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2015年9月23日 (水曜日)

オーケストラ<エクセルシス> 第6回演奏会 アカデミー賞作曲家集

ロージャ・ミクローシュ:ヴィオラ協奏曲 Op. 37 ※日本初演
マルコム・アーノルド:イングランド舞曲集 第1集, 第2集 Op. 27, 33
ニーノ・ロータ:交響曲第3番 ハ長調
ヴィオラ独奏:加藤由貴夫
指揮:大浦智弘/オーケストラ《エクセルシス》 
(9月22日 杉並公会堂)
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珍曲専門アマオケの、エクセルシスの演奏会に昨日行かせて頂きました。
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こちらは前にポーランドプロのときに行かせて頂いた。しかし、前は全然「赤の他人」な感じだったけど、このところのアマオケ行脚のおかげで今や団員さんに知り合いがいる。大変喜ばしい。
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今回はコンサート通い友だちが受付係をするというので、入口でお取り置き券を渡してもらう時に名前を聞かれたら「綾瀬はるかです」とかボケをかまそうかと計画してたのに、友人は券もぎり係だった。残念だ。
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昨日は映画音楽の作曲家の純音楽を特集したもの。こちらのオケさんは毎度不思議な選曲だなあと感心するが(でも行ったのたったの二回目なのでなんとも言えないけど)、そういう同志の人がオケ作れるほど集まるなんて、東京も侮れないなと。
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プロオケばっかりで、アマオケなどまったく行かないコンサートゴーアの方は東京には沢山いると思うが、アマオケって運命とか悲愴とかフィンランディアとか超メジャー曲ばっかりやってるんじゃないか・・・と思いがちかと。そう思ってた時期が私にもありました。しかし、私がアマオケのコンサートに行くようになってからの(チラシの束を見た)印象だと、プロオケよりも珍曲をする割合が高い。プロオケは珍曲だと客入らないからなあ。
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ものすごい情報量のプログラムを入り口でもらった(前回もだ)が、もうなんか映画音楽の歴史みたいなのがびっしり書いてあったので・・・お勉強になるなあと。コルンゴルトも写真入りで載ってたけど、コルンゴルトあたりになるとここのオケではメジャーすぎるのかな。今にカルウォーヴィチもそんなふうにメジャーになるといいんだけど。
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各曲の簡単な(簡単すぎる)印象。
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まず、「20世紀フォックスのファンファーレ」より開演。これはCD持ってる。まあたまたまチャールス・ゲルハルト指揮の「スター・ウォーズ」の冒頭に入ってるんだけどね。
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「ベンハー」で有名な、ミクロス・ロージャ(ほんとはハンガリー人だからバルトークと同じように姓・名前の順になる)。映画音楽結構好きだから、サウンドトラック盤的なCDはウチにはあるんだけど、この作曲家のものはない。だもんで、「ベンハー」の「じゃーんじゃーんじゃーん」のイントロしか印象にない。
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ヴィオラ協奏曲っていうのもなんだか・・・地味な感じである。しかもどうも・・・わざわざヴィオラ協奏曲っていうのも・・・なんでヴァイオリンじゃないの?的な。(ずっとかくしてきたけど)ヴィオラ奏者に対するある種の疑問(ヴァイオリンではなくチェロでもなく何故この楽器を選んだんだろう・・・的な)が心に去来して、曲については「オシャレな感じの日本むかしばなし」みたい・・・というふんわりとした印象。(いや、ヴィオラにはヴィオラの面白さがあるんですよ!という返答をその日のうちに3人くらいのヴィオラ奏者さんに聞いたので疑問は解決しております)
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アーノルドは・・・いかにもアーノルドで。ザッツ・英国音楽。一番親しみやすかった。これはいいね。好きだ。
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休息のあと、ニーノ・ロータ。そりゃあもう、映画ファンにとっては数々の名作の音楽を担当してるっていうので有名である。フェリーニの一連の作品、「太陽がいっぱい」「ロミオとジュリエット」「ゴッド・ファーザー」など。あたしは「道」が一番すきだなあ。「ひまわり」は違うのか?と思ったらあれはマンシーニだった。
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今回の3番は親しみやすい、古典的な交響曲な印象。現代音楽の作曲家が「なんか古典っぽい曲書いてみようぜ」的な。プロコフィエフの「古典交響曲」みたいな。なので20分ととても短い。あっというまに終わった。(二週続けてトリスタンの余波か、なんか演奏会がものすごく短く感じた)
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アンコールは「ベンハー」前奏曲。これが一番盛り上がった印象。映画音楽集のコンサートとか行きたくなった(でも大体「アナ雪」とか入っちゃってるよね。そういうのはいいんだ。昔のが好きなのよ私は)
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次回はラングストレムの3番ということで・・・はあ、たぶんまた行かせて頂きます。

