴゴニョっと何か言う(全く聞こえない)。目も合わせずにこりともしない。
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課長にはあいさつする。
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電話はすごく取るが、取り次ぐ声が小さすぎて聞こえない。だれからかよくわからない。めんどうくさいのでわかんなくても取っちゃう。
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しかも、事務所はそんなに広くないので(25人くらいしかいない)、端の方の人には大声で呼べば聞こえる。でも彼女はしない。つかつかとその人のそばまで行って(けっして走らない)「●●さんからお電話です」と小さな小さな声で言う。3秒くらいで済む話が10秒くらいかかる。
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めんどくさくねーのか、自分でも。
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大体、女の私が注意すればいい話なのだが、注意できない。なんたって彼女は最初に私に宣言していたので。
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「私。すべては男の人に気に入られるために生活しているんですよ。髪伸ばしてるのだって、可愛いカッコしているのだって。本当はめんどくさいしどうでもいいと思ってるんですけど。だから事務所では大声出さないようにしています。だってうるさい女だって思われるの嫌じゃないですか。私、およめさんになるのが夢なんです。専業主婦になって家庭に入りたいんです。ぜんぜん料理できないけど。」
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もう、最初からそう言われたら、何も言うことないでしょ。

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2015年10月13日 (火曜日)

シマノフスキ「ハルナシェ」他/多摩フィルハルモニア協会

1444742394348_2ルトスワフスキ:20のクリスマス・キャロル集より
1.神が生まれ
2.ベツレヘムに走ってきた
3.飼い葉桶で
4.私たちも羊飼い
5.主の誕生
グリエール:ホルン協奏曲 変ロ長調
シマノフスキ:バレエ・パントマイム「ハルナシェ」
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今尾滋(テノール)田中大地(ホルン)西田博(ヴァイオリン)
多摩フィルハルモニア合唱団
今村能指揮/フィルハルモニア多摩
(2015年10月12日 立川市市民会館)
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魅惑のポーランド・ウクライナ音楽をあなたに!
私が行かなくて誰が行くの?というプログラム(いやそんなことない。世のポーランド音楽オタクの皆さんごめんなさい)。グリエールはウクライナの人だけど、半分はポーランド人なり。
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開演前にポーランド大使館のおっちゃんのご挨拶。何でも「今日はけーへんかったけど、ウクライナ大使館のおっちゃんも宜しく言うとったで」とのこと(意訳)。何にしろ珍しい曲集。ポーランドったって全部ショパンだったらいちいち大使館の人来たりしない。ポーランド語の何を言ってるのかさっぱりわからない値は異常。毎週ポーランドラジオを聞いていた私って何。
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「ルトスワフスキの曲は結構可愛い」という私の期待を裏切らない、メルヘンな(ちょっぴり現代音楽風味・不協和音が心地よい)可愛い曲集。トンでもない季節外れのクリスマス。よくぞ難しいポーランド語で歌われたものである。わたし、ポーランド語を自習しようと思ってCD付の本を買いに行ったが・・・なんか無理そうなのでやめた。基本的に読みかたから勉強しないと。
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グリエールは、バレエ曲しか知らないんだけどポルン協奏曲なんてあったのか。なんかR.シュトラウスみたいで素敵ね。吹くの難しそうだけど。 
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そしてメインのハルナシェ。私はこの曲はCD持ってるし、ポーランド・ラジオで何回も聴いてる。しかし生は初めてだ。いや、もう二度と聴けないであろう。それどころか、なんと初めての生シマノフスキである。ヴァイオリン協奏曲とかでさえ、生で聴いたことがない。
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演奏。難しそうである。あの独特なシマノフスキ・サウンドはとても音が取りづらそうだ。でも、うまいオケさんなので演奏は崩壊することなく。でも、難しさはひしひしと感じる(素人のわたしでも)。もっと民族音楽っぽい泥臭さがこの曲は必要だが・・・もうやってくれるだけで大変有難い。あらすじも書いてあって大変有難い。しかしいくら読んでもわけがわからない。
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<あらすじ>
さあ私の恋人!ヘイ!私はお前を信じないよ!ヘイ!(以下略)
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好きだ!シマノフスキ。「夜の歌」やってほしいわ(熱望)。
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ホールのすぐそばにはマンガの図書館「立川まんがぱーく」なるものがあるのだ。一回ヒマつぶしに出かけようと思ったけど、「電車賃で何冊かブックオフで漫画買えるよねえ」という結論に達し、行かず。ポーランド音楽の演奏会だったから(こんなに遠くても。しかもタダ券貰えなくても)出かけたのだ。嗚呼、ゆるぎないポーランド愛。

