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2015年9月13日 (日曜日)

カンブルラン/読売日響  トリスタンとイゾルデ②

1442146044757_1_2ワーグナー: 楽劇『トリスタンとイゾルデ』
トリスタン:エリン・ケイヴス
イゾルデ:レイチェル・ニコルズ
ブランゲーネ:クラウディア・マーンケ
クルヴェナル:石野繁生
マルケ:アッティラ・ユン
メロート:アンドレ・モルシュ
牧童、舵手、若い水夫:与儀巧
指揮シルヴァン・カンブルラン
男声合唱:新国立劇場合唱団
読売日本交響楽団
(サントリーホール)
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<あらすじ>
そもそもトリスタンがモロルトを殺さなきゃ、こんなことにならなかったのに。
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どんだけ好きなんだ。トリスタン。中6日開けてまたサントリーに出かけて行った。一日目より一列前の席で。あれほど悩まされた隣の席の「口ねちょっ」のオジサンにもいなくて、また、一日目の聴衆を怒りの坩堝に陥れた「ブラボーおじさん」に悩まされることもなく、誠によい演奏会でございました。
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考えてみると。
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東京におけるワーグナーの演奏会形式全曲、もしくは舞台上演におけるフラブラというものは、何か上演するたびに最初の公演で起こり、次回はその被害に遭った、またはネット等でそれを知った聴衆が出かけるので、とてもマナーがよい(逆にみんなビクビクして静かすぎる)ことが多い。そう思うと、「一回目は避けて二回目に行った方がいいんじゃね?」と、今日は思った。あのフラブラ野郎は一回目の公演に来るようなきがする・・・・いつも同じ人なのかは不明だが。
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そんなことを考えるほど、我々ノーマルなワグネリアンはフラブラおじさんに怯えているのであった。そもそもなんでワーグナーばっかりなのか不明。
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さて。
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一回目も二回目も、代役イゾルデのレイチェルさんの株は上がりっぱなしだ。そもそも日本ではBCJでのソリストをしていた方らしいので、バッハも歌えばイゾルデも歌うのか!とちょっと驚いた。考えてみるとバリバリワグネリアン・ソプラノのニルソンやヴァルナイがマタイ受難曲やらバッハの声楽曲のソロを歌うとこを想像すると・・・想像しにくいので、レイチェルさんはとても柔軟性のある歌手なんだろうな、と思った。一回目の一幕目聴いた時点では「え、これがイゾルデで大丈夫なの?」って思ったけど、二幕目くらいから「いいかも!」って思ったし、本日二回目はホントに素晴らしくて、やっぱりベーレンスを思い出したよ。高音はどこまでも美しく、声もちっともブレがない。少女らしさもあるのに、ちっとも非力でないの。
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そう思うと、そもそもの本家シュトゥットガルトではどんなイゾルデだったのか気になるでしょ?
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ということで、シュトゥットガルト公演の映像がちょっとだけ見られるサイトを見つけた。まあ、映像で聴く限り、イーヴェンさんはワーグナーよりはマルシャリンとかアリアドネ向きの声な感じ。ネットでの音声じゃよくわからんけどね。クライバー盤のマーガレット・プライスを思い出す(外見も声も)。演出はなんか・・・微妙。こんなだったら演出なしの東京での演奏会形式のほうがいいかも。
http://www.dctp.tv/filme/oh-wonne-voller-tucke-newsstories-17122014/
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本日のトリスタンは先週よりは頑張ってた感じ。このトリスタンを見て「イマイチ」と言っちゃう日本人ってお耳が肥えてるなあ。あの伝説のびわ湖トリスタンを見聴きした聴衆だったらもう、トリスタン役を全部ちゃんと歌えてるだけでどんだけ有難いか。新国立でのステファン・グールドを求めてはいけない。あれは現代東京における奇跡だから。
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演奏については一回目の感想を見ていただくとして(逃)。読響さんは一回目よりこなれていてより素晴らしかった。相変わらず、第3幕の牧童の吹いてる設定のシャルマイのソロ(イングリッシュホルン)は前回同様、ものすごくうまい。しかし・・・私はこのソロが始まったとたんに「瀕死のトリスタン」から昨日見た「瀕死のぴょん吉」を突然思い出し・・・そうよ、ドラマ「ど根性ガエル」を見て、ぴょん吉がシャツからはがれて(死んで?)しまったのを見て号泣したのを思い出し、また涙が止まらなくなってしまった。もうそこからは、トリスタン=ぴょん吉、クルヴェナル=ひろしになってしまい、何てひろしはぴょん吉を愛しているの・・・と涙がまた溢れた。
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ごめんなさいくだらなくて。
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で、最後のイゾルデの愛の死はびっくりするくらいテンポが速くて、一回目よりもよりさらりとした演奏であった。相変わらずレイチェルさんは神々しい歌唱だったけど。彼女の本当の舞台でのイゾルデが観てみたいな。今回の歌唱でも、ちょっとした表情とかがとっても魅力的だったもんで。ええ、とってもチャーミングよ。
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第一幕が終って、ワーグナー独特の「はいやは~」な世界に「もう本当に素晴らしい。ここはドイツか」とか思いながらホールの外の空気を吸うために出て見ると、カラヤン・プラッツでは秋祭りをやっていておみこしを担ぐ人々の「そいやそいや」の掛け声が聞こえるので「やっぱりここは日本だ」と現実に引き戻された次第。
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↓サントリーの噴水前にあったオブジェ。なんかわからんけど綺麗だった。
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コメント