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2015年9月20日 (日曜日)

誰がために津波注意報

日曜日なので、録りためた録画で映画でも見ようかな、と思ったらこんなだわ。

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映画史上に残る不朽の名作が・・・(泣) 結局津波はどうだったんだっけ(忘)。

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ドラマ化されるので話題の「あの花の名前なんちゃら」を総集編で観ました(基本的にアニメ苦手なんでずっと見たことなかった)。前後篇ともども感涙いたしましたが、もはや高校生の気持ちにはとてもなれませんので、めんまのお母様のシーンで結構泣けました。ドラマはどうなんでしょうか。「ど根性ガエル」が良かったので、こちらもいいドラマ化になるといいですね、ファンの皆さん。

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2015年9月19日 (土曜日)

美人はつらいよ(・・・らしい)

会社の。前にいた社長秘書さんが親会社に引き抜かれてしまったので、社長秘書のポストが暫く空いていたのだが、1ヶ月前に新しい社長秘書の派遣さんがきた。
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外見はとってもカワイイ。だれに似てるかなあ・・・神田サヤカちゃんかな?あんな感じ。前の秘書さんも可愛い人だったんだけど、ウチは顔で選んでいるのかな?
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でも、前の秘書さんは私んちに遊びに来たり、しょっちゅう飲みに行って愚痴を聞いてあげたりしてたので、今度の秘書さんも仲良くなればいいなあ、と思ってた。
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しかし。私は(このブログで何度も何度も申し上げている通り)大変仕事が忙しいので、彼女と親しくなる余裕なんかなくて。日常業務を教えているだけでせいいっぱい。新しい秘書さんはとてもおとなしく従順な感じの人なので、問題なくうまくやっていけると思ってた。
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で。ある日。
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社内の別の部署の派遣のおねいさん(こちらも鈴木京香似の美人)と昼休みにトイレで遭ったので、少しお話したところ、
「今度来た社長秘書の子、こないだウチの部署で歓迎会をやって、一緒に飲んだですけど、あの子・・・すごい不思議ちゃんじゃないですか?」と。
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なんで他の部署で歓迎会・・・可愛いからか、と思いつつ。
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「えー、そうなんですか?別に普通だと思いますけど。」と言うと
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京香「何かずっと一人で喋っているし、こっちの質問にも全然的外れな答えしか帰ってこないし。私あんな人初めて見ました。」
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私「あ、そう・・・私死に物狂いで働いてるから、まだあんまり彼女と接してなくて・・・。」
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京香「そう・・・それは素敵・・・」
と、不敵な笑いを残してトイレを去る美人派遣社員。
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その日は夜、ウチの部署の飲み会だった。
さあ、お店に向おうと思って社長秘書の子と女子ロッカーで支度をしていると。
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社長秘書「○○課の課長って酷い人ですよね。私ホントに傷ついているんです。あの人何なんですか?」
私(あー、こないだ歓迎会してくれた部署の課長ね)「えー、何があったの?」
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社長秘書「私のこと、ブスとかうざいとか酷い事言われたんですよ。私、ブスなんて言われたことないし、うざいとも思ってないですよ。私ブスですか?」