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エルムの鐘交響楽団 第32回演奏会

スメタナ / わが祖国より「モルダウ」
マデトヤ / 交響詩「クッレルヴォ」
シベリウス / 交響曲第6番
(アンコール) シベリウス / 抒情的なワルツ
エルムの鐘交響楽団 指揮:中橋健太郎左衛門
2015年10月11日(日)なかのZERO大ホール 
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(またまた残業の日々が続きはじめたので、手短な感想でゴメンちゃい)
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世は3連休でした。実際私は2.5連休(土曜日に半日だけ出社したので)。
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知り合いの知り合いのアマオケさん鑑賞。実は人生初生モルダウである(何気に好きなのでうれしい)。
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しかし、一番後ろの席だったので、最初の一音始まってすぐ後ろのドアから老夫婦が登場、空いてる席を探して右往左往。妻「次の曲から座りましょ!」夫「えっ??」妻「だから、次の曲から座りましょ!」夫「何??」という会話に邪魔され、始めのほうは殆ど鑑賞にならず。
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あの優雅なモルダウが。
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マデトヤ。昔ずっとマテドヤだと思っていた(そういうの多い)。
いい曲だ、いい曲だ~~~!!クッレルヴォ、シベリウスのしか知らんかった。
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そしてシベ6。(君はシベいくつかな~~~?)
何気に好きだったりする6番。全く盛り上がらないで終わるところが好きだ。
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なかのゼロ、初めて行ったけどなかなか立派なホールだった。名前のせいかもっと小劇団用のしょぼいホール(ゴメンちゃい)かと思ってた。

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2015年10月 4日 (日曜日)