こんにちは。二週続けての「トリスタンとイゾルデ」とはまた、地方ものからはうらやましいお話しです(びわ湖ホールの時も行けませんでしたが…)。それにしても、トリスタンを見てぴょん吉とひろしだとか柱の陰からそっと見ている星飛馬のお姉さんだとか、naopingさんのセンスと引き出しの多彩さにはいつも感心させられます。へたなオヤジにはマネのできない芸当で、敬服します。なんだか東京ローカル局の夕方にやってる元気なお姉さん方が出演されてるヴァラエティショーのコーナーをわくわくしながら見ているような気がします。しかしながら、トリスタンでフラブラとは、そんな大胆不敵な輩がいるとは信じられませんね。もし次回どこかで遭遇されたら、周囲の方と結束して、小一時間か二時間は問い詰めて反省させるべきです。痴漢野郎よりも許せませんね(それも許せないかw)。

当方はこの夏ステファン・グールドの文句なしのトリスタンとE・ヘルリツィウスのイゾルデを初めてのバイロイトで体験してきました。自慢じゃないんですが、バイロイトで「イゾルデの愛の死」を観て泣けなかった自分にビックリです。ヘルリツィウスの歌とティーレマン指揮の演奏が申し分ないのは言うまでもないのですが、やはりあそこは音楽をぶち壊すだけの演出のパワーがあるところというのを実感して来ました。清らかな童貞をカタリーナに力づくで奪われたような思いですが、なかばそれを期待していた自分も恨めしい気分です(笑) なお、余韻の静寂はたっぷりとありまして、それが救いでした。

投稿: grunerwald | 2015年9月14日 (月曜日) 21時09分

ディーリアス好きのじゅ。でつ
すいません、その日マーラーの3番を聴いてました・・・

<宣伝です!>
2009年頃に立ち上げてすぐに開店休業した「傷心のマーレリアーナ」というブログを復活しました。
まだコンテンツ少ないですがうんとお暇ならお越しください。
下記でつ。
http://yrg02024.blogspot.jp/

投稿: じゅっぴ~ | 2015年9月15日 (火曜日) 00時12分

>>grunerwaldさん

「地方ものからは羨ましい」・・・からの、「バイロイトいってきました」ですか。
ちょっと何言ってるかわからないんですけど(←サンドウイッチマン風)。冗談はさておき(笑)、このメンバーなら音楽的にはさぞすばらしかったんでしょうね。現在のバイロイト、「最高の食材を使って最も美味しくない料理を作る」みたいなふんわりとした印象なんですけど、いずれは行くのが最終目標ですのでそのために一生懸命働いています。

投稿: naoping | 2015年9月20日 (日曜日) 08時46分

>> じゅっぴ~さん

ブログ再開おめでとうございます(?)。
ところが、ウチのブログはとってもアクセス数が少ないので(人気ねえの)、あんまり宣伝になりませんでつ。見に来るの9割方女性だし。たぶん、スケートとイケアとタケヤの財布の記事で来るんでしょうね。

投稿: naoping | 2015年9月20日 (日曜日) 09時01分

スケートとイケアとタケヤの財布のことは全然わかりませんがいつも読んでます(いちおー女性)。私は最終日に行きました。来年からずっとあんな感じで演奏会形式で何かやってくれるといいですね。

投稿: | 2015年9月23日 (水曜日) 12時38分

>>   さん

いつも読んで頂いているようで有難うございます。
弊ブログの読者さんが女性がほとんどなのは・・・ガチですが、謎です。ちなみに30代が半分です。

ワーグナーに関してはヘタな演出付のものより演奏会形式のほうがずっといいです。カンブルランだったらメシアン(アッシジ)もよさそう。


投稿: naoping | 2015年9月23日 (水曜日) 14時51分

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