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私「あなたがブス?全然そんなことないよ。とっても可愛いよ。」
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社長秘書「ですよね。私、自分でもどっちかと言えば可愛いと思っているし、ブスなんて言われたこと一度もないですよ。」
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私「でしょうねえ。全然ブスじゃないもん」
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社長秘書「でしょう?しかも私のママは元ミスユニバースなんですよ。その娘に向ってブスなんて、失礼だと思いませんか?」
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私「え、そうなの。それは失礼だな。」(写真見せてもらったがホントらしい)
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社長秘書「しかもうざいなんて。私ちっともうざくないですよ。私の元彼は芸能人だったんですけど、シルバーウイークなんて芸能人スポーツ大会に行く、なんて言ってたけど、私ちっとも文句なんか言わなかったですよ」
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私(え、芸能人って誰?ジャニーズ?)「えーそうなの」
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社長秘書「芸能人スポーツ大会なんて、ほとんど仕事じゃないですか。それなら仕方ないなあって、文句も言わないでシルバーウィークはお友達と遊んだんですよ。そんな私を、『お前はちっともうざくないなあ』ってって。『そういうお前が好きだよ』って。」
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私「そうだねえ」
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社長秘書「なのに、この私がうざいなんて。あんまり失礼なんで、派遣元に報告したんですよ。注意してもらおうと思って」
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私「え、報告したの?」
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・・・そんな感じでお店に向った。席についてもずっとこんな会話。「私、ちっともブスじゃないですよね。失礼ですよね。ホントに夜眠れないくらい頭に来たんですよ」(しかも彼女一滴も酒が飲めないため、シラフ。なのにマシンガントーク)
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私(え、店に着いてもずっとこの話なんだ。)「そうねえ。でも、本当にブスだったら、ブスとか言わないし。気に入っているからブスとか言うんじゃないの?小学生のいじめっ子とかそうじゃない?」
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社長秘書「そんなことないですよ。それに、部署の派遣のNさん(鈴木京香似)のことは凄い褒めるんですよ。そりゃーNさんは美人ですよ。Nさんは甘え上手なんですよ。でも、私だって可愛いじゃないですか。」
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・・・
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そのあと飲み会の途中で席替えがあり、社長秘書は私の横でウチの部署の独身男子と盛んに喋っている。たまに聞こえてくる「元彼があ」「元彼があ」の単語。ざっと30回くらい聞こえた。でも、独身男子はデレデレ。
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私は別の社員とゴッホの絵画とか趣味のお話をしていたのだが、隣の「元彼があ」が耳にびんびん入ってくるのでついつい私まで「元彼があ」とか言ってしまう始末。
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で。
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うざい!ブス!
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もうね、最終的にはその言葉しか浮かばなかったわあ。美人て大変ね。