二期会「ダナエの愛」②

1443952004932_4R・シュトラウス:歌劇「ダナエの愛」
ユピテル/小森輝彦
メルクール/児玉和弘
ポルクス/村上公太
ダナエ/林 正子
クサンテ/平井香織
ミダス/福井 敬
ゼメレ/山口清子
オイローパ/澤村翔子
アルクメーネ/磯地美樹
レダ/与田朝子
4人の王&4人の衛兵/前川健生 鹿野浩史 杉浦隆大 松井永太郎
指揮:準・メルクル 
東京フィルハーモニー交響楽団 二期会合唱団
演出:深作健太
(東京文化会館)
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感激・号泣のBキャストから一夜明けて、今日はAキャスト。別に昨日感動したから今日も券取ったわけじゃなくて、最初から両キャストとも見たかったから(何カ月も前に二期会にハガキ出して)取ったのである。だって、これを逃したら一生見れないと思ったからさ~。
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こんな凄い公演になる予想はしてなかったんだけどね。
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今朝起きて、「ああ、またあのダナエが聴けるんだ!何と言う喜び!!Heil dir Sonne!!」って思ったわ、シュトラウスなのに。
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でも、これが終わったらもうきっと二度と生で聞けないんだよね。
(泣)・・・ザルツブルグにでも行かない限り。
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で、今日の演奏。昨日、一度見ているから、なんか聴き手の私も余裕。演出の細かいところを見ようと思ったよ。それに、昨日のアフタートークで深作さんが、「細かい演技はわりと歌手さんに任せているから、日によって変わってる」的なことをおっしゃっていたので、それにも注目。なるほど、よく見ると違うのね。ポルクスの姪のあの4人の女性歌手も、違うことしてた。Bキャストはダンナにプロレスの技かけてたりしてたけど、今日はなかったようだし。色々面白いね。
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歌手さんは。もうね、どっちのキャストを取ってもよかったんだと思う。それぞれに・・・よかったなあ。
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それでもやっぱりミダス役の福井さんは、ベテランの貫録というか。登場してすぐの歌も、出会ってすぐにダナエが恋に落ちるという設定が「そんなアホな」とか思えないほど必然で。「はい落ちた~」って感じだった。ダナエの林さんも本当に可愛くてお綺麗で演技も歌も魅力に溢れてて。これは恋に落ちないわけないよね~と思った。
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ユピテル役の小森さんも、以前二期会のワルキューレでヴォータンを拝見してるので、もうまるでヴォータン。若い女への恋に悩むオッサン神様を人間臭く表現。そう、この役は男性版マルシャリンなんだね。
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(それと、あの白いカツラ被ったお子ちゃまはやっぱり「薔薇の騎士」を意識した登場だと思うし、最後にダナエが懐妊してたのは「影のない女」へのリスペクトかしら・・・って思った。)
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メルクールの児玉さんは、演技に余裕が感じられてよかった。やっぱりこの役大好きだなあ。とにかく可愛かった。(でも。ホフマンシュタールがちゃんと最後まで脚本を完成してたら、もっともっと面白かったかもね。)
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二期会合唱団のアンサンブルの素晴らしさにも脱帽。シュトラウスの大得意のカオスな場面が本当に楽しくて。第3幕のメルクールがお金をばらまく場面も、ポルクス王一団がお金を受け止めるところも最初はスローモーションな動きで音楽が変わると早い動きになるのとかも、ぴったりと合ってて面白かったなあ。
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でも・・・ホント、演出以上に音楽がすべてを表してるんだよね、シュトラウス。ダナエとミダスが恋に落ちるのと同じように、私たち観客もこの音楽に恋をしてしまった。ほんとに・・・恋に似た気分。心が一杯になってしまった。あとは家にあるベルリン・ドイツ・オペラのDVDでしのぐしかないなあ。テレビ収録はなかったのかしらん。
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心の底から再演を希望。ウルトラ怪獣版「魔笛」みたいに、またやって欲しい。きっときっと、みんなそう思っているから。
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第一幕が終わって、幕間に丸いテーブルのところでおやつを食べていた。すると音大生らしき女の子たちが「(テーブル)ご一緒していいですか?」と聞いてきたので「どうぞ」とニコヤカに返すと、どうも本日の出演者の生徒さんらしかった。「●●先生の衣裳は、普段あんなに素敵なのになんか足が短く見えるよね~」とかウフフキャハハとお話をしてて「可愛いな」と思ってきいてた。すると、「あ、○○君じゃない?久しぶり~~。あ、背が伸びたんじゃない?お父さんに似てきたねー」などと話しかけられてる男の子が登場。
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「今日お父さん、キンキラキンで凄いね~」と言われてたので、『あ、もしかしてこの子、神の子~~~??』って思った。「神の子」は数学の宿題をテーブルに広げてやりだした。こんなとこまで勉強。大変だな中学生。頑張れ!
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今月は東京は「黄金」ブームか。ラインの黄金も楽しみだな。
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上野の大混雑は「ダナエ」のせいじゃなくて、コレのせい。
 

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2015年10月 3日 (土曜日)

二期会「ダナエの愛」①

R・シュトラウス:歌劇「ダナエの愛」
ユピテル/大沼 徹
メルクール/糸賀修平
ポルクス/高田正人
ダナエ/佐々木典子
クサンテ/佐竹由美
ミダス/菅野 敦
ゼメレ/北村さおり
オイローパ/江口順子
アルクメーネ/塩崎めぐみ
レダ/石井 藍
4人の王&4人の衛兵/前川健生 鹿野浩史 杉浦隆大 松井永太郎
指揮:準・メルクル 
東京フィルハーモニー交響楽団 二期会合唱団
演出:深作健太
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<あらすじ>
触ったものが全部黄金になったら不便でしょうがないのでロバ引きに戻りましたとさ。
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Bキャスト?を鑑賞。初日は残業で無理だったので券取らず(社畜なので)。今日も午前中だけ会社に行って午後に上野へ。
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twitterで昨日この上演の様子を確認しまくってたんだけど(残業中に)、一般市民のあまりの評判の良さにひどくびっくらこいた。あたしらシュトラウス好きから言っても、このダナエはすごくマイナーなオペラである。私の一番好きな「影のない女」だって(薔薇騎士やサロメに比べると)かなりマイナーだと思うけど、それでもごくたまーに上演される(日本で3~4回見てる)。けどこんなには評判にならなかった。
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やっぱりtwitterやFBの威力の凄さを見たわけで。この評判を聞きつけて、今日だって急に出かけた人だっていただろうしさ。
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で。まあ私は(生は初めてだけど)全く初めてこの曲を聞いたわけでもないし、日本語字幕付のDVDを持っているので他の観客よりはちょっとはこの曲に近しいと思う。でも、ホントは...あんまりわかってなかったんだよね。音楽の良さは凄くよくわかってたけども。
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今回は深作Jrの演出がとてもわかりやすかったせいなのか、何の疑問もなくすうっと入ってきた。
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まあ、演出のこまかいところは他のブロガーさんが書くだろうから書かないけど(逃)。なんというか、第1幕と第2幕はヨーロッパの地下墓地とか、あとクリムトの絵画やゼセッション館なんかを想起させ、第3幕は大震災のあとの東北のガレキをイメージ。第1幕と2幕は結構普通の演出だと思う。
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印象に残ったのが、ポルクス王の姪4人(いい味出してる!)の洋服や髪形がベートーヴェンフリーズを思い出し、あのカッコができて羨ましく思った。また、クリムトの絵を思い起こされる美術や、シュトラウスの音楽もまたクリムトの絵のようで華やかで装飾的なので、自分が昔行ったベルベデーレ宮殿を思い出し、懐かしくなった。
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この映画監督の作品は全く見たことないので(バトルロワイアルなんか見ないよ、血みどろとかコワイもん)、何がこの監督の持ち味なのかは全く不明だが、映画より演劇の演出をしたものを見てみたいな、と思った。
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で。
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多分、この監督「らしさ」というのは第3幕にあると思う。美しい宮殿はユピテルの雷によって破壊され、見る影もなく廃墟のようになった。特徴的なものとして・・・遠くには破壊された原子力発電所?が見えるし、そのヘンに壊れた冷蔵庫とかビール瓶のケースとかが転がっている。ドイツの爆撃された廃墟というよりは、もう日本のガレキしか思い浮かばない。演出のポイントはやっぱり・・・第3幕なのかな。
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そう言えば、この曲唯一のDVDが出たのは震災の年で、私が観たのもこの年だったので、第3幕を見て涙が止まらなかった。ガレキっていうのがどうもダメだ。
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やはり、今日も第3幕でダナエが一人で米を研いだりしながら(!)幸せそうに歌っているところで、その歌や音楽の素晴らしさもあるけど、日本が誇るプリマドンナ、ノリコササキさんの幸せそうな表情になんかすごくやられてしまって、だめだった。涙がぼろぼろ溢れて止まらない。久しぶりにオペラで号泣。あーどうしようう。