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2015年9月13日 (日曜日)

カンブルラン/読売日響  トリスタンとイゾルデ②

1442146044757_1_2ワーグナー: 楽劇『トリスタンとイゾルデ』
トリスタン:エリン・ケイヴス
イゾルデ:レイチェル・ニコルズ
ブランゲーネ:クラウディア・マーンケ
クルヴェナル:石野繁生
マルケ:アッティラ・ユン
メロート:アンドレ・モルシュ
牧童、舵手、若い水夫:与儀巧
指揮シルヴァン・カンブルラン
男声合唱:新国立劇場合唱団
読売日本交響楽団
(サントリーホール)
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<あらすじ>
そもそもトリスタンがモロルトを殺さなきゃ、こんなことにならなかったのに。
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どんだけ好きなんだ。トリスタン。中6日開けてまたサントリーに出かけて行った。一日目より一列前の席で。あれほど悩まされた隣の席の「口ねちょっ」のオジサンにもいなくて、また、一日目の聴衆を怒りの坩堝に陥れた「ブラボーおじさん」に悩まされることもなく、誠によい演奏会でございました。
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考えてみると。
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東京におけるワーグナーの演奏会形式全曲、もしくは舞台上演におけるフラブラというものは、何か上演するたびに最初の公演で起こり、次回はその被害に遭った、またはネット等でそれを知った聴衆が出かけるので、とてもマナーがよい(逆にみんなビクビクして静かすぎる)ことが多い。そう思うと、「一回目は避けて二回目に行った方がいいんじゃね?」と、今日は思った。あのフラブラ野郎は一回目の公演に来るようなきがする・・・・いつも同じ人なのかは不明だが。
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そんなことを考えるほど、我々ノーマルなワグネリアンはフラブラおじさんに怯えているのであった。そもそもなんでワーグナーばっかりなのか不明。
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さて。
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一回目も二回目も、代役イゾルデのレイチェルさんの株は上がりっぱなしだ。そもそも日本ではBCJでのソリストをしていた方らしいので、バッハも歌えばイゾルデも歌うのか!とちょっと驚いた。考えてみるとバリバリワグネリアン・ソプラノのニルソンやヴァルナイがマタイ受難曲やらバッハの声楽曲のソロを歌うとこを想像すると・・・想像しにくいので、レイチェルさんはとても柔軟性のある歌手なんだろうな、と思った。一回目の一幕目聴いた時点では「え、これがイゾルデで大丈夫なの?」って思ったけど、二幕目くらいから「いいかも!」って思ったし、本日二回目はホントに素晴らしくて、やっぱりベーレンスを思い出したよ。高音はどこまでも美しく、声もちっともブレがない。少女らしさもあるのに、ちっとも非力でないの。
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そう思うと、そもそもの本家シュトゥットガルトではどんなイゾルデだったのか気になるでしょ?
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ということで、シュトゥットガルト公演の映像がちょっとだけ見られるサイトを見つけた。まあ、映像で聴く限り、イーヴェンさんはワーグナーよりはマルシャリンとかアリアドネ向きの声な感じ。ネットでの音声じゃよくわからんけどね。クライバー盤のマーガレット・プライスを思い出す(外見も声も)。演出はなんか・・・微妙。こんなだったら演出なしの東京での演奏会形式のほうがいいかも。
http://www.dctp.tv/filme/oh-wonne-voller-tucke-newsstories-17122014/
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本日のトリスタンは先週よりは頑張ってた感じ。このトリスタンを見て「イマイチ」と言っちゃう日本人ってお耳が肥えてるなあ。あの伝説のびわ湖トリスタンを見聴きした聴衆だったらもう、トリスタン役を全部ちゃんと歌えてるだけでどんだけ有難いか。新国立でのステファン・グールドを求めてはいけない。あれは現代東京における奇跡だから。
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演奏については一回目の感想を見ていただくとして(逃)。読響さんは一回目よりこなれていてより素晴らしかった。相変わらず、第3幕の牧童の吹いてる設定のシャルマイのソロ(イングリッシュホルン)は前回同様、ものすごくうまい。しかし・・・私はこのソロが始まったとたんに「瀕死のトリスタン」から昨日見た「瀕死のぴょん吉」を突然思い出し・・・そうよ、ドラマ「ど根性ガエル」を見て、ぴょん吉がシャツからはがれて(死んで?)しまったのを見て号泣したのを思い出し、また涙が止まらなくなってしまった。もうそこからは、トリスタン=ぴょん吉、クルヴェナル=ひろしになってしまい、何てひろしはぴょん吉を愛しているの・・・と涙がまた溢れた。
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ごめんなさいくだらなくて。
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で、最後のイゾルデの愛の死はびっくりするくらいテンポが速くて、一回目よりもよりさらりとした演奏であった。相変わらずレイチェルさんは神々しい歌唱だったけど。彼女の本当の舞台でのイゾルデが観てみたいな。今回の歌唱でも、ちょっとした表情とかがとっても魅力的だったもんで。ええ、とってもチャーミングよ。
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第一幕が終って、ワーグナー独特の「はいやは~」な世界に「もう本当に素晴らしい。ここはドイツか」とか思いながらホールの外の空気を吸うために出て見ると、カラヤン・プラッツでは秋祭りをやっていておみこしを担ぐ人々の「そいやそいや」の掛け声が聞こえるので「やっぱりここは日本だ」と現実に引き戻された次第。
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↓サントリーの噴水前にあったオブジェ。なんかわからんけど綺麗だった。
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2015年9月 6日 (日曜日)