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いやこれなんの涙?と思ったけどなんだかよくわからなかった。「金よりも愛が大事」とか「大きな愛よりも男女間の小さな愛を大事にしていこうよ」というこのオペラのテーマが全く私には関係ないので(お金・・・大事でしょ)、泣けたのはそこでない気がする。
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おそらく。
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この曲のもっと大きな愛・・・シュトラウスの後世の人々への強いメッセージのようなものを感じ取ったのかなと。この曲を作曲した頃、戦争の影響でこの曲の公的な初演は作曲者の存命中にはできなかった。シュトラウスの私的な関係者だけ集めたゲネプロだけ上演されたというのだ。そして「この次はもっとよい世界でお会いしましょう」とかウィーン・フィルの楽員に言ったとか・・・言わなかったとか。
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シュトラウス爺は、お友達のマーラーとかと比べると長生きだったから、戦争とかナチスとか、経験したくもない世界を経験しちゃった。ユダヤ人のお友達や脚本家と交流、その上息子のヨメがユダヤ人たったから、自分の家族を守るためにナチスに半ば協力(っぽいことを)しなければならなかった。表面はポーカー好きのハゲオヤジな印象しかないんだけど、色々大変な人生だったんだよね。それを思いながらこの曲を聴いていると「ああ・・・シュトラウス・・・こんなに大変だったんだあ・・・」って思っちゃうんだよね。
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(それと比べて、あまり長生きしなかったけど、あまり嫌な世界を見なくてよかったマーラーって幸せだったのかも・・・。)
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とにかくどこもかしこも美しい音楽が溢れていて、幸せな気分だった。とくに第1幕の金の雨が降ってくるシーンと、第3幕の冒頭、間奏曲、ダナエの歌、いやもう全部良かった。
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歌手の方の印象。
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佐々木典子さんは、いつも二期会でシュトラウスを演じるときに主役を歌っておられるので、とても慣れた感じだった(ダナエ日本初演も歌っておられる)。ずいぶんベテランの歌手さんなのに、今日はホントに可愛くて清純な乙女のようだった。迫りまくるユピテルの横っつら張り倒すの、好き。(彼女の発案らしいが)
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このオペラでは大好きな役メルクールを、新国立の「ピーター・グライムズ」のボブ・ボウルズ役高橋淳さんのカヴァー代役を勤めた(素晴らしかった)糸賀さんが演じた。ワグネリアンの演出家・・・という影響か?まるでローゲのような軽妙な演技だった。放射能防護服?で放射能を計測しながら登場、防護服を脱ぐとオペを始める医者のカッコだった。黒縁めがねが可愛くて、恋をしてしまいそうだった。
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ダナエに振られまくるユピテルを、カッコイイ大沼さんが演じた。まるでヴォータンのような風貌だし、高身長で正直ダナエがこっちになびいてしまうかも、という危機感はあった。ミダス役の菅野さんは若くて美しいというよりはとても誠実そうな好青年という印象だった。
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演奏。オケの鳴りが素晴らしすぎて、何だか日本のオケということを忘れてしまった。遠い昔にラジオで聴いたサヴァリッシュ&バイエルンと遜色ないのではないか(妄想)。前の「トーキョーリング」が素晴らしかったメルクルの指揮も冴えに冴えていた。こんなマイナーなオペラをこんな凄い演奏で聴けて、ほっぺたつねってしまうほど幸せだった。
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唯一残念だったのは、演奏の話ではないけれど、私の後ろの席に座っていた老夫婦の奥様?が演奏中にひっきりなしに「うふふ」「きゃはは」と劇に反応していたので、気になってしょうがなかったこと。家で見てるんじゃあるまいし、「黙って下さい」とか言ってもだんなさんに怒られそうなので黙ってたけど。明日はいないといいな、そういう人。1階席前から8番目だったよ、その人。キモイ。
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終演後、演出家のトークショー的なものがあり、参加。聴き手は大野徹也さんとゴーカ。深作Jrさんはとっても若くて普通の可愛いオニイチャンという風情。全く悪い意味でなくよい意味での七光りなのかな。よい才能。「タンホイザー」もいいけど、将来的には「影のない女」の演出もやってほしいな。歌える歌手がいるかどうかわからんけど。

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