カンブルラン/読売日響  トリスタンとイゾルデ①

ワーグナー: 楽劇『トリスタンとイゾルデ』
トリスタン:エリン・ケイヴス
イゾルデ:レイチェル・ニコルズ
ブランゲーネ:クラウディア・マーンケ
クルヴェナル:石野繁生
マルケ:アッティラ・ユン
メロート:アンドレ・モルシュ
牧童、舵手、若い水夫:与儀巧
指揮シルヴァン・カンブルラン
男声合唱:新国立劇場合唱団
読売日本交響楽団
(サントリーホール)
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<あらすじ>
みんな死ぬ、みんな。 byマルケ王
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待ちに待った、トリスタン。これとラインとダナエのために生きてきたようなもんだ今年は。
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しかし。しかしだな。
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指揮者カンブルランについてはやや懐疑的だった。わたし、トゥランガリラしか聴きに行ったことないし。フランス人だし。もしかして気の抜けたビールみたいな演奏になるかもしれない。いやいや読売日響さんだって、こないだのマーラー酷かったもん(わたし的に)。
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でも。歌手がいいので、声を聴く分には文句ないな、と思ってた。
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クルヴェナールで既に2回聴いてる石野さんと、バイロイトで素晴らしかったマーンケ(無論、ラジオでしか聴いてないけどね)、韓国の伝統芸バスのユン、いつもいい声を聞かせて頂いてる与儀巧さんも。
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指揮がちっとくらい気に入らなくても、1万2千いくらだったら、お買い得なくらいよ。
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しかし、今日の演奏は予想を大きく上回るいい演奏だった、オケ。カンブルランの指揮もすごいよかった。踊ってた。読響も本気だった。新国立の飯守パルシファルの時の東フィルと張るくらい凄い演奏だった。
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カンブルランの指揮の方向性としては、大好きな飯守さんとか何年か前に聴いたバレンボイム(そもそもはフルトヴェングラー)とは正反対。どっちかっつーとC・クライバーに近いかなと。早めのテンポ、この曲にありがちなデモーニッシュな感じやねっとり感は皆無。
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カンブルランは本拠地シュトゥットガルトでこの曲を振ってるから、おそらく歌手とのバランスとかを非常に気を遣って、決して声をオケが覆わないようにしてるのだと思う。なので、どんなにトリスタンが調子が悪くとも(いや、そもそもあんなもんなのかもしれんが)、聴こえなくなったりはしなかった(まあ、私は一階席前から10番目だったので大体はよく聴こえたんだけど)。やや薄めのオケ、とは思いつつもこれはこれでいいなと。
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今回は演出はぜんぜんなし。「演奏会形式」と言いながら最近はなんかしらの演技とか照明やら背景に映像とかアニメとか?を上演するのが多いんだけど、今日はそんなのなかった。でも、それが一番いい。トリスタンはオケが雄弁だから、字幕さえあればいいの。わたしなんかもう、生トリスタン10回目くらいだから、字幕さえあんまり見てないけど。
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しかしまあ。
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トリスタンを生で聴ける幸せは、何物にも代えがたい。「またトリスタン??もうアンタ何回目よ」とか言われるけど(おととい友人に言われました)、もうこれは一種の病気みたいなもんで、とにかく日本でやってくれるのであれば、ぶっ飛んで行くのである(新幹線で行ったことあり)。登場人物に誰ひとり共感できなくとも、そんなこと関係ないのである。
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前奏曲から愛の死まで、とにかく幸福感でいっぱいだった。となりのおっさんのたまに聴こえる「ねちょっ」という口を開く音が気になったのと(ごめん、ワーグナーの時以外はそういうのはあんまり気にしないんだけど)、どっかのおっさんのいちいち幕切れに起こるフライングブラヴォーの奇声以外は、とても有意義な演奏会でした。来週このおっさんたちに出会わないことを祈るばかりだ。
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歌手。(トリスタンはアメリカ人、イゾルデはイギリス人、ブランゲーネはドイツ人、クルヴェナールは日本人、マルケ王は韓国人という、第二次世界大戦?のような布陣。音楽の世界は平和で素晴らしい。)
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イゾルデ。そもそもの人が病気とかで代役の人が歌った。そもそもの人は写真で見る限りドイツ人重量級イゾルデな印象(写真で想像するのもなんか違う気がするけど)。代役レイチェルさんはちっともイゾルデっぽくない外見(どっちかっつーと髪形からバーバラ・ボニーみたいな印象)だったし声も重量級ではない。イギリス人イゾルデというとクライバー盤のマーガレット・プライスを思い出すけど、アレとも違う。声だけだったらベーレンスに近いかも(そっくりではないけど)。「イゾルデは恋する少女」というそもそもの設定からは外れてない、しかも声量はあるしかなり良かった。好きだな。
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トリスタン。そもそもあまり期待してないので、最後までちゃんと歌えれば「可」としている。今回は他の歌手があまりに素晴らしすぎたので、ちょっと点が厳しくなるのは仕方ないけど、いやトリスタン役は本当に大変なんですよ。全世界でも現在トリスタン歌える人って2~3人じゃないの?
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ブランゲーネ。安定感半端ない。第一幕など初めてこの曲聴く人が「こっちがイゾルデ?」って勘違いするんじゃないかなって思うほどの存在感。C・ルードヴィヒみたいに、イゾルデ歌ってみたらどう。
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クルヴェナール。フルトヴェングラー盤ほど若すぎず、C・クライバー盤ほどジジイ過ぎず、ちょうどいい(男の色気溢れる)クルヴェナール。もう、世界一だ。ただ・・・この役でさえ歌うとこ少ないと感じる。グンターとか聴いてみたいわ。

石野さんとユンさんの異父兄弟役!
https://youtu.be/CvjoBXpZ6X0
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マルケ王。オペラ見たことない人にこの人の声を聞かせたい。これ、マイクなしなんですよ。オリンピックレベルのデカ声。韓国とかモンゴルとかなんでこんなに高レベルのバス歌手多いの。
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メロートの人、ちょっとかっこよかったなあ。
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チョイ役全部やった与儀さんはいつも素晴らしい。つか、これらの役でしか聴いたことないんだけど(すいません)。
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男性合唱は新国立だから当然素晴らしい。合唱指揮はこないだマーラー7番で聴いた冨平さんだったよ。
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「あー、今日はワーグナーをバケツ10杯くらい頭からかぶったような日だった~。びしょびしょ~、でも幸せ」とか思ったら、帰り道に本当にバケツ10杯くらいかぶったようなゲリラ豪雨に遭った。でも幸せ。

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2015年9月 5日 (土曜日)

青ひげ公の城 新日本フィル

バルトーク作曲 ピアノ協奏曲第3番
バルトーク作曲 歌劇『青ひげ公の城』op.11(演奏会形式)
新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:デリック・イノウエ
ピアノ:小菅 優
青ひげ:アルフレッド・ウォーカー
ユディット:ミカエラ・マーテンス
(9月4日すみだトリフォニーホール)
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仕事を定時で終えて、とっとと参戦。会社から一番近いホールすみとり。しかし定時で終わることはほとんどないため、意外とウィークデーに行くことは少ない。
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今回はオール・ベラちゃんプロ。まあ・・・客入らんがな。
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一曲目はピアノ協奏曲。天才ピアニストと名高い小菅優さんが登場。なんと初めて聞く。もう、出てきてからなんというか天才のオーラ醸し出してる。個性が爆発しているような服・・・あれは誰がデザインしてるんだろう。彼女にしか着こなせない。
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さすがにピアノはうまい。指揮者よりもオケを引っ張っているような感じ。曲はなんか難しそうだ(弾くのも聴くのも)。そういえばゲザ様フリッチャイ盤しかウチはない(しかもあんまり聴いてない)。万雷の拍手にこたえアンコールもバルトーク。ハエ。
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休憩終って、ワタシ的にメインの青ひげ。
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<あらすじ>
おっさんの財宝や領土に目がくらみ、4人目の妻にされるバカな女の話。
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バルトークのオペラより、一般的には演劇や舞台でよく演じられる題材という印象の青ひげ。私は子どもの頃よりこの曲はショルティ指揮とシルビア・シャーシュ主演の映画で親しんでいた(何回か教育で放送したので)。しかし残酷な内容はどう考えても子供向きではないなあ。
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独唱者はハンガリー人ではない模様(二人ともメリケン?)。ハンガリー語は大変だろうに、ちゃんと素晴らしく歌唱されており。でも間違っても全然わからんのだが。遠いアジアの島国にはそんなにハンガリー人がいるとは思えないし。ハンガリー料理屋もあんまりないしね。グラーシュ美味しいのに。
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オケの後ろ、舞台後方に簡易舞台が設けられていて、ヘンな安っぽいテーブルセットと花瓶のバラ。こんなもんいらんだろ、とは思ったものの、どうしてもバラの花は演出上必要だったのだろう。苦肉の策。演奏会形式といいながら、かなり演技は行われる模様。
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青ひげのバリトンは黒人さんで、「いかにも歌うまそう」な容姿である。ヒロインのユディットのメゾは素敵な金髪の持ち主の白人で、いかにも大きな声が出そうな体型。
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いやまあ、バンダや後半にはパイプ・オルガンも登場する巨大オケにも負けない程の巨大な声で(とくに女の人スゴイ)。阿鼻叫喚の叫びを聴いているうちに、これってラブストーリーなんかじゃなくて、異種格闘技みたいだなと思った。男と女、黒人と白人の、血で血を洗う果たしあいのような。新日本フィルじゃなくて、新日本プロレスのようだ。
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とくに5つめの扉?の巨大な領土に驚くシーンのオケとそれに叫び声を上げる女性歌手の声はびっくらこいた。一階席の前から12番目だったんだけど。
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というわけで券はどうも売れてない感じだが、本日(土曜日)も上演されるようなので、「エレクトラ」とか「影のない女」なんかお好きで、この手の巨大オケ&超ドラマティック歌手の声に圧倒されたい方は是非お出かけされることをオススメする。もしかして、明日行く「トリスタン」より主役うまかったらどうしようとか思ったりもする。
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たまたま横の席だった(奥さんと来てた)知らないおっさんが、「青ひげ公」の演奏始まって3分くらい経って「あ、オペラか」と発言したもんで、持ってたプログラムをぶん投げそうになった。気付くの遅いよ。

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